国中どこに行っても風光明媚な景色で満ちた国、スイス。全世界で人気の観光地です。ほぼ全土を個人旅行した経験から、パックツアーに参加せず、個人で計画を立てて旅行される方のための、旅のコツをご紹介します。
まず、プランニングにあたっては、必ずセカンドプランを用意しましょう。
数か月前から気合を入れて計画を練って、旅行期間中の旅程をすべて確定させてから出かける人がいますが、スイス旅行ではそれはやめたほうがいいと思います。なぜなら、
スイス旅行のお楽しみの多くは、山岳地帯の絶景スポットですが、そこで感動を味わえるかはお天気次第だからです。
例えば、
①アイガー北壁を貫く山岳鉄道でユングフラウヨッホへ登る
②ツェルマットから登山電車でゴルナーグラートに登ってマッターホルンを眺める
③氷河特急の車窓から山岳風景のエッセンスを楽しむ
④ベルニナ特急でアルプスと3大氷河を間近に眺める
は代表的な観光スポットで、①などは麓から往復するだけで2万円以上かかりますが、登ってみても、天気が悪いと周囲はまっ白で何も見えず、がっかりすることになります。
山の天気は直前、場合によると当日までわかりません。天気の良い日を選んでいきましょう。そのためは、
天気に応じてどこに行くかを臨機応変に決められる柔軟なスケジュールにしておくことが大切です。これは個人旅行だからできることです。
これはニーダーホルンの展望台。若干雲がかかってましたが、トゥーン湖とベルナーオーバーラントの絶景を楽しめました。もう少し天気が悪いとすべて霧の中で何も見えなかったでしょう。ユングフラウヨッホ、リギ、ピラティスなどの展望台や峠めぐりでも同様です。
出発直前、できればスイスに着いてから、天気予報をチェックしてプランニングするのがベストですが、旅行前の計画がないと不安な方は、
天気が悪くても楽しめるところを見つけておきましょう。
例えば、
⑤かわいい街を歩いておいしいものを食べる
⑥大きな街の美術館、博物館めぐり
⑦コンサートを聴く
⑧湖の遊覧船
⑨シャーフハウゼンのラインの滝
⑩ラヴォー地区でスイスワインを飲む
などです。⑤で私のお薦めは、シュタイン・アム・ライン、ベルン、マイリンゲンなどです。⑧はルツェルン湖、トゥーン湖などです。
トゥーンはインターラーケンとベルンの中間にあって、超人気の①に行けない日にはお薦めです。
ルガーノの小さな教会で室内楽のコンサートを聴きました。北部で天気が悪い日でも列車で1.5~2時間かけて南部に来ると天気が良いことがあります。
スイスパス(鉄道、バスのフリーパス)を買って、当日泊るところは当日決めるのもいいです。スイスは観光国で、宿泊施設は豊富にありますから、夏のハイシーズンの人気観光地や特別なイベントがある日を除いては、泊る場所が見つからないということはありません。めざす街に見つからなかったとしても、鉄道で10~30分くらい移動して別の街に行って探せばいいのです。
ひとつのホテルに数日滞在して、そこを起点にいろんな観光スポットを往復したい方には、ルツェルンかベルンをお薦めします。
スイスのほぼ真ん中にあって、多くの観光地にアクセスが便利で、代替プランで行ける場所も多く、かつ、街そのものが魅力的だからです。
↓ベルンの街
限られた日程でいろんなところに行きたいからといって、滞在期間中の全移動ルートを決めて、各日別々の街にホテルを予約しておくというのはやめたほうがいいです。
人それぞれの旅行スタイルに応じて旅するのがいいと思いますが、できるだけベストなコンディションで、スイスの絶景スポットを味わってほしいと願っていろいろ書き連ねました。少しでも皆様の旅の助けになれば幸いです。