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海外旅行でホテル予約サイトを賢く使う

予約サイトでホテルを予約して海外旅行に出かける方が増えています。旅行会社に依頼するより安く、サイト上の豊富な選択肢から選ぶこともできて便利です。

ここでは、ホテルを予約サイトで予約して、ホテルでの滞在を安全に快適にするために、予約時のチェックポイントをご紹介します。

☆安全面のチェック方法

どの国、都市でもまず気になるのが安全面です。3つの点で安全面をチェックしましょう。
①ホテルの周辺の治安は良いか
②ホテルの出入口で襲われることはないか
③ホテルの出入りがきちんとチェックされていて、不審者が部屋の前まで入り込むことはないか

1. ロケーション(ホテル周辺の治安)

現地での移動はすべてタクシーでホテルの前まで着けられる方は別として、観光スポットや最寄りの公共交通機関の駅、バス停からホテルまでの安全は重要です。

予約サイトの地図とガイド本を照らし合わせて、周辺がどのようなところか確認しましょう。

繁華街、商業地にあれば安全度は高いです。一方で、夜間に周囲の騒音に悩まされる可能性が高くなりますので、繁華街、商業地のホテルを選ぶ時は、「通りに面していない部屋」をリクエストしましょう。

値段が安いからといって、街の中心から離れたところにあるホテルを選ぶのは安全面では得策ではありません。バス停や駅の目の前でも、夜間にホテルに戻る際は注意しなければなりません。

2. ホテルの入口

入口が一日中人通りの絶えない通りに面していれば安心です。ネフスキー大通り

これも予約サイトとガイド本の地図を照らし合わせて確認しましょう。念を入れるには、Google Mapのストリートビューも見たほうがいいでしょう。筆者がいつも利用しているBooking.comの地図上のホテルの位置はたまに間違っています。

ホテルの入口が裏路地にあったり、通りから建物の中に入った先にある場合は要注意です。細い路地のホテル

ひったくりや強盗が起きやすい場所です。夜のイベントに出かけて、人通りの少ない時刻にホテルに戻る予定がある場合は、このようなホテルは避けたほうがよいでしょう。

3. フロントは24時間対応か

常にフロントに人がいるホテルは、不審者が入ろうとしてもチェックできますので、比較的安全と言えます。ホテルのフロント

予約サイトに「24時間対応フロント」と記載があれば、必ずとは言えませんが、フロントにスタッフが常駐している可能性が高いです。

4. 大規模な有名チェーンホテルは安全か

特に治安の良くない都市に泊る場合ですが、値段は高くても大規模な有名チェーン にすれば安全と言われることがあります。しかし、これは必ずしも正しくありません。

大規模ホテルでは、ロビーや部屋の入口の物理的なセキュリティは充実していますが、フロントに常時人がいても、宿泊者の顔を把握していないことが多く、不審者でもフロントの前を通り抜けてしまいます。

家族経営で宿泊キャパが小さいホテルのほうが、フロントの係員が宿泊者の顔を覚えていて、不審者がホテル内にいればすぐに気づくことができます。

ドロボウたちは捕まるリスクを負って犯罪をはたらくので、リターンを高くするには、安ホテルより金持ちが泊まっていそうな高級ホテルを狙うでしょう。

海外での宿泊では、高い宿泊料金を払えば安全が手に入るとは限らないと認識しておきましょう。

☆滞在前後に荷物を預かってもらえるか

チェックイン時間前に到着して観光したい場合、または、チェックアウト後もその街を観光したい場合は、フロントで荷物を預かってもらいたいですね。

たいていのホテルではOKですが、念のために予約サイトで「荷物預かり可」になっているか確かめましょう。

可であっても、フロントが24時間対応でない場合は要注意です。荷物をピックアップしたい時間にフロントに人がいるか確認しましょう。チェックイン・アウト時間に入っていればOKです。

☆入口がわかりやすいか

有名なチェーンなど大規模ホテルはどこから見ても目につく大きな看板を掲げています。大規模でなくても建物まるごとひとつのホテルになっているところは、どこから入ればよいかすぐわかります。ブカレストレンブラントホテル

しかし、中小規模、特に、個人経営のホテルは目立たないところに入口があることがあります。特に、大きなビルに店舗が複数入居していて、そのひとつがホテルになっているところです。

欧米では、日本の雑居ビルのように、入口がひとつで、フロアごとの入居企業・店舗の名称が入口に大きく掲げられていることは少ないです。そのようなホテルは地図を見て近くまで来ても、どこから入っていいのかがわからなくなります。

予約サイトに載っている写真に、看板のある入口やホテルのある建物全体が写っていれば安心ですが、ない場合は、クチコミをざっと見ましょう。「入口をみつけるのに苦労した」、「ホテルの看板がなかった」といった記載があるホテルは避けたほうがよいでしょう。

また、1階が飲食店で、2階以上がホテルになっているところは、飲食店のレジ、または、奥まったところがホテルのフロントになっていることがあります。このような場合は、当日チェックインをどこですればよいのかがわからなかったり、担当者が飲食店員を兼ねていて、手が空くまで待たされたりすることがありますので、旅行者にとってはめんどうです。

予約サイトには明記がない場合がほとんでですので、クチコミから探すしかありません。

☆自動チェックインはトラブルのもと

ときどきあって、最近は少しずつ増えていますが、チェックイン/アウトを対面で行わないホテルがあります。

チェックアウトは問題ありませんが、チェックイン時にフロントに人がいないと、さまざまなトラブルの元になります。

部屋の鍵の使い方は国によって様々あり、慣れていないと部屋の開け閉めができないことがあります。そもそも、鍵のありかがわからなかったり、ホテルのある建物に入れなかったりすることもあります。そうなると、早くホテルに荷物を置いて観光に出かけたいのに、チェックインで時間を無駄にすることになります。

予約サイトでは、どのようにチェックインできるのかを必ず確かめましょう。チェックインしたい時間にフロントに人がいないホテル、「オートチェックイン」の記載があるホテルは避けたほうがいいでしょう。

☆部屋からの眺め

ホテルの部屋から何が見えるかも滞在の満足度を左右します。↓筆者が数年前に泊ったパリのホテル自室からの眺めです。ノートルダムとビール

予約サイトの「・・・・・ビュー」の表記を確認しましょう。

予約サイトにはっきり書いていなくても、その街のランドマークや歴史的建造物に隣接するホテルでは、それらを眺められる部屋があることもあります。

☆支払方法

予約サイトでは予約の時にクレジットカード番号を入力させられます。多くの場合、これはデポジットと言って、予約保証のためで、現地であらためてカードを提示して支払を行う必要があります。

