中世の玉手箱、エストニアのタリン

エストニアの首都タリン。
なんてかわいい街なのでしょうか!
タリンの「中世の玉手箱」と言っていいようなかわいい旧市街は、ヨーロッパでは人気の観光地になっています。ユネスコの世界遺産にも指定されています。

日本では観光地としてはまだメジャーではありませんが、タリンは意外にも日本からの一番近いヨーロッパの中世なのです。

☆タリンへのアクセス

タリンはヨーロッパ北部、バルト海に面しています。なんだか遠そうな印象もありますが、意外と日本からのアクセスは良いのです。

日本から直行便が飛んでいるヨーロッパ主要都市の中では最も近いフィンランドの首都ヘルシンキから船で最短1時間40分で、タリンに到着です。

日本を朝11時ころに出発すると、夕方にはタリンに居られるのです。

☆城門をくぐって中世の世界へ

タリンの旧市街を囲む長さ1.9kmにおよぶ城壁は今も中世の姿を残したまま残っています。城壁には見張り塔が点々と建ち、2つの門があります。

船で到着して、城門のひとつ「ふとっちょマルガレータ」をくぐって街に入ると、そこは中世ハンザ都市の世界。タイムスリップ感を味わえます。

☆街は2つに分かれている

まずは、展望台から地図を見ながら街全体を俯瞰しましょう。

街にはゴシック調の尖がった教会がいくつもありますが、そのひとつ「聖オレフ教会」は、長大な塔の石階段を登って、屋根の上に出られます。足場が狭く、カメラを持つ手が震えますが、180度のパノラマを堪能できます。タリン聖オレフ教会

街は大きく2つに分かれています。

港から近い下町は、中世の時代、市民たちが中心だったのに対して、下町を見下ろす丘の上には、支配者や貴族たちが居を構えました。

手前が下町、その向こうに丘が見えます。タリン教会から丘を望む

歩いてみると、街並みが微妙に違います。

☆ラエコヤ広場を中心とする旧市街

中世の昔から街の心臓部で、ここから各方向に幾筋もの路地が伸びています。観光客で賑わい、みやげもの屋やレストランのオープンテラスがずらりと軒を連ねています。

ゴシック様式の旧市庁舎が広場に面してます。14世紀に建造された八角形の壮観な聖霊教会も近くにあります。

石畳の小道を歩きまわるのも楽しみです。右に左に様々な形、色の建物が次々にあらわれます。お店をいろいろのぞいてみるのも一興です。歩き疲れたらカフェで一休み。タリン石畳の小路

☆丘の上へ

支配者や貴族たちが居を構えた丘には、エストニア屈指の要害だったと言われるトームペア城があります。その近くには展望スポットがいくつかあり、赤屋根の可愛らしい街並み、ところどころにそびえるゴシックの塔、旧市街を取り囲む城壁と見張り塔、その向こうのバルト海が一望できます。タリン丘の上から

丘の上では、比較的新しい19世紀に建築が始まった、ロシア正教のアレクサンドル・ネフスキー大聖堂 の威厳ある佇まいも見どころです。帝政ロシア時代の権威の象徴です。タリンロシア正教会

☆おしまいに

エストニアは旧ソ連の崩壊後に独立したバルト3国のひとつで、IT先進国として知られています。スカイプはエストニアで生まれました。最近では、電子政府やキャッシュレスなどのテーマで日本から視察に訪れるビジネスマンが増えています。

エストニアの首都タリンはハンザ都市として栄えた13世紀以来の街並みがよく保存され、タリンの小さな旧市街には中世の魅力がぎっしり詰まっています。

ヘルシンキから日帰りで訪れる観光客が多いですが、できればタリンに一泊して、足の向くまま気の向くままに旧市街を散策して、あなただけのすてきな中世をみつけられてはいかがでしょうか。