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石造りの中世の村でワインを楽しむ:サンテミリオン

高級ワインの産地として知られる
サンテミリオン(Saint-Emilion)
は、フランス南西部の中心都市ボルドーから約40km、小高い丘の上に広がる石造りの中世の村です。地平線まで続くブドウ畑に囲まれています。

ボルドーからの日帰りツアーで訪れる方が多いですが、泊らないで帰るにはもったいないくらいの魅力いっぱいの村です。

☆ボルドーからサンテミリオンへ

ボルドーから列車で35分でサンテミリオン駅に着きます。構内にも周囲にも飲食物の売店、自販機がない無人駅です。帰りの切符も買えませんので、ボルドーで往復を買っておくのがいいでしょう。
サンテミリオン駅2

ボルドーからは直通バスもあり、村のすぐ近くに停車しますが、平日でも3本のみです。

☆駅からサンテミリオン村への道

駅前にはのどかなブドウ畑が広がります。村の入り口までは約1km。
サンテミリオンへの道2

ブドウ畑の真っただ中の一本道ですから迷うことはありません。歩いていくと、ブドウ畑の中にシャトーが見えてきます。内部を見学できるシャトーもあります。サンテミリオンへの道2

大きな荷物を持って歩くのがつらい方はタクシーを呼べます。サンテミリオンのホテルは、宿泊者の無料送迎をしてくれるところもあります。サンテミリオン駅タクシー

村の入り口Bouqueyre広場に到着です。サンテミリオン入口Bouqueyre広場

ここで道が二手に分かれます。まっすぐ行く道を登っていくと、村の中心、モノリス(Monolithe)教会の前の広場に出ます。 ここは村を見渡す展望台です。サンテミリオンモノリス教会

観光案内所はこの広場に面してあります。モノリス教会の塔の反対側です。観光案内所で鍵を借りて、教会の塔に登ることができます。

塔の上からは、石造りの中世の村と彼方のブドウ畑の風景が一枚の絵画のような美しさで眺められます。感動のひとときです。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e5%a1%94%e3%81%ae%e4%b8%8a

☆中世の村を歩く

サンテミリオンは丘の上の村。モノリス教会前の広場が最も高く、そこから四方に石造りの建物が並ぶ坂道が下っています。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e5%9d%82%e9%81%93

石畳の坂を下りたところに、Collegiate教会と付属の修道院。サンテミリオンCollegiate教会

内部は質素ながら、美しいステンドグラスが印象的です。サンテミリオンCollegiate教会内部

オープンテラスのカフェは夜遅くまでやっています。有名観光地にありがちな騒がしさがないのがうれしい。サンテミリオン夜のカフェ

中世のサンテミリオンには要塞が建てられ、12~13世紀の朽ちかけた城門が残っています。サンテミリオン城門

城門の外にはどこまでも続くブドウ畑。
サンテミリオンのブドウ畑

プチトレインに乗って、ブドウ畑を巡ることもできます。

☆ワインを楽しむ

サンテミリオンにはワインショップがたくさんあり、地元産ワインをたくさん売っています。かなり安い! まとめ買いして日本に送ることもできます。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%97

ワインバーやカフェもあって、気軽にワインを飲むことができます。ほとんどの店は夜10時までやってます。ショップは6~7時には閉まりますので、ホテルで飲む方は早めに調達しておきましょう。

サンテミリオンの地下には、かつて採石のために掘られた広大な空間が拡がっています。付近のシャトーが、この空間を絶好のワイン熟成用のカーヴとして利用しています。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%86%85%e9%83%a8

村の中には見学できるところもあります。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%85%a5%e5%8f%a3

カーブの売店でもワインを安く売っています。テイスティングできるところもあります。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%a3%b2%e5%ba%97

村の周囲に広がるブドウ畑に点在するシャトーを訪ねるのもいいですね。どのシャトーがいつ開いているかは観光案内所でおしえてもらえます。テイスティング付のツアーもあります。作り手から、そのシャトーで栽培されているブドウの特徴や製造工程の話を聴くのはおもしろい。

ブドウ畑は場所によって土の構成や日当たりにかなりの違いがあり、サンテミリオン産と一言で呼べないほど多様な味のワインが作られるのです。

☆おしまいに

サンテミリオンという村の名は、8世紀頃にここに隠遁したエミリオン聖人に由来します。古い歴史を持つこの村は、今は高級ワインの産地として知られています。周囲のブドウ畑と合わせて、1999年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

