ルーマニアの中世がそのまま残る街、シギショアラ。
2019年のゴールデンウィークに旅したルーマニアで最も印象に残った街でした。丘の上の城壁に囲まれた旧市街ではタイムスリップ感を味わえる楽しい街歩きができました。
☆塔の街、シギショアラ
時計の塔はシギショアラの街を見下ろせる展望台でもあります。ここから入ります。
観光客が多い時は入場制限がかかり、あとXX分待ってくださいと言われることがあります。
螺旋状の階段を息を切らせながら登った先では、眼下に中世の街、街を取り巻く緑の森のすばらしい景色を眺められます。
塔の内部は博物館になっていて、この地方の昔の人たちが使っていた生活用品などが展示されています。
シギショアラには時計の塔以外にも塔がいくつもあり、それぞれにギルド(職人組合)の名前がついています。15~16世紀には15あったそうですが、今も残るのは9つです。
中世の職人さんたちが競い合ってシギショアラの街を発展させてきたのでしょう。
☆ドイツの香りがするシギショアラ
シギショアラの歴史は12世紀にザクセン人が入植してから始まりました。軍事的な要衝であるとともに、その後、国王から自治権を与えられた商業都市としても発展しました。そのため、今も街のあちこちでドイツ語を見かけます。
その歴史を象徴するのが、旧市街で最も高いところに14世紀に建てられた山上教会。ルーマニアで支配的な正教ではなくプロテスタントの教会です。
街中から山上教会へのアクセスがおもしろい。屋根のある階段を登っていきます。
シギショアラの旧市街の石畳の道にはカラフルな家々が建ち並びます。ぶらぶらし歩きしていると、すぐに元いたところに戻ってしまいます。小さい街なのです。
街の中心の広場に面したレストランから張り出すテラスで食事しました。昼間は観光客でにぎやかですが、夜はひっそりします。ライトアップされたカラフルな建物は昼間とは違った色に見えます。
☆城塞都市シギショアラ
シギショアラは街の建設時から軍事上の要衝で、敵の侵入を防ぐ城壁で囲まれていました。
時計の塔の博物館に、中世の街の様子を形どった模型がありました。城塞都市の全貌がよくわかります。
それとともに、城壁の一部が壊れてしまった以外は、今とほとんど変わらないのは驚きです。よくぞこれだけの街並みを保存してくれました。
木でできている城壁内の通路も一部残っています。
☆シギショアラへの行き方
ルーマニアの首都ブカレストから鉄道で所要5時間10~40分で、直通列車は2019年4月時点で1日4本ありました。バスはさらに本数あり、所要時間は同じくらいです。
同じトランシルヴァニアの観光地ブラショフからであれば、鉄道で約3時間に対し、バスは約2時間で着きます。
シギショアラの駅とバスターミナルは同じところ(100mくらい離れて)にあります。旧市街への入り口のひとつである時計の塔から1キロくらいです。
☆シギショアラで泊る
ルーマニアの主要都市から離れているので、日帰りツアーで訪れるのは無理があり、シギショアラで泊ることになりますが、城壁内で泊ることをお薦めします。
昼間は観光客がたくさんいますが、夜と早朝は静寂に包まれた中世の街を楽しめます。そして、シギショアラは塔に限らず、さまざまな建物が夜間にライトアップされて、昼間とはまた違った風情を醸し出します。
☆おしまいに
ルーマニアは日本ではまだなじみの薄い国ですが、開発が進んだ西ヨーロッパではなくなってしまった素朴さが残っています。(ルーマニア全体については⇒こちらへ)
シギショアラはその中でもとりわけ魅力的な街です。1991年には「シギショアラ歴史地区」として世界遺産登録されました。
さらに物価が安いのも魅力です。現地旅行業者主催のツアー料金を除いては、泊る、移動する、食べる、すべて西欧諸国の半分以下という実感です。
例えば、
ブカレストからの列車片道が¥1,800
ブラショフからのバスは¥800
旧市街中心の広場に面したホテル1泊朝食付きで¥3,100
広場に面したテラスで飲んだビール(ボトル)が¥200
郷土料理サルマーレ↓が¥500
2019年GWの旅から帰ってきてから皆さんにお薦めしています。