海外旅行でクラシック音楽を楽しむ

クラシック音楽は日本でも聴けますが、旅先の歴史を感じさせる劇場でオペラを観たり、著名な楽団を本拠地で聴いたりするのは格別です。同じ楽団の来日公演よりチケット代がはるかに安いというのもあります。

日本で最も人気のあるオーケストラ、ウィーンフィルの本拠地は黄金色に輝きます。
Wienムジークフェライン

ヨーロッパには建物としても魅力的な劇場がたくさんあります。パリのオペラ座(ガルニエ)の豪華絢爛な内装には圧倒されます。

ガルニエの内装

オペラの殿堂、ミラノのスカラ座の天井桟敷席では安値で本場のイタリアオペラを楽しめます。最も高価な席の10分の1以下で、1000円台の時もあります。ミラノスカラ座桟敷席

たいていの劇場には、立ち上がらないと舞台全部は見えない安値の席があります。ふだんはクラシック音楽は聴かないけど、せっかく本場に来たんだから、劇場の雰囲気だけでも味わっておきたいという方にはお薦めです。

海外(特にヨーロッパ)では、劇場やコンサートホールに出かけてクラシック音楽を楽しむのが、地元の人たちにとって身近な日常の楽しみとして根付いていることが多いです。訪れた街の日々の営みに触れるのも旅の楽しみのひとつです。

☆劇場やコンサートホールだけではない

ヨーロッパの古い教会、宮殿ではときおりコンサートが催されます。豪華な内部装飾、厳粛な天井の宗教画などを眺めながらクラシック音楽を楽しむのは、旅の忘れがたい思い出になります。

これはイタリア、ベネチアの教会での室内楽コンサート。
ベネチア教会コンサート3

オーストリアのグラーツの宮殿でのコンサートでは、ウェルカムワインがふるまわれました。

Palais Attems内部

詳しくは ⇒こちらへ

☆チケットはどうやって買うか

主催者のHPで買うのが基本です。ほぼすべて英語対応しています。なるべく安く、上手に買う方法をご紹介します。
こちらへ

☆オペラで言葉がわからないでもだいじょうぶか?

最近は字幕が出る劇場が増えました。基本的に劇場がある国(または都市)の公用語が舞台上部のモニター、または、前の席の背面に表示されるのですが、英語が並んで表示されることもあります。
↓これはウィーン国立歌劇場。英語とドイツを選択できます。演目によっては日本語もあります。ウィーン国立歌劇場字幕

2018年に筆者が訪れたモスクワのボリショイ劇場では、ロシア語と並んで英語の字幕も出ました↓ボリショイ劇場の字幕

その場の雰囲気を味わうだけなら、言葉はわからなくてもだいじょうぶですが、ストーリー展開を理解しながら観たい場合は予習していったほうがいいでしょう。

☆ドレスコードは?

海外で音楽を聴くことを敷居高く感じる理由のひとつですが、結論から言うと、ドレスコードはあまり気にしなくていいです。

着飾ってくるのが暗黙の了解になっているところは例外的です。短パン、Tシャツ、汚い服でなければ基本的にOKと言ってよいでしょう。

欧米の劇場は、地元の人たちの社交場になっているところが多く、特にチケット価格が高いエリアほど、女性はドレス、男性は上着着用の比率が高くなる傾向にあります。そのようなエリアの席を買った時は、周囲から浮かないように気を使ったほうがいいでしょう。

夏の気温が高い時期は、無理してネクタイはしないほうがいい。地元の上着着用の男性でもネクタイはしてないことが多いです。

☆夏の音楽祭

ひとつの街、地域で一定期間まとまって音楽イベントが開催されることがあります。6~9月が多く、夏休みに開催都市に長期滞在して、音楽にどっぷり浸るのが、欧米の人たちのちょっと贅沢な楽しみになっています。

モーツァルトの生地、オーストリアのザルツブルクの夏の音楽祭、イタリアのヴェローナの古代円形劇場で野外オペラが上演される音楽祭などが有名です。

ここでは筆者が訪れた音楽祭をいくつかご紹介します。

イタリアのオペラ作曲家ヴェルディを堪能する音楽祭
こちらへブッセート Rocca Pallavicino

 

 

 

 

オーストリアのいなかの教会、宮殿でのんびり音楽に浸る。⇒こちらへOssiach修道院全景

 

 

 

 

ロンドンの夏はプロムス(Proms)。気軽に安価にクラシック音楽。
こちらへRoyalAlbertHall内部

ブルガリア個人旅行ガイド

ブルガリアと言えば日本ではヨーグルトの印象が強いですが、見て、歩いて、食べて、いろいろな魅力のある国です。日本ではあまり知られていないブルガリアの見どころと、個人で旅するコツをご紹介します。

☆ブルガリアはどこにある?