ただし、予約時のクレジットカード番号入力で、宿泊料金全額がチャージされることもあります。つまり、キャンセルしても全額戻ってこないということです。

予約時には、キャンセル条件を確認しましょう。キャンセルできるところは、宿泊の何日前、またはXX月YY日QQ時RR分まではキャンセル無料との記載があります。

☆付帯サービス

予約サイトに記載のサービスを確認しましょう。空港までの送迎などです。また、夜間に飲み物、軽食類が入手できるかは重要です。ないホテルでは、ホテルに戻る前に外で買っておく必要があります。海外のホテルでは、館内の飲料の自販機はめったになく、24時間営業のコンビニが普及しているところは少ないです。

☆ホテルの値段について

① 値段は大きく変動する

ほとんどの国で、ホテルの値段の変動幅は日本より大きいです。
・観光シーズンとオフシーズン
・平日と休日
でホテルの値段は大きく異なります。

② 直前ほど安くなる

観光地でもビジネス街でも、宿泊直前には安くなります。これは日本と同じです。空いていれば、前日、当日に大きく値下げされることもあります。

ホテルの部屋数の供給が十分にあって、満室にならないことが明らかな場合は、ホテル予約を直前にしたほうが安くあげられます。

③ 一人泊は割高になる

日本では一人あたりの値段が提示されますが、海外では一部屋あたりの値段です。したがって、ツイン/ダブル部屋に一人で泊っても二人で泊っても値段は同じであることがほとんどです。

④ メッセなどのイベントにご注意

メッセ(見本市)や大きなスポーツイベントが開催される日には、その都市の宿泊料金が大きく跳ね上がります。倍額どころか4倍5倍もあります。そもそも空室がなくなることもあります。

旅行を計画する時に、このようなイベントにぶつからないように注意する必要があります。

☆オーバーブッキングに備える

海外の予約サイトや日本の大手旅行会社のサイトでホテル予約しても、そのホテルにチェックインしようとした時に、オーバーブッキングのために泊れませんと言われることが稀にあります。

現地ホテルは、手数料が抜かれる予約サイトの客より、自分たち自身で集客した客を優先しているからです。

この場合、宿泊を断ったホテルが、同じ価格帯の代替ホテルを紹介してくれることがほとんどですが、そのホテルは遠く離れていることもあります。代替ホテルまでは車で送ってもらえるとしても、その後、観光スポットへの行き帰りは自分で足を確保しなければなりません。

対策としては、各種イベントなどのためにホテルの需給がタイトな時は、複数のホテルが集まっているエリアを選んだほうがいいでしょう。

オーバーブッキングで代替ホテルを提示された時に、それを受けるか決めるのしばし待ってもらって、近所のホテルに空きがないか探すことができます。

☆おしまいに

この記事では、安く泊まるだけでなく、海外旅行のホテルでの滞在をより安全に快適にするためのコツをご紹介しました。

海外旅行のホテル予約で使うサイトで、全世界的に展開されているのは、Expedia、Booking.com、Agoda、Hotels.comの4つです。

値段が安ければよいという方は、これらのどこがお得かという価格面の比較情報が載っているサイトは数多くありますので、そちらをご覧ください。

みなさん、安全で快適な旅を!

 

ヨーロッパの街の夜景を楽しむ

ヨーロッパの街では、その街を代表する歴史的建造物 などがライトアップされ、昼間とはがらっと雰囲気が変わった夜景を楽しめるところが数多くあります。

筆者がこれまでのヨーロッパ旅行で観た美しい夜景のいくつかをご紹介します。

パリのノートルダム大聖堂。火災で今は見られなくなってしまいましたが、いつか甦ってほしい。Parisノートルダム

「百塔の街」と呼ばれる、チェコの首都プラハでは、闇夜にライトアップされた塔が浮かび上がります。Praha夜景

ローマにある古代の遺跡(フォロ・ロマーノ)は、春から夏にかけて、ナイトツアーで巡ることができます。古代に生きた人は見ることができなかった夜景です。Romaフォロロマーノ

イスラム圏の街では、モスクのミナレットが闇夜に浮かび上がり、エキゾチックな夜景を楽しめます。これはボスニア・ヘルツェゴヴィナのモスタル。Mostalモスク

街のランドマークとなる建物は、その街一番の繁華街近くにあることもあり、その周辺は夜遅くまで賑わいます。

ウィーンのシュテファン大聖堂が建つ広場に面したテラス席のレストランやソーセージとビールの屋台では、夜中近くまで夜景を眺めながら飲食する人が絶えません。昼間ほど混み合わないのがいいです。Wienシュテファンとビール

ミュンヘンのマリエン広場に建つ市庁舎の夜景。Munchenマリエン広場

ミラノのドゥオモ広場。mde

建物を側面を使ったプロジェクションマッピングのショウやデモンストレーションが行われることもあります。これはローマのヴェネツィア広場に面した「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂」。Romaヴェネツィア広場

フランスのロワール地方の古城のひとつ、ブロワ城では、城の壁に映像が映し出され、バロック/ルネサンス音楽をバックに、お城にまつわる歴史が語られます。ここはパリから日帰りツアーで訪れる人が多いですが、この「音と光のスペクタクル」を観るにはブロワかその近くに泊る必要があります。ブロワ城夜のショウ2

最近、日本では、インバウンド観光振興の問題点として、「夜のエンターテインメントが足りない」と言われるようになりましたが、ヨーロッパの観光で訪れる街では、ライトアップされた建物を観て歩くだけでも、十分なエンターテインメントになっています。

日本人観光客は、暗くなったらホテルに閉じこもってしまうことが多いですが、実にもったいないことです。

夜の治安はだいじょうぶなのか?と心配の向きもありますが、スリやひったくりに十分注意して、人気のない通りや建物に入り込まなければ問題ありません。

夜景を楽しむためには、街の中心街にホテルを取りましょう。部屋から夜景が眺められたら尚すてきです。↑のノートルダム大聖堂は、筆者が泊ったホテルの部屋からの眺めです。

春から秋にかけての気候が良い時の街歩きは快適ですが、ヨーロッパは日が長くて、夜景になるのは夜の9時、10時からです。

逆に、冬は夕方から夜景を楽しめます。日本からのフライトも安価で、クリスマスマーケット巡りと合わせた夜景歩きもいいでしょう。

 

 

 

 

海外旅行でのコードシェア便って何?

