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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

ミルフォードトラック:その魅力と歩き方

「世界で最も美しい散歩道」と言われる
ミルフォードトラック。

ニュージーランド南島の南西部、ミルフォードサウンドとテ・アナウ湖を結ぶ約53kmのトレッキングコースは感動の連続です。まず、その魅力をご紹介します。

1. 手つかずでスケールの大きな自然

自然環境保護のため、ミルフォードトラックへの入山者数は制限されており、手つかずの大自然がそのまま残っています。

氷河によって削られた深いU字谷の中を歩きます。Milford U字谷

崖を流れ落ちる滝は数知れず。Milfordサザーランドの滝

山道と並行して流れる川。
大規模な地滑りが発生したところでは、堰き止められて池になっています。Milford川

ミルフォードトラックの鳥たちは人慣れしていて、近くまで寄ってきます。Milford鳥

風に揺れる花。 Milford花

2. 上級クライマーでない、ふつうのハイカーでも歩ける

ミルフォードトラックの山道は整備されて歩きやすく、脇道に迷い込みやすいところには標識が立てられています。Milford分岐の標識

1マイルごとに、どのあたりかわかる標識は、周囲の木々に溶け込む色合いです。Milford標識

行程中のハイライトであるマッキンノン峠を越える道は緩やかなジグザグ道。600m登って900m下りますが、よじ登り感は全くありません。Milford登り道

足を踏み外したら、谷底まっさかさまの危険な場所はミルフォードトラックにはほとんどありません。峠の上のここくらい。Milford崖の上

難所には木の階段が架けられているところもあります。Milford下りの階段道

ミルフォードトラックでは安全には十分に配慮されています。

3. 悪天候でも景色を楽しめる

ミルフォードトラックのある地域は世界屈指の多雨地帯です。雨に降られる確率はかなり高いのですが、峠を除いては標高が高くないので、雨の日でも霧で周囲がまっ白になることがなく、景色を楽しめます。

霧に煙る滝も風情があります。雨で水量を増して迫力満点です。Milford雨の滝

雨が強いと道が川のようになり、膝まで水に浸かって歩くこともあります。Milford水浸しの道

4. ミルフォードトラックを歩くには

ミルフォードトラックへは個人で好きな時に訪れることはできません。以下の2つのいずれかに事前予約する必要があります。

ひとつは個人ウオーク(Independent Walk)。

3泊4日の決められた行程を個人で歩きます。食糧や装備はすべて自分で持ち歩きます。ロッジは簡素ですが、洗い場、コンロ、トイレはあります。2段ベッドにはマットレスは用意されており、寝袋を持参します。Milford個人ウオークの小屋

もうひとつはガイド付きウオーク(Guided Walk)。

1日につき50人までで、参加費は高額ですが、その値段にふさわしい、すばらしい体験ができます。2019-20シーズンは1NZ$=68円として、相部屋で約16万円、個室だとその約2割増です。

歩くのは実質3日で、山中のロッジに3泊し、4泊目はミルフォードサウンドのホテルです。

相部屋の様子です↓Milfordロッジ相部屋

歩いている時は、ガイドが先頭と最後尾について、安全には万全を期しています。ミルフォードトラックの魅力、行程中の個別の見どころなどいろいろな話を聞けます。ランチを食べるところでは、暖かい飲み物を用意してくれます。

増水した濁流を渡る時にはアシストも。Milford濁流アシスト

電話もネットもつながらない山奥ですが、ロッジの設備、食事はホテル並みです。

到着すると、入口にジュース、水、軽食、フルーツが用意されています。ロビーに入るとさらにたくさん。コーヒー、紅茶もあります。Milfordロッジ軽食

ラウンジでゆったりできます。バーもあって、有料ながら、地元のワイン、ビールも飲めます。Milfordロッジのラウンジ

ディナーは地元の食材を使ったコース料理です。メインは3種類から選べます。

前菜。Milford前菜

メイン。Milfordメイン

デザートも。Milfordデザート

さらにテーブルごとに大皿のサラダが出されます。

朝食はビュッフェ。パン、シリアル、卵、ベーコン、フルーツ、ヨーグルトが並びます。エッグベネディクトが出される日もあります。

朝食前に、テーブルに並べられた豊富な食材でランチのサンドイッチを作って持っていきます。Milfordランチ

最終日はミルフォードサウンドのクルーズ。Milfordミルフォードサウンドクルーズ

さまざまな国のトレッキング仲間と交流でき、まさに至れり尽くせりの4泊5日です。

ミルフォードトラックのガイド付きツアーの全行程詳細レポートは⇒こちらへ

5. ミルフォードトラックを歩く詳細ノウハウ

ガイド付きツアーでミルフォードトラックを歩く時のノウハウをお伝えします。

☆ツアー予約

主催者のUltimate Hikesのサイトに、出発日ごとの空き状況が表示されています。日本語対応もされています。必要情報を入力し、クレジットカードで支払いすれば予約完了です。

予約完了すると、全行程の詳細、準備、注意点が書かれた資料がメールで送られてきます。

日本の旅行会社が主催する、ツアー申込も含めたパックツアーに申し込むこともできますが、料金は割高です。

☆ツアー参加のための所要日数

4泊5日の行程ですが、ツアーの前日、出発地クイーンズタウンで行われる説明会で、ツアー全般の予定、注意点の説明があり、貸与品の受け取りもあるので、出席したほうがいいです。したがって、
休暇1日目:日本出発
休暇2日目:クイーンズタウン着、説明会
休暇3~7日目:ミルフォードトラック・ツアー
休暇8日目:早朝にクイーンズタウン発、夕方、帰国。
と、最低8日が必要です。

ツアー最終日にクイーンズタウンの空港で降ろしてもらって、そのままフライトで帰国、または、ニュージーランド国内の他の都市に移動するのは、帰りのバスが遅れるリスクを考えるとお薦めできません。

☆言葉の心配

日本人参加者が多い時は、いつもとは限りませんが、ガイドの一人が日本人になります。クイーンズタウンのUltimate Hikesでの出発前日の説明も日本語でやってもらえることがあります。

前日にもらえる行程や注意書きを書いた資料も日本語対応しています。Milfordナビゲーター

☆持ち物

ザックをしょって歩くことになりますので、なるべく軽くすることが肝要です。

出発前日の説明会で、主催者Ultimate Hikesがくれるビニールのバッグに不要なものを入れて、初日に預けると、4日目に宿泊するロッジまで運んでもらえます。ただし、容量に限りあり、スーツケースなど大きなものは入れられませんので、自分で対応しなければなりません。

出発地のクイーンズタウンで荷物預けを探すか、出発前日と最終日に同じホテルに泊まって、トレッキングに必要ない荷物を保管してもらうのがいいでしょう。

☆持ち物:衣類

各ロッジには洗濯用のシンクがあり、乾燥室は(4日目を除いて)強力で、ディナー前に洗濯して干しておけば、夜10時に電気が切れる前には乾きますので、多くの着替えを持ち運ぶ必要はありません。

歩いて汗をかき、雨に濡れる可能性が高いので、乾きやすい化学素材を選びましょう。綿素材はNGです。重ね着できる工夫も必要です。これらは一般的な登山の心得と同様ですが、天候が急変しやすいミルフォードトラックでは特に重要です。

1,2月の真夏でも、峠越えでは気温が0℃近くまで下がることがあり、台風並みの強風が吹く日もあります。

☆持ち物:ブーツとスリッパ

登山用ブーツは履きなれたもの持ってきましょう。水浸しになる可能性が高く、乾かしていると、上部が裂けることがありますので、あまり古いものはよくないでしょう。

ガイドさんによると、毎回1人はブーツが裂ける人がいて、テーピングの応急処置が必要になるそうです。

Milfordブーツ裂けた←こんなふうになる!

