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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

ポレチュ:世界遺産の教会がある海辺のリゾート

ポレチュ(Porec)はクロアチアの海辺のリゾートタウン。

2019年7月、イタリアから高速船に乗って、イストラ半島の海辺のリゾートタウンをいくつか旅してきましたが、なかでも印象深かったのがポレチュでした。 Porec全景

☆遺跡をうまく利用している

中世の石造りの建物がポレチュの旧市街のいたる所に残っているのですが、それがそのまま住居になっていたり、カフェになっていたり。

中世の城壁の上が、住民が洗濯物を干していました。Porec城壁

海に向かった見張りの塔はカフェになっていました。窓がないシックな感じのバーから階段を上がって屋上テラスに出るとみごとな眺めでした。Porec見張り台カフェ

☆ポレチュの旧市街を歩く

ポレチュの旧市街はぐるっと歩いてまわっても30分くらいの小さな街です。港近くの海辺は、高級そうなホテルやマリーナに係留されたヨットなど、お金持ちのリゾートという感じですが、一本内に入ったメインストリートは、左右に中世の石造りの建物をそのまま利用したレストラン、カフェ、みやげ物店などが並び、夜遅くまでにぎやかです。Porecメインストリート

古代の建物の断片みたいでした。Porec遺跡の断片

まわりで走り回っているのは地元の子どもたちのようで、ポレチュの人たちの生活の中に自然と溶け込んでいるように見えました。

歩き疲れたら海辺のカフェでビールがうまい。Porecビール

かなり暑い日でしたが、のんびりできました。

☆モザイク画が残る世界遺産の聖堂

ポレチュを有名にしているのが、世界遺産のエウフラシウス聖堂の内部のモザイク画です。

こんな門をくぐって入ります。Porecエウフラシウス大聖堂入り口

入って右側に聖堂があります。Porecエウフラシウス大聖堂内部

8世紀、ビザンツ帝国の皇帝によって発布された聖像禁止令により、初期キリスト教の文化を示すモザイク画が破壊されましたが、エウフラシウス大聖堂のモザイク画は奇跡的に破壊を免れました。6世紀に描かれた当時のままの姿を現代に伝えるここのモザイク画は非常に貴重な存在です。

聖堂の反対側の鐘楼に登ると、眼下の赤茶の屋根の街並みと青い海を眺められます。Porec鐘楼からの眺め

☆ポレチュへの行き方

筆者はイタリアのトリエステから船で約2時間で行きました。

クロアチアの首都ザグレブからのバスが1日十数本ありますが、バスに乗る際は必ず所要時間を確認しましょう。短くて4時間で行きますが、長いと6時間以上かけて、いろんなところに寄っていきます。国内の長距離移動に鉄道が使われていないクロアチアでは、バスが短距離も長距離も合わせて、地元の人たちの日常の足になっているのです。

ポレチュに滞在して、イストラ半島のいろんな街をまわるのもおもしろいでしょう。バスが頻発しています。但し、かなり遅れることは覚悟しておいてください。長いことイタリアだったせいか、このあたりの人たちの時間感覚はイタリアっぽいように思います。

 

 

 

 

 

ヴァッハウ渓谷のドナウ川下り

ヨーロッパを東西に流れる大河ドナウ川で最も美しいと言われているのがオーストリアのヴァッハウ渓谷(Wachau)。2019年7月、ウィーンから日帰りで出かけました。

☆ドナウ川下りの船からヴァッハウ渓谷を眺める

ドナウ川下りの船に乗ると、左右に連なる山並みの麓にブドウ畑が広がります。ドナウ川沿いの小さな村

ドナウ川を見下ろす古城、岸辺にたたずむ小さな街が次々にあらわれます。ドナウ川下りの船から

ドナウ川はオーストリアの交通の大動脈で、観光船や貨物船と頻繁にすれ違います。ドナウ川すれちがう船

観光船の中には本格的な料理が食べられるレストランもありますが、筆者はワインとつまみだけを買って、オープンデッキからヴァッハウ渓谷の景色を楽しみました。

ヴァッハウ渓谷の一番の見どころと言えるデュルンシュタイン(Dürnstein)の街が見えてきました。

Dürnstein船から

☆かわいい街、デュルンシュタイン

デュルンシュタイの象徴と言うべき鐘楼の教会がそびえます。カトリックの教会では珍しい青と白の配色は陶磁器のようです。背後から城塞が街を見下ろします。Dürnstein教会と城塞