海外旅行に行く飛行機で「当機はXXX航空とのコードシェア便として運行されています」というアナウンスを聞いたことがありませんか。

空港の発着の電光掲示板で、行き先や出発時間が同じなのに、複数の便名が表示されているのを見て、不思議に思ったことはありませんか。

ここでは、最近増えているコードシェア便とは何なのか、そして、海外旅行でコードシェア便に乗る時の注意点をご紹介します。

☆コードシェアとは

コードシェアは共同運航とも呼ばれ、一つのフライトを複数の航空会社で運航することです。

共同での運航とされてはいますが、実際には、一つの航空会社が運航を行い、その他の航空会社はチケットの販売のみを行うのが一般的です。

これは成田空港のWeb版の発着案内ですが、12:20発のマドリード行きの便名が3つ表示されています。成田空港の発着案内

イベリア航空、JAL、ラタム航空の3社のコードシェア便ということで、表示の最上位の航空会社が運行を担当しています。

つまり、JALでこのフライトのチケットを買った人も、イベリア航空のパイロットが操縦し、イベリア航空の客室乗務員のサービスを受けるということです。

JALでチケット予約する時はこのように表示されています。JAL予約画面

「運行会社Iberia」となってますよね。
これを見落として、チケットを買って搭乗すると、「JALなのになんで客室乗務員がスペイン人ばっかりなの?」と思うことになります。

☆コードシェア便が増えるのはなぜ?

航空会社の内情になりますが、簡単に言うと、航空会社にメリットがあるからです。

航空会社が就航していない海外都市に新規路線を開設するには、そこにオフィスを設けて人を雇うなどのコストがかかります。しかし、その都市に就航している航空会社とコードシェアすれば、その航空会社が運行や空港でのチェックインなどの地上業務も行ってくれるため、コストをあまりかけずに就航先を増やすことができます。

最もよくあるのがこんなパタンです。JALでチェコのプラハへ行く場合のWeb予約ページです。JAL予約画面Praha

JALはプラハへは就航していませんが、ロンドンまでは就航しています。羽田からロンドンまでは自社のJL041で、ロンドンでBAとのコードシェア便JL6541に乗り継いでプラハに到着するフライトです。JALはプラハ行のフライトが頻発しているBAとコードシェアすることにより、自社の顧客がプラハまでJAL便で行けるようにしているのです。London乗継

販売面でも一つのフライトを一社で販売するより、複数社がコードシェアして、各社の販売チャネルを活用して集客するほうが互いに効率がよくなります。

☆利用者にとってのコードシェアのメリット

まず第一に、自国の航空会社で予約して、より多くの都市にフライトできるということです。ヨーロッパの場合、パリ、ロンドン、フランクフルトなどJALやANAが就航している都市だけでなく、これらの都市でそこを本拠とする航空会社のコードシェア便に乗り継いで、他の都市に行くことができます。

上記のプラハ行の場合、ロンドンからプラハまでのコードシェアがなかったとしたら、ロンドンからプラハまでを別途予約しなければならず、羽田で預けた荷物をロンドンで受け取って、再度、預け直さなければならない手間もかかってしまいます。

第二に、マイルの積算ができます。他社の運航便に乗っても、チケットを購入した航空会社のマイルがたまります。但し、積算率は自社運航便より低いことがあります。

上記の例で言えば、成田からマドリードへのイベリア航空便でも、ロンドンからプラハに飛ぶBA便でも、JALのマイルがたまるということです。

 ☆ご注意1:チェックイン

どこの航空会社で予約していようと、海外でコードシェア便にチェックインする時には、そのフライトを運航している航空会社で行うのが原則です。

日本国内でチェックインする場合は、運行を担当する航空会社がJALやANAに地上業務を委託していることが多く、JALやANAでチェックインすることになります。

始めに例でお見せしたマドリード行のコードシェア便の場合、成田空港でこのフライトにチェックインする時には、JALのカウンタで行いますが、帰りのフライトも同じコードシェア便であれば、マドリッドの空港ではイベリア航空のカウンタでチェックインすることになります。

チケット購入時に購入した航空会社(この場合はJAL)から案内されます。これを見落としていると、マドリッドの空港でJALのカウンタを探してもみつからないで困ってしまうことになります。

コードシェア便を予約する時には、どの航空会社のカウンタでチェックインするのか必ず確認しましょう。

☆ご注意2:座席指定

最近、ネットでチェックインや座席指定ができることが多くなっていますが、他社が運行するコードシェア便の座席指定はできないことがあります。空港でチェックインする時に座席指定することになります。

☆ご注意3:荷物のサイズ・重量制限

予約した航空会社ではなく、運行する航空会社の規定に従うことになります。

☆ご注意4:コードシェアの他社運行便でのトラブル対応

頻繁に起きないと思いますが、チケットを買った航空会社で搭乗OKとなっていても、オーバーブッキングなどの事情で、乗継先で他社運行のコードシェア便に乗れないこともあります。

この場合、チケットを買った航空会社は現地でトラブル対応してくれないことがあります。そうなると、自分でそのフライトを運行している会社と交渉してトラブル対応することになります。

筆者は2019年11月、カタール航空でモロッコに行きましたが、カタール航空から搭乗券をもらっていたにもかかわらず、モロッコで乗り継ぎ便に搭乗を拒否されてしまいました。

帰国後、カタール航空にクレームを入れたところ、「乗れなかったフライトはカタール航空ではなく、他社(モロッコ航空)が運行しているので、文句があったらそっちに言ってくれ」と回答されました。

自社で販売しておきながら、コードシェア便で起きるトラブルには責任を持たないという航空会社もありますから、ご注意ください。

☆コードシェア便を賢く使おう

同じ日に同じコードシェア便の予約をしても値段が異なることがあります。

上記の例で言えば、成田からマドリードまでのコードシェア便のチケットをJALで買うのと、イベリア航空で買うのとで、値段が異なるということです。同じカウンタでチェックインし、機内食などの同じサービスを受けるコードシェア便でも、どこで買うかによって値段に差が出るということです。

また、コードシェアの一方の航空会社で満席でも、もう片方の航空会社で買えることもあります。

航空券を買う時にコードシェア便が選択肢に出てきたら、そのコードシェア先の航空会社で売っている値段も見たほうがいいでしょう。

コードシェア便は、ひとつの航空会社の予約で行ける先を増やしているのですが、私たち利用者にとって、より安く航空券を買える選択肢も与えてくれているのです。

コードシェア便を賢く使って、安く快適に旅しましょう。

国際線航空券の賢い買い方については
こちらへ

 

