ヨーロッパを南北に分かつアルプス山脈。スイスやフランスのアルペンリゾートが有名ですが、ハイシーズンには混み合って、ホテル宿泊費が高騰します。もう少しすいていて、ひなびた雰囲気のリゾート地で、山を眺めてのんびりしたいという方のために、筆者が訪れた、アルプスの東の端、スロベニアの穴場アルペンリゾートをご紹介します。(⇒地図)
☆ボーヒン湖(Bohinjsko jezero)
スロベニアNo.1の観光地ブレッド湖から30kmアルプスの奥まったところにあるボーヒン湖は、エメラルドグリーン水をたたえ、周囲の山々が湖面に映る、幻想的な美しさです。
ボーヒン湖は、ガイド本によってはボヒニュ湖と表記してあることもあります。
ボーヒン湖を観光する拠点は、湖畔の小さな村リブチェフ・ラズ(Ribcev Laz)です。リブリアーナやブレッド湖からのバスはここに最初に停車します。ホテルが数軒の他にアパートメントもいくつかあり、観光案内所もここのバス停すぐ近くです。
天気が良い時の山と湖の眺めはすばらしいのですが、朝霧に覆われた村も風情があります。昔の登山家の像があります。
ここからボーヒン湖の南岸をさらに奥に進み、ゴンドラで登った先がボーゲル・スキーセンター。スキーシーズンには賑わうのでしょうが、夏はそんなに混み合いません。
ゴンドラで登った先の絶景!
これを眺めながら飲食できるレストランもあります。
さらに奥に進んだバスの終点がサヴィツァ(Savica)。バスを降りてさらに30分ほど歩くと、落差78mのサヴィツァの滝があります。
ボーヒン湖畔には遊歩道が整備されています。リブチェフ・ラズの周りの湖畔の草原にはところどころにベンチが置かれていて、気持ちの良い散歩道です。
歩いて15分くらいの隣村スターラ・フジナ(Stara Fuzina)はさらにひなびていて、いかにもヨーロッパに田舎に来た!気分を満喫できます。
☆ボーヒン湖への行き方
スロベニアの首都リブリアーナからバスで約2時間です。バスはブレッド湖を経由します。
鉄道駅もありますが、駅から湖畔のリブチェフ・ラズまで6km離れていて、バス(多くはリブリアーナから来る)に乗ることなりますから、最初からバスで行くほうがいいでしょう。
☆クラニュスカ・ゴラ(Kranjska gora)
もうひとつご紹介したいクラニュスカ・ゴラは、スロベニアの代表的なアルペンリゾートで、西のイタリア、北のオーストリアとの国境近くにあります。ブレッド湖からさらに北にあり、ブレッド湖をはさんでボーヒン湖とは反対側になります。
クラニュスカ・ゴラの村のバス停を降りて、川沿いに20分くらい歩いたところにあるヤスナ湖(Jezero Jasna)。
アルプスの真っただ中なのは、ボーヒン湖と同様ですが、高い山々がより身近に迫ってくる感じです。
☆クラニュスカ・ゴラへの行き方
首都リブリアーナから1時間に1本くらい出ているバスが便利です。所要2時間くらいです。
列車本数は少ないものの、オーストリアからのアクセスもあります。ウィーン⇒(鉄道で4時間半)⇒フィーラッハ⇒(鉄道で50分)⇒イェセニツェ⇒(バスで30分)⇒クラニュスカ・ゴラ
スロベニアは旧ユーゴスラビアが分かれてできた国のひとつで、中央ヨーロッパから近く、アクセスも良いのですが、まだメジャーになってない穴場の観光地がいくつかあります。
スロベニアだけを1週間か10日かけてまわっても、ここで紹介しましたアルペンリゾートなど美しい自然に囲まれた街や村のいくつかに滞在できますが、ウィーン(オーストリア)やベネチア(イタリア)を訪れたついでに、スロベニアまで足を伸ばしてみるのもいいでしょう。