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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

スコピエ:北マケドニアの不思議な首都

北マケドニアの首都、スコピエ。
筆者は2017年5月に、このなんとも不思議な街を訪れました。東方キリスト正教、イスラム教の両宗教に、社会主義の遺物が混ざり合い、たくさんの彫像が鎮座しています。

☆スコピエの街全体を見渡す

旧市街の丘の上に11世紀に築かれた城塞跡。Skopje城塞

城壁はところどころで途切れており、歩道の整備がされていないので、快適な散歩道とはいきませんが、ここからスコピエの街を見下ろすことができます。Skopje城壁の上

ヴァルダル川にかかる石橋(カメン・モスト)の向こう側が新市街です。Skopje石橋とマケドニア広場

☆イスラムのスコピエ

スコピエの旧市街はオリエンタルな雰囲気が漂います。Skopje old town street

中世時代に長らくスコピエを支配したトルコの影響が感じられます。今も多くのトルコ系の住民が暮らしています。

旧市街の丘の上に建つモスク「ムスタファ・バシナ・ジャミーヤ」。城塞への入り口の向かいにあります。Skopjeモスク2

Skopjeモスク内部

旧市街入口近くのMurat Pashaモスク。夜はなんとも言えない風情があります。Skopje夜のモスク

☆東方正教のスコピエ

スコピエにはキリスト教の教会もいくつかあります。
これは聖スパス(Saint Saiviour)教会。 Skopje教会の塔

東方正教会の特徴であるイコノスタス(教会史上の出来事を画いた画像=イコンがはめこまれた壁)。

この壁を隔てて、手前は信者が集うエリア、向こうが聖職者が儀式を行う「至聖所」と呼ばれるエリアになります。ここの木彫はみごとです。Skopje教会内部

同じキリスト教でも、東方正教はカトリックやプロテスタントとはずいぶんと違います。ミサをのぞいてみるとよくわかります。密教の儀式みたいです。

☆社会主義の残滓

社会主義時代に建てられた、のっぺりして無機質な建物をスコピエのあちこちで見かけます。街の中心には巨大で威圧的な建物も。これは現在、考古学博物館として使われています。 Skopje博物館

☆彫像ワンダーランド

マケドニアは1991年、ユーゴスラビアから独立すると、首都スコピエに過去の偉人たちの巨大な彫像を作り始めました。

主役アレクサンダー大王は街の中心マケドニア広場に鎮座します。Macedonia Alexander statue

街中いたるところ彫像だらけです。Macedonia statues
これは宗教上の偉い人でしょうか。Skopje宗教的な彫像

橋の上にもたくさんいます。Skopje橋の上の彫像

いかなる由縁があるのでしょうか? Skopjeライオン像

とにかくおもしろい!

☆夜景が美しいスコピエ

スコピエの中心を流れるヴァルダル川やマケドニア広場の周辺は建物がライトアップされてきれいです。夜遅くまで人通りが絶えません。

石橋と城塞Skopje夜の橋&城塞

アレクサンダー大王Macedonia Alexander statue night

オペラ&バレエ劇場前Skopje夜の劇場前

考古学博物館と石橋。Skopje夜の博物館

☆スコピエのどこに泊るか

観光に力を入れているだけあって、多種多様な宿泊施設があります。夜も含めた街歩きのためには、マケドニア広場の周辺がお薦めです。

5つ☆の高級ホテルから安宿までいくつもあります。ビルの一部のフロアだけを宿泊施設にしているところは、入口を見つけにくいので、予約の時に確認しましょう。

ヴァルダル川に浮かぶ船を模したホテル&レストラン。Skopje船ホテル

おもしろそうなので泊ってみました。最初からホテル&レストランとして造られたそうです。1泊朝食付きで55€。甲板で川を渡る風を感じながら食事ができます。ひとつ下の階の船室はバーになっています。マケドニア広場から歩いて2分です。