船を降りて街へ行くのにトンネルの階段を登ります。おもしろいアクセスです。Dürnsteinトンネルの階段

デュルンシュタインは小さな街で、メインストリートであるハウプト通りは端から端まで5分くらいで歩けるくらいです。左右に古くからの石造りの建物をそのまま利用したカフェやお店が並びます。Dürnsteinハウプト通り

街の端のクレムス門を出たところにワインショップがあり、4.5€(≒550円)で店内のワイン30種類くらいから3杯テイスティングできました。ウィーンではなくここに泊ればたくさん飲めたのにと少々後悔しました。Dürnsteinクレムス門とワインショップ

ワインの他にアプリコットがヴァッハウの名産品とのことで、ジャムや濃縮ジュースなどが売られていました。

デュルンシュタインの周囲は一面のブドウ畑。Wachauブドウ畑

教会のテラスからのドナウ川のながめがみごとです。Dürnstein教会のテラス

教会内部は外の光が入る開放的な造りで、絢爛豪華な装飾が映えます。Dürnstein教会内部

城塞に登る道すがら街を振り返ると、街の建物の屋根は赤茶系が多く、緑の丘、教会の鐘楼の青と白。デュルンシュタインの街は色彩豊かです。

Dürnstein全景

☆世界遺産の修道院がそびえるメルク

ドナウ川下りの出発地となるのがメルク(Melk)。世界遺産の修道院が街を見下ろす丘の上にそびえます。Melk修道院

駅から観光案内所がある川岸まで歩いて約5分、店などが並ぶ街の中心街ハウプト通りを抜けて、坂を登って修道院入口までさらに徒歩5分くらいです。

ハウプト通りの両側にはカフェ、レストラン、ホテル、さまざまなお店が建ち並び、修道院がその上にのしかかるように見えます。Melk修道院

門を入ると広大な中庭。
チケット売り場もこの一角にあります。美術品の並ぶ博物館のような広間、宮殿のような素晴らしい装飾など見どころいっぱいです。修道院内部は撮影禁止のため写真でご紹介できないのが残念です。Melk修道院中庭

修道院のテラスからは、近くを流れるドナウ川とその先の山々。Melk修道院からの眺め

☆ヴァッハウ渓谷へのアクセス

オーストリアの首都ウィーンから電車でメルクまで1時間~1時間10分。途中ザンクトペルテンで1回乗り換えがあります。

ドナウ川下りの観光船はメルクからクレムスまで2社がそれぞれ1日2~3本ずつ運行しています。本数は時期と曜日によって異なり、運行期間は3月下旬から10月にかけてですが、年によって変動しますので、事前にチェックが必要です。同じ区間を走るバスもあります。

ドナウ川下りの船はデュルンシュタインなどいくつかの岸辺の街に止まります。

メルクからクレムスまで船、または、船とバスを組み合わせ、クレムスから電車でウィーンに戻るというのが一般的な日帰りコースです。クレムスからウィーンへは所要1時間~1時間20分で、直通列車もあります。

Wachau地図出典:Google Map

ヴァッハウ渓谷はオーストリア国内の幹線路のすぐ近くに位置しており、ウィーンとメルクやクレムスを結ぶ列車の本数は多く、朝早くから夜遅くまであります。ヴァッハウ渓谷へのアクセスは便利なので、ウィーンから出ている日帰りバスツアーを利用する価値はあまりないように思います。

☆おしまいに

ヴァッハウ渓谷の一帯は「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」の名で、ユネスコの世界遺産に登録され、ドナウ川下りは7,8月を中心に多くの観光客を集めます。

オーストリアの首都ウィーンから1時間あまりで行けますので、観光でもビジネスでもウィーンを訪れた際に、1日を割いて日帰り旅はいかがでしょうか。

デュルンシュタインに1泊すれば、観光客のいなくなった夜や早朝の静寂を楽しめ、帰りを気にすることなく地元産のおいしいワインを好きなだけ飲めます。

音楽鑑賞のためにウィーンに滞在している方にもお薦めです。朝8時までにウィーン中央駅を出発すれば、メルクの修道院を見学して、デュルンシュタインまでドナウ川下りを楽しみ、3時間くらいデュルンシュタインの街を歩いてランチして、クレムス経由で夜のオペラやコンサートの開演時間までにウィーンに戻ってこられます。

 

 

 