昼はボルドーからのツアーも来訪し、観光客で賑わいますが、夜と早朝は静けさの中で中世の世界をさまよい歩くことができます。村の中にホテルが十数軒ありますので、ここはぜひ1泊されることをお薦めします。

フランスのいなかの美しい村へのアクセスはわざと不便にしてあるように思えます。観光客で村がごったがえして、俗化するのを防ごうということでしょう。不便を忍んでまで来てくれたお客には最高の経験ができますよ、ということです。サンテミリオンは時間をかけて訪れる価値が十分にあります。

 

 

 

 

 

 

メドックマラソン

メドックマラソン(Le marathon du Medoc)はワインを飲みながら42.195kmを走る大会です。フランスのワインの名産地に広がるブドウ畑とシャトーを駆け抜けます。

ここ数年増えているフルマラソンの大会では、数キロごとに給水所(エイドステーション)が設けられ、水とともに軽食がふるまわれるのですが、メドックマラソンでは、これが給ワイン所!なのです。
メドック給ワイン所

筆者が完走した2016年大会の様子をご紹介するとともに、今後、個人で参加される方のために、エントリー方法から当日の快適な過ごし方までご案内します。
メドックブドウ畑とシャトー

 ☆メドックってどこ?

メドックはフランス南西部ボルドー(Bordeaux)の北に広がる地区で、ぶどう畑が一面に広がる中に小さな街、村が点在します。

☆メドックマラソンって、どんな大会?

タイムを競う大会ではありません。毎年、主催者からお題が出されて、それに則った仮装をして走ります。2016年は「Tales and Legend」でした。必須ではありませんが、参加者のおよそ8割はなんらかの仮装をしているという印象です。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e4%bb%ae%e8%a3%85

人目を引く、おもしろいかっこうをして、エイドステーションで出されるワイン、おいしい食物を味わいながら楽しく走ろうという大会です。

2016年は参加者8000人、うち3割が外国人。日本人もかなりいます。毎年9月の第2土曜に行われるので、年によっては最高気温30℃以上の厳しいコンディションになることもあります。

スタート地点で綱渡りの曲芸。既にお祭りムードが漂います。 %e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%88%e5%89%8d

制限時間は6時間30分。気温が高い場合は延長されることもあります。
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☆ワインと、世界一の補給食!

エイドステーションはおおよそ2kmごとにあります。食物もかなり充実しています。たいていの大会でもあるクラッカー、バナナ、ポテトチップスだけでなく、チーズ、ハム、牡蠣、ステーキ、オレンジ、ローストビーフ、アイスクリームなどなど。 完走すればほとんどフレンチのフルコースです。

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コース途中のシャトーの門を入って、シャトーの中庭にエイドステーションがあるというパタンが多い。
メドックシャトーに向かって

 

沿道のバンド演奏も様々に趣向が凝らされています。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e6%bc%94%e5%a5%8f

応援してくれる人、ハイタッチを求める人も多く、マラソンパーティという感じの大会です。

☆スタート&ゴール地点、ポーリヤック(Pauillac)

メドックマラソンのスタート&ゴール地点で、前日の受付も行われるのが、ボルドーから北へ約50キロの小さな街、ポーリヤック。ポーイヤックと表記されることもあります。
メドックマラソンバナー

この街の宿泊キャパは小さいので、多くの参加者はボルドーに泊って、バスでポーリヤックまで来ます。

ボルドー/ポーリヤック間は路線バス、列車もありますが、本数が少なく、夜はありませんので、大会事務局が用意するシャトルバスで移動したほうがいいです。

続いて、エントリーから大会当日までのガイドです。

☆メドックマラソン申し込み

毎年2月頃にネットでエントリーが始まります。
*大会エントリーのみ
*前日と当日の宿泊とのパック
の2通りで申し込めます。

ホテルは一覧から指定できますが、スタート地点のポーリヤックとその近くはすぐにいっぱいになってしまいます。前日夜のパーティ、当日のボルドーからの送迎もオプションで申し込めます。

旅行会社に、大会エントリー、宿泊、ポーリヤックまでの送迎を一括して申し込むこともできます。大会前後のワイナリー巡りツアーなどもオプションで付けられます。ガイドさんが付いて至れり尽くせりですが、料金は割高です。