 

 

 

 

 

 

 

また、ブーツの底についた土はきれいに掃って持ってきましょう。ニュージーランド入国の際に税関でチェックされることがあります。

ロッジの中では登山ブーツは履けないルールになっていますので、上履きが必須です。床が濡れていることもありますので、布の薄いスリッパは不向きです。軽量かつ底が厚いものを選びましょう。

☆持ち物:雨具

ミルフォードトラックは世界屈指の多雨地帯ですので必須です。上半身に水が浸み込まないように、ザックと上半身を一体で覆える雨具がいいでしょう。

傘をさして歩けなくはありませんが、どしゃぶりになると役に立たなくなるのでお薦めできません。

ズボン、ブーツに上から雨が入らないようにする防水レッグカバーもあったほうがいいでしょう。

Ultimate Hikesで前日の説明会の時に無料で貸してもらえますが、自分に合うものを持って行ったほうがいいです。

☆持ち物:虫よけ

サンドフライという蚊のような小さな虫が、休憩時間で止まっていると、露出した肌に大量にくっついてきます。日本の蚊は振り払えば飛んでいきますが、サンドフライはくっついたまま離れようとしません。体質にもよりますが、さされるとかなりかゆい。しかも数日続くことが多い。

肌をなるべく露出させないことが肝要ですが、手などにはスプレーで手当てしておいたほうがいいでしょう。クイーンズタウンのUltimate Hikesの店でスプレーを売っていますが、自分に合ったものを持ってくるほうがいいでしょう。顔にもくっついてきますので、網のようなもので覆っている女性もいます。

☆持ち物:食べ物

山奥で売店もない、小腹がすいたらどうしよう、と考えてスナック菓子、バランス栄養食品などを持っていく必要はありません。

ロッジに到着すると軽食が用意されているので、ディナー前に空腹に悩むことはありません。夜、お腹がすきそうな人は、バナナやビスケットをキープしておけばいいでしょう。

☆持ち物:水筒

必須です。行程中、ミネラルウオーターは手に入りません。浄水器もありません。

初日はバスの中で飲む分を出発前に用意します。2日め以降は、朝、ロッジで適量を入れていきます。途中の休憩場所で、暖かい飲み物、ジュースも出してもらえますし、水の補給もできますので、たくさん入れていく必要はありません。

☆持ち物:懐中電灯

日が短くなる3~4月に参加する場合、暗くなってから歩くことに備えることを考える方もいらっしゃるでしょうが、朝早く出発する余裕のスケジュールで、アクシデントで他の参加者から遅れて一人で歩く場合でも、ガイドがフォローしてくれますから、基本的に不要でしょう。

ロッジでは22時~6時すぎまで電気がつきませんが、部屋に懐中電灯が常備されていますので不要です。スマホの電燈ソフトで十分です。

☆持ち物:トレッキングポール

Ultimate Hikesから有料(25NZ$)で借りられます。

☆持ち物:カメラ

雨に遭う可能性が高いので、カメラは防水機能があるものにしたほうがいいでしょう。メインのカメラの他に、軽めの防水カメラの2台持ちしている人もいます。

☆電話・ネットは使えない

初日にテ・アナウでランチを食べてから、5日目に同じ場所に戻るまで一切使えません。

☆保険

必ず日本出発前に入っておきましょう。

6. ミルフォードトラックへのアクセス

起点となるのが、ニュージーランド南島有数のリゾートタウン、クイーンズタウン(Queenstown)。Milford Queenstown

ガイド付きツアーの発着地です。

クイーンズタウンへは、日本からのフライトがあるオークランドから1日6~8便(夏季)のフライトがあり、所要1時間50分。クライストチャーチからは1日4~5便で、所要約1時間。オーストラリアからのフライトもあります。

空港から街の中心へは15分おきにバスが運行されており、所要30分くらいです。

クイーンズタウンのガイドは⇒こちらへ

さて、いかがでしたでしょうか。この記事が、これからミルフォードトラックを歩こうと計画されている方のお役に立てれば幸いです。

 

 

 

マールボロでニュージーランドワイン

最近、日本のコンビニやスーパーでも買えるようになったニュージーランドワイン。マールボロ地方(Marlborough)は、その最大の生産地です。ブドウ畑が広がるのどかな平原にワイナリーが点在します。

☆マールボロ地方の位置、特徴

ニュージーランドは南と北の2つの島から成りますが、マールボロ地方は南島の北東部にあります。

南北を低い山地に挟まれた平原は一面ブドウ畑。Marlboroughブドウ畑1

マールボロの中心都市ブレナム(Blenheim)とその9km西にあるレンウィック(Renwick)にかけて多くのワイナリーが点在しています。
Morlboroughブドウ畑2

ブドウの実がたわわに実ります。Marlboroughブドウの実

マールボロは日照時間が長く、海からの風で夏でも涼しく、 さらに昼夜の寒暖の差が大きく、ワイン造りに適した気候です。

特にソーヴィニヨン・ブランは最高においしい!

☆マールボロのワイナリーを巡るには

ワイナリーは東西約20km、南北約10kmのエリアにあります。起伏のない平坦な地形なので、レンタサイクリングでまわることはできますが、ワインを飲んで酔っぱらうことを考えるとお薦めできません。

公共交通機関はブレナムとケズウィックを結ぶ幹線道を走るバスが1日数本ありますが、道路から離れたワイナリーも多いですから使いづらい。

人数が集まればタクシーをチャーターすることもできますが、ブレナム発のワイナリー巡りツアーに参加するのがよいでしょう。

ブレナムだけでなく、北方約30kmにあるピクトン(Picton)でピックアップしてもらえるツアーもあります。ピクトンは南北島間を渡るフェリーが発着する港町です。

☆ワイナリーツアー

複数の会社が1日/半日/時間単位のツアーを用意しています。筆者が参加したのはMarlborough Wine Tours社の1日ツアーでした。

10:00頃、ブレナムの駅といくつかのホテルで客をピックアップし、5か所のワイナリーを巡り、1か所で4~5種類のテイスティングして、110NZ$。うち1か所で別料金のランチを食べ、16:00過ぎに客が指定する場所で降ろしてくれるというものでした。

