海外旅行でホテル予約サイトを賢く使う

予約サイトでホテルを予約して海外旅行に出かける方が増えています。旅行会社に依頼するより安く、サイト上の豊富な選択肢から選ぶこともできて便利です。

ここでは、ホテルを予約サイトで予約して、ホテルでの滞在を安全に快適にするために、予約時のチェックポイントをご紹介します。

☆安全面のチェック方法

どの国、都市でもまず気になるのが安全面です。3つの点で安全面をチェックしましょう。
①ホテルの周辺の治安は良いか
②ホテルの出入口で襲われることはないか
③ホテルの出入りがきちんとチェックされていて、不審者が部屋の前まで入り込むことはないか

1. ロケーション(ホテル周辺の治安)

現地での移動はすべてタクシーでホテルの前まで着けられる方は別として、観光スポットや最寄りの公共交通機関の駅、バス停からホテルまでの安全は重要です。

予約サイトの地図とガイド本を照らし合わせて、周辺がどのようなところか確認しましょう。

繁華街、商業地にあれば安全度は高いです。一方で、夜間に周囲の騒音に悩まされる可能性が高くなりますので、繁華街、商業地のホテルを選ぶ時は、「通りに面していない部屋」をリクエストしましょう。

値段が安いからといって、街の中心から離れたところにあるホテルを選ぶのは安全面では得策ではありません。バス停や駅の目の前でも、夜間にホテルに戻る際は注意しなければなりません。

2. ホテルの入口

入口が一日中人通りの絶えない通りに面していれば安心です。ネフスキー大通り

これも予約サイトとガイド本の地図を照らし合わせて確認しましょう。念を入れるには、Google Mapのストリートビューも見たほうがいいでしょう。筆者がいつも利用しているBooking.comの地図上のホテルの位置はたまに間違っています。

ホテルの入口が裏路地にあったり、通りから建物の中に入った先にある場合は要注意です。細い路地のホテル

ひったくりや強盗が起きやすい場所です。夜のイベントに出かけて、人通りの少ない時刻にホテルに戻る予定がある場合は、このようなホテルは避けたほうがよいでしょう。

3. フロントは24時間対応か

常にフロントに人がいるホテルは、不審者が入ろうとしてもチェックできますので、比較的安全と言えます。ホテルのフロント

予約サイトに「24時間対応フロント」と記載があれば、必ずとは言えませんが、フロントにスタッフが常駐している可能性が高いです。

4. 大規模な有名チェーンホテルは安全か

特に治安の良くない都市に泊る場合ですが、値段は高くても大規模な有名チェーン にすれば安全と言われることがあります。しかし、これは必ずしも正しくありません。

大規模ホテルでは、ロビーや部屋の入口の物理的なセキュリティは充実していますが、フロントに常時人がいても、宿泊者の顔を把握していないことが多く、不審者でもフロントの前を通り抜けてしまいます。

家族経営で宿泊キャパが小さいホテルのほうが、フロントの係員が宿泊者の顔を覚えていて、不審者がホテル内にいればすぐに気づくことができます。

ドロボウたちは捕まるリスクを負って犯罪をはたらくので、リターンを高くするには、安ホテルより金持ちが泊まっていそうな高級ホテルを狙うでしょう。

海外での宿泊では、高い宿泊料金を払えば安全が手に入るとは限らないと認識しておきましょう。

☆滞在前後に荷物を預かってもらえるか

チェックイン時間前に到着して観光したい場合、または、チェックアウト後もその街を観光したい場合は、フロントで荷物を預かってもらいたいですね。

たいていのホテルではOKですが、念のために予約サイトで「荷物預かり可」になっているか確かめましょう。

可であっても、フロントが24時間対応でない場合は要注意です。荷物をピックアップしたい時間にフロントに人がいるか確認しましょう。チェックイン・アウト時間に入っていればOKです。

☆入口がわかりやすいか

有名なチェーンなど大規模ホテルはどこから見ても目につく大きな看板を掲げています。大規模でなくても建物まるごとひとつのホテルになっているところは、どこから入ればよいかすぐわかります。ブカレストレンブラントホテル

しかし、中小規模、特に、個人経営のホテルは目立たないところに入口があることがあります。特に、大きなビルに店舗が複数入居していて、そのひとつがホテルになっているところです。

欧米では、日本の雑居ビルのように、入口がひとつで、フロアごとの入居企業・店舗の名称が入口に大きく掲げられていることは少ないです。そのようなホテルは地図を見て近くまで来ても、どこから入っていいのかがわからなくなります。

予約サイトに載っている写真に、看板のある入口やホテルのある建物全体が写っていれば安心ですが、ない場合は、クチコミをざっと見ましょう。「入口をみつけるのに苦労した」、「ホテルの看板がなかった」といった記載があるホテルは避けたほうがよいでしょう。