申し込みの後、所定の期日までに「Medical Certificate(健康診断書)」を取得して、大会事務局HPでアップロードします。

☆メドックマラソン前日

前日に受付(ゼッケン、Tシャツなどの受け取り)のためにポーリヤックに行く必要があります。参加者本人に限ります。6月頃に大会事務局から、ボルドー/ポーリヤック往復のバス予約のお薦めメールがきます。2016年はボルドー発12:00/14:00/16:00でした。

前夜祭のパーティを申し込んだ人は、パーティ後の帰りのバスもここで予約できます。

受付会場。英語は十分に通じます。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e5%89%8d%e6%97%a5%e5%8f%97%e4%bb%98

周辺にはいろんなお店が出てにぎやかです。ワインテイスティングもありました。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e5%89%8d%e6%97%a5%e5%b1%8b%e5%8f%b0

前夜祭のパーティは2か所で行われます。世界各国からの参加者と交流できるのはメドックマラソンの楽しみのひとつです。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e5%89%8d%e5%a4%9c%e7%a5%ad

ポーリヤックの受付場所からは事務局の用意するバスでパーティ会場まで行くことになります。

ご注意ですが、パーティに出ると帰りがとても遅くなってしまいます。2か所の会場からボルドーに帰るバスは夜10:30~11:30発です。日付が変わってからボルドーのホテルに戻ることになり、翌朝、ポーリヤックに向かうバスは6:00か6:30発ですので、フルマラソン前夜の睡眠が十分とれないことになります。

☆メドックマラソン当日

まず、朝食です。自分のコンディション調整に合った食物を用意するのもいいですが、スタート地点の近くで朝食を提供する店がいくつかありました。メドックマラソン朝食

2016年は、走りだしてすぐのエイドステーションでクロワッサンやカヌレを出してくれるところもありました。エイドの食物は充実しているので、スタート前に無理に腹ごしらえする必要はないと思います。

水をペットボトルごと渡してくれるエイドステーションもあるので、スタート時は手ぶらでOKです。

スタート地点では、日本の大会のように、申込時の予想タイムに基づいてスタートエリアが指定されることはなく、早い者勝ちで前に行けます。

トイレが少ないのがこの大会の難点。ぶどう畑でするしかありません。%e3%83%a1%e3%83%89%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%a9%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%a4%e3%83%ac%e4%b8%8d%e8%b6%b3

楽しい大会ですが、ぶどう畑の間のコースは凸凹の多い砂地で、乾いていると砂埃が舞います。シャトーに入ると玉じゃりの所が多く、意外な所で滑ったりしますので、ご注意を。

☆仕事の都合で参加できるか不確定な方へ

メドックマラソンは人気の大会なので、迷っているうちに締め切られてしまいます。「エントリーのみ」から先にうまっていきます。キャンセルの保険をつけることもできますが、かなり面倒で、全額は戻ってきません。

大会が土曜で、金曜午後に受付に行かなければならないので、遅くても金曜朝にはパリに到着する必要があります。日本発フライトのタイムリミットは木曜の夜行便です。

この時期に仕事を休めるか、エントリー開始の2月時点ではわからない方にお薦めなのは、エントリーが始まったらすぐに「エントリーのみ」を押さえてしまうことです。エントリーのみであれば、費用はおよそ1万円を少し越えるくらいで、行けなくなったとしても捨てるのはこれだけです。

当日と前日の送迎は、6,7月頃に事務局からの案内があって、その時点で付けることもできます。但し、年ごとに事情が違う可能性あり、確認が必要です。

ホテルは場所とグレードを選ばなければ直前でも確保できます。メドックマラソンはボルドー地区外から数千人が訪れる、この地方では大きなイベントですが、ボルドー市内の宿泊キャパは大きく、メッセなどの他のイベントと重ならない限り、問題ありません。

さて、いかがでしたでしょうか。残念ながら、2020/2021年は続けて中止になり、大会HPには「2022年9月10日に会いましょう」のメッセージが出ています。この記事が、コロナ終息後、のどかな風景の中で、マラソンとグルメを同時に楽しむ一助になれば幸いです。

 

 

 

 

ロワール古城巡りガイド

パリからのツアー先として人気の高いロワール古城巡り。

ロワール河やその支流沿いには、豊かな自然の中に中世の王侯貴族の豪華絢爛な古城が点在します。お城の美しい姿に感嘆したり、内部の装飾、調度品に当時の栄華を思い馳せたり、いろいろな楽しみがあります。