 

 

 

 

ヨーロッパ個人旅行の航空券を上手に買う

ヨーロッパへの旅行計画で総費用の半分以上を占めるかもしれない航空券をどう選択するか? これまで30回近い渡欧経験から、エコノミークラスで短期(3~14日)の期間で観光旅行される方むけのコツをご紹介します。

☆航空券のしくみ

⇒ こちらへ。

☆どんな旅行をしたいかを明確にしよう

航空券を選ぶ際の重要なポイントは、
① スケジュール
② 到着地と帰国地
③ 条件
④ 値段
⑤ 乗継便が遅れた場合の代替便の可能性
⑥ 安全性
⑦ 予約、チェックインなどの地上オペレーションの信頼性
⑧ 客室乗務員、機内食
になるでしょう。

航空会社のWebページや旅行会社で、航空券を買う前に必ず明確にしておくべき要件は①②③です。

例えば、
「1月10日から17日までイタリアのフィレンツェとローマに行きたい」
というと、旅行会社が航空会社から最も多額の販売手数料をもらえるエアラインで予約可能な航空券を提案されることがあり、こちらの望む旅行ができない可能性があります。

☆スケジュールを決めよう

まずですが、朝出発して当日中に着きたいか、夜行で翌日早い時間に着きたいか、を決めましょう。

旅行に使える期間の余裕が少ない方は、仕事を終えたその日のうちに飛び立って、翌朝なるべく早い時間に着いたほうが、現地滞在時間を長くできるというメリットがあります。夜行便の経由地は2020年1月時点で、フランクフルト(ANA・ルフトハンザ)、パリ(エールフランス)、ロンドン(JAL)、ウィーン(ANA)などの選択肢があります。

一方、出発を慌ただしくしたくない方は、朝、出発してその日のうちに目的地に到着するほうがいいでしょう。出発&到着日の夜に決まった予定(音楽やスポーツイベントに行くなど)がある方は、なるべく早い時間に目的地に到着するエアラインを選ぶ必要があります。

帰りも同様です。なるべく休暇期間を有効に使いたい人は、休暇最終日の夕方帰国、出社する前に自宅で休みたい人は休暇最終日の朝、または、その前日の夜に帰国できるフライトを選びましょう。

☆到着地と帰国地を決めよう

については、目的地が複数あるならば、行きの到着地と帰りの出発地を別にしたほうが無駄な移動をしないですみます


例えば、行きはフランクフルト経由でフィレンツェに到着し、イタリア国内を列車やバスで移動しながら観光し、帰りはローマからミュンヘン経由で帰国するということもできます。

到着地と帰国地を別にしたために、航空券の値段が跳ね上がるわけではありません。行も帰りもローマにして、フィレンツェとを往復するのは時間の無駄です。

☆なるべく安く買おう

については、旅行時期、航空会社、経路、キャンセル・変更の条件などによって航空券の値段は千差万別です。

・夏は冬より高い
・日本⇔ヨーロッパ主要都市の座席数が多いエアラインほど安い
・土日祝日の出発帰国が絡むと高くなる
・経由便か直行便かは値段に関係ない
・キャンセルや変更の制約が緩いほど高い

というのが凡その傾向ですが、旅行日が1日違うだけでも大幅に変動することもありますので、自分でエアラインのWebページに旅程を入力して比較するか、旅行会社に尋ねましょう。

こまめに見ているとキャンペーン価格の掘り出し物に出会えるかもしれません。

さきの旅行会社への依頼内容は、

「1月10日の朝、成田か羽田を出発し、なるべく早い時間にフィレンツェに着く。帰りは16日のなるべく遅い時間にローマを出発して、翌17日中に成田か羽田に帰ってくる航空券で、最も安いのを買いたい。但し、急な仕事で行けなくなった時のために、キャンセル全額チャージはやめてほしい。」
という言い方になります。

☆航空券の条件は必ず確認しよう

予約する前には必ず条件を確認しましょう。最安チケットは「キャンル不可」であることがあります。急な仕事や体調不良で旅行を中止せざるをえない場合も考慮すると、いくらか(¥30,000が多い)払ってキャンセルできる航空券にしておいたほうがいいと思います。

マイレージをためている人は値段見合いで、たくさんたまる条件の航空券を買ったほうがいいでしょう。

☆帰国便が遅れた時の対策も考えよう

は、休暇の最終日に帰国する予定を組む人で、もし予定通りに帰国できないと困る人が気にする必要があります。

例えば、フィンランド航空で、ローマ→ヘルシンキ→成田 という帰りの旅程を組んでいる場合に、もし、ローマ→ヘルシンキが遅れて、ヘルシンキ→成田への乗り継ぎに間に合わなくなったらどうするかの対策を考えておくということです。

この例では、ヘルシンキ→成田はコードシェア含めて1日2便ありますが、ほぼ同時刻の出発時刻なので、間に合わない場合は翌日の同フライトにされてしまいます。

そうなると、翌朝、成田に着いてから、会社に「休暇の帰国のフライトが遅れたので、出勤が遅れます」という電話をしなければならなくなります。この旅程ではリスクヘッジ不可能ということです。これで職場内の立場が危うくなる方は要注意です。

一方、エールフランスで、ローマ→パリ→成田 という旅程の場合、ローマ→パリが遅れて、パリ→成田に乗り継げなくなった場合は、同日の遅い時間にコードシェアのJAL便、さらに後に羽田行きもありますので、空きがあれば、到着時間は遅れるものの予定通りの日に帰国できます。 これはローマ→パリ→成田が一本の予約で組まれていることが前提です。

ヨーロッパ域内のフライトは日本からのフライトで選択した航空会社ではなく、子会社・関連会社が運行していることが多く、さらにLCCであることもありますので、遅れる可能性は日本との往復フライトより高いと思っておいてください。

帰国便のトランジット時間があまりに短い旅程も避けたほうがいいです。空港によっては、同じ航空会社、同じアライアンスでも、相当な距離を歩かされます。

ローマ→パリ→成田の例では出国審査はローマではなくパリで受けます。最近、ヨーロッパ諸国は不法移民対策に神経をとがらせていますので、出国審査に長蛇の列ということもあります。乗継便が遅れると、乗継空港でダッシュしなければならなかったり、帰国便に間に合わなく可能性もあります。