ワイナリーに着くといきなりテイスティングワインが用意されています。おつまみ付き。Marlboroughテイスティング

説明を聴きながら、次々につがれるワインを味わいます。Marlbouroughワイン注ぐ

その場で買うこともできます。Marlbouroughワイン買う

日本でも最近みかけるSpy Valley Wines。Spy Valley Wines

4つめのワイナリーでランチ。世界各国の同好の人たちと話がはずみます。Marlboroughランチ2

☆泊るならブレナム

マールボロのワイナリーを巡る起点の街はブレナム。これといった見どころはありませんが、こじんまり落ち着いた感じの街です。Blenheim Street

鉄道駅とその前の観光案内所(i-SITE)から歩いて5分くらいで街の中心、シーモア・スクエア(Seymour Square)。Blenheim Park

この周辺にホテル、モーテルが数軒ありますが、街の中心には宿泊施設は少なく、郊外に向かう道路沿いにモーテルが点在しています。

☆マールボロへのアクセス

マールボロ空港はブレナムから西に約9km、ブドウ畑が広がる平原の真っただ中にあり、オークランド、ウェリントン、クライストチャーチなど各地から便があります。

空港とブレナムを結ぶバスは1日数便しかなく、フライトの発着時間に合わせてもいないので、タクシーを使わざるをえません。 到着後、荷物を引き取って、正面玄関を出たところに大型の乗合タクシーが数台待っています。同じ方向に向かう人たちが集まって相乗りになります。

鉄道駅には、クライストチャーチとピクトンを1日1往復する列車Coastal Pacific号が停まります。クライストチャーチからは所要約5時間。ピクトンからは27分。

長距離バス停留所は鉄道駅の前にあります。クライストチャーチ、ピクトン、ネルソンに向かう便が発着しています。
クライストチャーチから約5時間、ピクトンから30分、ネルソンから1時間45分。

便数は季節によって変わりますが、夏のピーク時期でもクライストチャーチが2便、ピクトンとネルソンが4便と、かなり不便です。
(⇒バスの時刻表

ニュージーランドを縦断する計画のある方は、ぜひマールボロに立ち寄って、のどかなブドウ畑を眺めながらワインを味わってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中世の玉手箱、エストニアのタリン

エストニアの首都タリン。
なんてかわいい街なのでしょうか!
タリンの「中世の玉手箱」と言っていいようなかわいい旧市街は、ヨーロッパでは人気の観光地になっています。ユネスコの世界遺産にも指定されています。

日本では観光地としてはまだメジャーではありませんが、タリンは意外にも日本からの一番近いヨーロッパの中世なのです。

☆タリンへのアクセス

タリンはヨーロッパ北部、バルト海に面しています。なんだか遠そうな印象もありますが、意外と日本からのアクセスは良いのです。

日本から直行便が飛んでいるヨーロッパ主要都市の中では最も近いフィンランドの首都ヘルシンキから船で最短1時間40分で、タリンに到着です。

日本を朝11時ころに出発すると、夕方にはタリンに居られるのです。

☆城門をくぐって中世の世界へ

タリンの旧市街を囲む長さ1.9kmにおよぶ城壁は今も中世の姿を残したまま残っています。城壁には見張り塔が点々と建ち、2つの門があります。

船で到着して、城門のひとつ「ふとっちょマルガレータ」をくぐって街に入ると、そこは中世ハンザ都市の世界。タイムスリップ感を味わえます。

☆街は2つに分かれている

まずは、展望台から地図を見ながら街全体を俯瞰しましょう。

街にはゴシック調の尖がった教会がいくつもありますが、そのひとつ「聖オレフ教会」は、長大な塔の石階段を登って、屋根の上に出られます。足場が狭く、カメラを持つ手が震えますが、180度のパノラマを堪能できます。タリン聖オレフ教会

街は大きく2つに分かれています。

港から近い下町は、中世の時代、市民たちが中心だったのに対して、下町を見下ろす丘の上には、支配者や貴族たちが居を構えました。

手前が下町、その向こうに丘が見えます。タリン教会から丘を望む

歩いてみると、街並みが微妙に違います。

☆ラエコヤ広場を中心とする旧市街

中世の昔から街の心臓部で、ここから各方向に幾筋もの路地が伸びています。観光客で賑わい、みやげもの屋やレストランのオープンテラスがずらりと軒を連ねています。

ゴシック様式の旧市庁舎が広場に面してます。14世紀に建造された八角形の壮観な聖霊教会も近くにあります。

石畳の小道を歩きまわるのも楽しみです。右に左に様々な形、色の建物が次々にあらわれます。お店をいろいろのぞいてみるのも一興です。歩き疲れたらカフェで一休み。タリン石畳の小路

☆丘の上へ

支配者や貴族たちが居を構えた丘には、エストニア屈指の要害だったと言われるトームペア城があります。その近くには展望スポットがいくつかあり、赤屋根の可愛らしい街並み、ところどころにそびえるゴシックの塔、旧市街を取り囲む城壁と見張り塔、その向こうのバルト海が一望できます。タリン丘の上から

丘の上では、比較的新しい19世紀に建築が始まった、ロシア正教のアレクサンドル・ネフスキー大聖堂 の威厳ある佇まいも見どころです。帝政ロシア時代の権威の象徴です。タリンロシア正教会

☆おしまいに

エストニアは旧ソ連の崩壊後に独立したバルト3国のひとつで、IT先進国として知られています。スカイプはエストニアで生まれました。最近では、電子政府やキャッシュレスなどのテーマで日本から視察に訪れるビジネスマンが増えています。

エストニアの首都タリンはハンザ都市として栄えた13世紀以来の街並みがよく保存され、タリンの小さな旧市街には中世の魅力がぎっしり詰まっています。

ヘルシンキから日帰りで訪れる観光客が多いですが、できればタリンに一泊して、足の向くまま気の向くままに旧市街を散策して、あなただけのすてきな中世をみつけられてはいかがでしょうか。

 

 

ベルガモ:丘の上の中世を観光する

北イタリアで中世の風情を味わえる街、ベルガモ(Bergamo)。
丘の上の城壁に囲まれた旧市街(ベルガモ・アルタ)には、12~17世紀に建てられた古い建物がたくさんあり、中世にタイムスリップした感を味わえます。

観光でもビジネスでも訪れる人は多いミラノから1時間ちょっとで行けます。中世の雰囲気に包まれての食事は、ミラノでは味わえない楽しみです。

☆ベルガモへのアクセス

ミラノ中央駅からの列車は毎時1本出ています。およそ1時間でベルガモ駅に到着します。

ベルガモは丘の上の旧市街と、丘の下の平地(ベルガモ・バッサ)の2つに分かれています。「バッサ」とは「低い土地」という意味で、19世紀に整備された近代的な街並みです。

鉄道駅はバッサにあって、駅前から乗ったアルタ行きのバスは、バッサの街並みを抜けて、坂道を登っていきます。10分くらいで城門のひとつサンタゴスティーノ門(Porta S. Agostino)をくぐります。cof