私たち旅行者の使える時間に応じて、上手にロワール古城巡りをする方法をご紹介します。 その前に、2016年9月に筆者が訪れたロワールの古城をいくつかをご覧ください。

白い端正な姿のシュヴェルニー城。シュヴェルニ―城外観2

内部のきらびやかな装飾や家具調度。数あるロワールの古城の中でここが最も素晴らしいという評判です。%e3%82%b7%e3%83%a5%e3%83%b4%e3%82%a7%e3%83%ab%e3%83%8b%e3%83%bc%e5%9f%8e%e5%86%85%e9%83%a8

壮麗な姿のシャンボール城。
フランス・ルネッサンス様式の城の中で最もスケールが大きいお城です。シャンボール城外観2

内部の二重らせん階段。人がすれ違わないで上り下りできる巧妙なしかけが用いられています。%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%9f%8e%e3%82%89%e3%81%9b%e3%82%93%e9%9a%8e%e6%ae%b5

シャンボール城は住むためというより、狩猟のために建設されたお城です。周囲の約800haの森は一般に公開されており、徒歩でも自転車でもゆっくりと自然を楽しめます。シャンボール城森2

美しい庭園が魅力のヴィランドリー城。

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ブロワ城。
500年に渡って増改築を重ねたため、ゴシックからルネサンス、バロックなど4つの時代の建築様式が中庭を囲むように建っています。%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%af%e5%9f%8e%e8%a3%8f

夜のライトアップもすてきです。 %e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%af%e5%9f%8e%e5%a4%9c

宮廷生活が偲ばれる「王の居室」。ブロワ城は歴代のフランス王、王女の居城でした。ブロワ城王の居室

☆1日しか時間のない方へ

最も簡単なのが、パリ発のロワール古城巡りツアーに参加することです。早朝パリ発、2つか3つの古城を訪れ、夜パリに帰ります。訪れる古城はツアーによって異なります。日本語ガイドのツアーもあります。

ご自分で旅程をたてたり、切符の手配が面倒な方にはお薦めです。但し、行程の半分以上はバスに座っていることになり、渋滞にはまるとさらに長くなります。

1日だけでさらに多くのお城を訪ねたい方は、トゥール(Tours)まで列車で行き、トゥール発の1日、または、半日のツアーがお薦めです。

午前と午後の2つのツアーを組み合わせて参加すると4つ以上のお城に行けます。午前のツアーは9時~9時半発ですので、それに間に合うようにパリから早朝発のTGVに乗ります。午後のツアーが終わった後の列車でパリには夜9時頃に戻れます。

☆2日以上かけられる方へ

列車、バスで行けるお城は自力で、行けないお城をツアーで訪ねるのがよいでしょう。

ブロワ城、アンボワーズ城、シュノンソー城、ロシュ城は鉄道駅から歩いて行けます。

シャンボール城とシュヴェルニー城へは、夏季限定ですが、ブロワからのバスで行けます。ヴィランドリー城へはトゥールからバスで行けます。

☆ロワール古城巡りツアーの賢い使い方

所定の集合場所でバスかミニバンに乗って、同じ場所に戻るという定型的な使い方ばかりではありません。ご自分の計画に合わせて、ツアー会社に要望を伝えましょう。

①集合場所に戻ってこなくてもいい。
ツアーの途中で車から降ろしてもらうということです。例えば、筆者は、トゥール発のシュヴェルニー城とシャンポール城を巡る午後半日ツアーでトゥールに戻らず、帰途、ブロワの街の入り口で降ろしてもらい、ブロワで泊りました。荷物はミニバンの後部に積んでもらえました。

②最初のお城に向かう途中でピックアップしてもらう。
例えば、トゥール発のアンボワーズ城とシュノンソー城を巡る午前のツアーに参加し、2つめのシュノンソー城で降ろしてもらい、午後のシュヴェルニー城とシャンポール城を巡る半日ツアーにピックアップしてもらい、夕方、トゥールに戻る。こうすれば、1日で4つのお城を見学するとともに、人気のシュノンソー城を眺めながら、約3時間、ランチ含めてのんびり過ごせます。

ツアーを探す時に、所定の集合場所以外のピックアップ可否、場所、古城見学を終えた後の帰るルートをきいたうえで、自分の希望に合う会社、ツアーの組み合わせを考えましょう。

☆ロワールのどこに滞在するか?

