サハラ砂漠でラクダに乗る

アフリカの3分の1を占めるサハラ砂漠。
日本にはない世界で、
大自然の雄大さに感動します。 Moroccoサハラ砂漠の夕暮前

どこまでも続く砂の小山が、日が傾くにつれて、その色合いを変えていきます。Moroccoサハラ砂漠の夕暮れ

☆ラクダに乗るMoroccoサハラ砂漠ラクダの列

ラクダは数頭が連結されていて、ラクダ使いが先頭を歩きます。サハラ砂漠は意外とアップダウンがあり、下りでは落ちないように手すりを強く握ります。平坦な箇所と時々停まる時がシャッターチャンスですが、手を滑らせて落とさないように要注意です。

自分たちのラクダの隊列のシルエットが映ります。まるで映画のワンシーンです。Moroccoサハラ砂漠ラクダに列の影

約1時間歩いて砂漠のど真ん中でいったんラクダを降りて、20分くらい、日の入りを眺めます。その後、再びラクダに乗って、暗くなる中をキャンプに向かいます。

☆サハラ砂漠のテントで泊る

サハラ砂漠の中には観光客向けのキャンプ地がいくつもあって、そのテントで泊ります。Moroccoサハラ砂漠テント村

いちば大きなテントでディナーです。メインメニューはモロッコ料理の定番、タジンかクスクスです。Moroccoテントで食事

ディナーの後は、たきぎを囲んで、地元ベルベル人の奏でる地元の音楽を聴きます。Moroccoサハラ砂漠のベルベル人

テントには寝るだけでベッドが3つ置かれています。筆者が訪れたのは11月末で、毛布をかぶって寝ましたがかなり冷えました。トイレ、水洗い場は別のテントにありました。Moroccoサハラ砂漠のテント

☆ラクダたちは夜、どこにいる?

昼間はラクダ使いに率いられて観光客を乗せているラクダたちですが、夜はどこにいるのか?不思議に思いました。 砂漠の中ですから牛舎や馬小屋みたいなものはありそうにありません。

朝、見つけました。
駐車場ならぬ駐ラクダ場。Moroccoサハラ砂漠駐ラクダ場

砂漠の真ん中に放置されていました。ラクダ使いのベルベル人は近くにいませんでしたから、きっとお家に帰ったのでしょう。Moroccoサハラ休むラクダ

放置されたら、砂漠の中をどっかに逃げちゃいそうですが、逃げないしくみがありました。Moroccoサハラ縛られるラクダ

ラクダの片足の膝をヒモで縛ってあるんですね。
夜のサハラ砂漠は冷えますから、かわいそうに。

☆サハラ砂漠への行き方

サハラ砂漠の入り口メルズーガ(Merzouga)までバスやタクシーを乗り継いで行き、ホテルに泊まって、さまざまなアクティビティに参加することはできますが、最も手軽なのが、マラケシュ(Marrakech)、フェズ(Fez)、ワルザザート(Ouarzazate)からのツアーに参加すること。

筆者は、サハラ砂漠観光で最もよく使われるマラケシュ発の2泊3日のツアーで行きました。移動は十数人乗りのバンです。参加人数によってバンの大きさが変わります。Moroccoサハラ砂漠へ行くバン

ほとんどのツアーが、サハラ砂漠までの観光スポットに寄りつつ、2日目の日の入り直前に砂漠の入り口に到着し、ラクダに乗って日の入りか日ノ出、またはその両方を観て、3日目はひたすら帰るというパタンです。

サハラ砂漠ツアー:1日目

早朝にマラケシュを出発し、つづら折りの山道を走ってアトラス山脈を越えます。 この山脈を境に景色は一変します。Moroccoアトラスつづら折りの道

世界遺産のクサル(要塞化された村)、アイト・ベン・ハッドゥ(Ait Ben Haddou)を訪れます。 Moroccoアイトベンハッドゥ遠景

カスバ(城壁で囲まれた要塞)が点在する道を進み、タデス渓谷の崖が迫るホテルで宿泊します。Moroccoタデス渓谷ホテル

ツアーによっては、ワルザザートやその近辺の街で泊ることもあります。

サハラ砂漠ツアー:2日目

荒涼とした景色の中を進みます。だんだんと緑が少なくなっていき、サハラ砂漠に近づいていることが実感されます。Moroccoサハラ砂漠への道

トドラ渓谷の中のオアシスのような場所を散策し、ベルベル人の絨毯工房を訪れます。ミントティを飲みながらの実演販売になります。Moroccoトドラ渓谷の絨毯工房

トドラ渓谷の奥まったところで休憩&ランチします。 Moroccoトドラ渓谷

日の入り直前にサハラ砂漠の入り口に到着します。ここでラクダに乗って、砂漠の中のキャンプ地のテントで泊るのに必要な物だけを持って、4WD車に乗り換えます。しばらく走ったところにラクダが待っています。Moroccoラクダ乗り場