コーランが流れるオリエンタルな雰囲気がお好みであれば、旧市街の中にも、数は多くないもののホテルがあります。

☆スコピエへのアクセス

北マケドニアへのアクセスについては
こちらへ

スコピエの鉄道駅とバスターミナルはマケドニア広場から歩いて約20分です。荷物が重い時は路線バスを使ったほうがいいでしょう。

ただし、バス停の表示はキリル文字だけなので、目的地に向かう路線の番号をあらかじめホテルやツーリストインフォメーションできいておきましょう。

空港とスコピエの街の間はバスで約30分ですが、本数が少ないので、あらかじめ時刻表を確認しておく必要があります。スコピエ空港のHPに出ています。⇒こちらへ

この記事が東欧の不思議な街を楽しむ一助になってくれたらうれしいです。

 

 

アンドラ:ピレネー山中のかわいい国を訪ねて

アンドラ(Andorra)という国を知ってますか?
アンドラはフランスとスペインを分けるピレネー山脈の中にある小さな国。面積は東京23区より小さく、人口は約7万人です。

大金持ちが資産を隠す「タックスヘイブン」として、消費税なしの買い物天国としても知られていますが、私はそういう目的でなく、山々にかこまれた風光明媚な風景、美しい街並みを味わいに行ってきました。(2016年9月)

☆首都のアンドラ・ラ・ベリャ(Andorra la Vella)

首都と言うより、ちょっとした高級リゾート地の趣きです。国会や官公庁の建物は、おしえてもらわない限りどれだかわかりません。andorra-la-vella

アンドラ・ラ・ベリャで最もにぎやかなメリチェイ(Merixtell)通りにはホテルや様々なお店が軒を連ねています。アンドラは消費税がないお買い物天国。ヨーロッパ諸国の消費税は20%近くある国もあるので、かなりのお買い得です。スペイン、フランスからショッピング目的で訪れる人も多いのです。andorra-la-vella-street

このメリチェイ通りが川をまたぐあたりがアンドラ・ラ・ベリャの街の中心で、観光案内所も川に面した広場にあります。(⇒地図

街のはずれにひっそりたたずむSant Esteve教会。andorra-la-vella-church

☆アンドラ国内をまわるのには?

アンドラ・ラ・ベリャを中心にローカルバスが国の隅々まで運行されています。アンドラ・ラ・ベリャの観光案内所でバスの時刻表をもらえます。アンドラ・ラ・ベリャからの1日/半日ツアーも、曜日ごとに異なった場所に催行されています。(⇒アンドラバスツアー

☆山岳リゾート、アリンサル(Arinsal)

アンドラ・ラ・ベリャから車・バスで約30分のアリンサルは、冬はスキーでにぎわうアルペンリゾートです。andorra-arinsal

スキー場に向かう広い道沿いにたくさんのホテル、リゾートマンションが立ち並びます。andorra-arinsal-street

山が迫る横道に一歩入ると、石畳の坂道の両側に民家が身を寄せ合うように並びます。andorra-arinsal-%e7%9f%b3%e3%81%ae%e5%9d%82%e9%81%93

街の中心の広場は、木組みの美しい家々に囲まれています。 andorra-arinsal-house山間の小さな村ですが、3つの異なった表情のコントラストがおもしろい。

☆ひなびた村、オルディーノ(Ordino)

アンドラ・ラ・ベリャから車・バスで20分くらいの小さな村、オルディーノは、リゾートの雰囲気はほとんどない鄙びた村です。観光地化されていない素朴な雰囲気が味わえます。andorra-ordino-street

通りから頭を出すのが、石造りのSant Corneli教会。内部は質素な造りです。andorra-ordino-st-cornelli

夏場はテラスのレストランでの食事が楽しい。自然のまっただ中という感じです。andorra-ordino-restaurant

民家に描かれた美しい絵。周囲の山々に溶け込んでいます。

andorra-ordino-house-painting

☆アンドラへの行き方

アンドラには空港がありません。鉄道も通ってません。アクセスはバスだけです。アンドラ・ラ・ベリャのバスターミナルは、川の南に隣接したセントラル公園のすぐ南に、2つのバス会社がそれぞれターミナルを持っています。2つの距離は50mくらい。観光案内所がある広場から徒歩5分です。(⇒地図
最寄りの大都市はスペインのバルセロナ、フランスのトゥールーズ(Toulouse)です。

バルセロナからのほうがバスの本数は多く、2つのバス会社が、合わせて1日約10~15便を運行しています。発着は、
①空港
②サンツ駅横(駅に向かって右側)のバスターミナル
③北バスターミナル
の3つで、所要時間は3~4時間です。

