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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

モルドバのびっくり!ワイナリーめぐり

知られざるワインの名産地モルドバでのイナリー2つを訪れました。巨大な地下空間に広がるワイナリーを車でまわる驚きの連続でした。

モルドバは旧ソ連が分解してできた国のひとつです。
(モルドバはどこにある? ⇒こちらへ
(モルドバ共和国のご紹介 ⇒こちらへ
モルドバには特に有名な観光地もなく、日本ではなじみのない国ですが、ヨーロッパ最貧国と言うだけあって、ワイン好きにとっては激安でおいしいワインが飲める天国です。また、地下のワイナリーが巨大なワインセラーになっていて、世界の著名人、セレブたちがワインを貯蔵しています。

☆クリコバ(Cricova)

クリコバはモルドバの首都キシニョウから北に15Kmほどにあります。筆者はキシニョウの旅行会社のツアーで行きましたが、路線バスで行くこともできます。

こんな連結カートに乗って見学に入ります。Cricovaカート

洞窟のような地下道を走ります。全長は100kmを越え、最も深いところで地表から100mあるそうです。壁際にはワイン樽やビンを収めた棚が並びます。アドベンチャー気分!dav

何箇所かでカートから降りてガイドさんの説明を聞きます。 Cricovaガイドさん

長い地下道が天然のワインセラーの役割をしているわけで、年間通して一定の気温が保たれています。外が暑い時に訪れる際は、1枚羽織るものを持っていったほうがいいでしょう。

クリコバ産のワインを買って、自分のコレクションをここに貯蔵することができます。世界の有名人所有のワインが並びます。これはロシアのプーチン大統領のもの。Cricovaプーチンワイン

地下の奥深くに豪華なテイスティングルームがいくつもあります。Cricovaテイスティングルーム1

見学の後、そのうちのひとつでテイスティングしました。Cricovaテイスティングルーム2

おつまみ付で5種類。どれも美味しかった。おつまみにはモルドバ郷土料理のパイ、プラチンタも。Cricovaワイングラスとおつまみ

おみやげに買えるワインは驚きの安さでした。ほとんどが400~800円。Cricovaおみやげワイン

☆ミレシティ・ミチ(Milestii Mici)

首都キシニョウから南に10Kmくらいにあるミレシティ・ミチは世界最大のワイナリーとして知られています。

キシニョウからミレシティ・ミチにかけては、緩やかな丘にブドウ畑が広がるのどかな景色です。MilestiMici近くのぶどう畑

ミレシティ・ミチはワイン貯蔵数(150万本以上)の多さでギネスブックにも載っています。

クリコバと同様に洞窟のような地下道を巡るのですが、ここは見学客が自分の車で乗り入れます。車を持っていないと予約もさせてくれません。ガイドさんが車に乗り込んできて案内してくれます。ミレシティ・ミチ車と樽

自分でレンタカーを運転していてはワインが飲めませんので、キシニョウからのツアーで行くことになります。

ぐるぐるまわってかなりの距離を走りました。途中で内部の説明がありました。MilecitiiMici地図

ギネスの認定書が掲示されていました。ミレシティ・ミチ・ギネス認定書

テイスティングは生バンドの演奏付きでした。見学者の国籍をきいて、その国の音楽を奏でてくれました。MilestiMiciバンド生演奏

入口近くでおもしろいものがありました。誰でも考えつきそうですが、初めて見ました。MilestiMiciワインの泉

 ☆モルドバのワイナリーへの行き方

クリコバは事前に見学の予約をしたうえで路線バスで行くこともできますが、筆者はサイトを探すのが面倒で、2か所ともキシニョウのシュテファン・チェル・マレ通りにあるベストトラベル(BESTTravel)のツアーで行きました。

クリコバへは所要3時間半で60€(¥7,500)、ミレシティ・ミチへは所要3時間で50€(¥6,300)でした。なんでも安いモルドバにしてはお値段高めです。

モルドバはワイン大国、というか、ワイン好きにはワイン天国です。クリコバとミレシティ・ミチではテイスティングしておいしかったワインが500円くらいで売っていました。キシニョウのスパーでは200円くらいから売っています。

筆者は一人旅でしたが、ワイン好きが複数で行けば、安価でたくさんのワインを買って、ホテルで飲みまわすことができるでしょう。

モルドバへは中東経由のフライトを使えば、繁忙期を除いては10万円を切る価格で往復できます。隣国ルーマニアからバスか列車で入ることもできますので、ルーマニア観光と組み合わせた旅もおもしろいでしょう。

皆さん、よい旅を!