丘の上のベルガモ・アルタは城壁に囲まれており、バスは城壁沿いを登っていきます。ベルガモ 城壁沿いの大通り

壁の際は眺めの良い散歩道です。ベルガモ城壁からの眺め

終点(Piaaazale Colle Aperto)から坂道を200mほど下ると、

☆ヴェッキア広場(Piazza Vecchia)

地元の人も観光客も集まる、アルタの中心の広場です。「市の塔(Torre Civica)」と、その左は、かつては市庁舎だった「ラジョーネ宮(Palazzo della Regione)」。ベルガモ ヴェッキア広場

このような歴史的な建物に囲まれた広場に張り出したテラス席で、地元のおいしい料理を食べるのイタリア旅行の魅力のひとつです。

ラジョーネ宮の3つのアーチをくぐった先が、

☆ドゥオモ広場

広場と言うほどは広くなくて、高い教会建築の間の谷間みたいです。歴史が覆いかぶさってくる感じがします。

堂々とした外観のドゥオモ(Duomo)。ベルガモ ドゥオモ広場

ドゥオーモの内部は、イタリアにしては地味な感じです。ベルガモ ドゥオモ内部

正面に見える2つの大伽藍がベルガモの歴史的建造物の中の一番の目玉です。
左がサンタ・マリア・マッジョーレ教会
(Santa Maria Maggiore)。
右にコッレオーニ礼拝堂
(Cappela Colleoni)。ベルガモ サンタ・マリア・マッジョーレ教会

サンタ・マリア・マッジョーレ教会の外観は12世紀のロマネスク様式ですが、内部は17世紀にバロック様式に改装されています。天井の装飾画が見事です。ベルガモサンタマリアマッジョーレ教会内部

ここを見学するのは日の光が斜めから差し込む時間帯がお薦めです。絢爛豪華な装飾画が映えます。この写真は午後2時頃です。

ドゥオーモの正面には八角形の洗礼堂(Battistero)。ベルガモ 洗礼堂

☆ゴンビト通り(Via Gombito)

ヴェッキア広場につながる、ベルガモ・アルタのメインストリートで、石畳の緩い坂道の両側の風情ある建物の1階にバール、レストラン、小物屋などが並びます。ウィンドショッピングだけでも十分楽しめます。ベルガモ ゴンビト通り

☆サン・ヴィジリオの丘
(Colle San Vigilio)

丘の上のベルガモ・アルタのそのまた上がサン・ヴィジリオ。アルタからケーブルカーが出ています。

ケーブルカーを降りたところに見晴らしの良いレストランとカフェがあります。テラス席でワインを飲みながら、アルタとその向こうのロンバルディアの平原の絶景を味わう至福のひとときです。ベルガモ アルタ全景

展望台からは、丘の斜面に建つ瀟洒な住宅、その向こうのアルプスを眺められます。ベルガモ 展望台

こんなところに住んでみたい!ベルガモ 瀟洒な住宅

☆おしまいに

北イタリアの大都市ミラノは、観光でもビジネスでも訪れる人は多いですが、ここまで来てベルガモを見逃すのはもったいない。ミラノにもおいしいレストランは多いですが、1時間でベルガモに来て、中世の空気の中でのグルメも格別です。

2020年、ベルガモは、イタリアでコロナ感染爆発が最初に起きたところとして名前をよく聞くようになりました。現地で起きていことには心を痛めずにはいられません。早く感染がおさまって、ベルガモに行けるようになってほしいです。

 

 

 

 

オーストラリアでワイナリー巡り:マクラーレン・ベール

マクラーレン・ベール(McLaren Vale)は、オーストラリアの南部、南オーストラリア州の中心都市アデレードから30kmほど南にあるワインの名産地です。

ワイナリー巡りするにはアデレード発着のツアーが便利なのですが、筆者は電車とバスを乗り継ぎ、ビジターセンターでもらった地図を片手に、見渡す限りのブドウ畑の中を歩いて、半日で5つのワイナリーを訪れ、たくさんのワインをテイスティングしました。

McLarenValeブドウ畑

オーストラリアにはいくつもワインの名産地があり、いずれも近くの大都市からアクセスが良いのですが、マクラーレン・ベールは観光地化されておらず、”いなかに来た!”感たっぷりです。

☆マクラーレン・ベールでシラーズを飲んだくれる

マクラーレン・ベールでぜひ楽しみたいのはシラーズ。ちょっとスパイシーな風味に抵抗あった筆者は、ここで多種多様なシラーズを飲んでみて、シラーズの印象ががらっと変わりました。日本ではレアなスパークリングのシラーズもあります。

McLarenValeスパークリングシラーズ

8kmのシラーズトレイルは古い鉄道の線路の跡とのこと。

McLarenValeシラーズトレイル

☆マクラーレン・ベールへの行き方

まずは、シドニー、メルボルンなどの日本からの直行便のある都市で乗り継いで、基点となる大都市アデレードまで行きます。

マクラーレン・ベールのワイナリー巡りには、アデレード発着のツアーが便利です。複数のワイナリーでテイスティングできる数多くのツアーが出ています。HPで探して直接予約するか、アデレードに着いてから街中の旅行会社で予約します。

ツアーでは、あらかじめ訪れるワイナリーが決まっていますので、お目当てのワイナリーを訪れるツアーがなければ、電車、バスを乗り継いで行くことになります。

アデレード駅から15分おきにでている電車に乗ってシーフォート(Seafort)まで45~50分。シーフォート駅前からバスで10分ほどでマクラーレン・ベールに着きます。バス乗り場のZone1からAldinga Beach行きに乗るのですが、マクラーレン・ベールを経由するのは1時間に1本しかありません。案内板はありますが、念のため、乗る時にドライバーに確認したほうがよいでしょう。

マクラーレン・ベールのメインストリート(メインロード:MainRDと表記される)には複数の停留所があり、番号が振られています。

McLarenValevバス路線図

マクラーレン・ベールの街の中心はNo.92ですが、ビジターセンターはメインロードに入って最初の停留所No.86の前にあります。ここで案内図などをもらって歩きはじめるのがいいでしょう。

No.86とNo.92の間の約2kmのメインロードの両側に広がるブドウ畑の中にワイナリーが点在します。かなりの距離があるワイナリーもありますが、人数が集まれば送迎のバスを出してくれるワイナリーもあります。

☆ワイナリー訪問の予約

予約の要否はワイナリーによって異なります。お目当てのワイナリーのHPで事前に確認するか、ビジターセンターできいてもいいでしょう。

ビジターセンターから2kmほどのAngoveは毎日11:00から17:00オープンで予約不要でした。

MclarenVale Angove看板

☆テイスティングのしかた

無料でテイスティングさせてくれるワイナリーと、一定額を支払うワイナリーがあります。

ワイナリーにはたいていテイスティング用のカウンターがあります。

ワインテイスティングカウンター

ワインリストが掲げられていて、ボトルだけでなくグラス一杯の値段もありますが、これはあくまで販売用です。

cof

テイスティングしたい頼むと、たいてい無料でグラスに少量ついでくれます。ただし、これはあくまで買うことが前提となっているので、買うつもりがなければ、ほどほどにしておいたほうがいいでしょう。