また、1階が飲食店で、2階以上がホテルになっているところは、飲食店のレジ、または、奥まったところがホテルのフロントになっていることがあります。このような場合は、当日チェックインをどこですればよいのかがわからなかったり、担当者が飲食店員を兼ねていて、手が空くまで待たされたりすることがありますので、旅行者にとってはめんどうです。

予約サイトには明記がない場合がほとんでですので、クチコミから探すしかありません。

☆自動チェックインはトラブルのもと

ときどきあって、最近は少しずつ増えていますが、チェックイン/アウトを対面で行わないホテルがあります。

チェックアウトは問題ありませんが、チェックイン時にフロントに人がいないと、さまざまなトラブルの元になります。

部屋の鍵の使い方は国によって様々あり、慣れていないと部屋の開け閉めができないことがあります。そもそも、鍵のありかがわからなかったり、ホテルのある建物に入れなかったりすることもあります。そうなると、早くホテルに荷物を置いて観光に出かけたいのに、チェックインで時間を無駄にすることになります。

予約サイトでは、どのようにチェックインできるのかを必ず確かめましょう。チェックインしたい時間にフロントに人がいないホテル、「オートチェックイン」の記載があるホテルは避けたほうがいいでしょう。

☆部屋からの眺め

ホテルの部屋から何が見えるかも滞在の満足度を左右します。↓筆者が数年前に泊ったパリのホテル自室からの眺めです。ノートルダムとビール

予約サイトの「・・・・・ビュー」の表記を確認しましょう。

予約サイトにはっきり書いていなくても、その街のランドマークや歴史的建造物に隣接するホテルでは、それらを眺められる部屋があることもあります。

☆支払方法

予約サイトでは予約の時にクレジットカード番号を入力させられます。多くの場合、これはデポジットと言って、予約保証のためで、現地であらためてカードを提示して支払を行う必要があります。

ただし、予約時のクレジットカード番号入力で、宿泊料金全額がチャージされることもあります。つまり、キャンセルしても全額戻ってこないということです。

予約時には、キャンセル条件を確認しましょう。キャンセルできるところは、宿泊の何日前、またはXX月YY日QQ時RR分まではキャンセル無料との記載があります。

☆付帯サービス

予約サイトに記載のサービスを確認しましょう。空港までの送迎などです。また、夜間に飲み物、軽食類が入手できるかは重要です。ないホテルでは、ホテルに戻る前に外で買っておく必要があります。海外のホテルでは、館内の飲料の自販機はめったになく、24時間営業のコンビニが普及しているところは少ないです。

☆ホテルの値段について

① 値段は大きく変動する

ほとんどの国で、ホテルの値段の変動幅は日本より大きいです。
・観光シーズンとオフシーズン
・平日と休日
でホテルの値段は大きく異なります。

② 直前ほど安くなる

観光地でもビジネス街でも、宿泊直前には安くなります。これは日本と同じです。空いていれば、前日、当日に大きく値下げされることもあります。

ホテルの部屋数の供給が十分にあって、満室にならないことが明らかな場合は、ホテル予約を直前にしたほうが安くあげられます。

③ 一人泊は割高になる

日本では一人あたりの値段が提示されますが、海外では一部屋あたりの値段です。したがって、ツイン/ダブル部屋に一人で泊っても二人で泊っても値段は同じであることがほとんどです。

④ メッセなどのイベントにご注意

メッセ(見本市)や大きなスポーツイベントが開催される日には、その都市の宿泊料金が大きく跳ね上がります。倍額どころか4倍5倍もあります。そもそも空室がなくなることもあります。

旅行を計画する時に、このようなイベントにぶつからないように注意する必要があります。

☆オーバーブッキングに備える

海外の予約サイトや日本の大手旅行会社のサイトでホテル予約しても、そのホテルにチェックインしようとした時に、オーバーブッキングのために泊れませんと言われることが稀にあります。

現地ホテルは、手数料が抜かれる予約サイトの客より、自分たち自身で集客した客を優先しているからです。

この場合、宿泊を断ったホテルが、同じ価格帯の代替ホテルを紹介してくれることがほとんどですが、そのホテルは遠く離れていることもあります。代替ホテルまでは車で送ってもらえるとしても、その後、観光スポットへの行き帰りは自分で足を確保しなければなりません。

対策としては、各種イベントなどのためにホテルの需給がタイトな時は、複数のホテルが集まっているエリアを選んだほうがいいでしょう。

オーバーブッキングで代替ホテルを提示された時に、それを受けるか決めるのしばし待ってもらって、近所のホテルに空きがないか探すことができます。

☆おしまいに

この記事では、安く泊まるだけでなく、海外旅行のホテルでの滞在をより安全に快適にするためのコツをご紹介しました。

海外旅行のホテル予約で使うサイトで、全世界的に展開されているのは、Expedia、Booking.com、Agoda、Hotels.comの4つです。

値段が安ければよいという方は、これらのどこがお得かという価格面の比較情報が載っているサイトは数多くありますので、そちらをご覧ください。

みなさん、安全で快適な旅を!