 

 

 

 

 

 

ポストイナ:スロベニアのびっくり地下世界

スロベニアの巨大鍾乳洞ポストイナのご紹介です。日本にも秋芳洞など鍾乳洞はありますが、ポストイナ鍾乳洞はあまりに巨大なスケールです。全長は約20km、ヨーロッパで最大とのこと。

2019年7月の暑い日に訪れましたが、今まで目にしたことのないような不思議な光景が暗闇の奥深くまで広がり、ひんやりと気持ち良い中で自然の神秘を存分に味わえました。

☆トロッコ列車で疾走する地下世界

チケットを買ってゲートを入るとすぐにトロッコ列車乗り場です。すべて自由席です。多数の車両が連結されていますが、各車両の最前列がお薦めです。すぐ前に人の頭がないので視界が広いからです。ポストイナトロッコ列車出発

トロッコ列車はかなりのスピードで疾走します。右に左にさまざまな形の鍾乳石がライトアップされて現れます。もう少しゆっくり走ってくれればいいのに。ポストイナトロッコ列車走る

トロッコ列車に乗っているのは10分ほど。降りてからはガイドさんに先導されて約2km歩きます。階段の昇り降りがかなりあります。ポストイナ鍾乳洞を歩く

巨大な空間です。ポストイナ鍾乳洞巨大な空間

たくさんの種類豊富な鍾乳石が観られます。ポストイナ鍾乳洞鍾乳石1

写真を撮っているとガイドさんが先に行ってしまいますが、気にしなくていいでしょう。歩く道は一本道で迷子になることはありません。ポストイナ鍾乳洞鍾乳石2

☆ポストイナ鍾乳洞への行き方

鍾乳洞はポストイナの街の中心チトー広場から歩いて15~20分ほどですが、筆者のようにポストイナの街に泊って出かける人は少なく、多くは首都リュブリャーナからの直行バスで来ます。

リュブリャーナやアドリア海沿いのリゾートタウン(ピランなど)からガイド付きのツアーで来ることもできます。

ポストイナ鍾乳洞の前には広い駐車場があり、多くの観光バスが停まっています。ポストイナトロッコ全景

ポストイナの鍾乳洞は入場時間が1時間単位に決まっていて、チケットには指定の入場時間が印字されます。その時間に入ってトロッコ列車に乗って、出てくる時間も同じ時間に入った人はほぼ同じです。

長く居たいからといって、勝手に歩き回ることもできなくはありませんが、帰りのトロッコ列車もほぼ1時間おきで、同じ時間に入った人たちと同じトロッコ列車に乗るよう促され、乗らないとかなりの時間待つことになります。

ポストイナ鍾乳洞の中での滞在時間は誰でも同じなので、最初からツアーにしたほうが、チケット売り場の列に並ぶこともなくラクと言えます。

ポストイナ鍾乳洞の入り口にはレストラン、カフェ、ホテルがあります。ポストイナ入口レストラン

☆ご注意

夏にポストイナ鍾乳洞を訪れる際には防寒着を用意していきましょう。鍾乳洞内部の気温は1年通して10℃くらいに保たれていますので、暑い日でも鍾乳洞の中はひんやりします。忘れたら入口で4€で防寒着を貸してくれます。

ポストイナ鍾乳洞の歩き道は湿っているところもありますので、滑らないように要注意です。靴底がすり減った靴はやめたほうがいいでしょう。

ポストイナ鍾乳洞はお天気に関わらずに楽しめますので、予定を固定せず、スロベニア滞在中の雨の日に日帰りで訪れるのもいいでしょう。

皆さん、良い旅を!

 

コッツウォルズで美しいイギリスの田舎を味わう

ロンドン滞在の折には、1日を割いて美しいイングランドのいなかを訪ねてみてはいかがでしょうか。 ロンドンから西に200Kmほどのコッツウォルズ地方には、かわいい街や村が自然豊かな丘陵地帯に点在しています。

地元の人たちの努力のおかげで、古い建物や自然景観が良く保たれており、おとぎ話の世界のような街並みを楽しめます。

筆者がロンドンからの日帰りツアーで訪れたコッツウォルズの4つの街をご紹介します。

☆バーフォード(Burford)

大学街オックスフォードから西へ32km、バーフォードはコッツウォルズの南の玄関口です。中世には毛織物交易で栄えた街です。

のどかな田園風景の中の緩い斜面のメインストリートには、チューダー朝時代から変わらぬ古い建物が並びます。今はパブ、アンティークショップ、ホテル、レストランなどになっています。
Burford通り

