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モルドバのびっくり!ワイナリーめぐり

知られざるワインの名産地モルドバでのイナリー2つを訪れました。巨大な地下空間に広がるワイナリーを車でまわる驚きの連続でした。

モルドバは旧ソ連が分解してできた国のひとつです。
(モルドバはどこにある? ⇒こちらへ
(モルドバ共和国のご紹介 ⇒こちらへ
モルドバには特に有名な観光地もなく、日本ではなじみのない国ですが、ヨーロッパ最貧国と言うだけあって、ワイン好きにとっては激安でおいしいワインが飲める天国です。また、地下のワイナリーが巨大なワインセラーになっていて、世界の著名人、セレブたちがワインを貯蔵しています。

☆クリコバ(Cricova)

クリコバはモルドバの首都キシニョウから北に15Kmほどにあります。筆者はキシニョウの旅行会社のツアーで行きましたが、路線バスで行くこともできます。

こんな連結カートに乗って見学に入ります。Cricovaカート

洞窟のような地下道を走ります。全長は100kmを越え、最も深いところで地表から100mあるそうです。壁際にはワイン樽やビンを収めた棚が並びます。アドベンチャー気分!dav

何箇所かでカートから降りてガイドさんの説明を聞きます。 Cricovaガイドさん

長い地下道が天然のワインセラーの役割をしているわけで、年間通して一定の気温が保たれています。外が暑い時に訪れる際は、1枚羽織るものを持っていったほうがいいでしょう。

クリコバ産のワインを買って、自分のコレクションをここに貯蔵することができます。世界の有名人所有のワインが並びます。これはロシアのプーチン大統領のもの。Cricovaプーチンワイン

地下の奥深くに豪華なテイスティングルームがいくつもあります。Cricovaテイスティングルーム1

見学の後、そのうちのひとつでテイスティングしました。Cricovaテイスティングルーム2

おつまみ付で5種類。どれも美味しかった。おつまみにはモルドバ郷土料理のパイ、プラチンタも。Cricovaワイングラスとおつまみ

おみやげに買えるワインは驚きの安さでした。ほとんどが400~800円。Cricovaおみやげワイン

☆ミレシティ・ミチ(Milestii Mici)

首都キシニョウから南に10Kmくらいにあるミレシティ・ミチは世界最大のワイナリーとして知られています。

キシニョウからミレシティ・ミチにかけては、緩やかな丘にブドウ畑が広がるのどかな景色です。MilestiMici近くのぶどう畑

ミレシティ・ミチはワイン貯蔵数(150万本以上)の多さでギネスブックにも載っています。

クリコバと同様に洞窟のような地下道を巡るのですが、ここは見学客が自分の車で乗り入れます。車を持っていないと予約もさせてくれません。ガイドさんが車に乗り込んできて案内してくれます。ミレシティ・ミチ車と樽

自分でレンタカーを運転していてはワインが飲めませんので、キシニョウからのツアーで行くことになります。

ぐるぐるまわってかなりの距離を走りました。途中で内部の説明がありました。MilecitiiMici地図

ギネスの認定書が掲示されていました。ミレシティ・ミチ・ギネス認定書

テイスティングは生バンドの演奏付きでした。見学者の国籍をきいて、その国の音楽を奏でてくれました。MilestiMiciバンド生演奏

入口近くでおもしろいものがありました。誰でも考えつきそうですが、初めて見ました。MilestiMiciワインの泉

 ☆モルドバのワイナリーへの行き方

クリコバは事前に見学の予約をしたうえで路線バスで行くこともできますが、筆者はサイトを探すのが面倒で、2か所ともキシニョウのシュテファン・チェル・マレ通りにあるベストトラベル(BESTTravel)のツアーで行きました。

クリコバへは所要3時間半で60€(¥7,500)、ミレシティ・ミチへは所要3時間で50€(¥6,300)でした。なんでも安いモルドバにしてはお値段高めです。

モルドバはワイン大国、というか、ワイン好きにはワイン天国です。クリコバとミレシティ・ミチではテイスティングしておいしかったワインが500円くらいで売っていました。キシニョウのスパーでは200円くらいから売っています。

筆者は一人旅でしたが、ワイン好きが複数で行けば、安価でたくさんのワインを買って、ホテルで飲みまわすことができるでしょう。

モルドバへは中東経由のフライトを使えば、繁忙期を除いては10万円を切る価格で往復できます。隣国ルーマニアからバスか列車で入ることもできますので、ルーマニア観光と組み合わせた旅もおもしろいでしょう。

皆さん、よい旅を!

 

 

 

 

 

 

モルドバ旅行記

2019年4月、モルドバ(Moldova)を旅してきました。
と言うと、モルドバって、どこ?
何しに行ったの? ってきかれます。

☆モルドバの位置

モルドバは旧ソ連の一部でしたが、1990年代のソ連崩壊とともに独立した新しい国です。

歴史的にはお隣のルーマニアと民族も言葉も同じですが、19世紀にロシアに取り込まれるなどの経緯があって別の国になりました。

☆何しにモルドバへ?