ブルガリアはヨーロッパの東南の端、バルカン半島にあります。トルコとギリシャの北に位置し、東は黒海に面しています。

☆バラの国、ブルガリア

ブルガリア中央部を走るバルカン山脈の南の谷は、バラの産地として有名で、バラの谷と呼ばれています。Kazanlakバラの花

バラ摘みの時期5,6月には、バラの谷ではバラの収穫を祝うバラ祭りが行われます。

その中でも大規模なのは、バラの谷の中心の街、カザンラク(Kazanlak)。郊外ではバラ摘みイベント、街の中心では。バラをたくさん積んだ車や、民族衣装を着た人々のパレードが行われます。Kazanlakばらふぶき

詳しくはこちらへ⇒ブルガリアのバラ祭り

☆ブルガリアの古代遺跡

今のブルガリア人の90%はロシアなどと同じスラブ系ですが、古代以来、様々な民族が往来し、支配体制も変遷してきました。

紀元前に今のブルガリアの地に住んでいたトラキア人が残したフレスコ画がカザンラクに残ります。世界遺産に登録されています。Kazanlakトラキア人

古都プロヴディフに残る古代ローマの劇場跡。 Plovdivローマ劇場

首都ソフィアでは、古代の遺跡が地下鉄工事の際に偶然見つかりました。駅の改札口と遺跡が隣り合ってます。Sofiaセルディカ遺跡

☆東方正教の宗教遺産

中世にはビザンチン帝国の支配下だった時代が長く、今もブルガリア人の宗教の9割は東方正教(ブルガリア正教)です。

ブルガリア1大きいソフィアの「アレクサンダー・ネフスキー寺院」は比較的新しい19世紀の建造です。 Sofiaアレクサンダー・ネフスキー

内部は荘厳な雰囲気で充ちています。Sofiaアレクサンダー・ネフスキー内部

ソフィアの南約65kmの山奥にひっそりたたずむ「リラの僧院」はブルガリアNo1の観光スポット です。Rila僧院

日本で言えば高野山みたいなところです。
修道院の外壁をうめつくすフレスコ画に目を奪われます。Rilaフレスコ画

ソフィアから日帰りで訪れる観光客がほとんどですが、朝夕の静けさの中で、ブルガリアの精神文化をじっくり味わうには、この中の僧院か近くに泊るのもいいでしょう。

リラの僧院については⇒こちらへ

東方正教は同じキリスト教でもカトリックやプロテスタントとはいろいろな点で異なります。ミサをのぞいてみるだけでも、同じ宗教とは思えないくらいです。

教会の内部装飾では、東方教会の特徴はイコンです。イコンはキリスト、聖母、聖者たちを描いた絵画です。

教会内部の正面の祭壇前に置かれ、信者が集う場所と聖職者だけが立ち入れる場所を分け隔てています。ほとんどの教会の内部は撮影禁止なので、プロヴディフの聖コンスタンティン・エレナ教会に併設のギャラリーにあるものをご紹介します。Plovdiv聖コンスタンティン・エレナのイコン

☆イスラムの宗教遺産

ブルガリアはオスマントルコの支配下にあった時代も長かったので、イスラム文化も色濃く残ります。

ソフィアのモスク、バーニャ・バシ・ジャーミア。Sofiaバーニャ・バシ・ジャーミ

☆古い街並みを歩く

ブルガリア第2の街、プロヴディフ(Plovdiv)の旧市街には、19世紀の民族復興期に建てられた邸宅がたくさん残ります。Plovdiv旧市街通り1

その多くはハウスミュージアムとして公開されています。 Plovdiv地域民族博物館

アートギャラリーになっていたり、建築当時の生活ぶりを再現していたりします。Plovdivハウスミュージアム

プロヴディフについては⇒こちらへ

蛇行する川の断崖の上に築かれた要塞都市、ヴェリコ・タルノヴォは12~14世紀の第2次ブルガリア帝国の首都だった街。Velikoツァレヴェッツの丘

崖の斜面にへばりつくように建てられた旧市街の散策を楽しめます。Veliko街

ヴェリコ・タルノヴォについては⇒こちらへ

古い街並みのあちこちが、夜になるとライトアップされて、昼間とは違った風情を見せるのも街歩きの楽しみです。
これはヴェリコ・タルノヴォの大聖堂。Veliko大聖堂夜

