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古代と現代が同居する不思議な街:スプリット

クロアチアの不思議な街をご紹介します。
アドリア海沿岸の街、スプリット。

☆一見ふつうなスプリット

スプリットはアドリア海沿いにたくさん連なる港町のひとつです。 いかにもマリンリゾートの風情の港の向こうに大聖堂の鐘楼が見えます。Split港と大聖堂

街の中心にある大聖堂の鐘楼からの風景。 SPLIT塔の上から

☆古代遺跡に人が住んでる!

スプリットが珍しいのは、古代ローマ宮殿遺跡がそのまま街になっていること。イタリアのローマにあるフォロローマに行ったことある人はけっこういるでしょう。古代ローマの遺跡ですが、入場料を払って観光する遺跡です。ところが、スプリットは遺跡の中に今生きている人の営みがあるのです。 SPLIT遺跡1

遺跡の中にホテルも飲食店もあります。このあたりは夜遅くまで観光客で賑わっています。SPLIT遺跡2

ふつうの人の住居もあります。洗濯物が干してある下を歩くと、おばさんが迷惑そうに見下ろしてきます。観光地ですが、おばさんの家の庭先でもあります。SPLIT遺跡3

旧市街の中心ペリスティル(Peristil)。列柱に囲まれた広場です。Split Peristil

隣接する前庭はかつて宮殿の玄関の位置にあったものです。ときおりコンサートが開かれます。この日は男性合唱。

Split前庭

遺跡としての規模はフォロローマより大きく、宮殿の城壁に囲まれた旧市街の中は狭い路地が迷路のように通っています。歩きまわるとアドベンチャー気分です。Split狭い路地

☆地下宮殿

スプリット旧市街の下の地下宮殿はけっこう広くて、ひんやりします。ここは有料。この中で室内楽のコンサートが開かれることもあります。筆者が行った日はマンドリン合奏で、石の壁に反響する音がなんともいえない不思議な雰囲気を醸し出していました。SPLIT地下宮殿

地下宮殿の一部が観光客向けのみやげ物店になっています。 SPLIT地下モール

☆スプリットへのアクセス

ぜひ訪れたい街なのですが、交通の便がよくないのが難点です。

ヨーロッパ主要都市からの直行便がありますが数は少ない。首都ザグレブからバスで5-7時間。クロアチアNo.1の観光地ドブロヴニクからもバスで4-5時間。イタリアから船でアクセスできるが一晩かかります。でも、時間かけてでも行く価値大です。こんな街は世界に二つとありませんからね。(⇒クロアチア観光のガイド

クロアチアを食べる

バラエティに富んだクロアチア料理のいくつかをご紹介します。

チェヴァピ。これが最もポピュラーな庶民の味です。
地域によって呼び名が微妙に変わります。
クロアチアのみならず、バルカン半島各地で食されています。
肉だんごとソーセージの中間のようなもので、ぴりっとスパイシーな味付けです。たいていのレストランにはあって、フライドポテト、オニオンなどの付け合せと出てきます。チェヴァピ

ダルマチア半島名産の生ハム。日本で食べるのより若干かため。
塩味がハムによくしみ込んでいました。
生ハム

クロアチアは周囲の国々の様々な影響を受けています。
特にアドリア海を挟んで対岸のイタリアの影響は大きいようです。
シベニクで食べたリゾット。リゾット

内陸部では、中世に影響があったハプスブルクの影響が感じられる料理が多いようです。日本にある唯一のクロアチア料理店ドブロ(東京の京橋)では主にそのような料理が供されます。
バスティツァーダ(牛ホホ肉の赤ワイン煮込み)バスティツァーダ

濃厚な味わいがすばらしいのですが、ここの料理は、現地のレストランでは高価格帯のような気がします。貴族の食べ物ということでしょうか。

 

あまり知られてませんが、ダルマチア地方はワインの名産地でもあります。確かに、バスでアドリア海沿岸を移動中に車窓の風景にブドウ畑がよくありました。Wine

コルチュラの酒店兼バーで
数種類ティスティングしました。

 

 

 

 

 

クロアチアのナショナルブランドのビール。Beer

日本と同じピルスナー。

 

 

 

 

 

 

私は食べませんでしたが、アドリア海沿岸では新鮮な海の幸を使った料理もたくさんあります。

 

港街リエカ

リエカはクロアチア最大の貿易港で、川崎市と姉妹都市になってます。Rijeka全景© 2015 クロアチア政府観光局 [Author] : Sergio Gobbo

リエカはイタリアとは目と鼻の先。(⇒地図
イタリア西端のトリエステまでバスで約1時間半です。首都ザグレブとの間にもバスが頻発しており、所要2時間15~45分です。

賑やかなメインストリート、コルゾ通りにある、街のランドマークの時計塔。リエカ1

その後ろに円形の聖ヴィード大聖堂。

街の背後の丘のトゥルサット城からは街を一望できます。リエカ2

この城はローマ時代に最初に建てられ、その後、このあたりを支配した勢力が敵の侵入を防ぐ防衛拠点として改築を繰り返しました。今は、その一部がカフェになってます。リエカ4

近くのトゥルサット聖母教会。
リエカ3

筆者は、2014年9月、アドリア海沿いのクロアチアの街を巡る旅の後、イタリアに抜ける途中にリエカに立ち寄りました。リエカは基本的にビジネスの街で観光で訪れる人は少ないですが、魅力的な街だと思います。街を歩いて、城塞に登って、カフェで食事&飲みで3~4時間というところです。

ホテルが少ない(大型が3軒、他は民宿)のが難点ですが、アドリア海沿いの街を巡る旅の合間に短時間でも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

クロアチア全体の旅については⇒こちらへ

世界遺産の古都、トロギール

クロアチアのアドリア海沿いに連なる美しい街のひとつ、トロギール。
ドブロヴニクやスプリットほどはメジャーでない分、観光客でごったがえしておらず、中世の古い街並みとマリンリゾートをのんびり同時に楽しめる街です。

トロギールは周りを城壁に囲まれた小さな島で、本土とは橋で結ばれています。Trogir全景© 2015 クロアチア政府観光局 [Author] : Damir Fabijanić

その街並みは「古都トロギール」として世界遺産に登録されています。トゥロギール5

本土側のバスターミナルを出て、橋を渡るとすぐに、中世ヴェネチアの影響が色濃い古い建物が密集するエリアに入ります。トゥロギール3

左右のお店をのぞきながら楽しく歩けます。
トロギールの街の中心、イヴァン・パヴォア・ドゥルギ広場に面して建つのが聖ロヴロ大聖堂。内部の装飾が見事です。トゥロギール1

塔の上からは、赤い屋根と青い海のコントラストが鮮やかに望めます。トゥロギール4

島を一周しても1キロちょっと。こじんまりしています。

ヴェネチア人が建てた砦。外敵に備えるとともに、街を見張る役割もあったとのこと。このあたりは露天の店が並んで、のんびりしたマリンリゾートの雰囲気です。トゥロギール2

アクセスはスプリットからバスで約1時間です。アドリア海沿いの街を結ぶ路線上に位置していて、平日昼間は1時間に1~2本あります。また、スプリット空港はスプリットよりトロギールの近くに位置しています。

できれば1泊して、のんびりできればよいのですが、時間がなければ、アドリア海沿いの街を巡る旅の途中下車で、1~2時間でもいいので歩いてみたい街です。

クロアチア全体の旅については⇒こちらへ