ミルフォードトラック全行程のハイライトは、マッキンノン峠(Mackinnom Pass)越え。距離は前日と同じくらいの16kmですが、600m登って、900m降ります。
3日目
出発は前日より早めの7時30~45分。電気がつくのが6時15分で、それから身づくろい、ランチ作り、朝食で、けっこう忙しい。
ミルフォードの谷間の遅い朝。山の上部から徐々に日がさしてきます。
断崖絶壁に囲まれて、ひっそりたたずむミンタロ(Mintaro)湖。鳥のさえずりがこだまします。
出発してから約5km、2時間半ほど歩いたところから、ジグザグの登り道が始まります。よく整備されており、危ないところはありません。峠まで約3km登ります。
11時半から12時過ぎに、峠に立つマッキンノン記念碑に到着します。ここからの絶景は一生忘れられません。
当日泊るクインティンロッジ(Quintin Lodge)が谷底深くに見えます。
これまで歩いてきたクリントン渓谷は、氷河に削られたU字谷であることがわかります。
しばらく歩いたところのパスハット(Pass Hut)でランチ&飲み物休憩。
この滝付近は、ミルフォードトラック最大の難所と言われていますが、木の階段が架けられ、滝を振り返りながら下ります。
ここから往復1時間半で、ミルフォードトラック随一と言われる、サザーランド滝を観に行きます。夕食に間に合うように、16時半までに出発するルールになっています。
サザーランド滝は、那智の滝や華厳の滝より落差の大きい滝が縦に3つ連なって、すごい迫力です。
滝壺近くまで行くと、全身びしょ濡れになりますので、雨具の準備が必要です。
4日目
この日も7時30~45分出発です。21kmと距離は長いですが、道は平たんです。
最初は森の中を進みます。木々の切れ目から滝が見えます。頭上から落ちてくる感じです。
ミルフォード地方は世界でも屈指の多雨地帯。雨が降ると道は浸水して、ときには、膝まで水に浸かって歩きます。筆者が歩いた日は終日どしゃぶりでした。
約8km歩いてボートシェッド(Boatshed)で休憩。この日はここで暖かい飲み物です。雨の日には助かります。
この日のランチは朝から約16km歩いたところ、14時くらいになります。その近くで、ジャイアンツゲート滝が轟音を響かせています。
さらに平坦な道を5km歩いて終点サンドフライポイント(Sandfly Point)に到着します。ここはフィヨルドの最奥地。
ここから船に乗って、約15分でミルフォードサウンド(Milford Sound)の船着き場へ。さらにバスに乗って5分で、最後の宿、マイターピークロッジ(Mitre Peak Lodge)に到着です。ロッジとは言うもののホテルです。部屋も2段ベッドではなくツインルームです。
玄関前からは、海面からいきなり1600mそそり立つマイターピーク(Mitre Peak)も見えます。
この日はディナーの後、完歩証授与式が行われます。ひとりひとりの名前が呼ばれて、ガイドから証書が渡されます。
ここだけは夜10時に電気が切れることはなく、遅くまでラウンジでお酒を飲みながら、くつろぐこともできます。
5日目
最終日は8:30にバスで出発し、9:00から1時間半のミルフォードサウンドのクルーズです。ミルフォードサウンドには、宿泊施設が少なく、宿泊できる街から距離があるため、一般客は少なく、船内は半分以上ツアーの仲間たちです。
船はフィヨルドの中を進みます。途中、いくつかの滝も目にします。前日までの3日間で、大小たくさんの滝を観てきましたが、断崖絶壁から海に直接流れ落ちるのは、新鮮な気がします。
太平洋への出口まで行ってUターン。山奥を歩いた後、大海原まで達する、ミルフォードトレッキングはドラマティックな旅です。
ミルフォードサウンドを11時頃に出発し、車窓から変化に富んだ景色が眺められるミルフォード・ロードを通って、テ・アナウへ。観光客を乗せたバスとたくさんすれ違います。このツアーの初日のバスとも。これからミルフォードトラックを歩く人たちがうらやましくなります。
初日と同じ場所で、朝、準備したランチを食べて、クイーンズタウンへ戻ります。途中、クイーンズタウンの空港で降りることもできます。The Stationに着くのは16:00頃になります。
気象条件の悪くない日には、ミルフォードサウンドから、ヘリコプター遊覧飛行でクイーンズタウンへ戻ることもできます。追加料金はかなり高価です。
5日間の感動的な旅をできる限りヴィヴィッドに書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。予約からトレッキング当日までの注意点、持ち物についても書きました。⇒こちらへ
この記事がこれからミルフォードトラックにお出かけになる皆さんのお役に立てるとうれしいです。