ボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産の街、モスタル。
16世紀に造られた美しい石の橋、スターリ・モスト(Stari Most,「古い橋」)を中心とする風情ある街です。イスラム文化とヨーロッパ文化が融合した独特のオリエンタリズムが漂います。
スターリ・モストはモスタル市内を分けているネレトヴァ川に架かっています。中心部が湾曲しており、全幅 4 m、全長 30 m 、川面からの高さは 24 m です。橋の両岸には橋を守る要塞化された塔が備えられています。
時折、橋から川に飛び込む若者たちがいます。観光客向けのショウで、飛び込んだ後ろにコイン入れが置いてあります。
街中の墓地に、同じ没日付が刻まれた多数の墓石を見ると、モスタルが近年経験した悲惨な運命を思わずにはいられません。ユーゴスラヴィア分裂後の戦争中の1993年に、スターリ・モストは破壊されましたが、その後、ユネスコの協力により、2004年に再建され、世界遺産に指定されました。
橋の上から街を眺めると、石造りの家々の間にモスクと天に突き出すミナレット、背景をなす山々。
夜になるとモスクとミナレットがライトアップされ、暗闇に浮かび上がります。
このあたりは中世、オスマントルコの支配下だった期間が長く、その頃の建築物がたくさん残っています。そのひとつ、トルコの家。
オスマントルコ時代の住居と暮らぶりを伝える、観光客向けの施設です。
☆モスタルへのアクセス
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボからバスで約2時間半。1日10便くらいあります。道中の変化に富んだ渓谷の風景が美しい。
最近、訪れる人が増えている、アドリア海沿いのメジャーな観光地ドブロヴニク(クロアチア)からバスで所要約2時間半~3時間半。1日3,4便あります。ドブロヴニクの旅行会社の日帰りツアーを利用することもできます。
アドリア海沿いは、中世の長い期間、ヴェネツィア共和国の支配下にありましたが、モスタルなどの内陸部は、オスマントルコ支配下にあって、イスラム文化が根付いています。アドリア海沿いからのバスの旅では、車窓から眺める風景の著しいコントラストを感じることができます。