海外旅行でテロに遭わないために

パリの凄惨な無差別テロ、シナイ半島でのロシア旅客機爆破。

相次ぐイスラム過激派のテロは、海外旅行客にも無縁ではありません。

そこで、海外、特にヨーロッパを旅行するうえで、テロに遭うリスクを下げるために、個人としてできることを、危険な場面ごとにご紹介します。

1.大規模ホテルのロビー

テロが起きるのは高価格帯で大規模なホテルと考えて間違いありません。特に英米系のチェーンが可能性が高い。テロリストが銃を乱射したり、自爆するのはフロント、ロビーのあるエリアでしょう。Hotel

 

 

 

 

By Matthew Paulson

ホテルの建物に入ってから部屋にたどり着くまでの時間を最小限にしましょう。ロビーのソファでくつろぐのはテロに遭うリスクを高めます。ロビーの中にバーやラウンジがあるところも同様です。

2.空港

世界中どこでも空港は犯罪多発地帯です。ほとんどはスリや置き引きですが、テロの標的にもなっています。警戒厳重なようですが、穴だらけです。Airport

 

 

 

By Allan

空港ビルに入るのにボディーチェックをしているところはほとんどなく、誰でも入れます。大きな荷物を持っている人が多いので、中に隠せば爆弾でも拳銃でも何でも持ち込めます。

出発する場合は荷物検査を通過するまで、到着する場合は税関を通り抜けてからは、常に緊張感を持ってください。テロが起きるとしたらこのエリアです。

このエリアに居る時間は最小限にし、ショッピングや飲食はやめましょう。電車、バス、タクシーを待つ時間があったら、建物の外が寒かったり暑かったりしても、乗り場まで行って待ったほうがいいです。

持ち主不明の荷物が周囲にないか常に気を配りましょう。見つけたらすぐにその場を離れましょう。

空港ビルの入口近くにはいないように。テロリストが侵入して、いきなり銃を乱射ということもありえます。

3.高速鉄道

最近ではユーロスターやAVEのように、空港チェックインと同様の荷物検査、ボディチェックを行うところもありますが、そうでない列車はいつテロリストに狙われてもおかしくない。

先頭車両かその近くは避けましょう。テロリストが爆破するのは先頭に近いほうです。先頭に近いほどダメージが大きいからです。

席に着いたら、周囲に不審物がないか確認しましょう。座席の下、荷物棚の上です。列車の中

4.劇場、コンサートホール

人が密集し、ボディチェック、荷物検査もありませんので、テロリストの格好の標的です。今回のパリのテロで最も大きな被害を出しました。個人で注意できることは限られており、入口から遠く、なるべく上のフロアの席を選ぶくらいです。

劇場

 

 

 

 

5.美術館、博物館

2015年のチュニジアのテロもあって、入口の警備がさらに厳重になりましたので、比較的テロに遭うリスクは低いと言えます。個人としての自営措置は、入口近くにいる時間は最小限にする、ということです。チケットを買ったらすぐに入場し、展示スペースに向かうのです。

6.サッカーなどのスタジアム

2015年のパリのテロでは、サッカースタジアムに入場しようとしたテロリストが入口のボディチェックではじかれ、外で自爆しました。スタジアム

 

 

 

 

ヨーロッパのサッカースタジアムの入り口での荷物検査、ボディチェックはきちんと行われていますので、内部が爆破されたり、銃が乱射される危険は低いと言えます。

むしろ危険なのは、スタジアムへの行き帰りの人混みの中です。試合終了までにスタジアムを後にする、もしくは、しばらく場内で時間をつぶしてから出る。そして、人混みの中でも、なるべく群衆との距離を取る。1mでも50cmでも離れて歩く。露天の飲食店、土産物店は避けたほうが賢明です。

7.飲食店

狙われるのは混んでいる店ですが、そこを避けていたら旅の楽しみが減ってしまいます。ここでテロが起きたら諦めるしかありません。

個人としてできるテロ対策は、外部との出入口以外の逃げ道のある席を選ぶことくらいです。店内の奥まった場所では、銃を持ったテロリストの侵入を知って逃げようとしても、テロリストに向かっていくことになってしまいます。従業員が厨房やバックヤードと行き来する通路の近くがいいでしょう。

さて、イスラム過激派のテロリストは自らの命を省みずに一般人を無差別に殺傷します。 世界中どこに行ってもテロに遭う危険をゼロにすることはできません。

テロ事件が相次いだからといって、あまり考えすぎると、旅の楽しみが減ってしまいますから、必要最小限の自衛策を確実に行い、あとは楽しみましょう。