ガイド本には、ロワール古城巡りの起点にするにはトゥールが便利と書いてあることが多いです。

トゥールはロワール地方の中心都市で、宿泊施設、レストランが多く、木組みの家がたくさん残る街並みの散策も楽しめます。トゥール街並み2

サン・ガシアン大聖堂は13~16世紀にかけて造られたゴシック建築の傑作です。前の広場から写真を撮ろうとしてもフレームに収まりきれないほど、大伽藍が天に向かって伸びています。内部の色鮮やかなステンドグラスも見どころです。%e3%83%88%e3%82%a5%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%82%ab%e3%83%86%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%ab
ロワール古城巡りツアーはトゥール発着が多く、ここの宿泊して古城を巡るのもいいですが、筆者は街並みの魅力の点でブロワ(Blois)をお薦めしたい。%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%af%e8%a1%97%e3%81%ae%e5%85%a8%e6%99%af

ブロワ城前の広場から眺めるサン・ヴァンサン教会の塔 。ブロワ城の塔

ブロワ城は街中にあり、夏の夜の「音と光のスペクタル」を観に行けるというのもお薦めする理由です。

☆お薦め!夏の夜の「音と光のスペクタクル」

いくつかのお城では、城の外壁に映像が映し出され、バロック/ルネサンス音楽をバックに、そのお城にまつわる歴史が語られます。

各お城のHPに実施日と時間が載っています。ただし、終了が夜11時頃になりますので、レンタカーを使える方以外は、徒歩圏に宿泊施設があるお城に限定されることになります。

ブロワ城では、4~9月の夜10時(日の入りが遅い時期は10時30分)から約1時間のショウが行われます。日本語でもナレーションが聴けるヘッドフォン込みで10€(お城見学とコンビ料金で15€、2016年6月時点)です。

中庭から四方の異なった建築様式の外壁が様々にライトアップされるのは幻想的です。 ブロワ城夜のショウ1ブロワ城夜のショウ2ブロワ城夜のショウ3

☆ご注意

ロワールの古城はフランスの誇る文化遺産だけあって、その保存には最新の注意が払われています。そのため、時々、補修工事が行われて、お城の一部が見学できなかったり、シートが被せられて、美しい姿を堪能できないこともあります。%e3%82%a2%e3%82%bc%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%83%aa%e3%83%89%e3%83%bc%e5%9f%8e

筆者が訪れたアゼー・ル・リドー城がそうでした。フランス・ルネッサンス様式の洗練されたスタイルを楽しみにしていたのですが。

ロワール古城巡りの計画を立てる際には、各城のHPを確認するようお薦めします。

列車やバスの時刻表を調べる際には、運行日をよくチェックしましょう。フランスでは土日の運行本数は大幅に減ります。季節によっても運行本数が異なります。

では、皆さん、よい旅を!

トゥールーズ:南仏のバラ色の街

南フランスのトゥールーズ(Toulouse)は、1998年のワールドカップに初出場したサッカー日本代表が初戦を戦った場所で、ビジネスではエアバスの本社がある街として知られています。

仕事やサッカー観戦でなくても、ふらっと訪れて散歩するだけでも、いろんなものに出会える魅力的な街ですので、ここでご紹介します。

☆バラ色の街

トゥールーズの大部分の建物は赤レンガ造りで、色はほぼ統一されています。この赤レンガが夕日を浴びてバラ色に輝く様子からトゥールーズは「バラ色の街」呼ばれています。

ガロンヌ川にかかる橋から眺めてみるとわかります。Toulouseガロンヌ川

夕暮れ時はこうなります。Toulouseガロンヌ川の夕暮れ

☆トゥールーズの中心、キャピトル広場

トゥールーズ市民が集う街の中心はキャピトル広場。そこに建つ市庁舎はトゥールーズ一番の観光スポットでもあります。Touloseキャピトル広場

一年を通してさまざまなイベントが開催され、建物近くはテラスのカフェ、レストランになっていて、夜遅くまでにぎやかです。Toulouseキャピトル広場夜

内部はイベントがある時を除いて公開されています。まるで宮殿のような階段を登っていきます。Toulouseキャピトル階段

市庁舎2階の大広間は華麗! 壁画、天井画で覆われています。Touloseキャピトル大広間

☆中世の豪商の邸宅(アセザ館)