脇道に入ってみると、パン屋兼喫茶店のテラス席でした。

BurfordInnerStreet

坂を下ると川にアーチ状の橋がかかっています。観光客がいる以外は500年前の人たちが見ていたのとそっくり同じ景色です。
Burford小川

天に届かんばかりの尖塔が印象的な教会(St. John Baptist)。

BurfordChurch

☆バイブリー(Bibury)

バイブリーはコッツウォルズ観光のハイライトと言っていいでしょう。BiburyArlingtonRow1

アーリントン・ロウ(Arlington Row)は石造りの屋根が印象的な、16世紀に建てられたコテージです。BiburyArlingtonRow2

ロンドンからの日帰りツアーの多くがランチに訪れるSwan Hotel。BiburySwanHotel

近くにマスの養殖所(Trout Farm)があって、併設のレストランで新鮮なマスを堪能できます。

☆ボートン・オン・ザ・ウォーター
(Bourton-on-the-Water)

すべてに調和がとれています。小川、石橋、石造りの街並み、緑の木々が美しくマッチしたボートン・オン・ザ・ウォーターは「コッツウォルズの小ベネチア」と呼ばれています。Bourton-on-the-Water1

小川に沿って散歩が気持ちいい。
Bourton-on-the-Water2

コッツウォルズ特有の「はちみつ色」の石灰石でできた古い建物の多くは、みやげもの店、レストランなどの観光客向けの施設になっています。Bourton-on-the-WaterShop

コッツウォルズの街や村は旅人にやさしい。見所がよくわかる案内地図が置かれています。Bourton-on-the-WaterMap

☆ストウ・オン・ザ・ウォルド
Stow-on-the Wold

交通の要衝に築かれた市場町です。アンティークショップが多いのがここの特徴です。街の中心、マーケット・スクエア。中世にはここで市が開かれたのでしょう。Stow1

パブの裏庭にイングリッシュガーデンのテラスがありました。StowGarden

時代を感じさせる古いホテル。イングランド最古と銘打ってます。StowHotel

コッツウォルズすべてに言えるのですが、街並みの保存が見事です。電線は皆無、看板は控えめで、はちみつ色の建物にうまく溶け込んでいます。戦後、古い街並みを壊してしまった日本とは大違いです。

かなり意識的に努力しないとここまで残せなかったでしょう。古い街並みを誇るべき遺産と考えるイングランドの文化をうらやましく思います。

☆ コッツウォルズへのアクセス

手軽に行くにはロンドンからの日帰りツアーです。複数のオペレーターが運行しています。日本語ガイドのツアーもあります。

ツアーは、朝8時頃にロンドンを出発してコッツウォルズの4つの村を訪れて、夕方6時から7時にロンドンに戻るのが多いです。

各所でフリータイムは設けられていますが、道路の混み具合によっては、短くなることもあります。

宿泊して、観光客がいなくなった朝夕にのんびり散策してみたい村や街がたくさんありますので、自力でまわりたいところですが、バス便が少ないのが難点です。それでも距離が短いところでタクシーを使えばなんとかまわれそうです。

旅の起点となるのはチェルトナム(Cheltenham)、オックスフォード(Oxford)などです。これらの街から出ている1日ツアーですと、ロンドン発では行かないようなところにも連れていってもらえることがあります。

皆さん、よい旅を!

キューバの古都、トリニダー

キューバの古都、トリニダー。

16世紀初めにスペイン人によって開かれ、砂糖取引で栄えた植民地時代の雰囲気を色濃く残し、街全体が博物館のようです。「トリニダード」と表記されることもあります。

近郊の大規模サトウキビ農園があったロス・インヘニオス渓谷とともに世界遺産になっています。

☆トリニダーの中心、マヨール広場

Trinidadマヨール広場

ここで砂糖の取引が行われました。周辺には、かつての農園主邸宅など富裕層の旧邸宅が並んでいます。

☆歴史博物館

富裕層の旧邸宅のひとつが博物館として公開されています。トリニダ歴史博物館中庭かつての農園主の贅を尽くした暮らしぶりがしのばれます。

☆サンティシマ教会

マヨール広場の東に立つ教会。
暑い中、街歩きに疲れたら、ここで休むのがいいでしょう。
Trinidadサンティシマ教会2

 

木造の祭壇に聖母像。トリニダサンティシマ教会内部教会横の階段。トリニダ階段ローマのスペイン階段みたいですが、夜はキューバ音楽生演奏付のバー・レストランになります。Trinidad夜のレストラン