クロアチアの天空の村、モトブン

クロアチアの天空の村モトブン(Motovun)。
2019年7月、トリュフの森とブドウ畑に囲まれた丘の上に、中世から時が止まったような建物が密集する不思議な世界を訪れました。(⇒地図

☆モトブンを歩く

丘の頂上にそびえる聖ステパノ教会。Motovun聖ステパノ教会

教会を取り巻く城壁の上をぐるっと歩いて一周することができます。Motovun城壁散歩道

丘の斜面に古い建物が建ち並ぶ。Motovun斜面の街並み

バスを降りて頂上に向かう村のメインストリート。建物は13~16世紀のままですが、今はレストランやみやげ物店になっています。Motovunメインストリート

開放的な青果店。Motovun青果店

門をくぐると見晴の良い広場に出ます。頂上の聖ステパノ教会のすぐ下で、ここが村の中心です。Motovun門とテラス

門に彫られた獅子の紋章は、ここが中世ベネチア共和国の支配下にあったことを示しています。Motovunベネチアの獅子

☆モトブンでワインを楽しむ

日本にはほとんど入ってきてませんが、モトブンがあるイストラ半島はワインの名産地として知られています。モトブンには地元産のワインを売る店、テイスティングさせてくれる店がいくつもあります。

そのひとつ、村の中心のテラスの広場にあるFakin。MotovunFakin

丘の周囲の景色を眺めながら飲むワインは最高です。Motovunワイン

☆モトブンでトリュフを楽しむ

モトブンがあるイストラ半島はトリュフの里としても知られています。モトブンを取り巻く森の中でトリュフ狩りができるツアーもあります。

モトブンの城壁から見下ろすリヴァデ(Livade)の村。小さな村ですが、トリュフ狩りの拠点になっています。Livade全景

トリュフの試食ができる店もあります。トリュフチョコなどのみやげ物も売っています。Livadeトリュフ

☆モトブンへの行き方

公共交通機関で行くのはかなり難しいです。

地球の歩き方には、ポレチュ(Porec)、ロヴィニュ(Rovinj)などの海沿いのリゾートタウンから直通バスがある旨書かれていましたが、実際に行ってみるとありませんでした。

クロアチアの首都ザグレブからは、近くの比較的大きな街パズィン(Pazin)までバスで行って、乗り換えてモトブンに行くという案内がされていることが多いですが、クロアチアのバスのサイト(⇒こちらへ)を検索しても、筆者が旅行している期間にはみつかりませんでした。

モトブンの観光案内所にメールで問い合わせたところ、学校が休みの時期はバスが少なくなるという返事がありましたが、少なくなるだけでなく、全くみつからなかったのです。

モトブンにあるホテル(Guesthouse Villa Marija)に問い合わせてパズィンから送迎してくれないかと頼んでみたところ、40€(≒¥5,000)と言われました。

そこで筆者はポレチュからのツアーで行きました。Motovunツアーバス

9:00にポレチュのバスターミナルを出発し、1時間弱でモトブンの丘の下に到着し、村の入り口に向かうシャトルバスに乗り換え。Motovunシャトルバス

ガイドの案内で頂上の聖ステパノ教会まで登り、50分ほど城壁を一周した後、フリータイムが1時間40分ありました。

その後、モトブンの丘のすぐ下にあるリヴァデ(Livade)でトリュフの試食&ワイン1杯。

同じ道を戻ってポレチュに13:40着。ツアー料金は280Kn(≒¥4,800)でした。

短時間の滞在ではあまりにもったいないモトブンですから、ぜひ1泊したいところです。丘の上にホテル、民宿は数軒あります。そのためには、レンタカーを借りるか、人数を集めてタクシーをチャーターすることが必要になります。

自転車という手もありますが、モトブンなどイストラ半島内部は丘を登ったり下りたりの連続ですので、かなりきつそうです。

モトブンは旅行ガイドにはほとんど紹介されていないため、日本から訪れる人は少ないですが、中世の街並み、村を取り巻く緑の森を丘を見下ろしながら飲むワインなど魅力たっぷりです。ぜひ多くの人に訪れてほしいと願って、この記事を書きました。

 

 

混んでないスロベニアのアルプスでのんびり

ヨーロッパを南北に分かつアルプス山脈。スイスやフランスのアルペンリゾートが有名ですが、ハイシーズンには混み合って、ホテル宿泊費が高騰します。もう少しすいていて、ひなびた雰囲気のリゾート地で、山を眺めてのんびりしたいという方のために、筆者が訪れた、アルプスの東の端、スロベニアの穴場アルペンリゾートをご紹介します。(⇒地図