16世紀の金持ち商人の邸宅が美術館として公開されています。豪華なインテリアと壁にたくさんかかっているヴェネツィア派の絵画がみごとです。Touloseアセザ館内部の装飾

中庭。Touloseアセザ館中庭

☆ジャコバン修道院

13世紀にゴシック様式で建てられた修道院です。高い天井と支える柱がヤシの木のように林立しています。Toulouseジャコバン修道院天井

中庭をぐるっと囲む回廊の散歩が気持ちいい。建物の赤褐色と南仏の青空のコントラストが印象的です。Toulouseジャコバン修道院中庭

毎年9月にはピアノフェスティバルが開かれ、多くのクラシック音楽ファンが訪れます。コンサートは回廊の一角で行われ、中庭まで席が設けられます。

筆者が訪れた時はリハーサルをやってました。Toulouseジャコバン修道院ピアノ

☆サン・セルナン・バジリカ聖堂

ロマネスク教会としてはフランス最大とのこと。空に突き抜ける高い塔が印象的。Toulouseサン・セルナン

トゥールーズはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かうキリスト教巡礼者の通り道にあり、多数の巡礼者を迎え入れるため、サン・セルナン・バジリカ聖堂の内部は巨大な空間です。

☆トゥールーズへのアクセス

パリからTGVで約5時間半です。トゥールーズ駅から歩いて15~20分でキャピトル広場です。地下鉄だと2駅。

パリから空路では約1時間20分。トゥールーズの空港から街の中心へはバスで約20分です。

☆トゥールーズのあるミディ・ピレネー地方

フランスの南西部、スペインとの国境近くはミディ・ピレネー地方と言われ、たくさんの魅力的な街や村があります。例えば、
・世界遺産の城塞都市:カルカッソンヌ
・祈りの街:ルルド(⇒こちらへ
・丘の上の中世:コルド・シュル・シエル(⇒こちらへ
・世界遺産の宗教都市:アルビ(⇒こちらへ

筆者がこのあたりをバスで移動している時に、車窓から眺めて途中下車してみたいと思うかわいい村がいくつもありました。

ミディ・ピレネー地方は日本人にはあまり知られていませんが、コートダジュールやプロヴァンスに劣らないフランスのいなかの魅力たっぷりです。トゥールーズはこれらを訪れるゲートウェイとなっています。

パリから出かけて数泊するのもいいのですが、筆者は2016年、スペインからピレネー山脈を越えて、ミディ・ピレネーのいくつかの街、村を訪ねながら横断して北部のバスクに抜けるという旅をしました。日本人にはほとんど会いませんでした。

お薦めです!

 

 

 

 

プロヴァン:パリから日帰りできる中世ワンダーランド

観光でも仕事でも訪れる方が多いパリですが、そのパリから日帰りで行ける別世界、プロヴァン(Provins)をご紹介します。

☆プロヴァンの街歩き

11~13世紀に交易都市として栄えたプロヴァンは、当時の石造建物の旧市街がそのまま残っています。「中世市場都市プロヴァン」として世界遺産にも登録されています。provins%e9%80%9a%e3%82%8a

レストラン、ホテル、店舗などに活用されている建物もありますが、表札があることからして個人の住居だったり、廃墟寸前に打ち捨てられている建物もあります。どこも観光のために手を入れた形跡がほとんど感じられず、中世にタイムスリップした感が味わえます。花の都パリの華やかさとは異質な別世界です。

プロヴァンのシンボルで一番の高台、セサール塔。provins%e3%82%bb%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%a1%94

狭い急な階段を登った先からは、足元の中世都市と、その周囲に広がる、のどかな田園風景を眺められます。provins%e3%82%bb%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%a1%94%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e7%9c%ba%e3%82%81

その隣にあるSaint-Quiriace Collegiate教会。provins%e6%95%99%e4%bc%9a

内部の装飾はかなり質素です。アーティストたちが時代を越えて、様々に手を加えたカテドラルとは違って、街が衰退するのに合わせて放置された感があります。provins%e6%95%99%e4%bc%9a%e5%86%85%e9%83%a8

プロヴァンの中心、シャテル広場。テラスのレストランや土産物店が並びます。ここだけはちょっとだけ華やいだ雰囲気があります。provins%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%86%e3%83%ab%e5%ba%83%e5%a0%b4

