コルド・シュル・シエル(Cordes-sur-Ciel)は、南西フランス、ミディ・ピレネー地方の小さな村。その名前は「空の上のコルド」という意味があります。少し離れた高台から眺めるとその意味がよくわかります。空に浮かんでいるように見えるのです。バスの車窓からも一瞬だけ見えます。
コルド・シュル・シエルは13世紀に海抜280mの丘の上に造られた城塞都市。アップダウンの激しい石畳の坂道の通りには、石造りと木組みが組み合わさった建物がぎっしり建ち並び、中世都市の雰囲気が溢れます。
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バス停のある広場(Place de la Bouteillerie)。中世の村が見下ろしています。
観光案内所のひとつが旧市街の入り口の角にあります。ここで地図などをもらって石畳の急坂を登り始めます。
壁に彫刻がしてある家もあります。しばらく登ると大時計門(Porte de l’Horloge)です。
もう中世の世界にタイムスリップ感いっぱいです。さらに登り、次の門(Porte du Vainqueur)で道が折れ曲がります。標高が高くなり、石造りの建物の間から、空と緑の野原がのぞきます。
村で最も高いところには、テラスのレストラン、カフェが並ぶ広場になっています。
その端は、周囲に広がる緑の平原や山並みが見渡せる村一番の展望スポット。
このあたりが村の中心です。13世紀建造のサン・ミッシェル教会もこの近くです。レストラン、みやげ物店、観光案内所などが並ぶ村のメインストリートを下っていくと西の門(Porte des Ormeaux)に出ます。
この門を出たところも、周辺を見渡せるビューポイントになっています。村の入り口の広場からのミニトレインはここまで来ます。
コルド・シュル・シエルには、絵画、彫刻、織物などアーティストたちのアトリエがたくさんあります。これはそのひとつ。
たいていは内部を見学でき、アーティストが作業をしていることもあります。
☆コルド・シュル・シエルへのアクセス
最寄りの大都市はトゥールーズ(Toulouse)で、ここからローカル列車でアルビ(Albi)またはコルド・ヴァンドラック(Cordes Vindrac)へ。バスに乗り継いで村に行きます。[地図]
バスは、
アルビ⇔コルド・シュル・シエル⇔コルド・ヴァンドラック
の路線で運行されています。1日3~4本あります。7,8月は若干増えます。
コルド・ヴァンドラックからのほうが村の入り口まで近い(約5km)ですが、トゥールーズからの列車の本数が少ないので、アルビ経由のほうが便利です。
アルビのバスターミナルは駅から旧市街に向かう途中にあります。
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徒歩約10分です。アルビから村の入り口までは所要35分。
コルド・シュル・シエルのようなフランスの美しい村への公共交通機関は意図的に不便にしてあるように思えます。観光客がどっと押し寄せて、静かな雰囲気が壊れないようにということなのでしょう。
不便を忍んで来てくれたお客さんだけにすばらしい経験をしていただきます、ということなのですね。コルド・シュル・シエルはとりわけ不便をする価値がある村です。