最近、人気上昇中の観光地、クロアチアは旧ユーゴスラヴィアが分裂してできた国のひとつで、アドリア海をはさんでイタリアの反対側にあります。⇒地図
クロアチアは鄙びた雰囲気が残る一方で、建国以来、観光に力を入れていて、英語がよく通じ、WiFiの整備が進むなど、個人旅行しやすい国です。
ユーゴスラヴィアの時代から何度か訪れている筆者の経験から、クロアチアの魅力と個人旅行のコツをご紹介します。
1.クロアチアの魅力
はずせない観光スポットは次の3つです。
①アドリア海の真珠ドブロヴニク
城壁に囲まれた中世の街並みがすばらしい。城壁の上をぐるっと歩くと、海の青と屋根の赤褐色の見事なコントラストを味わえます。
ヨーロッパでは超人気のリゾートで、夏のメインストリートは観光客でごったがえします。
②大自然の奇跡プレトヴィツェ
湖が階段状に連なり、その間を滝が流れ落ちる。自然が織りなすダイナミックな風景の中を歩きます。ボートから楽しむこともできます。
(⇒詳しくはこちらへ)
③古代と現代が同居する不思議な街スプリット
古代遺跡の上に現代の街があって、人が普通に暮らしている。世界中にここしかない珍しい街です。(⇒詳しくはこちらへ)
この3つ以外では、
アドリア海沿いに中世の雰囲気を残したすてきな街がいくつかあります。
シベニク、トロギールなどは、ザグレブからドブロブニクに移動する途中にありますので、日程に合わせて1つ2つ立ち寄るだけでもいいでしょう。(詳しくは⇒こちらへ)
旅の起点になるザグレブはこじんまりしたクロアチアの首都です。観るべきところはさほど多くないので、旅の最初か最後に半日か1日くらいで十分でしょう。
2. クロアチアへの行き方
日本からクロアチアへの直行便はありませんので、ヨーロッパ主要都市(ロンドン、パリ、フランクフルトなど)で乗継になります。
便数の多さ、価格を考えると中東(ドバイ、ドーハ)、イスタンブール経由で行くこともできます。2019年5月時点で行きはすべて夜行便で、深夜に日本を出発すると、翌日のお昼前後にザグレブに着きます。
1年を通してフライト数が最も多いのが首都ザグレブです。夏はドブロヴニクへのフライトも多くなりますが、ヨーロッパ屈指の観光地だけあって混み合い、したがって値段も高くなります。
クロアチアの西の国境の先はイタリアで、ベネチア、トリエステから船、バスでクロアチアに入ることもできます。
イタリアの西端トリエステからクロアチアのマリンリゾート、ポレチュ(Porec)まで昼の運行で、2時間弱で行きます。
対岸のイタリアからアドリア海を船で渡るという行き方もあります。イタリアのバーリ、アンコーナからドブロヴニク、スプリット、サダル、リエカまで、ほとんどが夜行便です。
3.クロアチア国内の移動手段
主にバスです。クロアチアの鉄道は貨物輸送が中心で旅客ではほとんど使われません。ザグレブ⇔ドブロヴニクはフライトもあります。
主要幹線道路はきちっと舗装されていて、車窓からのながめを楽しみながら快適に移動できます。長距離になると途中で休憩してくれます。軽食喫茶があったり、売店で食べ物も買えます。
WiFiが使えるバスが増えています。
アドリア海沿いを行く時には海側の席を取ることをお薦めします。車窓からの眺めがきれいです。
4.旅のプランニング
クロアチアの観光スポット間の距離が離れているので、一都市に滞在して、そこを起点に複数の観光地を往復するというスタイルにはできません。
ドブロヴニクに到着し、国内を移動しながら観光して最後のザグレブから帰る、またはその逆がお薦めです。行きも帰りも同じ都市にすると移動距離が長くなり、バスに乗っている時間が長くなって、街を観光する時間が少なくなってしまいます。
これまでご紹介した観光地では路線バスがたくさんありますが、いなかの小さな村では、少ない、または、全くないこともあります。そんな時は近くの比較的大きな街からのツアーに参加するのも選択肢になります。
筆者は、イストラ半島内部のトリュフの森とブドウ畑に囲まれた中世の村モトブン(Motovun)へは、ポレチュ(Porec)からのツアーで行きました。
5.クロアチアで泊る
クロアチアの観光地では高級ホテルから民宿まで豊富にあります。観光地でない街では逆にホテルが少なく、当日探すと苦労することがあります。
日本で予約サイトや旅行会社で予約していってもいいですし、現地に着いてから観光案内所で、または、ホテルのフロントで直接きいてみてもいいです。
但し、観光客であふれる夏のアドリア海沿いの街(特にドブロヴニク)は予約必須です。
街中でときどき見かける民宿の看板。
「部屋あります」という意味です。
クロアチアの街はすべてコンパクトにできています。街の観光スポットをまわるのに地下鉄や路線バスを使うことはほとんどありません。
そこで、泊る場所は街の中心地にすることをお薦めします。どの街にも街のヘソのような広場がありますので、その近くがベストです。夜、ライトアップされた歴史的建造物を観にふらっと出かけられたり、早朝の観光客がいない時間に静寂の中で街歩きできるのが魅力です。
6. おいしいクロアチア
クロアチアの海岸部はベネチア共和国に領土だった期間が長く、内陸部はオスマントルコとハプスブルク帝国の勢力がせめぎ合ってきたことから、いくつかの文化的背景を持った料理が今も食べられています。
詳しくは⇒こちらへ
以上いかがでしたでしょうか。日に日に観光地化が進むクロアチアですから、鄙びた雰囲気を味わいたいなら、お早めにお出かけになることをお薦めします。