☆ボーヒン湖(Bohinjsko jezero)

スロベニアNo.1の観光地ブレッド湖から30kmアルプスの奥まったところにあるボーヒン湖は、エメラルドグリーン水をたたえ、周囲の山々が湖面に映る、幻想的な美しさです。Sloveniaボーヒン湖面

ボーヒン湖は、ガイド本によってはボヒニュ湖と表記してあることもあります。

ボーヒン湖を観光する拠点は、湖畔の小さな村リブチェフ・ラズ(Ribcev Laz)です。リブリアーナやブレッド湖からのバスはここに最初に停車します。ホテルが数軒の他にアパートメントもいくつかあり、観光案内所もここのバス停すぐ近くです。BohinjRibcevLaz

天気が良い時の山と湖の眺めはすばらしいのですが、朝霧に覆われた村も風情があります。昔の登山家の像があります。Bohinj朝霧

ここからボーヒン湖の南岸をさらに奥に進み、ゴンドラで登った先がボーゲル・スキーセンター。スキーシーズンには賑わうのでしょうが、夏はそんなに混み合いません。Sloveniaボーヒン湖ゴンドラ

ゴンドラで登った先の絶景!
これを眺めながら飲食できるレストランもあります。Bohinjフォーゲル

さらに奥に進んだバスの終点がサヴィツァ(Savica)。バスを降りてさらに30分ほど歩くと、落差78mのサヴィツァの滝があります。Bohinjサヴィツァ滝

ボーヒン湖畔には遊歩道が整備されています。リブチェフ・ラズの周りの湖畔の草原にはところどころにベンチが置かれていて、気持ちの良い散歩道です。Sloveniaボーヒン湖の草原

歩いて15分くらいの隣村スターラ・フジナ(Stara Fuzina)はさらにひなびていて、いかにもヨーロッパに田舎に来た!気分を満喫できます。Bohinjスターラフジナ

☆ボーヒン湖への行き方

スロベニアの首都リブリアーナからバスで約2時間です。バスはブレッド湖を経由します。

鉄道駅もありますが、駅から湖畔のリブチェフ・ラズまで6km離れていて、バス(多くはリブリアーナから来る)に乗ることなりますから、最初からバスで行くほうがいいでしょう。

☆クラニュスカ・ゴラ(Kranjska gora)

もうひとつご紹介したいクラニュスカ・ゴラは、スロベニアの代表的なアルペンリゾートで、西のイタリア、北のオーストリアとの国境近くにあります。ブレッド湖からさらに北にあり、ブレッド湖をはさんでボーヒン湖とは反対側になります。

クラニュスカ・ゴラの村のバス停を降りて、川沿いに20分くらい歩いたところにあるヤスナ湖(Jezero Jasna)。Sloveniaクラニュスカゴラ

アルプスの真っただ中なのは、ボーヒン湖と同様ですが、高い山々がより身近に迫ってくる感じです。

☆クラニュスカ・ゴラへの行き方

首都リブリアーナから1時間に1本くらい出ているバスが便利です。所要2時間くらいです。

列車本数は少ないものの、オーストリアからのアクセスもあります。ウィーン⇒(鉄道で4時間半)⇒フィーラッハ⇒(鉄道で50分)⇒イェセニツェ⇒(バスで30分)⇒クラニュスカ・ゴラ

スロベニアは旧ユーゴスラビアが分かれてできた国のひとつで、中央ヨーロッパから近く、アクセスも良いのですが、まだメジャーになってない穴場の観光地がいくつかあります。

スロベニアだけを1週間か10日かけてまわっても、ここで紹介しましたアルペンリゾートなど美しい自然に囲まれた街や村のいくつかに滞在できますが、ウィーン(オーストリア)やベネチア(イタリア)を訪れたついでに、スロベニアまで足を伸ばしてみるのもいいでしょう。

サラエボ~第一次世界大戦勃発の地

1914年、第一次世界大戦はここから始まった。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボを、そのちょうど100年後の5月に訪れた。