フランスのトゥールーズ駅横のバスターミナルからは1日2~3便が発着しています。途中、トゥールーズ空港にも寄ります。所要3時間15分。

トゥールーズからピレネー山中に分け入る鉄道のロスピタレ= プレ=ランドール( L’Hospitalet-prés-l’Andorre)駅へのバスも1日2便あります。

☆アンドラで泊る

交通の要所でお店も豊富なアンドラ・ラ・ベリャで泊る場合は、なるべく上層階をリクエストしましょう。部屋から街を囲む山々の風景が眺められます。朝、日が昇る直前の峰々の色の移ろいは、観ていて時間がたつのを忘れます。

これは筆者が泊ったメリチェイ通りのホテル。通りとは逆側の高層階からこんな景色が眺められました。andorra-la-vella-morning

アンドラ・ラ・ベリャの他にもホテルはたくさんあります。国中ホテルだらけと言ってもいい。リゾート立国だけのことはあります。但し、冬のスキーシーズン以外は閉まっているホテルもかなりありますので、事前の確認が必要です。

さて、いかがでしたでしょうか?
アンドラは、マイナーな小国を訪れるマニアック旅の方だけでなく、スペインの超メジャー観光地バルセロナに滞在した際にも立ち寄れます。お天気が良ければ1泊2泊の遠出で、のんびりした休日をアンドラで過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

サッカー現地観戦ガイド

最近、ワールドクラスのサッカーに興味を持たれて、ヨーロッパなどで現地観戦を希望される方が増えています。

まずは、チケットを個人で買う方法、スタジアムでの安全対策などのノウハウをご紹介します。⇒こちらへ

続いて、まだ記憶に新しい2018ロシアワールドカップ。
現地がどんな様子だったかのレポートです。
こちらへRussiaマスコット

 

 

 

2014年ブラジルワールドカップも現地観戦してきました。
こちらへ20140628Stadium14

 

 

ワールドカップよりレベルが高いと
言われているユーロ(ヨーロッパ選手権)
2012年はポーランド、ウクライナ共同開催でした。
こちらへKievSta

 

 

今や世界のサッカーは
チャンピオンズリーグ
を中心にまわっていると言ってよいでしょう。
2014年9月にドイツで2試合観てきました。
こちらへドルトムントスタジアム4

 

 

 

夢の劇場、マンチェスター、オールドトラフォード
こちらへOldTrafor全景

 

 

ロンドンの聖地ウェンブリー
こちらへWembley全景

 

 

ロンドン、アーセナル
こちらへEmirates外観

 

 

You’ll never walk alone が最も似合うリバプール
アンフィールド ⇒こちらへ
AnfieldKopStand

 

 

 

ミラノダービー
こちらへミラノサンシーロスタジアム

モンテネグロの城塞都市、コトル

モンテネグロの海辺の古い街コトルは、山と海と中世の雰囲気を同時に味わえる魅力的な街です。日本では知られていない隠れた世界の名所を紹介するこのサイトで取り上げるのにふさわしい街です。

モンテネグロと言うと、なんだか最果ての地のような響きもしますが、アクセスはさほど難しくありません。

☆モンテネグロってどこ?

モンテネグロは旧ユーゴスラビアが分裂してできた国のひとつで、クロアチアの南、アドリア海をはさんでイタリアの反対側にある国です。

海岸線は対岸のイタリア半島とは対照的にリアス式海岸で、山が迫る陸地に深く湾が入り込んでいます。三陸海岸をさらに複雑にした感じと言えばわかりますかね。

最近、モンテネグロは国を挙げて観光地化を図っており、EUに入ってないのに、なぜか通貨は€です。

☆コトルの城壁を登る

コトルは湾の最奥に位置し、中世のベネチア共和国によって築かれた城壁に囲まれた小さな街で、ユネスコの世界遺産に登録されています。

城壁に囲まれた中世の雰囲気が残る街なら、ヨーロッパ中にたくさんあるのですが、ここの見ものは背後にそびえ立つ山の急斜面に築かれた城壁と、そこを登った先から見る絶景です。コトル山の城壁

かなり急ですが、石段が敷かれていていて歩きやすい。普通のスニーカーでもOK。コトル山道

 

 

 