☆おいしいブルガリア

「タラトール」:冷製のヨーグルトスープ。きゅうりなどの野菜が入っています。Bulgariaタラトール

「ショプスカ・サラダ」:チーズがかかったサラダ。どこのレストランでもメニューにあります。Bulgariaショプスカサラダ

「カヴァルマ」:豚肉や野菜などを土鍋で煮込んだもの。Bulgariaカヴァルマ

「バルレンカ」:味の付いたパン。主菜の付け合せで、日本のごはんのような食べられ方をする。インドのナンに似ています。Bulgariaパルレンカ

「ケバブチェ」:ブルガリア料理と言うよりバルカン料理。トルコのケバブと同系統で、中世オスマン帝国支配下にあった地域の庶民的な肉料理。
丸いのは「キュフテ」:ブルガリア風のハンバーグで、味はケバブチェとほぼ同じです。Bulgariaケバプチェ&キュフテ

ローズジャムとバラのリキュール。Kazanlakローズジャム

☆安いブルガリア

国内の移動、食事、宿泊など、物価が安いのがブルガリア旅行の魅力のひとつです。いくつか例を挙げます。
(レートは2017年6月)

ソフィアからプロウディフまでバス(144km、所要2時間)が14Lv(≒940円) *ほぼ同じ距離の名古屋-京都のJRバスは2500円

ソフィアの街の中心に位置する3つ星ホテルのシングルルームが65Lv(≒4,200円)

カザンラクのバラ祭りで売られていたローズ石鹸が2Lv(≒130円)

街のスタンドなどで売られているペットボトルの水500mlが30~60円

☆言葉はどうする

首都ソフィアや観光地では英語がよく通じます。レストラン、ショップ、ホテルはまず問題なし。街で道を尋ねても、2人に1人は英語で会話できる人に当たります。心配の種のキリル文字ですが、ほとんどの場合、アルファベット表記も併記されています。

ソフィアの地下鉄の案内標識。Sofia地下鉄表記

プロウディフの修道院の案内。Plovdiv修道院の表示

美術館、博物館の展示品の説明書きも英語併記が多いので助かります。

唯一苦労するのはバスです。バスに表示されている行先も、チケットの印字もキリル文字だけなので、ちょっと苦労します。

これは2017年6月2日17:15ソフィア発プロウディフ行きの6番線から出発するバスのチケットです。買う時に窓口係員が丸で囲って説明してくれたので迷わず乗車できましたが、説明がわかりにくい時は、行先だけでもガイド本のキリル文字と照らし合わせる必要があります。Bulgariaバスチケット

☆お金はどうする

ブルガリアの通貨は「レフ」です。ユーロとの交換比率は政策が変わらない限り固定されています。ホテルなど値段をきくと、ユーロ建てで答えてくれるところも多いです。支払もユーロでできることもあります。

クレジットカードも広く普及しており、国際カードで現金を引き出せるATMも数多くあります。旅行での支払いは西ヨーロッパ諸国と同様と言えます。

☆ブルガリアへのアクセス

ブルガリアと言うとヨーロッパの僻地のような印象はありますが、日本からの直行便が飛んでいる西ヨーロッパ主要都市(パリ、フランクフルト、ロンドンなど)からソフィアへのフライトは1日複数便あり、所要2~3時間ですので、乗継がうまくいけば、片道最短14時間半くらいで行けます。中東(ドーハ、イスタンブール)経由で行くこともできます。

西ヨーロッパからバスや鉄道を乗り継いでも行けますが、長時間かかります。

☆ブルガリアの国内移動

ソフィア⇔ヴァルナ(黒海沿岸のビーチリゾート)にフライトがある以外は鉄道かバスです。同じ区間では鉄道よりバスのほうが所要時間は短く、本数は多い。

バスの乗り心地は路線により便によって異なりますが、最近の日本の高速バスのような快適さは期待できません。マイクロバスみたいなのもあります。

プロヴディフからカザンラクへの所要2時間半のバス。かなり狭苦しかったです。Bulgariaバスの中

日本と違って、長距離移動のための鉄道駅、バスターミナルは街の中心からはずれたところにあります。バスターミナルは行き先によって複数あることもありますので要注意です。

☆ブルガリアのどこを観光するか

筆者の主観で優先順位をつけてみました。

リラの僧院
ヴェリコ・タルノヴォ
プロヴディフ
ソフィア

バラ祭りの時期であれば、カザンラクとその周辺のバラの谷の村々もお薦めです。

筆者が訪れたのは以上ですが、他には、黒海沿岸のビーチリゾート、ピリン山脈のアルペンリゾート、中央部の古い街(コプリフシティツァなど)があります。

ブルガリアの情報は、西ヨーロッパのメジャー観光国に比べるとかなり少ないです。まだ日本のメディアでは紹介されていない穴場があるかもしれません。マニアックではありますが、ネットや歴史書を調べて、”私だけが知っている”街や村を訪ねてみるのもいいでしょう。

では、皆さん、良い旅を!

