ソチ:海と山が両方楽しめるロシアのリゾート

ロシアのソチ(Sochi)と言うと、2016年の冬のオリンピックを思い出される方もいらっしゃるでしょう。筆者は2018年7月、サッカー・ワールドカップ観戦を機に訪れました。ソチは海と山が両方楽しめる魅力的なリゾート地でした。

☆ソチはどこにある?

ソチはロシア南部、黒海に面しています。

ソチの街を中心に長さ約60kmのビーチが続いています。Sochi夕焼けの海岸

☆ビーチリゾートのソチ

ソチの中心街からビーチに向かう道にはヤシの木が並び、南国ムードが漂います。キリル文字がなかったらロシアとは思えない風景です。cof

ソチの海岸沿いのプロムナードには、お洒落なカフェやレストランが並びます。cof

筆者が訪れた7月初旬は既にバカンスシーズンで、これは午前10時くらいですが、既に大勢の客が繰り出していて、たくさんのビーチパラソルが開いていました。Sochiビーチ

マリーナにはたくさんのボートが係留されています。1時間1,500円くらいのクルージングツアーもありました。
ソチマリーナ

高台には高級そうなホテルとリゾートマンションが建ち並びます。このあたりのショップやレストランは、ロシアの安い物価水準からすればお値段かなり高めです。

それでもソチの中心街から電車で30分くらい行くと、賑やかさはなくなる代わり、物価はだいぶ安くなります。筆者が泊った海辺のホテルは、通常期でツイン又はダブルの部屋が1泊朝食付き¥3,500くらい。すぐ近くにロシアの庶民が行くスーパーで食糧も安く買え、2人で泊れば、1日ひとり¥4,000くらいでリゾートライフがおくれます。

同じ並びには長屋みたいな貸別荘が連なります。1階がリビング、キッチン、バスルーム、2階がベッドルームという造りでした。Sochiビーチと貸別荘

サッカー・ワールドカップの試合開催当日でしたが、ビーチでのんびりしているのはほとんどがロシア人でした。まだ国際的なリゾートではないということです。

☆オリンピックの名残り

ソチの中心街から電車で約40分くらいにあるオリンピックパークは遊園地も併設され、遠くにはアルペン会場になったコーカサスの山々が望めます。Sochiオリンピックパークとコーカサス山脈

ソチオリンピックのメイン会場として開会式、閉会式が行われたスタジアムは改装され、サッカー・ワールドカップの会場のひとつになっていました。ソチ五輪マーク

五輪マークはオリンピックパークに限らず、ソチの街のあちらこちらに残っていました。

☆アルペンリゾートのソチ

ソチがユニークなのは、ビーチリゾートから電車で40分のところにアルペンリゾートもあることです。アルペンリゾートの玄関口、ローザ・フトル(Rosa Khutor)駅はオリンピックを機に整備されてピカピカでした。Rosa-Khutor駅

駅の横からはロープーウェイに乗って、一気に標高2200mまで行けます。ロープーウェイを降りたところにはレストランもあって、テラスで雄大な山々を眺めながらのビールがうまい!Rosa-Khutor山

ゴンドラとリフトが交互にやってきて、好きなほうに乗れました。Rosa-Khutorゴンドラ

のどかな牧場。スイスみたいですが、ここはロシアです。Rosa-Khutor牧場

ふもとのローザ・フトルの街は瀟洒なホテルやリゾートマンションが立ち並ぶ典型的なヨーロッパのアルペンリゾートです。Rosa-Khutor街

☆ソチの魅力

ロシアは基本的に寒い国で、ロシア人たちには暖かいところへの本能的な憧れがあるのでしょう。ソチ一帯はロシアでは唯一のビーチリゾートで、スターリンをはじめ、歴代の指導者たちやセレブの別荘があり、「ロシアのリビエラ」と呼ばれています。

資源価格の高騰でロシア経済が潤った2000年代には巨額の投資が行なわれ、2014年のオリンピックに合わせて、山岳地域も開発が進みました。

暑い海辺のビーチリゾートに泊っていて、わずか1時間で、雄大な山々を眺める涼しい標高2000mまで行けるところは、世界中探してもめったにありません。

☆ソチへのアクセス

ソチはモスクワやサンクトペテルブルクから遠く離れており、フライトで訪れることになります。日本からはモスクワで乗り継いで約2時間半のフライトです。モスクワ経由の他にイスタンブール経由で行くこともできます。(2018年8月現在)

ソチの空港は、ソチの中心街とアルペンリゾートのローザ・フトルのちょうど中間、オリンピックパークの近くにあります。

ソチはロシア国内ではメジャーなリゾートですが、まだ、国際的には冬のオリンピック開催地としてしか知られていません。ソチの中心街をはずせば、格安料金でリゾートライフが楽しめる穴場リゾートです。