☆トリニダーのランドマーク、革命博物館の鐘楼トリニダ革命博物館

もとは修道院だった建物ですが、聖堂がなくなり、今はキューバ革命ゆかりの品々を展示した博物館になっています。

夜のたたずまいは風情あります。Trinidad革命博物館夜

鐘楼に登ると、街全体、そして街の周囲に広がる緑の野原、反対側にはカリブの海まで見渡せます。ロス・インヘニオス渓谷

☆街のベスト展望スポット~ホステル・アマルグル

歴史博物館の鐘楼もいいですが、ベスト展望ポットはここ。ホスタル・アマルグル(Hostal Amargura)の広々とした屋上です。Trinidad-Hostal-Amargura屋上

1階がバーになっており、その脇の階段を上がります。360度のパノラマが広がります。

☆マナカ・イスナガの奴隷の塔

トリニダー郊外、マナカ・イスナガの緑の野原に立つ塔。マナカ・イスナガ塔かつてこのあたりは一面サトウキビ農園で、アフリカから連れてこられた奴隷たちが大勢働いていました。農園主たちは、奴隷たちを見張り、合図を送るための塔を奴隷たち自身に建てさせました。

今はのどかな農村です。マナカ・イスナガ農村現代キューバのいなかのふつうの暮らしをうかがい知ることができます。マナカ・イスナガ農家トリニダーから、
・タクシー
・1日1往復の観光列車
・ツアー
で行くことができます。

☆トリニダーへのアクセス

ハバナからバスで約6時間、1日3便です。

トリニダーのバスターミナルは街の中心近く(マヨール広場から歩いて7~8分)にありますが、ハバナでは旧市街から離れた辺鄙なところにありますので、ホテルまでタクシーを使うことになります。

それを考えると、ツアーを利用するか、現地旅行会社にタクシーを手配してもらうほうが便利です。同じ日に同じ移動する観光客複数で相乗りするわけです。交渉次第ですが、ホテルの前まで送迎してくれます。

バラデロからも同様に行けます。バスで所要4時間半です。

空路であれば、シンフエゴスまで飛んで、そこからタクシーまたはバスになります。シンフエゴス⇔トリニダーはバスで約1時間半です。

 

 

 

 

バスクを旅する(その1) : サン・セバスチャン

スペイン北東部からフランスにまたがるバスク地方の中心都市のひとつ、サン・セバスチャン(San Sebastian)は、美食の都として知られています。

☆サン・セバスチャンで食い倒れ!

サン・セバスチャンの旧市街。サン・セバスティアン通り

右も左もバルだらけです。バルのカウンタには、ぎっしり小皿料理が並べられています。一皿2.5~4€(¥300~500)で、びっくりするくらいおいしいものが食べられます。料理を見て選べるのがいいです。サン・セバスティアンバル

高級そうなレストランに入らなくても、このような庶民的な店で、安く少量ずつ様々なものが食べられるのです。飲み歩き、食べ歩きの人には、サン・セバスチャンは天国です。

☆サン・セバスチャンの歴史を感じる

中世のサン・セバスチャンは、ヨーロッパ中央からスペイン西部のサンチャゴに巡礼に向かう途中にあり、海洋貿易で栄えた要塞都市でもありました。19世紀末には王家の避暑地となったこともあり、旧市街には歴史を感じさせる建物が多く建ち並びます。

そのひとつ、サンタ・マリア教会。サン・セバスティアン サンタ・マリア教会昼

ゴシック様式の堂々とした大伽藍です。内部のファサードもみごとです。san-sebastian%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bb%e3%83%9e%e3%83%aa%e3%82%a2%e6%95%99%e4%bc%9a%e5%86%85%e9%83%a8

夜はライトアップされます。san-sebastianサンタ・マリア教会ライトアップ
この周辺はバルが特に多く、夜遅くまで地元の人たちでにぎわっています。san-sebastianサンタ・マリア教会のにぎわい

16世紀の修道院を改装した、サン・テルモ博物館は、サンタ・マリア教会から歩いて5分くらい。バルをはしごして、食べて飲む合間に、中庭で休憩するのもいいです。にぎやかな旧市街とはうって変わった静けさです。サン・セバシティアン サン・テルモ博物館中庭

中庭を囲む建物だけでも見どころなのですが、絵画・彫刻に加えて、バスクの歴史と文化も展示されています。san-sebastianサン・テルモ博物館内部

☆サン・セバスチャンの絶景ポイント

サン・セバスチャンは海の街でもあります。湾をはさんで、街を見下ろす展望台の丘が2つ向かい合っています。⇒地図
そのひとつ「モンテ・ウルグル」は旧市街の背後にあります。サン・セバスティアン モンテ・ウルグル全景

