ブルガリアの首都、ソフィア(Sofia)。
ブルガリアを訪れる際は、まず、ソフィアに到着します。
古代から、さまざまな民族、宗教が交錯したブルガリア国の首都だけあって、いろんな文化遺産が混然として残っています。”支離滅裂な街”と言っていいでしょう。それがまたソフィアのおもしろいところです。
☆近代的な大都市ソフィア
ブルガリアが社会主義から脱して20年以上たって、EUにも加盟し、ソフィアは近代的な都市の顔を見せています。
ソフィアの目抜き通り、ヴィトシャ大通りは歩行者天国になっています。両側のショップ、レストランなどを見ていると、西欧の都市と変わりません。
地下鉄の駅はこぎれいです。パリやロンドンの地下鉄の暗く荒んだ感じは全くありません。
☆古代遺跡
ヴィトシャ大通りに面した、スヴェタ・ネデリャ広場がソフィアの街の中心で、周囲には百貨店、高級ホテル、高そうなレストランが並んでいますが、その下にあるセルディカ駅の改札脇に古代遺跡が同居しています。地下鉄工事の際に偶然発見されたものです。
この遺跡は地下鉄駅から地下街のように広がっています。
☆社会主義の遺物
地下の古代遺跡から地上に上がると、目の前に旧共産党本部が迫ってきます。旧共産圏の街にはこのような威圧的な建物が残りますが、ソフィアのはとりわけ大仰な感じがします。
その前にある、労働者を讃えているような、いかにも社会主義っぽいモニュメント。
☆イスラムの名残
ブルガリアは14世紀から19世紀までの約500年、オスマントルコの支配下にありました。ソフィアにも堂々としたモスクがあります。 バーニャ・バシ・ジャーミヤ。
☆文化の支柱:ブルガリア正教
バーニャ・バシ・ジャーミヤの横で、小さな教会が屋根だけを突き出しています。聖ぺトカ地下教会は、入り口が狭く窓がありませんが、これはオスマントルコ時代に目立たぬよう、ひっとりと信仰を続けるためでした。
遺跡とも隣合わせです。左には、のしかかるように高級ホテルの建物、その向こうには聖ネデリャ教会が見えます。ソフィアを象徴するような混沌のワンショットです。
ソフィアで一番の教会はアレクサンダー・ネフスキー寺院です。19世紀にブルガリア独立のきっかけになった露土戦争で戦死したロシア人兵士を慰霊するために建てられました。
このあたりは国会議事堂、美術館などライトアップされる建物が多く、夜のお散歩に最適なエリアです。
周囲をビルに囲まれた聖ゲオルギ教会は4世紀に建てられたソフィア最古の教会です。隣にはローマの浴場跡も残ります。
☆ユダヤ教もある
ソフィア・シナゴーグは20世紀初頭の建築。内部の巨大なジャンデリアが印象的です。
☆その他
モスクの向かいに重厚な建物がありました。なにかと思って入ってみると、市場でした。セントラル・ハリは、広い空間にお店がずらりと並んでいます。観光客用のショップではなく、ソフィア市民の人たちが日常買いするお店ばかりです。
混沌としたソフィアを見下ろす標高2000m級の山々。これは筆者が泊ったソフィア中心部のホテル(Hotel Rila)10階バルコニーからの眺めです。
ソフィアから山頂近くまでバスで行けます。
☆ソフィアで泊る
ソフィアは大都市だけあって、宿泊施設はたくさんあり、各人の予算に応じて選べます。
筆者のお薦めはホステル・モステル(Hostel Mostel)。地球の歩き方にも載っているドミトリーで、1泊2食付で10€(≒1,300円)という破格の値段です。宿泊者のほとんどは若者ですが、年齢制限は設けていません。男女混合相部屋ですが、ひとりずつ鍵付ロッカーはあります。
値段は上がりますが個室もあります。
街の中心ズヴェタ・ネデリャ広場とセルディカ駅まで歩いて10分ちょっとの便利なロケーションにあります。
このホステルは、アクセスが不便なリラの僧院へ行くツアーを20€で主催しています。ほぼ毎日ありますが、ワゴン車がいっぱいになると締切(一定人数が集まれば2台めもある)になりますから、到着したらすぐに登録簿に名前を書き込みましょう。
ブルガリアは国中に魅力たっぷりの観光スポットがたくさんあります。行きと帰りに必ず立ち寄ることになるソフィアもユニークな街で歩きがいがあります。トラムやバス網も充実してますから、歩くのが苦手な方でも、さまざまな文化遺産を見て回れます。