登っていくにつれて、眼下に絶景が広がってきます。赤い屋根の街並みと青い海のコントラストが織りなす絶景に息をのみます。コトル全景o

☆中世の街、コトル

コトルは中世ベネチア共和国の支配下にあった期間が長く、旧市街の古い建物にもベネチアの影響が見られます。狭い路地が多く、車が入ってきにくい分、静寂に包まれ、街歩きを楽しめます。コトル街中o

路地の先に突然、小さな広場と教会があらわれます。コトル教会2

☆コトルで泊る

コトル周辺の湾に沿った道路沿いにも安い宿泊施設はありますが、ここはぜひ、城壁に囲まれたコトルの旧市街の中で宿泊されることをお薦めします。高級ホテルから民宿までそろっています。暗くなってからの、街のしっとりした雰囲気を味わえます。

☆コトルへのアクセス

国境を越えたクロアチアの人気リゾート地ドブロヴニクからが便利です。日帰りツアーで訪れる人が多い。ドブロヴニクとの間の路線バスは1日3~4便ありますが、国境でのパスポートコントロールに時間がかかり、混んでいると時刻表に記載より所要時間は長くなります。2時間半から3時間くらいです。
首都ポドゴリツィアからバスで訪れることもできます。

 

 

 

サンフランシスコのベイエリアをサイクリング

観光でもビジネスでも訪れることが多い、サンフランシスコのお楽しみをひとつご紹介します。ゴールデンゲートブリッジがあるベイエリアのサイクリングです。

2014年10月、晴天の朝、9時頃、ダウンタウンを出発しました。

☆自転車を借りる

サンフランシスコの街の中心、パウエルから名物のケーブルカーに乗ってフィッシャーマンワーフへ。レンタル自転車ショップがいくつもあります。自転車のタイプによって料金は違います。筆者の借りた自転車は2時間で20ドルでした。お店のスタッフの人が、地図を指示しながらサイクリングコースを教えてくれます。

☆ゴールデンゲートブリッジへ出発

ゴールデンゲートブリッジまでは湾沿いを走ります。橋全景

意外に起伏があって、頻繁にギアチェンジします。特に、ゴールデンゲートブリッジの入り口に登るところがかなりの急坂です。 SFサイクリング急坂

ここから渡ります。サンフランシスコ自転車&自分

歩道兼自転車道には歩いている人、走っている人もいるので、慎重によけてペダルをこぎます。橋の上

湾とその向こうにサンフランシスコの街。絶景です。SF市街遠望

車道を隔てて反対側は太平洋の大海原です。SFサイクリング太平洋2

渡り切ったところに広場があります。 最高のビュースポットなので、大勢の人たちが集まって写真撮ったり、景色を眺めてます。夜景もきれいでしょうね。公園

このあたりに住みたい人が多いのも納得です。サイクリングだけでなく、ランニング好きの方には絶好のコースです。平日の昼間にもかかわらず、走っている人もけっこういました。

☆サイクリングのティップス&ご注意

筆者の所用時間は最低料金の2時間でぎりぎりでした。脚力の弱い方はゴールデンゲートブリッジを渡った先のビューポイントでゆっくりしていると、2時間を超過しますが、すばらしい景色の中のサイクリングが魅力ですから、追加料金を払ってもゆったり走ったほうがいいでしょう。

天候を確認してから出かけましょう。名物の霧がかかる時は避けたほうがいいでしょう。筆者が訪れた日も、自転車を返してから1時間くらいでベイエリアが霧につつまれ、ゴールデンゲートブリッジが全く見えなくなりました。よくあるそうです。

カリフォルニアの風を感じて走るのは最高に気持ちいいですよ!