「モンテ・ウルグル」へは歩いて登ります。頂上には中世の要塞の跡が残り、今も大砲が海のほうを向いています。san-sebastianモンテ・ウルグル頂上

もうひとつの丘モンテ・イゲルドは、湾をはさんで旧市街の反対側にあります。sansebastianモンテ・イゲルド

ケーブルカーで登ります。san-sebastianケーブルカー

頂上には展望台と遊園地があります。ここからの、コンチャ湾とその先に広がる旧市街の眺めは、サン・セバスチャン一番の絶景です。 サン・セバスティアン全景
2つの丘の間のコンチャ海岸はビーチリゾートです。旧市街からモンテ・イゲルドへは、1時間に2,3本あるバスが便利なのですが、海辺の遊歩道を歩くのも気持ち良いです。
サンセバスチャン海岸沿いの道

湾を見下ろす高台には高級感のある建物が建ち並びます。ホテルもありますので、オーシャンビューの部屋でプチ貴族気分を味わってみるのもいいかもしれません。

san-sebastian コンチャ海岸沿いの豪邸

夜景もすてきです。san-sebastian コンチャ海岸の夜景

☆サン・セバスチャンへのアクセス

サン・セバスチャンはスペイン北東部のフランスとの国境近くあります。

バルセロナからは列車で最短6時間、首都マドリッドからは最短5時間半です。バスは安価ですが、所要時間はさらに長くなります。

便利なアクセスは、バスクの中心都市ビルバオ(Bilbao)経由です。マドリッド、バルセロナだけでなく、日本からの直行便があるロンドン、パリ、フランクフルトなどのヨーロッパ主要都市からのフライトがあります。ビルバオ空港からサン・セバスチャンまで、1時間に1本、所要1時間15分の直行バスがあります。(⇒バスの時刻表

ビルバオ市内からも、バス(所要時間はやはり1時間15分)に加えて、RENFE(国鉄)、私鉄のバスク鉄道もあります。

フランスからもアクセスできます。フランス側の国境の街アンダイヤ(Hendaye)までは、ボルドーから列車で2時間25~50分。パリからは直行TGVで所要約6時間、乗り換えがあるともう少々時間がかかります。アンダイヤの駅を降りると、右手50mくらい行った先にバスク鉄道の駅があります。サン・セバスチャンまでは所要45分。30分ごとの運行です。

サン・セバスチャンの鉄道駅もバスターミナルも旧市街からは若干距離があります。旧市街の南端で観光案内所がある並木道Alameda del Boulevardまで、RENFEの駅からは徒歩約10分、バスク鉄道の駅は徒歩約15分、バスターミナルはさらに南にあるので、市バスに乗ることになります。

☆サン・セバスチャンで泊る

バル巡りに便利な旧市街がお薦めです。飲み食いで疲れたら戻ってしばらく横になれますから。旧市街には値段安めのペンションが多いです。

コンチャ湾沿いで海に面して眺めの良さそうなホテルもいくつかあります。値段高めのところが多いです。

☆サン・セバスチャンからのエクスカーション

ここを起点に、バスクの街や村を巡り、独特の文化を感じ、食事を楽しんでみてはいかがでしょう。お薦めはフランスとの国境の街、オンダリビア(Hondarribia)。バスで約40分です。詳しくは⇒こちらへ
さらにフランス側のバスクまで足を伸ばしてみるのもおもしろいでしょう。

☆バスクについて

ピレネー山脈をはさんでスペインとフランスに住むバスク人は、スペインともフランスとも違う独特の文化を育んできました。バスクの歴史は古く、民族系統、起源など不明なことが多いです。有名どころでは、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルがバスク人です。

かつてはバスク独立運動が激しく、スペイン国内でテロもやっていました。今は穏健になっていますが、独立運動はまだ続いています。

バスクの旗。スペイン国旗は見かけません。San Sebastian バスクの旗

バスク語は、スペイン語と並んで、バスク地方の公用語になっていますが、スペイン語とは全然違っています。サン・セバスチャンはバスク語ではドノスティア(Donostia)と言い、バスの行先表示ではバスク語のほうが使われていますので、旅行者は戸惑うことがあります。

この記事が皆さんのバスク旅の一助になれば幸いです。

 

 

 

北ウェールズの古城巡り

イギリスの美しい田舎、北ウェールズ。小高い緑の丘と入り組んだ海ののどかな景色の中に、歴史を感じさせる古城が残る中世の街がたたずんでいます。この中からの筆者が訪れた2つをご紹介します。

ウェールズはイギリスの一地方扱いですが、元々は別の国で、かなり強引にイングランドに併合されたという歴史があります。

今は「イギリス」と一言で呼んでますが、元々は別の国だった4つの国からできています。そのため正式国名に連合王国(United kingdom)がつくのです。

☆コンウィ(Conwy)

