コルトーナ(Cortona)はイタリア中部、トスカーナ地方の緑の丘の上の古い街。2003年のアメリカ映画「トスカーナの休日」で、主人公のアメリカ人女性が築300年の家を衝動買いするのが、ここコルトーナです。
この地方の中心地フィレンツェは年中、観光客でごったがえしてますが、コルトーナは訪れる人も少なく、のんびりと「トスカーナの休日」を過ごせます。
コルトーナの起源は、古代ローマ以前のエトルリア人の時代まで遡ります。今も中世の建物が数多く残り、タイムスリップ感いっぱいの街歩きが楽しめます。
☆中世のコルトーナを歩く
ヨーロッパの中世の街には、街の中心となる広場が必ずあります。役所、教会、劇場などがあり、レストランやカフェのテラス席でのんびるできるというパタンが多いです。コルトーナではレプッブリカ広場(Piazza della Repubblica)です。
その一角をなすコムナーレ宮殿(Palazzo Comunale)は市庁舎(市役所)です。
隣接するシニョレッリ広場(Piazza Luca Signorelli )も、プレトーリオ宮(Palazzo Pretorio)、シニョレッリ劇場(Teatro Signorelli)などに囲まれて、歴史を感じさせる風情です。
プレトーリオ宮の入口には観光案内所、奥にはエトルリア・アカデミー博物館があります。
レプッブリカ広場に通じる、街で一番にぎやかな通りには、レストランやさまざまなショップが建ち並びます。入口とショウウィンドウがきれいに飾られているので、左右をきょろきょろ見ながらの散策が楽しいです。
コルトーナは小さな街ですが、平坦なところより坂や階段のほうが多く、地図で見るより、歩いて回るのに時間と体力を使います。
建物の真ん中をくり抜いた階段。くぐった先に何があるのか、気になりますよね。
2階以上が通りに張り出した中世の建物。教区博物館の横のジェズ通りを下って行ったところにあります。この地方特有の造りとのことですが、ここくらいしか残ってないそうです。
細い路地を抜けたら、トスカーナの野原の風景が目の前に広がるのも、コルトーナの魅力です。
☆コルトーナのパノラマスポット
中世の城壁に沿ったサンタ・マルゲリータ通りは、のどかなトスカーナの風景が眺められる散歩道。
☆コルトーナの美術館、博物館
古代ローマ以前の美術品、発掘品を集めたエトルリア・アカデミー博物館の他に、この街出身のルネサンス期の画家、ルカ・シニョレッリの作品を集めた教区博物館(Museo Diocesano del Capitolo)があります。
美術品も魅力的なのですが、筆者には、ここの地下にある、フレスコ画で飾られた教会が見ものでした。
☆コルトナへの行き方
鉄道の最寄駅はカムッチャ・コルトーナ
(Camucia-Cortuna)。
フィレンツェから直通列車で1時間23~30分。2時間に1本くらいの運行です。駅前から丘を登ってコルトーナの城壁そばまでのバスはありますが、列車到着時刻に合わせているわけでもなく使いにくい。歩くと3km近くありますので、タクシーを使うことになります。筆者の場合は相乗りして12€でした。
フィレンツェとコルトーナの間にあるアレッツォ(Arezzo)からのバスもあります。バスはいずれも休日には大幅に本数が減ります。
バスの終点メルカート広場(Piazza Mercato)の横のサンタゴスティーノ門(Porta Sant’Agostino)をくぐって、坂道を登って行くと、街の中心レプッブリカ広場に着きます。
コルトーナはフィレンツェとローマの中間にあり、両都市を移動する途中に立ち寄ることもできます。
(訪問日:2017年10月20日)