 

 

ローマ法王の街:ヴィテルボ

ヴィテルボ(Viterbo)はローマの北70kmに位置し、イタリアで中世の雰囲気を最も満喫できる街のひとつです。

ヴィテルボの城壁に囲まれた旧市街には石造りの歴史的な建物がぎっしり。保存状態の良さはイタリア、あるいは、ヨーロッパ全体でも屈指で、タイムスリップ感いっぱいの街歩きが楽しめます。Viterbo地図

☆ローマ法王の街ヴィテルボ

ヴィテルボは「法王の街」と呼ばれています。中世には多くの法王がローマを離れてこの町に移り、法王選出会議(コンクラーベ)もヴィテルボで行われました。

法王の館(Palazzo dei Papi)は13世紀に建てられたゴシック様式。円柱で飾られた回廊が美しい。Viterbo法王の館

法王選出会議が行われた部屋。ガラス越しにのぞかせてもらいました。cof

法王の館の横に建つサン・ロレンツォ大聖堂。16世紀の建築です。この広場が街の中心です。Viterboサン・ロレンツォ大聖堂

☆ヴィテルボの中世を歩く

ヴィテルボ旧市街をぐるっと取り囲む城壁は、ほぼ造られた時の姿をとどめています。石造りの建物が城壁にぴたっとくっついているので、内部から城壁をはっきり見られる場所は限られています。Viterbo城壁

こんな泉が街のあちこちで見られます。Viterbo泉

ヴィテルボの中でも最も中世の雰囲気を満喫できるのがサン・ペッレグリーノ通り(Via San Pellegrino)。Viterboペッレグリーノ通り1

タイムスリップ感満点です。テーマパークみたいですけど、今も人が住んでいる街なのです。時々、洗濯物が干してあるのを見かけます。Viterboペッレグリーノ通り2

通りに面している、と言うか、通りの上にあるアレッサンドリ宮(Palazzo degle Alessandri)。花で飾られた外階段とバルコニーが美しい。Viterboアレッサンドリ宮

サン・ロレンツォ広場と並んで街の中心だったプレビシート広場(Piazza Plebiscito)。13世紀の時計台が見下ろしています。左が15世紀に建てられたプリオーリ宮(Palazzo dei Priori)。Viterboプレビシート広場

プリオーリ宮の奥の中庭からの眺めは、ヴィテルボで一番でしょう。Viterboプリオーリ宮中庭

夜はロマンティックな雰囲気です。 Viterboプリオーリ宮中庭夜

イタリアの他の城塞都市では、城壁の中に建物が密集しているのに対して、ヴィテルボは緑に覆われた谷間が旧市街にあります。プリオーリ宮と法王の館はこの谷間を見下ろす崖の上に建っています。

谷の向こうはサンタマリア・トリニタ教会(Santa Maria della Trinita)。Viterboサンタマリア・トリニタ教会

サンタマリア・トリニタ教会の中庭。宗教画が描かれた回廊が見事です。Viterboサンタマリア・トリニタ教会中庭

☆ヴィテルボへの行き方

ローマから直通列車で最短で1時間40分。ほぼ1時間ごとにあります。テルミニ駅発はわずかで、ほとんどはオスティエンセ駅発です。

ヴィテルボ旧市街には駅は2つあり、いずれも城壁から徒歩数分ですが、ローマからはViterbo Porta Romana 駅のほうが便利です。

バスは列車以上に頻繁にありますが、ローマでの乗り場が辺鄙なところなのでお薦めできません。ヴィテルボの終点のバスターミナルは旧市街から離れていますので、途中の城壁近くで降りましょう。

☆ヴィテルボで泊る

ローマから日帰りできるのですが、城壁内の旧市街に泊ると、薄黄色の電灯の明かりに灯された夜の街歩きも楽しめます。ただ、旧市街にはいくつもホテルはあるのですが、B&B、民宿、アパルトメントなど小規模なものばかりです。