オーストリア皇太子暗殺現場は、観光客が集まるサラエボの街の中心近くにある。暗殺現場

隣接する建物は博物館になっている。

ここは旧ユーゴスラヴィア分裂の際の激しい戦闘が行われたところでもある。今は落ち着いた佇まいの街だが、ところどころの建物に銃弾の跡が残る。空港から乗ったタクシーの運ちゃんが頼みもしないのに案内してくれた。 街の佇まい

バルカン半島の内陸部は中世の長い期間、オスマントルコの支配下にあったため、イスラム色が強い。最近、観光地化しつつあるアドリア海沿いの街とは趣きが異なる。

街の中心にはモスクとミナレットがそびえる。このあたりは西欧とトルコの混ざり合った街並みで、楽しく街歩きできる。 広場

サラエボは首都でありながら、さほど大きな街ではない。空港、駅は日本の地方都市みたいな雰囲気がする。空港から街までは公共交通機関がなく、タクシーを使うしかない。ヨーロッパの国の首都では珍しい。

戦争後にできた高層ビルの展望台から眺めるサラエボ市街。

全景

サラエボは1984年の冬のオリンピック開催地でもある。

アクセスはヨーロッパの主要空港からのフライトになるが、便数は少ない。旧ユーゴの首都ベオグラード、アドリア海沿いの街からのバス、鉄道のアクセスもあるが、長時間かかるうえに1日1,2便しかないので、かなり不便。

それだけに、サラエボは観光地化がなかなか進まず、戦争の爪痕ともに、古い街並みを留めてくれている。

東ヨーロッパへお出かけの際は立ち寄ってみてはいかがだろうか。

大自然の奇跡、プリトヴィツェを歩く

クロアチアの世界遺産プリトヴィツェ(Plitvice)は大自然の奇跡。

緑の山々にかこまれたエメラルドグリーンの湖が階段状に連なり、その間を滝が流れ落ちる。このような場所は世界に例がないでしょう。プリトィヴィツェ1

湖畔に整備された遊歩道を歩くと、大自然まっただ中の気分を味わえます。 Plitivicka道

いちばん落差の大きいヴェリキ滝にむかう道。Plitivickaヴェリキ滝へ向かう道

滝壺すぐ近くまで来られます。ヴェリキ滝

案内標識はわかりやすく道に迷うことはありません。Plitvicka案内標識

滝の水しぶきを浴びながら歩くところもあります。Plitivicka水しぶきを浴びる道

軽食からレストランまで飲食施設も充実しています。

☆プリトヴィツェを歩くプランニング

入口で入場料を払って公園に入ります。2019年7月時点で250Kn(≒¥4200)でした。時期によって、入場時間によって安くなります。入口では地図をもらえます。

入口は2つあり、入口2(ザグレブからは遠いほう)には荷物預けがあります。ホテルは入口2のほうにあり、飲食施設も入口2のほうがたくさんあります。

公園内は広く、よほどの健脚でない限り、原則30分ごとに運行されているエコロジーバスと遊覧船を組み合わせたほうがいいでしょう。Plitivicka遊覧船

ピーク時間帯には長蛇の列ができますが、運行頻度を上げてくれることもあります。

ガイド本にはモデルコースが所要時間とともに紹介されていますが、所要時間はバスと船でどれだけ待たされるかによって大きく違ってくるので、あてにしないほうがいいでしょう。

公園西側(入口2から見て左手)が標高の高い上湖群、入口1に近いほうが下湖群です。

PlitivickaMap

(出典:Discoverplitvice.com)

時間が限られている方はどちらに行くか迷われるかもしれませんが、優美な滝が多く、遊歩道の高低差がより小さいのが上湖群、大自然のダイナミックさを味わえるのが下湖群です。

筆者が1日あればこんなプランにします。これで公園内の見どころをほぼすべてをまわれます。

入口2⇒(バス)⇒入口1⇒(歩き)⇒ヴェリキ滝⇒(歩き)⇒船乗り場P3⇒(船)⇒船乗り場P2⇒(歩き)⇒上湖群のバス乗り場ST3⇒(バス)⇒入口2

2019年7月に筆者が実際に行ったときは、ザグレブから11時に到着し、入場は12時、17:00のザダル行バスに乗らなければならなかったので、以前に歩いている上湖群は途中までにしてP2に戻りました。P2からP1(入口2)は短い船旅でした。

☆いつプリトヴィツェへ行くか

公園が7:00から20:00まで開いている夏季で、かつ、あまり暑すぎない時期がお薦めです。ほとんどが屋外なので、日差しが強く暑い日は歩くのがつらいです。ベストは春の終わりから初夏、夏の終わりから秋ということです。

