「世界一美しい散歩道」と呼ばれるミルフォードトラック。
自然保護のため入山は厳しく管理制限されています。ここを歩く方法のひとつは、Ultimate Hikes社が運営するガイド付きのツアーに参加すること。筆者が2017年1月に参加したツアーの5日間をお伝えします。
なお、ミルフォードトラックを歩くノウハウは⇒こちらへ
出発前日
ツアーの出発は湖畔の美しい街、クイーンズタウン(Queenstown)。ニュージーランド南東随一のリゾートタウンです。
出発前日の夕方、街の中心にある「The Station」のUltimate Hikesで説明会が開かれます。(⇒地図)
必要な人は、バックパック、雨具、シーツ(相部屋の場合)などを借りられます。山グッズの販売店も併設されています。
1日目
朝8:30に「The Station」に集合し、9:00にバスで出発。
テ・アナウ(Te Anau)まで約2時間半、山と湖の美しい景色の中を走ります。途中、ディナーのメインのチョイスを記入するシートがまわってきます。
テ・アナウのドライブインみたいなところで約40分、ビュッフェのランチ。
さらに30分ほど走り、テ・アナウ・ダウンズ(Te Anau Downs)へ。そこから船で約1時間、グレイド・ワーフ(Glade Warf)へ渡ります。
これから歩くミルフォードの山々が迫ってきて、期待がふくらみます。
上陸時にはブーツの消毒です。自然環境を護るための管理は徹底しています。
1.6kmの平坦な道を20分くらいで歩くだけで、15時前にこの日の宿、グレード・ハウス(Glade House)に着きます。
部屋に荷物を置いて、約1時間半、ガイドの案内で周囲の森の中をネイチャーウオークに出かけます。
ガイドが、ミルフォードの地理、気候、植生、野鳥たちの生態などの話をしてくれます。このあたりの野鳥は人に慣れていて、近くに寄ってくることもあります。
1,2,3,4日目は、ディナーの前に、ガイドがスライド映写で、宿泊施設の設備、翌朝までのスケジュール、翌日歩くコースの説明をしてくれます。さらに、初日はディナーの後に、参加者の自己紹介タイムが設けられています。筆者が参加したツアーは参加者49人にガイドが4人でした。
2日目
朝はビュッフェのランチ。その前に、当日のランチの準備をします。テーブルに置かれた豊富な食材を使って、サンドイッチを作って持って行きます。この後の日も同様です。
朝8時半、クリントン川にかかる吊り橋を渡って、トレッキングスタート。
この日は、多少の登りはあるものの、平坦な道を約16km歩きます。大部分は森の中。右手のクリントン川に近づいたり、離れたりがしばらく続きます。
ツアー参加者全員が一団となって歩くのではなく、各自のペースで歩きます。速い人と遅い人では開きがでますが、ガイドは先頭に一人、最後尾に一人ついて、はぐれる参加者がでないようにフォローします。悪天候の日は、なるべくかたまって歩くように言われます。
ランチ休憩はヒレレ(Hirere)滝近くのシェルターで13時頃になります。三々五々到着し、食事を終えた人から出発していきます。ガイドが暖かい飲み物を用意してくれます。この後の3,4日目も1日1回、同様の飲み物サービスがあります。
16時頃に、2日目の宿、ポンポローナ・ロッジ(Pompolona Logde)に到着です。
ここだけでなく他のロッジでも同様ですが、入口にジュース、水、フルーツが置かれており、さらに、ラウンジにはコーヒー、紅茶、軽食が用意されており、自由に食べることができます。
ラウンジはゆったりしていて、ロッジとは言うものの、設備はホテル並みです。共同ながら、シャワー室ではお湯がふんだんに出ますし、トイレは水洗です。
洗濯用のシンク、乾燥室もあり、かなり早く乾きますので、持ち歩く衣類は最小限で済ますことができます。
1,2,3日目のロッジは10時に電気が切れます。電気が切れたら、否応なく寝るしかありません。 筆者の場合、洗濯したり、ラウンジで同行の皆さんとおしゃべりしていると、あっという間に10時になり、独りで時間を持て余すことは全くありませんでした。
ロッジからは、明日登るマッキンノン峠(Mackinnon Pass)が見えます。筆者が訪れた1月下旬は、夜の8時半でこの明るさです。
⇒続く