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スペインで中世の街歩き:カセレス

城門を入ると数百年前にタイムスリップ。
スペインには、城壁に囲まれた中世の街並みがそのまま残っているところがいくつかあります。そのひとつカセレス(Caceres)の旧市街は世界遺産になっています。

カセレスはどこにある?

カセレスはスペイン中西部、首都マドリッドから直線距離では200kmくらいですが、電車やバスで3時間半~4時間半かかります。

旧市街を歩く

カセレスの旧市街への入口は複数ありますが、街の中心マヨール広場に面した階段を上がって城門を入るのが最もわかりやすい。

この先は時間が止まってしまったような世界。

ところどころに教会の塔が建っていて、そのうちいくつかには登れます。


足元に広がる中世の世界と街を囲む緑の野原が見渡せます。


カセレスの旧市街は丘の上にありますので、けっこうアップダウンがあります。疲れたら教会のカテドラルに入り、内部のゴージャスな装飾を眺めながら一休み。

15-16世紀に建てられた貴族の館カルバハル邸は内部を見学できるようになっており、かわいい中庭にはにはベンチが置かれていて、ここで休むのもよいでしょう。

暗くなると街がライトアップされて風情が増します。

アラブの遺跡もある

スペインは9~15世紀にアラブの支配下にあり、カセレスにもその遺跡が残っています。これはアラブ時代の住宅。アラブ風のBGMが流れていました。

アラブ世界にはよくある地下の貯水池。

カセレスは観光地化されていない

カセレスは他のスペインの主要都市(マドリッド、セビリアなど)からのアクセスが良くないため、同じような中世の旧市街が残った街(例えば、マドリッド至近でカセレスと同じ年に世界遺産になったトレド)に比べて、訪れる観光客が少なく、落ち着いて中世の世界に浸れます。

最近話題のオーバーツーリズムとも無縁で、ホテルの値段も安めです。筆者が泊まったのはマヨール広場から30mくらい小さなホテルのシングルルームでしたが、朝食付きで45€でした。(2024年5月の平日)

マヨール広場やそこに通じる大通りには飲食店などが建ち並びにぎやかですが、旧市街に入ると、いかにも観光地風情の店はおろか、近現代を思わせるものがほぼありません。中世がそのまま残っているということです。旧市街全体が博物館と言ってもいい。

カセレスの旧市街を歩く時の注意

石畳の道でアップダウンがありますので、歩きやすい靴が必要です。

旧市街の中には飲食店は少なく、自販機もありませんので、飲み物は旧市街に入る前に買って持っていきましょう。旧市街は広くありませんので、飲食しに外に出てまた戻ってもいいですけど。

街歩きは好きな時間でいいのですが、博物館、大聖堂、貴族の館など昼すぎに1~3時間クローズになるところがあります。これはスペイン共通ですが、オープンしている時間は事前に確認しましょう。

観光案内所はマヨール広場の旧市街に入る階段の横にあり、地図(無料)をもらえます。ここも昼休みが長くて2時から5時半までクローズ。

カセレスはアクセスが不便ながら、訪れる価値大だと思います。
皆さん、良い旅を!

アンダルシアの白い村を訪ねる

まぶしい太陽のもと、真っ青な地中海を望む白壁の家々。
アンダルシア地方の丘に点在する白い村を歩くのはスペイン旅行の醍醐味のひとつです。美しい景色をながめながら味わうワインや地元の食は格別です。

アンダルシアの白い村の魅力

白い壁の家々が連なる街並みがとにかく美しい。路地を散策しているだけで時間がたってしまいます。

家々の飾りつけもきれいです。

路地の向こうに、白壁と鮮やかなコントラストをなす青い海と空。家の壁が白いのは、強い太陽光を反射して、家の中を涼しく保つためです。


スペインの街中の坂道はこのパタンが多い。

アンダルシアの白い村はたくさんありますが、その中で最も有名なミハス(Mijas)は地中海の海岸から数キロの丘の中腹にあるので、村の中はかなりのアップダウンがあます。疲れた時はカフェで一休み。キンキンに冷えた白ワインが美味しい。つまみは”クロケッタ”。 スペインのコロッケ です。


教会に入ってしばし休むのもいいですね。日差しがきつくて暑い時でもひんやりします。

ミハスでは歩きたくない観光客を乗せる”ロバタクシー”が運行されています。筆者は利用しませんでしたが、けっこうなロバ待ち行列ができていました。↓は駐車場、ならぬ、駐ロバ場で佇むロバさんたち。

ミハスの中心の広場にはレストランやみやげもの屋が建ち並び、にぎやかです。

背後の山からミハスを見下ろす。遠くに海辺のリゾートタウンも見えています。

アンダルシアの白い村への行き方

アンダルシア地方はスペインの南部にあります。

地中海岸沿いにあるミハス(Mijas)やフリヒリアーナ(Frigiliana)に行くには、まず、この地方の中心都市マラガ(Malaga)まで行きます。マドリッドからマラガまではスペイン版新幹線AVEで2時間30分~3時間です。パリ、ロンドン、フランクフルトなど日本からの直行便が飛んでいる都市からマラガへのフライトも毎日あります。

マラガから白い村をまわる1日、半日のツアーが出ていますが、電車やバスを使って行くこともできます。

ミハスへは、マラガからの直行バスもありますが本数が少なく、電車で30分ほどのフエンヒローラ(Fuengirona)まで行き、そこからバスで約20分が本数が多くて便利です。

フリヒリアーナ へはバスで1時間15分のネルハ(Nerja)まで行き、乗り換えて約20分で白い村の入口前に着きます。

ミハスもフリヒリアーナ も、バス停近くに観光案内所があり、地図がもらえます。ミハスでは荷物を預かってもらえました。
フリヒリアーナ の観光案内所の屋上は、白い村の全景を望める絶景スポットでした。

なお、経由地のフエンヒローラやネルハは人気のリゾートタウンで、地中海沿いにハイグレードなホテルが建ち並び、ヨーロッパ中から多くの観光客がやってきます。白い村とはまた違った魅力ある街で、立ち寄ってみるのもいいでしょう。

白い村を訪れるにはいつ頃がいいか

ヨーロッパでは人気の観光地ですから、夏のバカンスシーズンはかなり混み合います。また、夏の昼間は気温40℃を越えることもあり、日本と違ってムシムシはしませんが、アップダウンの激しい村を歩くのは難儀するでしょう。 したがって、夏のピークのちょっと前か後がいいでしょう。筆者が訪れた5月上旬はベストだったと思います。

おしまいに

さて、マドリッド、スペイン観光で人気のグラナダやコルドバからのアクセスが良い2つの白い村をご紹介しましたが、アンダルシアの白い村は他にもたくさんあります。例えば、崖の上に築かれたアルコス・デ・ラ・フロンテーラ(Arcos de la Frontera)。

メジャーでないだけ観光客が少なく、気持ち良く歩けます。ガイド本に載っていない、あなただけのアンダルシアの白い村をみつけるのもいいでしょう。
皆さん、良い旅を!