欧米の劇場のチケットを賢く買うコツ

筆者はオペラやオーケストラなどのクラシック音楽が好きで、これまで約30年間の海外旅行のほとんどで欧米の劇場を訪れました。音楽を聴くだけでなく、その国その街の個性が反映されたオペラハウスやコンサートホールを観て回るのも楽しいものです。

「チケットはどうやって買うのですか」と尋ねられることがよくあり、「劇場の窓口かインターネットですよ」と答えると、「そんなことできるんですか」と反応されることがあります。

出発前に日本の旅行会社にチケット購入を依頼して、事前に確保していかないと劇場に入れないと思い込んでいる方がいらっしゃいますが、それは残念な間違いです。

日本の旅行会社は現地の業者にチケット確保を委託するので、手数料が二重にかかってしまいます

筆者が2007年にフランスのAix-en-Provence音楽祭でベルリンフィルのオペラ(ワーグナーのワルキューレ)を観に行った時には、日本の旅行会社に依頼しましたが、券面350€(当時のレートで¥57,750)のチケットが手数料を上乗せされ¥73,840になりました。

これはなるべくなら払いたくないコストですよね。旅行業者に依頼する前に自分で買えないか考えてみたほうがいいのではないでしょうか。

☆ネットでチケットを買う

欧米のたいていの劇場のチケットはインターネットで買えます。↓これはミラノスカラ座の例。ScalaTicket1

座席表に空いている席と値段が表示され、選ぶことができます。ScalaTicket2

クレジットカードで決済し、公演前に劇場にあるボックスオフィス(チケット売り場)でクレジットカードを提示して、その場でチケットを渡してくれます。

最近ではネットでチケット購入した時点で、サイトからダウンロードできたり、主催者から送られてくるメールにチケットが添付されていたりして、自宅でプリントアウトしてもっていくこともできます。旅行中にネットで買ってプリンタが利用できない場合でも、ホテルのフロントにメール送付して、プリントアウトしてもらうことができます。

クレジットカード番号をネットで入力することの安全性だけが懸念されますが、その他は簡単です。

私は2014年10月、超人気の歌姫アンナ・ネトレプコが出演する、ニューヨークのメトロポリタンオペラ「マクベス」の1階最前列席を公演の10日前にネットで買い、公演2日前に現地窓口でチケットを受け取りました。券面$400に発券手数料が上乗せされ、当時のレート($1=¥108)で¥45,801でした。日本の旅行会社を通していたら、きっと¥60,000以上していたでしょう。DSC_1328

☆劇場で当日チケットを買う

ボックスオフィスはたいていの劇場では正面入口の横か脇にあるのですが、大きな劇場ではわかりにくい場所にあることがあり、探すのに難儀することがあります。入口と離れていたり、劇場とは別の建物にあることもあります。その街に着いたらすぐに観光案内所などで確認したほうがいいです。

開演前に残席がある場合は元の券面価格から値引き発売されることもあります。

2013年6月にミラノスカラ座でワーグナーの「ニーベルンクの指輪」4公演を観に行った時には、開演前1時間を切ると、券面価格より4割引きで売っていました。2013JuneTravel 038

☆こんな場合は旅行会社を使う

旅行会社にチケット手配を依頼したくなる場合にはこんなのがあるでしょう。
① 現地の言葉も英語も全くできない
② チケット完売で、キャンセルが出る見込みがない
③ 目的の演目のチケットは入手可能でも、公演後に泊れる近くのホテルが旅行業者にすべておさえられて、ホテル予約と劇場チケットが抱き合わせ販売になっている

①は誤解です。劇場窓口係員はたいてい英語ができます。外国人客も来訪することを想定して、英語のできる担当者を配しています。そこでのチケット購入に必要な英語力は中学2年程度。必要な単語は限られていますので、文にして言わなくても、単語を羅列すればよいのです。

例えば、「tonight,Walkure(演目名),one,ticket,please」で通じます。その後、どのランク、どの位置という話になりますが、How much? やbest seatとかcheap ticketとかの単語だけでOKです。座席表を見せてくれ、希望の位置を指させばいいこともあります。座席の位置を示す単語(劇場によって呼び名が違います。platea,galleriaなど)は覚えておいたほうがいいです。

②は超人気のアーティスト出演時など極めて稀です。こうした場合は旅行業者に依頼するのもいいでしょう。

但し、ネットでチケット完売していても、ネットや電話で問い合わせると、たいていは「キャンセルチケットをお求めの場合は、1時間前にボックスオフィスに来てください」と言われます。当日になればたいては発売されます。整理券を配る場合もありますので、人気の演目では1時間より前に行って並んだほうがいいです。

③は夏の音楽祭でよくあります。有名なイタリアのヴェローナの野外オペラなど、劇場のキャパに比べて、終演後に歩いて帰れるホテルのベッド数が圧倒的に少ない場合です。これは如何ともしがたいので、旅行会社を頼るほかありません