となると、有料のほうが心置きなくテイスティングが楽します。Angoveでは5ドル(≒400円)でリストにあるワインが何杯でも飲めました。テラスでブドウ畑を眺めながらのテイスティングは至福のひと時でした。

cof

ワイナリーにはレストランを併設しているところ、製造工程の一部を見せてくれるところもあります。

☆おしまいに

マクラーレン・ベールには約80のワイナリーがあります。今回訪れたのはビジターセンターから半径2km以内の5つでしたが、次回は宿泊施設を併設したワイナリーに泊まって、地元産の食材を使ったおいしい料理を食べ、もっとたくさんのワインテイスティングをしたいと思いました。

マクラーレン・ベールの近くのアデレードもゴミゴミ感がない、ヨーロッパ風の気持ちの良い街で、グルメの街としても知られています。また、オーストラリア南部のもうひとつの大都市メルボルンとの間の海岸線は「グレートオーシャンロード」としてダイナミックな風景を楽しめます。

この魅力的な南オーストラリアの旅の一部にマクラーレン・ベールを組み込んではいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

登れなくなったエアーズロック

エアーズロック!
大自然の奇跡です。
オーストラリアのほぼ中央の荒野に忽然とそびえ立ち、地上からの高さが348m、岩のまわりを一周すると約10km。

☆ついに登れなくなった!

エアーズロックにはたくさんの魅力がありますが、なかでも鎖をつたって登った達成感、岩の上からの雄大な眺めは一生忘れられない思い出になります。地球の中心にいるような感覚です。

しかし、かねてからの予告通り、2019年10月26日から登山禁止になってしまい、エアーズロックに登るノウハウを紹介したこの記事の役割も終わってしまいました。大勢の人たちに読んでいただき感謝の至りです。

削除してしまうのはもったいないので、これからエアーズロックへの旅を計画する方たちが、登れたらどんな感じなんだろうと想像していただくために、若干の編集のうえ、この記事を残すことにします。

☆登山開始

登り始めると、いきなり鎖場の急斜面。高低差300m近くを一気に登ります。エアーズロック登山道見上げる

鎖場の半分くらいは、鎖から手を放しても立っていられますが、急なところは鎖につかまって体を引っぱり上げます。最大斜度は48度です。エアーズロック鎖場下から

高所恐怖症の方は足がすくむでしょう。エアーズロック鎖場上から2

☆エアーズロック頂上へ

鎖場が終わると斜度は緩やかになります。エアーズロックの上部は表面が波打っていて、白い点線が引かれた登山道を短い周期の登り降りを繰り返して頂上をめざします。エアーズロック上部

頂上にはドラム缶のようなものが置かれています。エアーズロック頂上

頂上から見える大パノラマの説明です。dav

遠くには、エアーズロックと並ぶ観光名所のカタジュタが見えます。エアーズロックからカタジュタ遠景

☆エアーズロックにはいつ登れるか

オーストラリア観光の象徴のようなエアーズロックに登ろうと、多くの観光客が訪れますが、いつも登れるわけではありません。登山道が開く日は、1年の3分の1くらいで、開いている日も終日開いているとは限りません。

基本的に閉まっていて、条件が整った時だけ、登山道が開放されると言ったほうがいいでしょう。エアーズロック登山口閉鎖

閉まった登山口の横に、なぜ閉鎖されているかの掲示がされます。エアーズロック登山道閉鎖の理由

閉鎖されている登山口を突破して登ると、高額の罰金が科されます。

・風速12.5ノット以上
・気温が36℃以上になると予想される
・雨で岩が濡れている
・数時間以内に雨が予想される
・アボリジニの宗教儀式がある時
などは開きません。

エアーズロックは、オーストラリアの原住民であるアボリジニの人たちにとっては聖地で、彼らは観光客に自分たちの聖地を土足で踏み荒らしてほしくないと思っています。

登山口近くにこんな看板がありました。エアーズロック登るな

この原住民の人たちの願いがかなえられて、この度、登山禁止になったわけです。であれば、静岡県民と山梨県民の一部が、富士山は自分たちの聖なる山だから登山禁止にすべきだ、と主張すれば認められるのでしょうか?

今回の措置は、白人たちが入植以来、二百数十年に原住民にしてきたことへの贖罪によるものだと思います。

☆いつ登山できるかは予測不能

エアーズロックのある「ウルル-カタジュタ国立公園」の管理担当者(パークレンジャー)が、毎日7/8/10/12/14時にその時点の気象条件を計測して、登山道を開けるかどうかを決めていました。エアーズロック風速計

登山道が閉鎖される原因の7~8割は風とのこと。ふもとではそよ風くらいでも、頂上ではほぼ倍速になります。

夏(12~2月)は高温のため、登れる確率は低くなっていました。

現地の観光案内所(日本語対応もあり)に、日付を指定して「この日は登れますか?」と尋ねても、「その日になってみなければわからない」と言われました。

☆エアーズロック登山の所要時間

ガイド本には1時間半から2時間との記載が多いですが、人により体力差があり、鎖場の混み具合にもよりますので、あてになりません。エアーズロックの上でどれくらい過ごしたいかにもよります。

滑り落ちたら命がない鎖場では無理して急ぐのは禁物です。慎重に昇り降りしなければなりませんから、自分の体力に合わせてマイペースで行かなければなりません。

帰りの時間が迫っている場合には、頂上にたどり着くのを諦める勇気も必要になります。

☆エアーズロックへの行き方

エアーズロックから約19km離れたエアーズロックリゾートに宿泊施設、レストラン、スーパーが集まっています。エアーズロック観光のベースとなる町はここだけで、登山道入り口までバスか車で20~40分です。

空港はエアーズロックリゾートからさらに5kmくらい離れており、送迎バスで約10分です。シドニー、ケアンズなどからフライトがあり、
空港到着⇒送迎バスでエアーズロックリゾートの宿泊施設にチェックイン⇒バスかレンタカーでエアーズロックをめざすことになります。

☆ツアーでエアーズロック登山

登山をめざす日本人観光客の多くはエアーズロックリゾートに1泊の旅程を組んでいました。以下の旅程がほとんどで、ツアーには日本人ガイドが同行しました。

1日めの昼過ぎに到着し、
15:00頃にエアーズロックリゾートを出発するツアーで、カタジュタの谷を1時間くらい歩き、飲み物と軽食付きでエアーズロックの日の入りを鑑賞する。エアーズロック飲み物片手に

2日めは、日の出の1時間半くらい前にエアーズロックリゾートを出発するツアーで、飲み物と軽食付きでエアーズロックの日の出を観て、その後、登山道入り口まで移動する。開いていれば希望者は登り、閉まっているか、登山を希望しない人はエアーズロックのまわりを歩き、11時半にエアーズロックリゾートに帰ってくる。すぐに荷物を取って空港へ。

