白夜のサンクトペテルブルク

ロシア第二の都市、サンクトペテルブルクは広いロシアの中でも最も西ヨーロッパ近くに位置しています。

白夜の季節は夜遅くまで、歴史を感じる堂々とした建築物に囲まれた街歩きを楽しめるとともに、美術や音楽にどっぷり浸れる魅力的な街です。

サンクトペテルブルクは水の都。
街の中心街を取り囲むように流れるネヴァ川と縦横にはりめぐらされた運河をクルーズ船が行き交います。ネヴァ川と船

サンクトペテルブルクの中心「冬の宮殿」はネヴァ川のほとりにどかっと建ってます。ネヴァ川と宮殿

今は大部分が「エルミタージュ美術館」となっていて、ロマノフ王朝と革命後の政府が収集した数多くの美術品を展示しています。エルミタージュ美術館展示室

元々が宮殿なので、内部の装飾など建物としても見どころたっぷりです。入っていきなり、ヨルダン階段の豪華絢爛さに圧倒されます。エルミタージュヨルダン階段

通路の側面、天井の装飾も見事です。sdr

空中庭園。エルミタージュ空中庭園

宮殿=エルミタージュ美術館の正面は広大な広場になっています。冬の宮殿広場

白夜の中のライトアップもすてきです。
(2018年7月4日の日没から約30分後)白夜の冬の宮殿広場

サンクトペテルブルク随一の観光スポットだけあって、観光客が集中します。入るのに長蛇の行列です。sdr

現地の観光業者さん曰く、「混んでいるのがイヤだったら、冬に来てください」。

エルミタージュ美術館からネヴァ川を挟んで向こう側にあるのが「ペトロパヴロフスク」要塞。ペトロパヴロフスク要塞

サンクトぺテルブルクをほぼ東西に走るネフスキー通りが街のメインストリート。歴史を感じさせる建物が建ち並びます。これはデパートや飲食店が入ったビル。ネフスキー通りデパート

夜は多くの建物がライトアップされます。白夜の季節は空が真っ暗になりません。 白夜のネフスキー通り

18世紀後半にサンクトペテルブルクを大きく発展させたエカテリーナ2世の像。背後の建物は劇場です。エカテリーナ2世像

夜になると幻想的。エカテリーナ2世像夜

「血の上の救世主教会」は20世紀初頭、ロシアの近代化を進めながら暗殺されたアレクサンドル2世の暗殺現場に建てられました。いかにもロシアって感じの教会建築です。血の上の救世主教会

カザン大聖堂は19世紀初頭の建築。ローマバチカンのサン・ピエトロ大聖堂みたいにしたかったそうで、ロシア正教の教会にしては珍しい長い回廊を左右に広げています。カザン大聖堂

白夜に浮かび上がるイサク聖堂。日没から約1時間半後の様子です。白夜のイサク聖堂

マリンスキー劇場のメインホールはヨーロッパ伝統の馬蹄形の造りです。連日、オペラやバレエが上演されます。マリンスキー劇場

サンクトペテルブルクは18世紀初めに荒れ果てた沼地だったところに一から人工的に作られた都市です。西ヨーロッパの主要都市(パリ、フィレンツェ、ローマなど)のような長い歴史があるわけではありませんが、どっしりした建築物に囲まれながら歩いていると、実際よりはるかに長い時の流れを感じます。

筆者は7月初旬の白夜の時期に訪れましたが、日没は10時30分頃で、メインストリートは夜中まで人通りが多く、バスや地下鉄も運行していて、薄暮の空にライトアップされた古い建物を観ながらの街歩きは愉快でした。

日本からサンクトペテルブルクへは西ヨーロッパ主要都市より近く、ロシアの玄関口モスクワだけでなく、直行便が1日2便飛んでいるヘルシンキから300kmで高速列車(所要約3時間)や船(所要13~15時間)でのアクセスが良いのでお薦めです。