街の入り口に堂々とした古城がそびえます。コンウィ街全景

コンウィは古城から連なる城壁に囲まれた街です。城壁の上は遊歩道になっています。Conwy城壁遊歩道

城壁に面して民家が建ち並びます。城壁の上を散歩しながら街を見下ろすことができます。Conwy住宅と城壁

城壁の一角に城郭が残っています。塔には登れます。Conwy城郭

街の周囲には緑の丘と入り組んだ海がひろがります。Conwy周囲の風景

街歩きが楽しい! 通りには風情ある建物が残っています。Conwy通り2

☆カナーヴォン(Caernavon)

日本ではまだあまり知られていませんが、カナーヴォンはイギリス国内、ヨーロッパではかなりメジャーな観光地で、古城の城壁前の駐車場には観光バスがたくさん停まってます。

街の造りはコンウィと同じで、城壁が街を取り巻き、その一角がりっぱな造りの城郭になっています。但し、コンウィと違って、城壁の上はほとんど歩けません。

古城の中庭。城郭の中に、歴史を紹介し、資料を展示しているスペースもあります。Caenarfon城内庭

塔のいくつかには登れます。螺旋状の石の階段はかなり急ですので、体力に限界のある方は、海に近い方の塔に登られることをお薦めします。Caernarfon城壁から見る海

古城の中の薄暗い通り。保存状態は良好です。Caernarfon城壁内2

カナーヴォンはイギリスの王室の皇太子即位式が執り行われるところです。儀式の際に王室の人たちが民衆の前に現われるロイヤルテラス。 Caernarfon王室

ロイヤルテラスからの眺めると、街の向こうに小高い緑の丘が連ります。のどかなウェールズの風景です。Caernarfonロイヤルテラスからのながめ2

☆北ウェールズへのアクセス

ウェールズの首都カーディフからはかなり時間がかかりますので、ロンドンから列車でチェスターを経由して行くのが便利です。マンチェスターからも近いです。

ロンドン⇔チェスターは鉄道で所要約2時間~2時間半。
マンチェスター⇔チェスターは鉄道で所要約1時間~1時間半。
(いずれも直通もありますが、乗り換え待ち時間によって所要時間が異なります。)

チェスターからコンウィは列車で1時間弱ですが、コンウィの城壁内の駅に停車する列車は少ないので、約1.5キロ、チェスター寄りのスランドゥドゥノ・ジャンクション(Lianduduno Junction)で下車して、徒歩約15分、もしくは、バスで街まで行くことができます。徒歩で行くと、正面にお城、右に海を見ながらの、気持ち良いアクセスです。

カナーヴォンへは、
チェスター⇔(列車で1時間弱)⇔スランドゥドゥノ・ジャンクション⇔(列車で17分)⇔バンガー⇔(バスで約40分)⇔カナーヴォン

曜日によって運行間隔は異なりますが、夏の平日昼間であれば、チェスターからコンウィー方面の列車は1時間に1,2本、バンガー⇔カナーヴォンのバスは1時間に4本あります。お出かけ前にネットでお調べになることをお薦めします。

北ウェールズのバスは⇒こちらへ

では、良い旅を!

リオデジャネイロ観光ガイド

ブラジルを代表する都市、リオデジャネイロ。
ブラジル最大の都市サンパウロがビジネスの街であるのに対して、第二の都市リオデジャネイロは、青い海、ビーチ、その周囲の奇岩が織り成す不思議な景観が魅力の観光都市です。

2014年にはサッカーワールドカップの開催都市のひとつになり、2016年には夏のオリンピックも開かれましたので、テレビなどで目にされた方も多いでしょう。

日本からにパックツアーに入らず、個人でリオデジャネイロを観光される方のために、リオの楽しみ方をコンパクトにまとめました。

☆まずはコルコバードの丘で
リオ全体を見渡そう

街全体を見下ろすコルコバードの丘の頂に立つキリスト像はリオデジャネイロだけでなくブラジルのシンボルです。リオデジャネイロ コルゴバード キリスト像

人気の観光スポットだけあって、狭い頂はいつも混み合い、天気の良い日は満員電車状態になることもあります。コルゴバード

地図を片手にここから四方を眺めると、リオデジャネイロ全体をよく把握できます。

下からはこう見えます。下から観るコルゴバード

頂上の下にオープンテラスのバーがあって、180度の大パノラマを眺めながら飲食を楽しめます。

アクセスは麓のコスメ・ベーリョから登山電車が便利ですが、予約なしで行くと、2,3時間待たされることがあります。ネットなどで事前予約をお薦めします。筆者はガレオン空港の代理店で予約しました。ワゴン車を乗り継いで行くこともできます。
コスメ・ベーリョへは旧市街(セントロ)からバスが出ています。