これは典型例ですが、どうしても登りたくて、2泊以上して複数回ツアーに参加している人もいました。

☆エアーズロックを訪れるツアー

①JTB、HISなどの日本の旅行会社が催行する、日本を出発してから帰るまでのすべてがパッケージになったツアー。

②現地旅行会社が催行するツアー。シドニー、ケアンズ、アリススプリングなどが発着地になります。

①②どちらにしても、エアーズロックリゾートからは、AAT kings社のツアーに接続されます。日本からの複数のツアー客と、個人でAAT kings社に申し込んだ客が同じAAT kings社のバスで出かけることになります。

AAT kings社はさまざまなツアーを用意していますが、エアーズロック登山が可能なのは日本語ツアーだけでした。

☆日帰りツアーはやめたほうがいい

日本発のパッケージツアーの中には、シドニーなどから日帰りでエアーズロックを訪れるものもありますが、滞在時間はわずかで、日ノ出、日の入りに時刻に色がうつろうエアーズロックの魅力を味わう時間もありません。

☆ツアーに入らずにエアーズロックを楽しむ

エアーズロックリゾートからエアーズロックの周りの複数の停留所をまわるバスが運行されています。

「Uluru Hop On Hop Off」というもので、1日120$、2日で160$で何度でも好きな時に乗り降りできます。ガイド付きでない分、ツアーよりはかなり安価です。公園入場料は別途必要です。季節により運行本数は変わり、日の出の1時間半前から日の入り前後まで運行されています。

パス購入と席の予約は、
・ネット
・ホテルのフロント
・エアーズロックリゾートのインフォメーションセンターの窓口
でできます。

自分の好きな時間に好きな場所を観光できるので便利です。

☆注意!(トイレ)

エアーズロックの周りのトイレは、登山口のあるマラ駐車場から、道路を挟んで約200mのところの1か所だけです。

☆注意!(水)

エアーズロックの周りには水を買うところはありません。

ツアーで行く場合は、ツアーバスの中に準備があるので、足りなくなっても補給できますが、個人で行く場合は、エアーズロックリゾートで十分な量を買って持っていく必要があります。

登山道近くに水道水を汲めるところはありますが、お腹を痛めやすい人は避けたほうがよさそうです

☆注意!(ハエ対策)

エアーズロックのまわりを歩くと、おびただしい数のハエが群がってきます。日本のハエは食物に寄ってきますが、エアーズロックのハエは人間にも群がります。とてもアグレッシブで口や鼻の孔にも入ってきます。

対策として、頭からネットの被り物をする人が多いですが、ネットを通すと視界が限られます。であれば、防虫スプレーを露出する肌も含めてかけておくと多少は効果があります。マスクも役に立ちます。

☆エアーズロックをぐるっと歩く

エアーズロックの周りを約10kmで一周する歩道が整備されており、変化に富んだエアーズロックの姿を楽しむことができます。道は平たんで迷うことはなく歩きやすくなっています。登れなくなった今となっては、エアーズロックを間近に楽しむにはこれしかありません。

一周はしたくない人には、登山口から時計回りに約500m続く「マラウォーク」がお薦めです。緑に囲まれた遊歩道で、アボリジニの壁画が残る洞窟があります。

この遊歩道の行き止まりは、三方を眼前にそそり立つ岩に囲まれた秘境っぽいところです。終日、日が当たらないので、暑い日でもひんやりします。エアーズロックマラウォーク終点

ハエも少なく、ベンチもあるので、ここで静かにのんびりと過ごせます。

☆コロナ後のエアーズロック

さて、いかがでしたでしょうか。

2021年12月時点で、オーストラリアへの入国には14日間の隔離などさまざまな制約がかかっています。観光以外にこれといった産業はない地域なので、エアーズロックあたりの人たちはたいへんでしょう。

この先、ワクチン接種や陰性の証明書を取得して旅行できるようになったら、オーストラリアのへそ、エアーズロックにも訪れたいものです。

登れなくなってしまいましたが、日の光で色合いを変えていく岩を眺めるのも楽しいものです。

 

リゾート付き秘境:スヴェティ・ナウム

スヴェティ・ナウム(Saint Naum / Sveti Naum)は、 マケドニアの南西部、オフリド湖畔に位置します。ヨーロッパの秘境なのですが、同時に雄大な自然の中でくつろげるリゾート地でもあります。

さらに加えて、この地で布教を行った聖ナウムによって、10世紀初めに湖畔の丘の上に建てられたスヴェティ・ナウム修道院(Monastery Saint Naum )では、東方正教の厳かな雰囲気も味わえます。

☆スヴェティ・ナウム修道院

修道院内部を飾るフレスコ画。 StNaum修道院フレスコ画1

天井を見上げるとStNaum修道院フレスコ画2

修道院の入り口はかなり狭い。一度に数人しか入れませんので、夏のピーク時期は渋滞するでしょう。StNaum修道院入り口

この人が聖ナウムらしい。StNaum像

☆スヴェティ・ナウムのリゾートでくつろぐ

教会前のテラスからは、山と湖の絶景が見渡せます。StNaumテラス

StNaumオフリド湖

湖の先に見えているのはアルバニア。周囲に人家はほとんどなく、車で5分も行けば国境です。地理的には東欧の秘境なのですが、修道院の一角だけはそうでもありません。

バスを降りて、修道院まで約300mの道沿いにはみやげ物屋が建ち並びます。StNaumみやげもの屋

修道院はホテル・コンプレックスの内部にあり、レストラン、カフェは複数あります。St,Naum入り口

ここに宿泊すれば、観光客のいなくなった夜や早朝には、さらに厳かな気分になれるでしょう。

☆スヴェティ・ナウムの大自然を味わう

オフリド湖にそそぐ泉の水をたたえた池。水は透き通って、周囲の緑に映えます。スヴェティナウム緑の湖jpg

ボートで巡ることができます。この風景を見ながら食事できるレストランもあります。StNaumボート

わき水がいたるところにあります。中でもこれは印象的。StNaum湧水

周囲の雄大な山々。StNaum大自然1

オフリド湖に夕陽が沈む頃には、あたり一帯、静寂に包まれます。StNaum大自然2

☆スヴェティ・ナウムへのアクセス

東欧屈指のリゾート地で世界遺産にも指定されている、オフリドからバスか船です。オフリドは首都スコピエからバスで約3時間。1日8便ほどあります。夏場は西ヨーロッパ各地からLCCが直行便を飛ばしてます。

船は1日1往復あって、午前中にオフリドを出航して、所要1時間半でスヴェティ・ナウムに着き、夕方、オフリドに戻ります。船で往復すると、スヴェティ・ナウムには約4時間滞在できます。

路線バスは1日6、7本あり、所要40~50分。オフリドの乗り場は、港から街のメインストリート、スヴェティ・クリメント・オフリドスキ通りを進み、トゥリスティチカ通りを右折して30mくらいのところの屋根付のバス停です。バス停の表記はキリル文字だけなので、通りを歩いている人に尋ねましょう。

途中の景色を楽しむには、往復どちらかを船にすることをお薦めします。

日本からのアクセスはかなり不便ですが、秘境に来た感とリゾート気分を同時に味わえるスヴェティ・ナウムは訪れる価値が十分にあります。ぜひ、一度!