ツアーによって、ホテルに荷物を置いておける場合とバンに荷物を残す場合とがあります。

サハラ砂漠ツアー:3日目

3日目の朝はツアーによって、また、季節によって異なります。

砂漠の中のキャンプ地のテント泊ですから、朝、近くの小山に登って日ノ出を観ることはできます。但し、11月~1月は日の出時刻が8時の朝食時間と重なってしまいます。

朝食後、バンが待っている駐車場まで再度ラクダに乗っていくツアーもありますが、筆者のツアーは4WDの車でした。ツアーによっては各自で選べることもあります。

その後、1日かけて約700kmに道をマラケシュに戻ります。追加料金を払ってフェズに行くオプションもあります。筆者がフェズに着いたのは夜7時頃。途中ランチを挟んで約10時間の長旅でした。

バンの運転手さんにもよりますが、景色の良いところで止めてもらい、写真タイムにすることもできます。

☆サハラ砂漠ツアーの申込方法と費用

マラケシュのフナ広場周辺、フェズのメディナにはたくさんの旅行会社があって、サハラ砂漠ツアーの看板を掲げています。

筆者が使った「Sabaku Tours」は日本語を話せる人がいて、フェースブック上に自社ページを開設しており、メッセンジャーでの日本語のやりとりで申込みが完結しました。ツアーの確認書は英語でした。

基本が950DH(≒¥11,000)で、フェズに行くオプションが350DH(≒¥4,000)でした。これで移動のすべて、2泊2食、キャメルライド、砂漠までに立ち寄る観光地のガイド(チップは別途)も含まれていました。

ツアー会社によって同じ2泊3日でも値段にはかなりの幅があります。1万円以下のもあれば、「地球の歩き方」に載っている「Ksour Voyages」は2人参加で約5万円します。

ツアー当日の朝、ツアー会社の人が宿泊先ホテルまで迎えに来てくれて、バンが集まっている場所に向かい、そこで料金を支払います。

バンに乗っている時間は長く、食事の時は同じテーブルですから、世界各地から来ている人たちと旅情報の交換などいろんな話をするのは楽しいものです。

道路は基本的に舗装されていて、バンはエアコン付ですので、景色を眺めながらの快適な旅が楽しめますが、ところどころに埃のまうデコボコ道もあります。Morocco埃まう道

☆サハラ砂漠ツアーの持ち物

バンの収納スペースは十分で、スーツケースを持ち込んでもOKでしたが、申し込む時に念のために確認したほうがいいでしょう。

バンでアトラス山脈を越える時に、つづら折れの道を登り降りしますので、乗り物酔いしやすい方は酔い止め薬

きれいなトイレは少ないと聞いていましたが、休憩場所も砂漠のテントも水洗トイレで、慣れないアラブ式はごく一部でした。但し、トイレットペーパーがないところもありますので、ティッシュは多めに持っておくほうがいいでしょう。

サハラ砂漠では強風で砂嵐になることもありますので、マスクリップクリームカメラやスマホ用の防塵ケースもあったほうがいいでしょう。

サハラ砂漠では、マラケシュやフェズ以上に昼夜の寒暖差は大きいので、暑い季節でも1枚余計に羽織るものを持っておくほうがいいでしょう。

☆注意点

休憩場所の売店でペットボトルのをこまめに買いましょう。ランチも夕食の時も水は基本的に出ません。特にサハラ砂漠に入ってからは水を買うところはありませんので、夕方から翌日の昼頃までもつように多めに買い込みましょう。

モロッコでは、観光客から金を巻き上げようとあの手この手で近づく輩が多く、ぼったくりに遭った話をよく聞きます。ツアーに入っていれば基本的に問題ないのですが、3日目にフェズに行く方は、ツアーに関係ない人(現地ガイドなど)にフェズに行くと言わないほうがいいでしょう。ツアーとは関係ない車に誘導されてしまうことがあるそうです。

☆おしまいに

サハラ砂漠は雄大というのに尽きます。

モロッコは観光に力を入れている国で、サハラ砂漠をラクダに乗って楽しめるよう、さまざまなツアーが用意されています。砂漠の中のテント泊も、水が出にくい以外は快適です。

驚くことに砂漠の中でも、モロッコの(おそらく特定キャリアのでしょうが)SIMをスマホにさしておけば、ネット接続できます。ツアーでいっしょだったドイツ人が、砂漠の真ん中で、国に残してきた家族に動画生中継してました。

モロッコはサハラ砂漠の入り口で、秘境感はそんなにありませんが、大自然を手軽に楽しめることができるわけです。

では、良い旅を!