最近、費用を抑えるためにLCCを利用する方が増えてますが、要注意です。

例えば、さきほどの例(ローマ→パリ→成田で帰国する場合)で、ローマ→パリを安くあげるためにLCCを使っていたとしましょう。LCCは機材の稼働率を上げるために多頻度のフライトをしてますので、ひとつの遅れが後に影響することが多くなります。ローマ→パリが遅れて、パリ→成田に間に合わなくなった場合、パリ→成田のチケットは無効になり、買い直さなければならなくなります。(値段の高いブッキングクラスの場合は後のフライトに振り替えてもらえますが) 片道とはいえ、ノーマルかそれに近い値段になります。

パリ⇔成田往復を11万円で買ったのに、帰国便に乗り遅れたがために、20万円以上の帰国チケットを買うはめになるということです。気をつけましょう。

☆その他

はぶっちゃけ気にしていても仕方ないですが、テロに巻き込まれないか心配で心配でたまらないという方は、国際紛争に関与している国のエアラインは避けたほうがいいです。

は、最近はどこのエアラインでもしっかりしてますが、エアラインから直接購入する場合は、日本国内のコールセンターの受付時間をチェックしておいたほうがいいです。夕方5時をすぎたら本国にかけないとつながらないようなのは困ります。

はこだわりのある方以外は気にしなくていいです。

以上いかがでしたでしょうか。多くの人にとって、ヨーロッパを旅行できるのは貴重な機会です。こちらの都合に合った時間に出発・帰国できるよう、乗継地でムダなトランジットの時間を過ごさなくていいように航空券は正しく選びたいものです。

個人旅行かパック旅行か

XXXXXに行きたいんだけど、個人で行くのがいいか、パック旅行がいいのか尋ねられることがよくあります。

このサイトでは、個人旅行(FIT)される方のお役に立てる情報を提供することを目的としていますが、それでも、パック旅行にしたほうがいいですよ、とお薦めすることがあります。以下のような場合です。

①個人旅行はめんどくさい

個人旅行では、移動手段、宿泊、食事、アクティビティなど、それぞれの情報を収集し、予約を手配していく必要があり、出発前からたくさんの意思決定を迫られます。旅先でも予定通りにいかないこともあり、その都度、次にどうするかを決めなければなりません。これを“めんどくさい” と感じる方。

ツアーは選びたいが、旅先でスケジュールが自分の思い通りにならなくても立腹しない、選んだ以上はすべてお任せでOKと思っている方。

筆者は旅行計画自体が楽しく、やっていると時間があっと言う間に過ぎてしまうのですが、趣味嗜好は人それぞれです。

②個人旅行では体がもたない

体(特に足腰)が弱く、常にケアしてもらう必要がある方。重い荷物を持って旅行するのがつらい方。また、持病があって、旅先で医者にかかる可能性がある方。

パック旅行を催行する大手の旅行会社は海外各地に拠点を設けていて、現地の医療機関などとのつながりが緊急時の助けになることがあります。

たくさんの荷物を持って行きたい場合でも、パック旅行ではホテルの部屋の前に荷物を出しておけば、次の滞在先まで運んでくれることが多く、自宅から出発する空港(成田や羽田)まで荷物を送るサービスも利用できて楽できます。

③日本から大勢出かけるメジャー都市に安く行きたい

ローマ、フィレンツェ、バルセロナ、パリなど日本では人気の観光地や、政治や経済の中心でビジネス客が大勢集まる都市にとにかく安く行きたい方。

旅行会社では販売する件数をある程度、航空会社や宿泊施設などに約束することで、個人が予約するよりも割安に確保しています。旅行会社の儲け分を加味しても、旅行費用全体を安くすることができます。

↓ドイツの金融の中心地フランクフルトでは旅行会社がまとめて多くの客室を確保しています。フランクフルトレーマー

ただし、泊る場所は選べません。パック旅行の宿泊施設は交通の便がわるくて、予約が入りにくいため、設備にわりには料金の安いホテルになることが多いです。パック旅行では公共交通機関ではなく、バスで客をまとめてホテルに連れていきますから、不便さはデメリットにならないのです。

また、客が夜間の自由時間に観光スポットや繁華街に勝手に出かけないように、周囲には何もない辺鄙な場所にあるホテルが選ばれることもあります。ツアーの添乗員さんたちのためです。

④秘境に行きたい

③とは逆に、個人では行けない秘境(アフリカの奥地、中央アジアの砂漠など)、公共交通機関がないところに行きたい場合です。

個人旅行で近くまで行ってガイドを雇えることもありますが、パック旅行で行ったほうが割安かつ安全です。

海外からの観光客数世界No.1のフランスのいなかでは、公共交通機関がほとんどないことがあり、個人でタクシーをチャーターすると割高になります。このような観光地は秘境ではありませんが、パック旅行のメリットが活きてきます。

⑤超人気の観光スポット、イベントに行きたい

最近はなんでもネットで予約できるようになっていますが、超人気のイベントは発売即完売になるなど、個人ではチケットを入手しにくいことがよくあります。こんな場合でも旅行会社は様々な手立てでチケットを確保していることがあります。

こんな時は、旅行会社はチケット単体では販売してくれず、自社の主催するパック旅行ツアーに入らなければ入手できない場合がほとんどです。

また、個人で行けば長蛇の列になる観光スポットでも、旅行会社が事前に予約することで、一般の列とは別の入り口から待たずに入れることもあります。
(↓夏のピーク時のサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館)エルミタージュ美術館の行列

⑥個人旅行の孤独に耐えられない

いっしょに旅行できる家族、友人がいないけど、独りで個人旅行して話し相手がいない孤独に耐えられない方。

最近のパック旅行では一人参加が増えていて、ツアーの仲間は同じ趣味嗜好を持っている可能性が高いので話がはずみやすい。旅行後もSNSなどでつながって交流が続くこともあります。

おしまいに

個人旅行、パック旅行、それぞれにメリットとデメリットがあります。この記事ではパック旅行のメリットを取り上げましたが、この裏返しが個人旅行のメリットになります。

パック旅行ツアーの料金は時期によって異なりる以外に、
・目的地に行く観光客が少ないほど(目的地がメジャーでないほど)
・目的地への公共交通機関が発達していないほど
・特定の目的(トレッキング、音楽鑑賞、スポーツ観戦など)があるほど、 高くなります。

したがって、スケジュール、泊まる場所、現地でしたいことなど、他人とは違う旅行がしたいというこだわりが強くなるほど、パック旅行料金は高くなり、さらにはパック旅行のデメリットが強く感じられるようになり、個人旅行を選ぶことになります。