プロヴァンはヨーロッパの多くの中世都市と同じく、城壁に囲まれています。13世紀に完成した城壁の一部は遊歩道になっていて、城壁の上から街並みを眺められます。provins%e5%9f%8e%e5%a3%81

いくつかの門はそのまま残っています。これはサン・ジャン門。provins%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e9%96%80

プロヴァンの旧市街には中世の地下道が張り巡らされており、一部はギャラリーとして公開されています。これは当時の生活や市の様子を再現したもの。provins%e5%9c%b0%e4%b8%8b%e3%82%ae%e3%83%a3%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%83%bc

☆パリからプロヴァンへの行き方

パリ東駅(Gare de l’Est)から1時間ごとに出ている列車に乗って1時間20分でプロヴァン駅に着きます。パリからプロヴァンはゾーン5料金が適用されます。片道11.4€ほどかかりますので、1日乗車券モビリス17.3€がお得です。(料金は2016年9月時点)provins%e9%a7%85

駅からプロヴァン旧市街の入り口までは徒歩で約15分、丘の上の中世が近づいてきます。バスで観光案内所があるサン・ジャン門と、旧市街の中心シャテル広場までバスで行くこともできます。provins%e8%a1%97%e3%81%ab%e3%82%80%e3%81%8b%e3%81%86

中世の街並みを利用して、中世時代の生活ぶりや戦いが楽しく分かる時代劇などのイベントがよく行われます。(公式HP⇒こちらへ

パリ滞在が数日になると、たまに気分を変えたくなることがありませんか? そんな時はプロヴァンへ!

奇跡の泉の街:ルルド

フランス、カトリックの聖地、ルルド(Lourdes)。
「病を治す」と言われる奇跡の泉の水を求めて、毎年世界中から500万人もの人たちがルルドにやってきます。

ルルドはフランス南西部、スペインとの国境のピレネー山脈の麓にあります。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e3%83%94%e3%83%ac%e3%83%8d%e3%83%bc%e5%b1%b1%e8%84%88

☆奇跡の泉が湧く洞窟

1858 年、この地の貧しい14才の少女の前に聖母マリアが出現し、マリアのお告げによって少女が手を触れた地面から泉が湧き出し、その水を飲んだ人は病気が治るという奇蹟が起こりました。その話はすぐにフランス中に広が り、鉄道の開通に伴って、ヨーロッパ各地から奇蹟を求める人々がルルドを訪れるようになりました。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e6%b3%89%e3%81%ae%e3%81%be%e3%82%8f%e3%82%8a
洞窟の奥に建てられたマリア像の下には、湧き続ける泉があり、熱心に祈っている人が大勢います。泉の水は、水汲み場の水道から自由に汲むことができます。

洞窟に入るのに行列です。車椅子やストレッチャーに乗せられた人は優先的に入れてもらえます。ペットボトルを持っている人がたくさんいます。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e9%95%b7%e8%9b%87%e3%81%ae%e5%88%97
マリア様が洞窟を見下ろしています。
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洞窟の上には聖堂が建てられ、その周囲が聖域(Sanctuaires)となりました。
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☆大聖堂と聖域

おとぎの国のお城のような大聖堂。 ルルド大聖堂2
珍しい3層構造です。それぞれ別の建築様式で建てられています。最上部のカテドラルは上に向かって開放的です。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%a7%e8%81%96%e5%a0%82%e5%86%85%e9%83%a81
これは最下層。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%a7%e8%81%96%e5%a0%82%e5%86%85%e9%83%a82
高台から見た聖域。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%9f%8e%e5%a1%9e%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e8%81%96%e5%9f%9f
大聖堂の手前の楕円形に盛り上がった芝生の下には25,000人収容の巨大地下カテドラルがあり、ミサが行われます。お祈りの声と讃美歌は拡声器で外にも流されます。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%a7%e8%81%96%e5%a0%82%e5%9c%b0%e4%b8%8b%e3%81%a7%e3%83%9f%e3%82%b5

☆夜のロウソク行進

4~10月の夜9時から、ロウソクを手にした大勢の人たちが聖域に集まってきます。お祈りと賛美の合唱が繰り返されます。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%9c%e3%81%ae%e8%9d%8b%e7%87%ad%e8%a1%8c%e5%88%97
車椅子を押された人、ストレッチャーに横たわったままの人もいます。付添いの看護婦さん、シスターさんも。神聖な空気と参加者の熱気に圧倒されます。