 

 

 

 

 

 

 

モロッコ個人旅行徹底ガイド

モロッコは、アフリカの西の果てにありながら、日本から最も気軽に観光できるイスラム国です。イスラム教の規律が比較的緩く、国が観光に力を入れているので、交通機関、宿泊施設などの観光インフラが整っています。

ここでは、モロッコの魅力とともに、日本からのパックツアーに入らず、個人でホテルや交通手段を手配して観光するコツをご紹介します。

☆モロッコの観光地

まずは、モロッコの代表的な観光地をご紹介しましょう。

① モロッコの縮図マラケシュ

モロッコ旅の魅力のひとつは、歴史ある街のメディナ(旧市街)を歩くことです。中世の時代に形造られ、今も人が普通に暮らしています。

マラケシュ(Marrakech)にはモロッコ最大のメディナがあり、まるごと世界遺産になっています。メディナの中に網の目のように広がる商業地区スークには、狭い道の両側に所狭しと様々な店が並びます。Marrakechスーク

マラケシュの中心ジャマ・エル・フナ広場(通称、フナ広場)は、夜になると多くの屋台が開き、大道芸人のパフォーマンスを大勢の人が取り囲みます。連日連夜のパーティです。夜のフナ広場

② 迷宮都市フェズ

城壁に囲まれた巨大迷路です。Fezカラウィンモスクの塔
詳しくは⇒こちらへ

③ サハラ砂漠

アフリカの3分の1を占めるサハラ砂漠に最も手軽に個人でアクセスできるのがモロッコです。どこまでも続く砂山の世界に大自然の神秘を感じます。Moroccoサハラ砂漠ラクダの列

砂漠の中のテントに泊まり、たきぎを囲んで地元のベルベル人の奏でる音楽を聴くのは得難い経験です。
詳しくは⇒こちらへ

④ 砂漠近くの要塞都市

モロッコの地中海に近い地方の風景はヨーロッパとさほど変わりませんが、モロッコの中央を走るアトラス山脈を越えると、そこは別世界。南から砂漠が迫る荒涼とした世界が広がります。ここに城壁に囲まれた要塞が点在します。

その代表が世界遺産になっているアイト・ベン・ハッドゥ(Ait Ben Haddou)。Moroccoアイトベンハッドゥ遠景

マラケシュからのサハラ砂漠ツアーでは必ず立ち寄ります。

⑤ 青いメルヘンな街シャウエン

シャウエンは街中が青で染められた不思議な街です。シャウエン全景
詳しくは⇒こちらへ

その他、筆者は訪れていませんが、
・メクネス(Meknes):フェズの近くの古都。
・メクネス近くの古代ローマ遺跡:ヴォルビリス(Volubilis)
・南部の港町エッサウィラ
などがあります。

☆イスラム建築を愛でる

モロッコ各地に数多く残るイスラム教関係の施設を訪れ、細部まで精巧な装飾が施された芸術的な建築物を観て、エキゾチックな雰囲気に浸ることができます。

イスラム教徒以外はモスクに立ち入ることはできませんが、入口から中の建築物をちら見することはできます。
これはフェズ最大のカラウィン・モスク。Fezカラウィンモスク

神学校ならイスラム教徒でなくても入れます。フェズのブー・イナキア・マドラサの壁面の幾何学模様のモザイクがすばらしい。Fesブーイナニアマドラサ

 ☆モロッコを食べる

モロッコ人がほとんど毎日食べている代表的な料理のタジンは、三角錐のフタをして弱火で牛肉、野菜、ラムなどの様々な具材を煮込んだ料理です。街中のレストランでパンやポテトの付け合せと共に供されます。値段は50DH(≒580円)くらいからあります。↓これは肉のタジン。Morocco肉タジン

モロッコ料理というより北アフリカ料理と言ってよいクスクス。小麦を蒸した上に様々な具材がのっています。スパイスによってかなり味が変わります。↓これは野菜クスクス。Morocco野菜クスクス

これも北アフリカやアラブ、トルコ系の国々で広く食べられているケバブ。↓付け合せにモロカンサラダ(モロッコ風サラダ) Moroccoケバブとモロカンサラダ

観光で訪れるモロッコの主要都市にはたくさんのレストランがありますが、モロッコ料理として出されるメニューのバリエーションはさほど多くありません。メインはクスクス、タジンが数種類づつ、ケバブ、モロカンサラダ、スープなど。

筆者のお薦めは、建物の上層階のテラス席のレストランで街の景色や行き交う人々を眺めながら食べることです。特にメディナにはたくさんあります。眺めが良い分、少しばかりお値段高めですが、そもそもの物価が安いので違いは100~200円程度です。

フェズのメディナ入口のブー・ジュルード門の目の前には数軒のテラス席レストランがあります。Fezテラス席レストラン

シャウエンの中心ウタ・エル・ハマム広場を見下ろすテラスのレストランです。シャウエンテラス席のレストラン

☆リヤドに泊る

リヤドとは「中庭のある邸宅」を意味するアラビア語で、今では「伝統ある中庭付きの邸宅をリノベーションした宿」という意味合いです。リヤドに泊れば、昔の富裕層の暮らしを実感でき、モロッコ旅気分が盛り上がります。

筆者が泊ったマラケシュのリヤドは、半透明の屋根に覆われた中庭のまわりの1階2階に客室が配され、中庭にはテーブルが置かれて食事ができました。Marrakechリヤド

リヤドは高級なところから1泊朝食付きで2,000円台で泊れるエコノミーなところまで様々ありますが、たいていはこのような造りになっています。

オーナーのこだわりのインテリアが施され、モロッコ伝統の家具や調度品が置かれています。Fezリヤド

但し、リヤドはメディナの狭い路地の奥にあることが多く、もともと個人の邸宅なので、「Riad XXXX」の表札が掲げてないこともあるので、予約したリアドにたどり着くのに苦労することがあります。

☆なんでも安いモロッコ

物価が日本や欧米よりかなり安いのもモロッコの魅力です。

フェズ、マラケシュ、シャウエンなど観光都市の宿泊施設は多く、オフシーズンであれば、かなり高級なホテルでも1万円以下で泊れます。

レストランでもメインのタジンやクスクスが50DH(≒580円)から食べられます。マラケシュのフナ広場で売られているオレンジを絞ったジュースは60円、ペットボトル500mlの水は40~90円。

タクシーが安いので、駅やバスターミナルから観光名所のメディナなどへは気軽に利用できます。特に暑い季節は重宝します。但し、観光客と見るや、メーターをたおさず料金をふっかけてくるドライバーがたくさんいます。行先を告げて値段を交渉のうえ決めてから乗るのがいいでしょう。