ご自分が何にこだわりたいか、あるいは、こだわりはないかを明確にしたうえで、パック旅行か個人旅行かを決めてくださいね。

海外旅行でテロに遭わないために

パリの凄惨な無差別テロ、シナイ半島でのロシア旅客機爆破。

相次ぐイスラム過激派のテロは、海外旅行客にも無縁ではありません。

そこで、海外、特にヨーロッパを旅行するうえで、テロに遭うリスクを下げるために、個人としてできることを、危険な場面ごとにご紹介します。

1.大規模ホテルのロビー

テロが起きるのは高価格帯で大規模なホテルと考えて間違いありません。特に英米系のチェーンが可能性が高い。テロリストが銃を乱射したり、自爆するのはフロント、ロビーのあるエリアでしょう。Hotel

 

 

 

 

By Matthew Paulson

ホテルの建物に入ってから部屋にたどり着くまでの時間を最小限にしましょう。ロビーのソファでくつろぐのはテロに遭うリスクを高めます。ロビーの中にバーやラウンジがあるところも同様です。

2.空港

世界中どこでも空港は犯罪多発地帯です。ほとんどはスリや置き引きですが、テロの標的にもなっています。警戒厳重なようですが、穴だらけです。Airport

 

 

 

By Allan

空港ビルに入るのにボディーチェックをしているところはほとんどなく、誰でも入れます。大きな荷物を持っている人が多いので、中に隠せば爆弾でも拳銃でも何でも持ち込めます。

出発する場合は荷物検査を通過するまで、到着する場合は税関を通り抜けてからは、常に緊張感を持ってください。テロが起きるとしたらこのエリアです。

このエリアに居る時間は最小限にし、ショッピングや飲食はやめましょう。電車、バス、タクシーを待つ時間があったら、建物の外が寒かったり暑かったりしても、乗り場まで行って待ったほうがいいです。

持ち主不明の荷物が周囲にないか常に気を配りましょう。見つけたらすぐにその場を離れましょう。

空港ビルの入口近くにはいないように。テロリストが侵入して、いきなり銃を乱射ということもありえます。

3.高速鉄道

最近ではユーロスターやAVEのように、空港チェックインと同様の荷物検査、ボディチェックを行うところもありますが、そうでない列車はいつテロリストに狙われてもおかしくない。

先頭車両かその近くは避けましょう。テロリストが爆破するのは先頭に近いほうです。先頭に近いほどダメージが大きいからです。

席に着いたら、周囲に不審物がないか確認しましょう。座席の下、荷物棚の上です。列車の中

4.劇場、コンサートホール

人が密集し、ボディチェック、荷物検査もありませんので、テロリストの格好の標的です。今回のパリのテロで最も大きな被害を出しました。個人で注意できることは限られており、入口から遠く、なるべく上のフロアの席を選ぶくらいです。

劇場

 

 

 

 

5.美術館、博物館

2015年のチュニジアのテロもあって、入口の警備がさらに厳重になりましたので、比較的テロに遭うリスクは低いと言えます。個人としての自営措置は、入口近くにいる時間は最小限にする、ということです。チケットを買ったらすぐに入場し、展示スペースに向かうのです。

6.サッカーなどのスタジアム

2015年のパリのテロでは、サッカースタジアムに入場しようとしたテロリストが入口のボディチェックではじかれ、外で自爆しました。スタジアム

 

 

 

 

ヨーロッパのサッカースタジアムの入り口での荷物検査、ボディチェックはきちんと行われていますので、内部が爆破されたり、銃が乱射される危険は低いと言えます。

むしろ危険なのは、スタジアムへの行き帰りの人混みの中です。試合終了までにスタジアムを後にする、もしくは、しばらく場内で時間をつぶしてから出る。そして、人混みの中でも、なるべく群衆との距離を取る。1mでも50cmでも離れて歩く。露天の飲食店、土産物店は避けたほうが賢明です。

7.飲食店

狙われるのは混んでいる店ですが、そこを避けていたら旅の楽しみが減ってしまいます。ここでテロが起きたら諦めるしかありません。

個人としてできるテロ対策は、外部との出入口以外の逃げ道のある席を選ぶことくらいです。店内の奥まった場所では、銃を持ったテロリストの侵入を知って逃げようとしても、テロリストに向かっていくことになってしまいます。従業員が厨房やバックヤードと行き来する通路の近くがいいでしょう。

さて、イスラム過激派のテロリストは自らの命を省みずに一般人を無差別に殺傷します。 世界中どこに行ってもテロに遭う危険をゼロにすることはできません。

テロ事件が相次いだからといって、あまり考えすぎると、旅の楽しみが減ってしまいますから、必要最小限の自衛策を確実に行い、あとは楽しみましょう。

 

 

 

 

キューバ個人旅行徹底ガイド

キューバは社会主義国ということもあって、欧米の国々を旅する時とはいろいろと勝手が違います。個人で観光される方のために、旅のノウハウをまとめました。

キューバの魅力ご紹介は⇒こちらへ

☆キューバへの行き方

キューバの玄関は首都ハバナ。
メキシコ、カナダ、バハマなどカリブ海のいくつかの島を経由して行くことになります。日本からの直行便が飛んでいるトロントかメキシコシティ経由が便利です。ハバナへのフライト

例えば、最も速いエアカナダの場合、夕方、日本を発って約12時間でトロント到着、数時間の乗り継ぎの後、3時間半で同日の夜にハバナに着きます。帰りは、早朝、ハバナを発って、翌日の夕方、日本着です。(2016年夏ダイヤ)

時差は-14時間。
サマータイム実施時期は-13時間です。

マイアミなどアメリカからのハバナなどへの直行便が増えていますが、アメリカからキューバへの入国には様々な制限があり、観光目的には適しません。

フライトスケジュールは頻繁に変わりますので、最新状況をご確認ください。ハバナ空港にどこからのフライトがあるかをチェックし(⇒ハバナ空港)、その都市への日本からのフライトがハバナ行きフライトにうまく(時間/値段)接続できるかを調べるのです。

☆いつキューバに行くか?

