「イタリア」カテゴリーアーカイブ

奇跡の村:チヴィタ・ディ・バニョレージョ

地球上にこんなところがあるとは! チヴィタ・ディ・バニョレージョ(Civita di Bagnoregio)は、切り立った崖の上にちょこんとのっかった石造りの小さな村。

風雨によって崖の側面の浸食が進み、いずれはなくなってしまうので、チヴィタ・ディ・バニョレージョは「死にゆく村」と呼ばれています。

丘の上に村落が築かれるのはこの地方にはよくあります。約2500年前にできたチヴィタ・ディ・バニョレージョも、当初は丘の下から道をつたって登り着けたでしょう。しかし、今では隣の丘にあるバニョレージョ村から架かる約300mの橋が唯一のアクセス路です。

橋を歩いていくと村が眼前に迫ってきます。Bagoregio橋

ここから村に入ります。Bagnoregio門

門をくぐると、そこは中世の世界。Bagnoregio広場

入口の門からまっすぐ道が走っていて、3分も歩けば村の端に着いてしまいます。これがチヴィタ・ディ・バニョレージョのメインストリート。Bagnoregioメインストリート

その中間に村の中心の広場があります。広場に面した教会は黄褐色で地味な感じがします。Bagnoregio教会

メインストリートから横に小道を入って30~50mも歩くと、やはり村のはずれに達します。緑の丘が連なる、のどかな風景を見渡せます。Bagnoregio見晴し

チヴィタ・ディ・バニョレージョの住人は10人程度とのことですが、家々はきれいに飾られています。

Bagnoregio村の飾りつけ

昼間は観光客がいるので、「死にゆく村」と言っても、廃れた感は全くありません。

ホテル/民宿が2軒あるので、宿泊して、観光客の去った朝夕の村を歩いてみると、また違った印象になるかもしれません。

石造りの建物をそのまま利用したレストラン。道に張り出したテラス席もあって、中世の風情を感じながら地元産のワインを味わってみてはいかがでしょうか。Bagnoregioレストラン

☆チヴィタ・ディ・バニョレージョへの行き方

チヴィタ・ディ・バニョレージョはローマがあるラツィオ州とその北のウンブリア州の中間にあり、オルヴィエート(Orvieto)からバスでのアクセスになります。1日10本くらいあり、所要約1時間20分です。休日には本数が減ります。Civita Map©2018 Google

オルヴィエートはローマとフィレンツエを結ぶ主要幹線上にあって、ローマからは直通列車で1時間3~30分(ほぼ1時間1本)。フィレンツェからは直通列車で2時間11分(2時間に1本)です。

ローマから列車で2時間15分のヴィテルボ(Viterbo)からバスもあります。1日約10本、所要約50分です。

バニョレージョのバス停からチヴィタへの入り口までは、ほぼ平坦な道を約1km歩きます。入口近くにはかなり広い駐車場もあります。ここで入場料3€(2017年10月時点)を払って橋を渡ります。

橋を渡ったチヴィタの入り口から見るバニョレージョの村。Bagnoregio街

バニョレージョの村はイタリアのふつうのいなかの村で、宿泊施設が数軒あります。

チヴィタ・ディ・バニョレージョは現代から取り残された中世の世界。ローマを訪れたら、1日を割いて訪ねてみてはいかがでしょうか。一生忘れがたい思い出になりますよ。

(筆者が訪れた日:2017年10月20日)

 

 

 

聖フランチェスコのアッシジ

12世紀の聖人の街として知られ、世界中のキリスト教徒が巡礼に訪れる街、アッシジ(Assisi)。

キリスト教徒でなくとも、聖なる雰囲気を味わえるところです。 街はウンブリアの小高い丘の斜面に広がり、城壁で囲まれています。丘の頂上の城塞が街を見下ろしています。 アッシジ城塞

アクセスは、州都ペルージャからのバスで所要約1時間。
ローマからの直通バスもあります。
バスは街の城門の前に着きます。アッシジ門

お目当て、サン・フランチェスコ聖堂は珍しい2階建のカテドラル。上下で建築様式が異なります。 アッシジ聖フランチェスコ

内部の装飾画をゆっくり鑑賞しましょう。外は巡礼者や観光客で賑わっていても、中は静寂に包まれます。

街は歩いて回れると、ガイド本には書いてありますが、アップダウンがあって疲れます。 こんな時は街のあちこちにあるバールで休憩。地元ウンブリアワインが飲めます。

街の端から城壁越しにウンブリアの緑の平原を眺めながらの味わいは格別です。アッシジ街の端

街の入り口、大通り、聖堂は観光客でいっぱいですが、街のはずれに来るとイタリアの田舎の静謐さが味わえます。

(訪問日:2014年5月22日)