☆モロッコへの行き方

日本からモロッコへの行き方、プランニングのコツをご紹介します。

① モロッコへのフライト

日本からの直行便はありませんので、どこかで乗り継ぎが必要です。

モロッコに最も多くのフライトがあるのは、パリ経由のエールフランスです。しかも、モロッコのゲートウェイ(玄関)であるカサブランカだけでなく、マラケシュへもパリからのフライトがあります。日本からパリへは1日3~4便あるので、モロッコ旅行では最も使い勝手の良いエアラインです。

価格を重視するなら、ドバイ経由のエミレーツ航空、ドーハ経由のカタール航空です。両社とも日本から乗継地へは1日2便、乗継地からモロッコへは1日2~3便ずつあります。

② 海峡を渡ってモロッコへ

スペインから船でジブラルタル海峡を渡ってモロッコへ行くこともできます。スペイン側の港町は、アルヘシラスとタリファ、モロッコ側はタンジェです。

ジブラルタル海峡はかなり狭く、船は1時間あまりで海峡を渡ります。↓タンジェからスペインがはっきり見えます。ジブラルタル海峡

アルヘシラスからタンジェへは1日十数便ありますが、タンジェの港(新港)はタンジェ市街から約40kmあり、バスで30分くらいです。タリファからは便数は少ないですが、タンジェの市街地近くの港に着きます。

タンジェからカサブランカへは高速鉄道で2時間10分です。

モロッコ側に飛び地のようにあるスペイン領セウタまで船で渡り、陸路、国境を越えてモロッコに行くこともできます。

③ プランニングのコツ

フライトでカサブランカで入国し、カサブランカから帰国すると、モロッコ国内での移動距離(時間)が長くなります。旅行に使える日数の短い方は、行きか帰りのいずれか一方を、モロッコ旅行で必ず立ち寄るマラケシュにすることをお薦めします。

日本からの直行便のあるヨーロッパや中東の主要都市からマラケシュへは、LCCも含めて多くの直行便があります。

カサブランカで乗り継ぐこともできますが、モロッコ航空の国内便は予約したフライトに搭乗できず次のフライトにまわされることが多いとのことでお薦めできません。筆者はこれでカサブランカの空港で5時間半待たされました。

☆モロッコの国内移動

主要都市の間は鉄道が利用できます。同じ区間のバスより速いことが多いので使いやすいです。

乗り方、切符の買い方は日本とほぼ同じです。駅によってホームに行くまでに、改札のようなところでチケットのチェックを受けることがあります。但し、2019年12月時点で、鉄道運行会社ONCFのサイトでネット購入はできません。

ヨーロッパへの玄関口タンジェ(Tanger)とカサブランカ(Casablanca)の間は、アフリカ初の高速鉄道で2時間10分で結ばれています。モロッコ高速鉄道

運賃は安く、2等車(普通席)はおよそ149DH(≒1700円)で、ほぼ同距離の新横浜~名古屋の約6分の1でした。

バスは国営のCTMと民営バスがあり、バスターミナルが分かれているところもあります。同じ路線でも、CTMのほうが値段が若干高い代わりに、停車が少なく早く着きます。

街の中の移動はバス、タクシーです。特に値段の安いタクシーは重宝しますが、モロッコのタクシーは乗り合いです。道で手を挙げると、既に客が乗っているタクシーでも止まってくれ、目的地が同じ方向だと乗せてくれます。逆に自分が乗ったタクシーに後から他の客が乗り込んでくることがあります。どちらにしても、乗るときにドライバーに目的地を告げて、値段の合意をすることが基本です。

☆サハラ砂漠ツアーの組み込み方

国内の公共交通機関が充実していて、個人旅行しやすいモロッコですが、サハラ砂漠へはマラケシュやフェズからのツアーを利用することをお薦めします。最もよく利用されるのが2泊ツアーで、2日分の夕食、朝食、移動すべて、乗ラクダ含めて1万円くらいからあります。

サハラ砂漠に加えて、モロッコの2大観光都市マラケシュとフェズの両方を訪れる場合は、砂漠ツアーの行きか帰りかのどちらかをマラケシュ、もう一方をフェズにするのがいいでしょう。

この両都市と砂漠の間の距離は600~700kmと同じくらいで、ほぼ丸1日かかるマラケシュ⇔フェズの移動をしなくて済むからです。

☆モロッコ旅行で気をつけること

ヨーロッパに近く、観光のインフラは整ったモロッコですが、モロッコ特有の要注意事項があります。

① 押し売りガイド

メディナを歩いていると、「Close、Close」と言ってくる輩がいます。この先は道が閉鎖されているから、行きたいところへ自分が案内してやるというのです。ほとんどが若者から中年までの男です。

親切にされたと思ってついていくと、目的地に着いたところで多額の金を請求されます。筆者はフェズで10DH(≒110円)コインを渡してその場を離れましたが、札の入ったサイフを出したところで強奪されることもあるそうです。

道を尋ねた時に相手がこのような輩だと同じ目に遭います。

絨毯店に連れていかれて、しつこい押し売りに遭うこともあるそうです。

「どこへ行くんだ?」「自分が案内してやる」と話かけられたら、返事をせずに無視しましょう。1回でも返事するとしつこくつきまとわれます。

② メディナを疾走するバイク

両側に商店が並び買い物客が行き来する幅2~3mの道をバイクが疾走していきます。マラケシュやフェズの迷路のようなメディナでよく遭遇します。メディナを疾走するバイク

慣れていて人に接触しないように巧みにジグザグ走行していくのですが、近くに来るとヒヤヒヤします。

③ 夜の人気のない道の一人歩き

モロッコの治安は良いですが、夜の人気のない道の一人歩きは危険です。特に、マラケシュやフェズなどの迷路のようなメディナでは夜遅くまで店は開いていて賑わっており、夜の街歩きは楽しいのですが、歩くのは人通りの絶えない道だけにしましょう。

④ 女性の肌の露出

イスラムの国全般に言えますが、女性の服装は気をつけましょう。

⑤ ロバのフン

モロッコではロバが日常の運搬手段として使われています。道でロバのフンを踏まないように気をつけましょう。Fezメディナのロバ

 ⑥ 入口がわかりやすい宿泊施設を選ぶ

モロッコの宿泊施設を予約する際には、施設の説明や口コミを読んで、入口のわかりやすいところを選びましょう。特にメディナの奥まった場所にあるリヤドの場合です。

地図を持って目指す宿泊施設のすぐ近くに着いても、どこが入口かわからずにウロウロしていると、押し売りガイドが寄ってきます。「Riad XXXX」と言ってしまうと、「ついてこい」と勝手にガイドされてしまい、目指すリヤドに着いて金を請求されます。

上述のモロッコ特有のリスクに気をつけて、イスラムにレスペクトを持って旅をすれば、食べ物はおいしく、人は親切、なんでも安く、とても快適にモロッコを個人で旅することができます。

皆さん、良い旅を!