キューバは日本と比べると年間通しての気温差が小さいです。乾期は11~4月、雨季が7~10月です。夏場の気温は東京より上がりませんが蒸し暑い。

ベストシーズンは乾期の11~4月と言えます。ただし、この期間は寒いヨーロッパやカナダから訪れる人が多く、ホテルが混んでいて値段も上がります。

ハリケーンがくる9,10月は避けたほうがいいでしょう。フライトがキャンセルになりかねませんから。

☆ハバナ空港から市内へ

「ハバナ空港から市内への公共交通機関はない」とガイド本に書いてあり、空港のインフォメーションでもそう言われます。ハバナ空港

実際には路線バスがあるのですが(上記空港のHP参照)、乗り換えがある、外国人用通貨CUCが使えないなど、観光客にはハードルが高く、タクシー利用が無難です。

着いてからCUCを手にしなければならないのですが、筆者が行った時(2016年5月)は、空港の両替所には長蛇の列ができていたので、タクシーのドライバーと交渉してUSドルで払い、旧市街に着いてから両替しました。

☆キューバのホテル事情

☆が3つ以上ついたホテルと、HOSTAL、CASAと呼ばれる民宿があります。

ハバナで最も有名な、かつてヘミングウェイが定宿にしていたホテル・アンボス・ムンドス。☆4つで、入口のラウンジではバーがあって、ピアノの生演奏もやっている豪華ホテルです。
Havanaホテル2

CASA、HOSTALといった看板がかかった民家がたくさんありますが、表示が小さいことが多く、よく見ないと、そこが宿泊施設であることがわかりません。トリニダーホスタル看板

☆ハバナでどこに泊るか

ハバナの魅力のほとんどは旧市街にありますので、旧市街の中か徒歩圏がお薦めです。

大西洋に面した道路に沿って、リゾートホテルがいくつか建ち並びますが、旧市街まではバスかタクシーになります。バスは乗りこなすのが難しいので、海を眺めてのんびりしたい人以外にはお薦めできません。

新市街にある大型ホテルも、料金が安かったとしても、旧市街へのアクセスを考えるとお薦めできません。

☆キューバ国内の移動

バスかフライトになりますが、本数が少ないうえ、バスターミナル、空港が街の中心から離れている場合が多く不便です。

もっとも良い方法は、現地旅行会社にタクシーを手配してもらうことです。ホテル/民宿でピックアップしてくれ、移動先のホテル/民宿まで送ってくれます。(よほど街の中心から離れていない限り)

筆者はハバナからトリニダーに行く際、30CUC(≒¥3,400)でタクシーを使いました。ふつうの車のタクシーで、観光客4人で相乗りでした。同じ行程の個人客を複数集めて、タクシーやバスをオーダーメイドで手配しているわけです。

帰りは公共交通機関のバスを使い、バスは25CUCでしたが、ハバナのバスターミナルから旧市街までタクシー10CUCがかかってしまい、かえって割高でした。

キューバでは公共交通機関を使った自由旅行は、時間も費用もかかるので、やめたほうがいいと思います。

バラデロ、ビニャーレスなど大勢が訪れる場所へは、ハバナからほぼ毎日出ている観光バスツアーに参加するのがベストです。

キューバの主要都市間の高速道路はよく整備されています。ほぼ日本と同じと考えていいでしょう。キューバ高速道路但し、いなかの道は舗装されていても、凸凹が多く、ガタガタ揺れます。

☆現地の旅行会社をうまく使いましょう

公共交通機関があまり発達していないキューバでは、現地の旅行会社に旅のパーツの手配を頼むことが多くなります。出発前にネットで調べるといくつか出てきます。「地球の歩き方」には日本語対応ができる旅行会社がいくつか紹介されています。

筆者はハバナに着いてから↓の会社で、民宿の予約、トリニダへの移動、ビニャーレス渓谷1日ツアーを手配しました。Cuba旅行会社

大きなホテルのフロント横に、旅行会社がカウンタを出していて、宿泊者でなくても、様々な手配を依頼できます。ハバナホテルフロント

会社によって手持ちの旅行パーツやネットワークに違いがあり、同じ会社でも店によって違いがあります。

☆ハバナ市内の交通

旧市街は歩いてまわれます。疲れたら人力タクシーの利用もいいでしょう。 ハバナ人力タクシー

新市街の革命広場や運河を挟んだカバーニャ要塞へは2階建ての市内観光バスの利用が便利です。1日内で乗り降り自由のシステムです。 Habanaオープンデッキバス

☆出発前にツーリストカードを取得

キューバに入国するにはツーリストカードの取得が必要です。ビザみたいなものです。

東京東麻布のキューバ大使館領事部(⇒ここ)で取ります。営業終了間際でなければ即日交付されます。

旅行会社に取得代行を頼むこともできます。申請にあたって準備するもの等、詳しくは大使館のHPで確認してください。

☆お金はどうする?

キューバではクレジットカードが通じるところが限定されています。使えないもの思っておいたほうがいいです。したがってお金は現金でもっていき、現地でキューバの通貨CUCに両替することになります。

街の両替所(CADECA)の前にはいつも行列ができていますので、レートが同じであることを確認できれば、ホテルで両替したほうが早いです。

CADECAに掲示されているレート表。Cuba両替レート表示

JPYもしっかり入ってますので、もっていく現金は円でだいじょうぶです。USドルだけは10%の手数料が取られます。

ひとつご注意。CUCを余して持ち帰っても、円、ドルなどに替えてくれるところはありませんので、両替しすぎないようにしましょう。

☆二重通貨制度

キューバの通貨は、外国人が使うCUCと、地元の人たちが使うCUPの2つが併存しています。CUCとCUPのレートは固定されています。CUCは「クック」と言います。キューバCUC

ホテル、みやげ物店、旅行会社など外国人しか使わないところの値段表示はすべてCUCです。地元の人たちが使うところは併記されていたり、CUPだけだったりします。「CUCではいくらか?」ときくと、たいてい実際のレートより高い金額が言われます。

同じものでも両通貨で開きがあります。地元向けに25CUP(≒¥28)の缶ビールが、CUC表示の店では1CUC(≒¥112)になったりします。*レートは2016年5月時点

観光客用の物価と地元民用の物価に差があるのは世界中どこでもあることですが、キューバでは2種類の通貨によって、かなり極端な差になっているのです。

☆キューバではネットが通じない

一部のホテル、レストランでWiFiが使えるところはあり、最近、整備が進んでいますが、基本的に使えないものと思っておいたほうがいいです。したがって、出発前の事前下調べが大切です。

☆言葉は?