トスカーナの塔の街、サンジミニャーノ

サンジミニャーノ(San Gimignano)は美しいトスカーナのいなか街。このあたりの中心都市フィレンツェは観光客でごったがえしていますが、郊外に出ると、ゆるやかな丘が続くのどかな田園風景と城壁に囲まれた中世が残る街に出会えます。その中でもイチオシは塔の街、サンジミニャーノ(San Gimignano)。

街中心のドゥオーモ広場は、中世の風情ある建物に囲まれています。まるで時が止まったかのような雰囲気です。サンジミニャーノ塔
中世の時代に栄えたサンジミニャーノでは、当時の貴族や地元富豪たちが競って高い塔を建てました。サンジミニャーノ塔と野原

最盛期には72本あったと言われています。今も残る塔の上からは、密集した石造りの建築群が、周囲の緑の野に浮かんだ島のように見えます。サンジミニャーノ塔の上から

地元のワインをテイスティングさせてくれるバー。 サンジミニャーノワインショップ

4種類おつまみ付でした。サンジミニャーノワイン

サンジミニャーノの街のメインストリートのひとつ、サン・ジョヴァンニ通り。バス停近くの城門からドゥオーモ広場まで緩やかな上り坂が続きます。 サンジミニャーノ大通り2

歩きながら左右のお店を覗くのが楽しい。 観光客で混んでないのがいい。

☆サンジミニャーノへのアクセス

フィレンツェからバスです。直通はなく、途中、ポッジボンシ(Poggibonsi)で乗り換えになります。最短で所要1時半。バスの接続で待たされると2時間半くらいかかることもあります。フィレンツェ市内で渋滞にはまると、さらにかかることもあります。ポッジボンシまでは列車でも行けます。

バスはサンジミニャーノの城門のひとつサン・ジョヴァンニ門の近くに着きます。門をくぐったところにあるサン・ジョヴァンニ通りの緩い坂道を上がっていくと街の中心、チステルナ広場、ドゥオーモ広場に出ます。

フィレンツェに泊って日帰りで訪れる観光客が多いですが、ここはぜひ街の中で一泊することをお薦めしたい。日帰り客が帰った後、夕方から朝にかけて、静寂の中で街を歩いて、中世気分に浸れます。

(訪問日:2014年5月20日)

裏側から観るマッターホルン~チェルヴィニア

ヨーロッパアルプスを代表する名峰、マッターホルン。
スイスとイタリアの国境にそびえますが、
写真や映像でよく目にする姿はスイス側から撮ったものです。マッターホルンスイスby Martin Abegglen

これをイタリア側から観に行ってみます。マッターホルンイタリアby Matteo Galli

岩の塊といった感じで、かなり印象が違いますよね。

☆麓の街、チェルヴィニア

イタリアでは、マッターホルンはモンテ・チェルヴィーノと呼ばれています。麓の街、チェルヴィニア(Cervinia)は、人気のスキーリゾートで、ホテルやコンドミニアムが林立しています。チェルヴィニア街by Erik

すぐ目の前にモンテ・チェルヴィーノが鎮座しています。ゴンドラ、リフトでモンテ・チェルヴィーノのすぐ横まで登ることができます。

スキーシーズンは混み合いますが、夏は静かな田舎の村です。但し、閉まっているホテルやレストランがあり、ゴンドラが動いていない日もありますので、事前に確認が必要です。

☆チェルヴィニアへのアクセス

ミラノからSAVDA社のバスで約3時間です。途中、シャティヨン(Chatillon)で乗り換えになります。ミラノのバス乗り場はランプニャーノ( Lampugnano)バスターミナルです。地下鉄1線のランプニャーノ駅の上にあります。
SAVDA社

途中、古くからフランスのイタリアを結ぶ交通の要衝だったアオスタ渓谷に入ってからは、風光明媚な景色が車窓から楽しめます。アオスタ渓谷by Allan Watt

天気が良く、風が強くない日に限られますが、ゴンドラ、リフトを乗り継いでスイス側の街、ツェルマット(Zermatt)まで行くこともできます。モンテビアンコby Ramsete

スイス側のツェルマットが年中にぎやかなで、ホテルなどの価格も通年で高いですが、夏のイタリア側は、静かにのんびり安価にアルプスを楽しめる穴場です。ハイキングコースも整備されています。