いつからいつまでが夏季になるかは年によって変わりますので、プリトヴィツェ湖群国立公園の公式サイトでご確認ください。日本語はありませんが、必要な情報がすべてそろっています。

冬は開いている時間が短いうえに、積雪が多い日には公園が閉鎖されることもあります。雪が残っていると足元が危ないので、冬にプリトヴィツェへ出かけられるのはお薦めできません。

季節とともに時間帯も考慮したほうがいいでしょう。

プリトヴィツェはヨーロッパで人気の観光スポットなので、大勢の観光客が訪れます。入口からエコロジーバスに乗ろうとしても2時間待ちだったり、湖の遊覧船に長蛇の列ができたりします。

混んでいると、入場時間を制限されることもあります。11時前にチケットを買ったのに、入場は12時からといったことです。

待ち行列は午後の時間が遅くなるほど短くなりますので、正午ころ到着して、終バスまでいるか、近くに泊って朝いちで来て、混雑がピークに達する昼頃にランチを食べて帰るかが混雑を避けるコツです。帰りがザグレブであれば午後プランのほうが多く時間を取れます。

☆プリトヴィツェへの行き方

いちばん手軽に行くにはザグレブからの日帰りツアーです。ツアーに申し込んで、朝、所定の集合場所に行って、バスに乗れば片道2時間弱でプリトヴィツェまで連れていってくれます。

日帰りツアーの欠点は、観光客で混み合うピーク時間帯にプリトヴィツェを歩くことになることです。日によっては公園内を移動するバスや遊覧船が1時間以上待ちになることもあります。多くのツアーはザグレブ帰着時間が早めに設定されており、すいてくる午後の早い時間に帰りのバスに乗り込まなければなりません。

個人での行き方ですが、プリトヴィツェはスプリット、サダルなどのアドリア海沿いの街、または、首都ザグレブからのバスになります。

ザグレブからのバスは1日十数便あり、所要2時間~2時間半です。  ⇒バスの時刻表
複数のバス会社が運行してますので、往復チケットを買ってしまうと、帰りに乗るバスが限定されてしまうので要注意です。

ザグレブのバスターミナルは街の中心街から少し離れた場所にありますので、トラムの利用が便利です。
⇒ ザグレブのバスターミナル

プリトヴィツェにはバスターミナルはないので、2つある公園入口近くのバス停でバスを待ち、ドライバーからチケットを買って乗ります。

☆プリトヴィツェで泊るか?

プリトヴィツェには宿泊施設が数軒あるので、到着日に泊まると、翌朝、日帰り客が来ない早い時間から公園内を歩けるのが魅力です。

足腰に自信がない方、美しい大自然の中で長い時間のんびりしたい方も1泊して、2日に分けて歩くのもいいでしょう。

但し、暗くなってからのレジャー施設は何もないので、大自然に抱かれて寝る以外の楽しみは期待できません。

☆お薦めの行き方

筆者のお薦めは、クロアチア国内を移動する行程中にプリトヴィツェを組み込むことです。ザグレブなどの街から1日でプリトヴィツェを往復するのは時間の無駄でしょう。

プリトヴィツェはスプリット、サダルなどのアドリア海沿いの街と首都ザグレブの間にあるので、その間を移動する日を1日設けて、その日をプリトヴィツェ観光にあてるのです。

例えば、スプリット発7:00のバスでプリトヴィツェに10:30着。ザグレブに行く終バスの18:40までプリトヴィツェを楽しめます。前日がプリトヴィツェにより近いザダル泊であれば、出発時刻はさらに遅く、到着時間は早くできます。

前日にザグレブ泊であれば、ザグレブ発6:30のバスでプリトヴィツェに8:50着。まだすいている時間に歩き始め、激混みになる正午前後はランチを食べてのんびりし、17:00発のバスでザダルへ向かう。

どちらにしても当日は早起きが必要ですが、長い時間バスで過ごし、混み合うプリトヴィツェに短時間しかいられないよりいいと思います。

クロアチア全体の旅については⇒こちらへ

アルプスの瞳、ブレッド湖

あまりに美しい!
ブレッド湖はスロベニアの山ふところにあって、アルプスの瞳と呼ばれています。まだ日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは既にメジャーな観光地で、絵のような景色を楽しめます。

スロベニアは旧ユーゴスラヴィアが1990年代に分裂してできた国のひとつで、西にイタリア、北にオーストリアと接しています。(⇒地図

旧ユーゴの時代には多民族を束ねていたチトー大統領の別荘がブレッド湖の湖畔にあり、ヨーロッパ歴訪中の昭和の天皇陛下もここに宿泊されました。今は一般人でも泊まれる高級ホテルになっています。

☆ブレッド湖でなにをする?