☆リオを楽しむコツ

到着したら地図とバス・地下鉄路線図を入手しましょう。

エアコン付バス(フレスコン)が運行されるガレオン空港⇔旧市街(セントロ)⇔ボタフォゴ海岸⇔コパカバーナ海岸⇔イパネバ海岸がリオデジャネイロ観光の幹線ルートになります。このバスが走る通りは日によって変わることがありますので、観光案内所などでご確認ください。

また、バスは渋滞にはまることが多いので、旧市街⇔ボタフォゴ⇔コパカバーナは地下鉄が便利です。これに番号の付いた路線バスを組み合わせて街中を移動することになります。

☆人気のビーチリゾート、
コパカバーナ海岸

ワイキキやニースと並んで世界的に有名なビーチです。コパカバーナ

海沿いに高級ホテルが林立し、大勢の観光客で賑わっています。ビーチにはたくさんの露店の飲食店、みやげ物店などが並んでいます。
コパカバーナ通り

一方、内陸側に入ると庶民的な雰囲気になり、飲食も買い物も宿泊も値段がぐっと下がります。

☆イパネマ海岸

コパカバーナの西に連なるイパネマ海岸まで来ると、観光客をあまり見かけなくなります。イパネマ海岸

☆静かなボタフォゴ海岸

混雑に疲れたらここです。旧市街からコパカバーナにバスや地下鉄で向かう途中、入り組んだ湾の奥にあって、ボン・ジ・アスーカルの奇岩が見下ろしています。ここも観光客があまり来ないので、のんびりくつろげます。ボタフォゴ

☆もうひとつの展望台、
ボン・ジ・アスーカル

岩の頂の展望台です。ここからもリオデジャネイロの街の絶景が楽しめます。混み合いますが、コルコバードより頂が広いので、ゆったり景色を眺められます。

ロープウェイを乗り継いで登ります。ロープウェイ待ちの時間を見込んで、余裕をもってお出かけください。

ボン・ジ・アスーカルから望む夕日。夜景に移り変わっていく時間にここに居るのは至福のひとときです。ボン・ジ・アスカールの夕日

☆旧市街(セントロ)

近代的な大都市としてのリオデジャネイロの顔を見ることができます。今も州議会が開かれているチラデンチス宮殿には議会などが開催されていない時に入れます。

チラデンチス宮殿

巨大なピラミッドのようなカテドラール・メトロポリターナ。リオデジャネイロ カテドラルメトロポリターナ

サン・アントニオ修道院などの古い建物も街のところどころに観られます。

☆日本からリオへのアクセス

リオデジャネイロはサンパウロと並んでブラジルのゲートウェイになっています。現在(2021年10月)そしてコロナ前も、日本からブラジルへの直行便はなく、どこかで乗り継いで行くことになります。

日本人観光客が最もよく使うのがアメリカ経由です。ニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルスなどが経由地になります。

筆者はドイツのフランクフルト経由のルフトハンザで行きました。昼過ぎに日本発で同日夕方にフランクフルト着。3時間半待ちの乗り継ぎで翌朝早朝にリオ着でした。帰りは夜10時すぎにリオ発、翌日昼過ぎにフランクフルト着、3時間半待ちの乗り継ぎで翌日の正午過ぎに帰国しました。行きは所要28時間、帰りが所要25時間でした。

他に中東(ドバイなど)経由も可能です。

日本から見てリオデジャネイロはちょうど地球の裏側にありますので、どこを経由してもフライトしている時間は同じです。旅行される日に最も安く、かつ、乗り継ぎが1回で済むフライトを選ぶのがお薦めです。アメリカ経由にすると、乗り継ぎが2回になることが多く、時間がかかります。また、リオは夜の治安が良くないので、到着が夕方以降にならないようにするほうがよいでしょう。

 ☆リオの治安はどうか

楽しみいっぱいのリオデジャネイロですが、心配なのは治安です。危ない場所を事前に把握して近寄らないようにしましょう。

特に、ファベイラ(貧民街)には絶対に近づかないようにしてください。ファベイラ近くに行くバス路線もありますので、バス乗車の際は番号と路線図で行先を確認してください。セントロの北のエリアも危険ですので、近寄らないほうがいいでしょう。Rioファベイラ

コパカバーナ海岸の大通り沿いの治安は問題ありませんが、ビーチの波打ち際は通りから死角になり、犯罪が多発していますので、注意してください。

コルコバードの登山電車が混んでいるからといって、登山気分で山道を登ろうとは考えないほうがいいです。車の通りが多い山道ですが、脇の林に引きづりこまれると怖いです。

地下鉄は日本と同じような感覚で乗れますが、見まわしてみると、寝ている人、背中に荷物を背負っている人がいないのに気づきます。スリにはご用心を。

皆さん、安全には気をつけて良い旅を!