ずばりワインです。日本にはほとんど輸出されていませんが、モルドバは知る人ぞ知るワインの名産地です。ギネスブックにも載る世界最大のワイナリーがあるのです。

ワイナリーの話は⇒こちらへ

☆モルドバへの行き方

首都キシニョウの空港は日本の地方空港みたいにこじんまりしてますが、ヨーロッパ各地から直行便があります。筆者は隣国ルーマニアの首都ブカレストからプロペラ機で到着しました。cof

到着ロビーを出たところから市内へのバスが出ています。Chisinau空港バス停

1時間に2,3本あり、40分くらいでキシニョウの中心「勝利の門」近くに着きます。

隣国のルーマニア、ウクライナから鉄道、バスでアクセスもできます。筆者は帰路バスでルーマニアに抜けましたが、バスターミナルは市内中心の市場近くのではなく、イスマイル通りを南にバスで20分くらい行ったところにあります。⇒地図

ウクライナからのアクセスでは、国境付近にモルドバ共和国の統治が及んでいないエリア、自称「沿ドニステル共和国」があります。治安が安定していないとのことで、通過するのはやめたほうがいいでしょう。

☆首都キシニョウ(Chisnau)

街のランドマークは、勝利の門とキシニョウ大聖堂。ここが街の中心です。 地元の人たちの憩いの場という感じで、レストランやカフェもこの周囲にたくさんあります。Chisinau門と大聖堂

全体的に社会主義の香りがする街という印象です。ソ連時代に建てられた、こけおどしのような巨大な建物が特徴的です。

これはモルドバ議会。Moldova議会

筆者が泊ったホテルは典型的なスターリンクラシック造り。筆者は社会主義様式と呼んでいます。最近は欧米資本系列のホテルもできましたが、名前からして、ソ連時代はここがキシニョウで最も格式が高いホテルだったのでしょう。ChisinauHotel

街のメインストリートのシュテファン・チェル・マレ通りは賑やかで、商業施設、公的機関、劇場などが建ち並び、トロリーバスが行き交います。バスには車掌がいて、乗車してから料金を集金にきます。

通りの名前になっている15世紀の偉い王様の像もこの通り沿いの公園にあります。 Chisinauシュテファン・チェル・マレ大公銅像

キシニョウで最も活気があるのは、街中心の広大なスペースを占めている市場でした。ありとあらゆるものが売られています。ここを歩き回ると地元の人たちの生活ぶりがわかります。Chisinau市場

泊ったChisinau Hotelの近くに美しい教会がありました。内部の装飾も見事で、しばし眺めて厳かな雰囲気に浸りました。(内部は撮影禁止)キシニョウ教会

モルドバ人は民族的にはラテン系ですが、現在の主たる宗教は正教(オーソドックスのキリスト教)です。

メインストリートからひとつ入ったところにある歴史博物館には、古代から現代までのモルドバの歴史資料が展示されています。Chisinau歴史博物館

歴史的な建物を利用していて、展示室の内装も見事です。キシニョウ歴史博物館バラの間

☆モルドバを食べる

モルドバのパイ「プラチンタ」には、さまざまな具材がはさまれます。プラチンタ

日本のゴハンにあたるのが「ママリガ」。メイン料理の付け合せに出てきます。とうもろこしで作られ、これだけ食べるとほんのり甘い味がします。Moldovaママリガ1

パンみたいに具材を挟み込むものもありました。Moldovaママリガ2

☆モルドバは安い!

いくつか例を挙げますと、
上記料理は上から¥500、¥550、¥320。
上記Chisinau Hotel1泊朝食付きで¥3,100
立ち飲みカフェでカプチーノ1杯¥95
ペットボトルの水500ml¥65~90
バス1回乗車で¥12
地元産ワインのフルボトル¥200~

シュテファン・チェル・マレ通り沿いのパン屋さん。Chisinauパン屋

値札の数字に2019年4月のレート:1Lei=6.1円をかけてみてください。

☆ヨーロッパ最貧国とのことですが・・・

首都キシニョウのメインストリートを歩いている限り、貧しい国という印象はほとんど受けません。街ゆく人の身なりも、彼らが行くスーパーで売られている品物のバリエーションもヨーロッパの他の国とほとんど違わない。

ホテル、レストラン、博物館のトイレは清潔で水はきちっと流れました。

しかし、いなかに行くと街の道路はボコボコになっていたり、キシニョウでも中心地から数百m離れた地下道はこうなっていました。Chisinauインフラ傷み

インフラ整備が行き届いてないということですね。バスでモルドバからルーマニアに入ると、車窓から見える民家の造りが明らかに立派になっていたのも印象的でした。

☆おしまいに

さて、いかがでしたでしょうか。筆者が2日旅したモルドバは一言で言うとワイン天国でした。首都キシニョウはとりたてて観光地という様子ではありませんが、社会主義時代ののっぺりした没個性的な建物が多く、時代を感じさせられました。昭和の日本の地方都市と似た雰囲気もありました。

一方、訪れた2つのワイナリー(クリコバとミレシティ・ミチ)はモルドバを代表する観光地で、さまざまな国からの観光客がたくさん来ていました。

この記事が将来モルドバを訪れる皆さんのお役に立てれば幸いです。