☆チケットを余した人から買う

②の場合の奥の手として、「チケット求む」と書いた紙を持って列に並んでいると、余ったチケットを「買わないか」と寄ってくる人がよくいます。ほとんどの場合、ダフ屋ではありません。

欧米ではひとりで劇場に出かけることが日本に比べてかなり少なく、ほとんどがカップル、でなければ友人どうしです。そういう文化なのです。そのため、連れが急病や用事、あるいは、誘ったのについてきてくれなかったなどの事情で1枚だけ余ることがよくあります。シーズンチケットの場合は、1回券より安く買えることもあります。

但し、チケットが偽物でないことはその場で確認する必要があります。券面を事前に確認できればいいですが、わからない場合は周りの人に「これって本物でしょうか?」と声をあげて尋ねればいいのです。日付が本日かも確認します。

絶対に行きたいので少しでも失敗する可能性が残るのは嫌だという場合は旅行会社を使えばいいのです。劇場に行く以外の時間は現地の観光に時間を使いたいという場合も、時間を金で買うという意味でいいでしょう。

以上いかがだったでしょうか。皆さんが旅行コストを少しでも抑えて、本場の音楽を楽しむための一助になれば幸いです。

パヴィア修道院

パヴィア修道院(Certosa di Pavia)は、北イタリアのロンバルディア平野の田園地帯に忽然とそびえる大伽藍。

北イタリアの大都市ミラノは、観光でも仕事でも訪れる人が多いですが、ドゥオモなどの観光スポットは、年がら年中、観光客でごったがえしているので、少々疲れます。せっかくカトリックの長い歴史のあるイタリアに来たのだから、静かで厳かな場所で宗教的な気分に浸ってみたくなったら、パヴィア修道院がお薦めです。

パヴィア修道院は、ミラノの街の中心ドゥオモ広場から1時間足らずで行けます。

☆パヴィア修道院への行き方

ミラノの地下鉄3線またはFSのロゴレド駅(Milano Rogoredo)からパヴィア修道院の裏にある駅(Certosa di Pavia)まで所要19分です。30分ごとの運行です。

駅を降りると、のどかな平原の真っただ中。駅を出て左側に軽食が取れるバー以外、ショップもレストランもありません。パヴィア修道院周囲

この平原に浮かぶ島のような修道院が正面に見えます。駅から見て修道院の右側にまわりこみ、修道院の塀に沿って歩きます。パヴィア修道院への道

地球の歩き方には徒歩10分と記載がありますが、修道院の入り口まで、ふつうに歩いて20分はかかります。cof

ミラノ、パヴィアからバスで来ることもできます。

☆壮麗な大伽藍

入口をはいると中庭の向こうに巨大なファサードが現れます。パヴィア修道院ファサード

16世紀初めに完成した、ロンバルディア・ゴシック建築の代表作です。横からはこう見えます。パヴィア修道院ファサード横から

パヴィア修道院を訪れる楽しみのひとつは、この建築を愛でることにあります。

☆祈りの世界

ファサードを入ると内部は厳かな空気が充満する巨大な空間です。祭壇前の門までは自由に見学できます。門から先は、修道士のガイドに付いていきます。筆者が訪れた土曜の15時頃は30分くらいに1回の入場でした。パヴィア修道院祭壇

イタリア語の説明を聞きながら、祭壇、小回廊、大回廊を順に1時間弱の見学です。見学の最後にお礼の意味で寸志を渡します。5ユーロ札を渡している人が多いようでした。

庭を囲む小回廊。パヴィア修道院小回廊

広々とした大回廊。たくさん並ぶ個室は、修道僧の人たちの生活の場です。 パヴィア修道院大回廊

☆ご注意

パヴィア修道院に暮らす修道士たちは、今でも自給自足で戒律を守りながら神々へ祈りをささげる生活を送っています。祈りの世界の見学には、服装に気を使う必要があります。短パン、ミニスカート、ノースリーブは避けるべきかと思います。

教会に入れる時間は季節によって決まっています。HPであらかじめ確認しておきましょう。入場は閉館の30分前までとなっています。駅にロッカー、荷物預かりはありませんので、軽装でお出かけください。

(訪問日:2017年10月14日)

 

 