 

エジンバラ観光ガイド

イギリス北部、スコットランドの首都、エジンバラ。
英国と一言で言いますが、エジンバラの街を歩いてみると、スコットランドはイングランドとは別の国であったことがよくわかります。

☆エジンバラの街のつくり

エジンバラは、歴史的な建築物が建ち並ぶオールドタウンと、18世紀の都市計画で造られたニュータウンに分かれています。

ロンドンからの列車はウェイヴァリー駅(Waverley)に着きます。まずは駅の北東にある「カールトン・ヒル(Carlton Hill)」に登ってエジンバラ全体を眺めてみました。駅から歩いて15分くらい。

駅の南方の丘の上がオールドタウン。古い建物が密集しているのがわかります。その西(写真の右)の端がエジンバラ城です。Edinburgh全景

☆オールドダウンへ

ウェイヴァリー駅から急な坂を上ってオールドタウンへ。西の端の「エジンバラ城」から東の端の「ホリルードハウス」までが「ロイヤル・マイル(Royal Mile)」と呼ばれる緩やかな坂です。Edinburghロイヤルマイル

いつも人通りの絶えない、エジンバラのメインストリートで、左右に歴史的な建造物が建ち並びます。↓この建物の内部は市民の生活を紹介した博物館でした。Edinburghピープルズストーリー

聖ジャイルズ大聖堂(St. Giles’ Cathedral)もこの通り沿いにあります。内装はかなり質素ですが、ステンドグラスが印象に残ります。Edinburgh大聖堂の中

☆エジンバラ城

エジンバラ城は岩山に築かれた天然の要害です。
ニュータウンから見上げたエジンバラ城。 Edinburghニュータウンから観た城2

ニュータウンの反対側から見上げる、夜の闇に浮かぶエジンバラ城。Edinburgh城夜景

城の前の広場では、毎年夏の間、ミリタリー・タトゥーと呼ばれる音楽と踊りのイベントが開かれます。(⇒こちらへ

見学の入口、チケット売場はロイヤル・マイル側にあります。Edinburgh城門

エジンバラ城の中の広場で、スコットランドの民族楽器バグパイプの演奏が行われます。Edinburghバグパイプ

外に向けた大砲が並んでいます。ここからエジンバラの街全体を見渡せます。Edinburgh大砲

城の建物の一部は博物館になっています。

これは武器庫。Edinburgh武器庫2

城からの景色が見事なうえ、博物館の展示も盛りだくさんなので、説明を読みながらじっくり観るには最低3時間は見込んでおくといいでしょう。

☆ホリルードハウス宮殿
(The Palace of Holyroodhouse)

現在もイギリス王室が使っている宮殿です。王室メンバーが滞在中でない時に、豪華な装飾の施された大小様々な部屋を見学できます。

中世のスコットランドvsイングランドの歴史の概要を頭に入れて出かけるとオーディオガイドの説明がよくわかります。Edinburghホリルードハウス

王室の美術コレクションを展示した「クイーンズ・ギャラリー」。 エジンバラ クイーンズギャラリー

開放的な庭。夏には女王主催のパーティが開かれ千人近くが集まるそうです。エジンバラ郊外に広がる緑の丘の眺めは気持ちいい。Edinburgh郊外の丘

☆オールドタウン以外の見どころ

ギリシャ神殿風の重厚な建物は国立スコットランド美術館(National Gallery of Scotland)。エジンバラ城からニュータウン方面に下ったところにあります。筆者が訪れた日には室内楽のコンサートが開かれていました。Edinburgh美術館

ニュータウンの中心、セントアンドリュー・スクエア。Edinburghニュータウン2

長距離バスターミナルの近くです。

☆エジンバラを楽しむコツ

安めのホテルはオールドタウンからちょっと離れたヘイマーケット(Haymarket)駅周辺に多いですが、ここはぜひオールドタウンに泊ることをお薦めします。

ロイヤル・マイルの大通りは夜遅くまでにぎやかで、古い建物がライトアップされているところもあります。通りに面したパブでスコッチウィスキーかビールを飲んで、歩いて帰れるところにホテルを取ると、夜の街歩きも楽しいです。

時間がない方は、
・カールトン・ヒルで街全体を見渡す
・エジンバラ城
・ホリルードハウス宮殿
に絞るとよいと思います。移動の途中に聖ジャイルズ大聖堂に寄る。

では、皆さん、良い旅を!