旅行会社、☆が4つ以上ついたホテルでは英語が通じますが、民宿ではほとんど通じないところもあります。

タクシー、バスではほとんど通じません。スペイン語を片言でも身につけていたほうが楽しい旅ができるでしょう。

☆街歩きでは足元に気をつけて

キューバでは馬車が街中の移動手段、物資運搬手段になっています。そのため、いなかでは道に馬のフンが落ちていることがよくあります。ハバナでも時々みかけます。踏まないように気をつけましょう。

さて、いかがでしたか。この記事が皆さんの楽しいキューバ観光のお役にたてることを願ってやみません。良い旅を!

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欧米の劇場のチケットを賢く買うコツ

筆者はオペラやオーケストラなどのクラシック音楽が好きで、これまで約30年間の海外旅行のほとんどで欧米の劇場を訪れました。音楽を聴くだけでなく、その国その街の個性が反映されたオペラハウスやコンサートホールを観て回るのも楽しいものです。

「チケットはどうやって買うのですか」と尋ねられることがよくあり、「劇場の窓口かインターネットですよ」と答えると、「そんなことできるんですか」と反応されることがあります。

出発前に日本の旅行会社にチケット購入を依頼して、事前に確保していかないと劇場に入れないと思い込んでいる方がいらっしゃいますが、それは残念な間違いです。

日本の旅行会社は現地の業者にチケット確保を委託するので、手数料が二重にかかってしまいます

筆者が2007年にフランスのAix-en-Provence音楽祭でベルリンフィルのオペラ(ワーグナーのワルキューレ)を観に行った時には、日本の旅行会社に依頼しましたが、券面350€(当時のレートで¥57,750)のチケットが手数料を上乗せされ¥73,840になりました。

これはなるべくなら払いたくないコストですよね。旅行業者に依頼する前に自分で買えないか考えてみたほうがいいのではないでしょうか。

☆ネットでチケットを買う

欧米のたいていの劇場のチケットはインターネットで買えます。↓これはミラノスカラ座の例。ScalaTicket1

座席表に空いている席と値段が表示され、選ぶことができます。ScalaTicket2

クレジットカードで決済し、公演前に劇場にあるボックスオフィス(チケット売り場)でクレジットカードを提示して、その場でチケットを渡してくれます。

最近ではネットでチケット購入した時点で、サイトからダウンロードできたり、主催者から送られてくるメールにチケットが添付されていたりして、自宅でプリントアウトしてもっていくこともできます。旅行中にネットで買ってプリンタが利用できない場合でも、ホテルのフロントにメール送付して、プリントアウトしてもらうことができます。

クレジットカード番号をネットで入力することの安全性だけが懸念されますが、その他は簡単です。

私は2014年10月、超人気の歌姫アンナ・ネトレプコが出演する、ニューヨークのメトロポリタンオペラ「マクベス」の1階最前列席を公演の10日前にネットで買い、公演2日前に現地窓口でチケットを受け取りました。券面$400に発券手数料が上乗せされ、当時のレート($1=¥108)で¥45,801でした。日本の旅行会社を通していたら、きっと¥60,000以上していたでしょう。DSC_1328

☆劇場で当日チケットを買う

ボックスオフィスはたいていの劇場では正面入口の横か脇にあるのですが、大きな劇場ではわかりにくい場所にあることがあり、探すのに難儀することがあります。入口と離れていたり、劇場とは別の建物にあることもあります。その街に着いたらすぐに観光案内所などで確認したほうがいいです。

開演前に残席がある場合は元の券面価格から値引き発売されることもあります。

2013年6月にミラノスカラ座でワーグナーの「ニーベルンクの指輪」4公演を観に行った時には、開演前1時間を切ると、券面価格より4割引きで売っていました。2013JuneTravel 038

☆こんな場合は旅行会社を使う

旅行会社にチケット手配を依頼したくなる場合にはこんなのがあるでしょう。
① 現地の言葉も英語も全くできない
② チケット完売で、キャンセルが出る見込みがない
③ 目的の演目のチケットは入手可能でも、公演後に泊れる近くのホテルが旅行業者にすべておさえられて、ホテル予約と劇場チケットが抱き合わせ販売になっている

①は誤解です。劇場窓口係員はたいてい英語ができます。外国人客も来訪することを想定して、英語のできる担当者を配しています。そこでのチケット購入に必要な英語力は中学2年程度。必要な単語は限られていますので、文にして言わなくても、単語を羅列すればよいのです。

例えば、「tonight,Walkure(演目名),one,ticket,please」で通じます。その後、どのランク、どの位置という話になりますが、How much? やbest seatとかcheap ticketとかの単語だけでOKです。座席表を見せてくれ、希望の位置を指させばいいこともあります。座席の位置を示す単語(劇場によって呼び名が違います。platea,galleriaなど)は覚えておいたほうがいいです。

②は超人気のアーティスト出演時など極めて稀です。こうした場合は旅行業者に依頼するのもいいでしょう。

但し、ネットでチケット完売していても、ネットや電話で問い合わせると、たいていは「キャンセルチケットをお求めの場合は、1時間前にボックスオフィスに来てください」と言われます。当日になればたいては発売されます。整理券を配る場合もありますので、人気の演目では1時間より前に行って並んだほうがいいです。

③は夏の音楽祭でよくあります。有名なイタリアのヴェローナの野外オペラなど、劇場のキャパに比べて、終演後に歩いて帰れるホテルのベッド数が圧倒的に少ない場合です。これは如何ともしがたいので、旅行会社を頼るほかありません

☆チケットを余した人から買う

②の場合の奥の手として、「チケット求む」と書いた紙を持って列に並んでいると、余ったチケットを「買わないか」と寄ってくる人がよくいます。ほとんどの場合、ダフ屋ではありません。

欧米ではひとりで劇場に出かけることが日本に比べてかなり少なく、ほとんどがカップル、でなければ友人どうしです。そういう文化なのです。そのため、連れが急病や用事、あるいは、誘ったのについてきてくれなかったなどの事情で1枚だけ余ることがよくあります。シーズンチケットの場合は、1回券より安く買えることもあります。

但し、チケットが偽物でないことはその場で確認する必要があります。券面を事前に確認できればいいですが、わからない場合は周りの人に「これって本物でしょうか?」と声をあげて尋ねればいいのです。日付が本日かも確認します。

絶対に行きたいので少しでも失敗する可能性が残るのは嫌だという場合は旅行会社を使えばいいのです。劇場に行く以外の時間は現地の観光に時間を使いたいという場合も、時間を金で買うという意味でいいでしょう。

以上いかがだったでしょうか。皆さんが旅行コストを少しでも抑えて、本場の音楽を楽しむための一助になれば幸いです。