旧市街の中ではホテルの看板がほとんど目立ちません。石造りの建物にひっそりと宿泊施設があります。風情たっぷりなのですが、探すのに一苦労です。Viterbo B&B

イタリアの古い街では、景観の美しさを保つために、ホテルに限らず、商業施設が建ち並ぶ比較的広い通りでも、通りに少しでもはみだすような看板はほとんどありませんが、ヴィテルボでは特に徹底されているように思いました。

(訪問日:2017年10月20/21日)

 

トスカーナの休日:コルトーナ

コルトーナ(Cortona)はイタリア中部、トスカーナ地方の緑の丘の上の古い街。2003年のアメリカ映画「トスカーナの休日」で、主人公のアメリカ人女性が築300年の家を衝動買いするのが、ここコルトーナです。

この地方の中心地フィレンツェは年中、観光客でごったがえしてますが、コルトーナは訪れる人も少なく、のんびりと「トスカーナの休日」を過ごせます。

コルトーナの起源は、古代ローマ以前のエトルリア人の時代まで遡ります。今も中世の建物が数多く残り、タイムスリップ感いっぱいの街歩きが楽しめます。

☆中世のコルトーナを歩く

ヨーロッパの中世の街には、街の中心となる広場が必ずあります。役所、教会、劇場などがあり、レストランやカフェのテラス席でのんびるできるというパタンが多いです。コルトーナではレプッブリカ広場(Piazza della Repubblica)です。Cortonaレプッブリカ広場

その一角をなすコムナーレ宮殿(Palazzo Comunale)は市庁舎(市役所)です。Cortonaコムナーレ宮殿

隣接するシニョレッリ広場(Piazza Luca Signorelli )も、プレトーリオ宮(Palazzo Pretorio)、シニョレッリ劇場(Teatro Signorelli)などに囲まれて、歴史を感じさせる風情です。

プレトーリオ宮の入口には観光案内所、奥にはエトルリア・アカデミー博物館があります。Cortonaシニョレッリ広場

レプッブリカ広場に通じる、街で一番にぎやかな通りには、レストランやさまざまなショップが建ち並びます。入口とショウウィンドウがきれいに飾られているので、左右をきょろきょろ見ながらの散策が楽しいです。Cortona通り

脇道の先には何があるのかな?Cortona脇道

コルトーナは小さな街ですが、平坦なところより坂や階段のほうが多く、地図で見るより、歩いて回るのに時間と体力を使います。

建物の真ん中をくり抜いた階段。くぐった先に何があるのか、気になりますよね。Cortonaトンネル道

2階以上が通りに張り出した中世の建物。教区博物館の横のジェズ通りを下って行ったところにあります。この地方特有の造りとのことですが、ここくらいしか残ってないそうです。Cortona中世の家

細い路地を抜けたら、トスカーナの野原の風景が目の前に広がるのも、コルトーナの魅力です。コルトーナ門からの登り道

☆コルトーナのパノラマスポット

中世の城壁に沿ったサンタ・マルゲリータ通りは、のどかなトスカーナの風景が眺められる散歩道。Cortona平原

遊歩道がせり出しています。Cortona展望遊歩道

☆コルトーナの美術館、博物館

古代ローマ以前の美術品、発掘品を集めたエトルリア・アカデミー博物館の他に、この街出身のルネサンス期の画家、ルカ・シニョレッリの作品を集めた教区博物館(Museo Diocesano del Capitolo)があります。

美術品も魅力的なのですが、筆者には、ここの地下にある、フレスコ画で飾られた教会が見ものでした。Cortona教区博物館地下教会

 ☆コルトナへの行き方

鉄道の最寄駅はカムッチャ・コルトーナ
(Camucia-Cortuna)。
フィレンツェから直通列車で1時間23~30分。2時間に1本くらいの運行です。駅前から丘を登ってコルトーナの城壁そばまでのバスはありますが、列車到着時刻に合わせているわけでもなく使いにくい。歩くと3km近くありますので、タクシーを使うことになります。筆者の場合は相乗りして12€でした。

駅からの道の先に中世の街が近づいてきます。Cortona全景

フィレンツェとコルトーナの間にあるアレッツォ(Arezzo)からのバスもあります。バスはいずれも休日には大幅に本数が減ります。

バスの終点メルカート広場(Piazza Mercato)の横のサンタゴスティーノ門(Porta Sant’Agostino)をくぐって、坂道を登って行くと、街の中心レプッブリカ広場に着きます。

コルトーナはフィレンツェとローマの中間にあり、両都市を移動する途中に立ち寄ることもできます。

(訪問日:2017年10月20日)