ミラノの喧騒に疲れたら、コモ湖でのんびり

イタリアのファッションの街、ミラノは、ビジネスでも、観光、特にショッピングでも日本人がたくさん訪れる街です。そのミラノからスイス方面にいったあたりは、湖が多く、湖水地方と呼ばれています。なかでもコモ湖は、昔、ミラノの上流階級の多くが別荘をかまえた風光明媚なところで、このあたりでは人気のリゾート地です。(→地図

ミラノから湖畔の街コモまで鉄道で1時間くらいです。幹線上にありますから、本数が多い。そこから遊覧船に乗って、湖畔の小さな街を巡ります。夏の昼間は1時間に数本あり、土日は本数がさらに増えます。
→湖の遊覧船の時刻表


湖をわたる風が心地いいです。コモ船

ベラジオ(Bellagio)はこのあたりで最も大きな街。
湖畔にはホテル、テラスのレストランがあり、観光客が群れていますが、坂が続く街中を歩いて丘の上に登ると、人影はめっきり少なくなり、静かに山と湖の眺めを楽しめます。ベラジオ広場

その対岸のメナジオ(Menaggio)。
湖畔の時間はゆったり流れます。
こういうところでビールやワインを飲みながら、ボーっとするのは至福のひとときです。
メナジオ日本で言うと箱根みたいなところですが、落ち着いた気品が感じられます。 ここからバスに乗って、スイスに行くこともできます。


観光客はミラノからの日帰りエクスカーションが多いですが、ミラノの喧騒に疲れたら、オペラやサッカーといった目的がなければ、このあたりに泊って、観光客が去った後の朝夕の静けさを味わうことをお薦めします。

 

トスカーナワインツアー(その2)

イタリア、トスカーナのワインを楽しむツアー旅。今回はシエナ発でモンタルチーノへ。シエナへはフィレンツェからバスが頻発しており、直行で所要約1時間。 (⇒地図)

バスは13:00にシエナを出発し、南へおよそ1時間。モンタルチーノは丘の上の小さな街。モンタルチーノ

30分くらいのフリータイムで街をぐるっと一周。街の端からは、トスカーナののどかな田園風景が見渡せる。

近くのワイナリーへ。ワイン畑

オーナーの説明を聴いて、ワイン蔵にも案内してもらう。 ワイン蔵

そしてテイスティング。テイスティング

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノがこのあたりの名産。ワインボトル

複数のワイナリー巡りツアーがいっしょになってパーティ状態。参加者の皆さんと話が盛り上がり、飲めない人の分も飲んでけっこう酩酊状態。世界各国の観光客と交流できるのが、現地発のツアーに参加する楽しみです。シエナに戻ったのは19:00頃でした。

現地発ワインツアーへの参加のしかたはこちらへ。
このツアーはシエナやサンジミニャーノの観光案内所で申し込めます。

トスカーナワインツアー(その1)

日本からパック旅行でゾロゾロ集団で旅するのは嫌ですが、ひとりで行った先で現地発のツアーにはよく参加します。日本人が来なさそうなのを選ぶ。世界各地から来た人たちとの会話が楽しみです。同じ趣味の人が集まるので、話がはずみやすいのです。

最近特に気に入っているのはワイナリー巡りツアー

2013/2014と2年続けてイタリア、トスカーナのワインツアーに参加しました。 日本出発前にネットでも申し込めますが、クレジットカードで決済してしまうと、予定が変わってもキャンセルがきかないので、現地フィレンツェの旅行会社で当日申込み&支払をして、バウチャーをもらい、それを持って指定されたフィレンツェ駅前の集合場所へ。

今回は大型バスに客30人くらい。 2013JuneTravel 057

トスカーナののどかな田園風景の中を走ります。2013JuneTravel 041

最初のワイナリーに着くと、オーナーがお出迎え。ぶどう畑と蔵に案内してくれて、説明を聴きました。2013JuneTravel 040

4種類をテイスティング。2013JuneTravel 051

準備されたテーブルでワインとともに地元の食材の軽食も味わいました。2013JuneTravel 042

参加者の皆さん、和気あいあいで、オーナの説明を聴きつつ、おいしいくいただきました。2013JuneTravel 045

バニラアイスクリームとバルサミコソースは絶妙のマッチングでした。2013JuneTravel 050

ほろ酔い気分になったところで、2か所めへ。シエナの手前の、城壁に囲まれた丘の上の小さな街、モンテリジョーネ。
スイートワインをテイスティングの後、フリータイムが30分くらい。中世の街並みの中を歩き回りました。 Monteriggione1

フィレンツェ中央駅前の集合時間が14時、帰ってきたのが予定より40分遅れて20時10分。2か所6種類のテイスティングと軽食で42€(≒¥6,000)。