日本ではヨーグルトのイメージが強いブルガリアですが、国を代表する産物は「バラ」です。そして、バラ祭りはブルガリアの一大イベントです。
ブルガリアの中央部を走るバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈の間の谷は、バラの産地として有名で、バラの谷と呼ばれています。バラ摘みの時期5,6月には、バラの収穫を祝うフェスティバルが行われます。
その中でも大規模なのは、バラの谷の中心の街、カザンラク(Kazanlak)のバラ祭り。6月第1週末の金土日の3日間、さまざまなイベントが開かれ、世界中から観光客が訪れます。
☆バラ摘み
カザンラクから北に約5kmのバラ園で、バラ摘みイベントが最終日の午前中に行われます。
☆国際フォークロア・フェスティバル
バラ祭りに合わせて、ブルガリア国内および近郊諸国から招かれた舞踊団が、それぞれの民族衣装を着て、伝統舞踊や演奏を披露します。
街の中心、セヴトポリス広場の真ん中に特設ステージが設けられ、バラ祭りの3日間に渡って開催されます。
☆バラと民族舞踊のパレード
バラ祭りが最高潮に達するのが3日目のお昼すぎ。カザンラクの中心の通りで、バラをたくさん積んだ車や、民族衣装を着た国際フォークロア・フェスティバルの参加者たちがパレードします。
招待席や有料席かと思いましたが、一部を除いては早い者勝ちで座れます。
パレードの主役になるのは、バラ祭り初日に(おそらく地元から)選出されるバラの女王。ミスXXXと同じですね。
民族舞踊団も自分たちの民族音楽に合わせ、さまざまな伝統衣装で現れます。これはお隣のルーマニアから。
これはどこかな? キリル文字だけでアルファベット表記がないこともあります。
☆バラ物産展
民俗舞踊が披露されるセヴトポリス広場から北東に延びるイスクラ通りは人でごったがえします。この通りを中心に、バラを使った様々な雑貨、コスメ、お酒などを販売する屋台が出ます。
広場からこの通りを20mほど行った左側にバラ祭りのインフォメーションセンターがあります。ここで全体のプログラムを入手できます。(ネットからもダウンロードできます。)
バラ祭りはバラ物産展でもあります。
ここではローズワインのテイスティング&販売をしていました。ブルガリアのローズオイルの世界シェアは7割とのこと。
☆バラ祭り以外のカザンラクの楽しみ
街の北東の公園内にある「トラキア人の墳墓」は世界遺産になっています。この地にスラブ族が定住するはるか以前に住んでいたトラキア人たちが描いたフレスコ画が残っています。セヴトポリス広場から徒歩約10分です。
入口は狭く、一度に入場できるのは数人なので、団体と重なるとかなり待つことになります。
トラキア人の墳墓の隣にある民俗博物館では、19世紀のブルガリア農村の家屋とその中での生活が再現されています。
☆カザンラクへのアクセス
ソフィアから電車、バスで3時間半~4時間ですが、1日3本ずつしかありません。
プロウディフから1日1便、ヴェリコ・タルノヴォからの1日3便のバスもあります。
以上2017年6月の情報で、2017年のバラ祭りの週末にも増発はありませんでした。
バスターミナルと駅は街の中心セヴトポリス広場から南へ歩いて10分ほどにあります。
カザンラクのバラ祭りは、年一回きりの一大イベントで、小さな街に多くの観光客が押し寄せます。しかし、カザンラクとその近郊の宿泊施設の数は多くないので、寝る場所を確保するのが難題です。早期の予約が必須です。もしくは、料金は高いですが、ソフィア発のツアーでカザンラクまでの移動とホテルをセットで確保するのもいいでしょう。
皆さん、良い旅を!