基本的に美しい景色を眺めてのんびりするところです。

ブレッド湖に浮かぶ小島には手漕ぎのボートでアクセス。船着き場から階段を登ったところに教会があって、時折、コンサートが行われます。   スロベニアブレッド湖1

湖面から100mの断崖の上に建つブレッド城。  Bled城

汗だくなって歩いて登った先では、すばらしい眺めを楽しめます。 ビールがうまい!スロベニアブレッド湖2

湖畔にはホテルがたくさんあります。dig

泊らなくてもレイクビューのテラスで飲んだり食べたりも楽しめます。

朝夕に湖畔の遊歩道をのんびり散策するのは気持ちいいです。 湖面をゆったり滑るような水鳥たちを観ていると、 日頃の万事ハイペースな日常をしばし忘却の彼方に追いやることができます。ブレッド湖の水鳥

湖畔に宿泊施設が豊富にあります。 バスターミナルから徒歩3分の☆☆☆ホテルの湖とお城が見える部屋が9,100円でした(2013年6月)が、2019年7月に再び訪れた際には、値段はかなり上がっているようでした。

☆ブレッド湖へのアクセス

首都リブリャーナの鉄道駅前のバスターミナルからバスが1時間に1本以上運行されていて、ブレッド湖まで所要約1時間半です。

オーストリア南部のフィーラッハとリブリャーナを結ぶ幹線上にあるので、鉄道でもアクセスできますが、鉄道駅(Lesce-Bled)からブレッド湖までは4kmほど離れていて、駅からバスに乗らなければなりません。

イタリアのヴェネチアからゴリツァを経てブレッド湖の西岸にある駅Bled-Jezeroに向かう鉄道は絶景路線です。Bled-Jezero駅からブレッド湖のホテルが集まっているエリアまでは、湖畔の道を2.5kmほど歩くことになります。

☆お薦め!
ブレッド湖を起点にしたアルプス巡り

既にメジャーな観光地となったブレッド湖のほとりには、高級ホテルから安宿までたくさんの宿泊施設、レストランがありますので、ここを起点に、美しいユリアンアルプスの小さな村めぐりをしてみるのはいかがでしょうか。

これはブレッド湖から30km(バスで約40分)ほどのボーヒン湖。Bohinjフォーゲル

ぜひ多くの人に訪れてほしいリゾート地です。

アルプスの大自然を堪能する

ヨーロッパを南北に隔てる壁のようなアルプス山脈。
日本にもアルプスはありますが、そのスケールはケタ違いで、峰々の織り成すダイナミックな風景に思わず息をのみます。

アルプス3大名峰のひとつシャモニーをフランスとイタリアの両側から眺めてみます。
MontBlanc全景 ⇒シャモニー

 

 

 

アルプペンリゾートが最も多く整備されているのはスイス。
国土のほとんどがアルプスの山々に覆われていて、国中いたるところに展望台とそこに通じる登山鉄道、ゴンドラ、ロープウェイが建設され、山の頂になるべく近い場所で大自然を鑑賞できるようにしてくれています。 スイス旅のちょっとしたコツご紹介します。
スイスを存分に楽しむコツ

 

オーストリアのアルプスはここ。
グロースグロックナーグロースグロックナー1

 

 

 

名峰マッターホルンをイタリア側から観る。
裏側から観るマッターホルン~チェルヴィニアチェルヴィニア街

 

 

アルプスの山々に囲まれた湖。
北イタリア、ミラノから1時間ほどで行けるコモ湖。Como
ミラノの喧騒に疲れたら、コモ湖でのんびり

 

 

ドイツのひなびたアルプスの村
ドイツでアルプスを楽しむ~ミッテンヴァルトMittenwald教会と山

 

 

 

まだ観光地化が進んでいないスロベニアのアルペンリゾートはいかがでしょうか。Sloveniaクラニュスカゴラ
スロベニアのアルプス

 

 

スロベニアブレッド湖1 ⇒アルプスの瞳、ブレッド湖