ミラノダービーを現地観戦する

イタリアサッカー1部リーグ(セリエA)でも屈指の名物カードがミラノダービーです。イタリア北部の大都市ミラノを本拠地とする2つの名門クラブ、ACミランとインテルの対戦です。

スポーツ観戦で「ダービー」とは、同じ都市、または、近隣の都市を本拠地とするクラブチームどうしの対戦で、近くに住んでいるファンがたくさんスタジアムにつめかけて、いつも以上に盛り上がります。

ヨーロッパ各地に「ダービー」はありますが、ミラノダービーは、長らくヨーロッパのサッカー界に君臨してきた名門2チームの対戦だけあって、おおいに盛り上がります。

ここでは、筆者が観戦してきた2017年10月15日のミラノダービーの様子をご紹介するととともに、これから個人でチケットを手配して観戦に行かれる皆さんのお役に立つ情報をお伝えします。

☆ミラノダービー2017観戦記

9月に発売後すぐに完売したチケットですが、10月になってキャンセル戻りと思われるチケットを、ホームチームのインテルのサイトで買うことができました。

地下鉄の駅から出ると、すぐ目の前がジュゼッペ・メアッツァスタジアム(Stadio Giuseppe Meazza) 。通称サンシーロ。hdr

スタジアムのまわりはチームグッズ、軽食&飲み物の屋台が並びます。スタジアム内にも飲食できるところはいくつもあります。hdr

最近は警戒が厳しく、入場の際はチケットと身分証明書を突合せチェックされました。
ジュゼッペメアッツァスタジアムゲート

2、3階席へは、螺旋状の登り道(真ん中に階段もあり)を通っていきます。10年くらい前のミラノダービーで、試合中にピッチに自転車を投げ込んだ輩がいましたが、スタンドまで自転車を引いて持ち込めるわけです。ジュゼッペメアッツァスタジアムらせん階段

両ゴール裏のサポーター席は試合前から盛り上がります。みごとなコレオグラフィーですが、この下にいる観客は何も見えないでしょうね。

インテル側dav

ミラン側dav

かつては、スタンドからピッチにモノが投げ込まれて、大荒れになったことがあったミラノダービーです。その対策にこのような柵が2,3階席の前に設置されています。ジュゼッペメアッツァスタジアム柵

さあ、キックオフ。振っている小旗は、各席にあらかじめ置かれています。ミラノダービーキックオフ

☆チケットを買う

チケットは主催チームのサイトで、クレジットカード払いで買います。事前にメンバー登録(無料)が必要です。

チケットは登録したメールアドレスに電子ファイルで送られてきます。印刷していくか、スマホの画面に表示させるだけでも入場できます。

通常の試合であれば、ミラノ市内のファンショップでもチケットを買えますが、ミラノダービーでは望み薄です。

ゴール裏の1、2階席は、主催チームの公式サポータークラブ(有料)のメンバーIDを持っている人のみ買えます。ここはクルバと呼ばれて、熱心なサポータが集まり、旗が振られたり、発煙筒が焚かれたり、モノが投げ込まれるなどして、無法地帯と化すこともあります。

↓ミランの同点ゴール直後のミランサポーター席。危険な雰囲気が漂っていました。ミラノダービー無法地帯

☆ジュゼッペ・メアッツァスタジアムへの行き方

複数ありますが、最も便利なのが地下鉄M5線SAN CIRO Stadio駅。地上に出ると目の前がスタジアムです。

入場ゲートのセキュリティチェックが厳しく、行列が長くなりますので、余裕をもって出かけましょう。

帰りは大勢の観客が集中するので、かなり混み合います。あらかじめ帰りの切符は買っておきましょう。ジュゼッペメアッツェスタジアム帰りの混雑

混雑を避けるには早めに席を立つ必要があります。

☆ミラノで泊る

地元の観客が大部分なので、ミラノ市内のホテルが、ミラノダービーのために逼迫、値上がりすることはありません。但し、ミラノでは頻繁にメッセが開かれますから、メッセと重なる時はホテル確保がたいへんになります。

SAN CIRO Stadio駅から乗り換え1回で帰れる中央駅(Milano Centrale)付近が便利です。ホテルが数多く集まっています。

では、みなさん、気をつけてミラノダービー観戦にお出かけください。