☆街と聖域を見下ろす城塞

ルルドは中世の時代に軍事的拠点が置かれた街でもありました。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%9f%8e%e5%a1%9e
高台に築かれた城塞からは街と聖域が一望できます。ルルドで一番の観光スポットです。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e8%a1%97%e4%b8%a6%e3%81%bf
夜は城塞がライトアップされて、闇の中に浮かび上がります。聖域から聞こえる讃美歌とあいまって、なんとも言えない厳かな気分になります。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e5%a4%9c%e3%81%ae%e5%9f%8e%e5%a1%9e

城塞へは歩いて登れますが、聖域とは反対側にあるエレベータが便利です。城塞の内部は博物館になっていて、農具、家具、食器、衣装、靴など、ピレネー地方の民族文化が幅広く展示されています。

☆ルルドへの行き方

最も近くの大都市トゥールーズ(Toulouse)から列車で最速1時間50分。
ボルドー(Bordeaux)からは最速2時間40分。
この2都市へは、パリや日本からの直行便が飛んでいるヨーロッパの都市から乗り継いで行けます。
パリから直通TGV(所要6時間10分)も1日数本あります。

ルルド駅から聖域の入り口までは歩いて約10分。途中、ホテル、レストラン、みやげ物店がぎっしり並ぶ洞窟通り(Bd. de la Grotte)を通ります。%e3%83%ab%e3%83%ab%e3%83%89%e6%b4%9e%e7%aa%9f%e9%80%9a%e3%82%8a

☆ルルドで泊る

ルルドは小さな街ですが、ホテルの数はパリに次いで2番目とのこと。夜のロウソク行列を観るためには、なるべく聖域に近い場所に泊ることをお薦めします。

多くの国には、その国を代表する、祈りの街があります。観光客としてであっても、フランスを代表する祈りの街、ルルドで、フランス文化の重要な要素であるカトリックの精神にちょっとだけ触れてみるのはいかがでしょうか。

(訪問日:2016年9月6日)

 

アルビ~世界遺産の宗教都市

アルビ(Albi)はフランス南西部のこじんまりとした美しい街。中世にはカトリックの司教が支配する都市で、「アルビの司教都市」として2010年にユネスコ世界遺産に登録されました。19世紀末の人気画家ロートレックの生まれ故郷としても知られています。

☆レンガ造りの壮大な大聖堂

アルビの一番の見ものはサント・セシル大聖堂。近くで観ると、教会と言うより要塞のようです。サント・セシル大聖堂外観

13世紀に異端のカタリ派を弾圧したカトリックの司教が、カトリック教会の威光を示そうと建てたもので、1282年に竣工し、1480年の完成まで200年かかりました。サント・セシル教会内部

威圧的な外観とは対照的に、内部は豪華な装飾で覆われています。巨大な仕切り壁にも見事な刺繍が施されています。albi%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%bb%e3%82%bb%e3%82%b7%e3%83%ab%e5%a4%a7%e8%81%96%e5%a0%82%e4%bb%95%e5%88%87%e5%a3%81

☆司教館ベルビー宮

13世紀に建てられたベルビー宮(Palais de la Berbie)。サント・セシル大聖堂に隣接しています。今はロートレックの作品を中心にした美術館として使われています。Albiロートレック美術館

川を見下ろす美しい庭園。高台のヘリにあるので、目前を流れるタルン川と緑いっぱいの市街を眺められます。Albiベルビー宮庭園

☆レンガ造りの赤い家が建ち並ぶ旧市街

アルビの旧市街は、坂の多い小さな路地の両側に古びたレンガの建物が連なります。1階が店舗、2階の住居が前に張り出す独特の造りが目立ちます。Albi通り

散策が楽しい街です。疲れたら、サン・サルヴィ教会の中庭の回廊でひと休み。Albiサン・サルヴィ教会回廊

アルビの街全体を見渡す絶景ポイントはここ。バスターミナル前の広い通り(Lices Georges Pompidou)を約800m歩いて行った「1944年8月22日橋」からの眺めです。Albi街の全景2

サント・セシル大聖堂を中心にした旧市街が夕日で輝く時間に訪れるのがベストでしょう。手前の橋はヴィユー橋(Pont Vieux)。1050年の建造で、現存するヨーロッパの橋のなかではもっとも古い橋のひとつです。

☆アルビへのアクセス

フランス南西部の大都市、トゥールーズ(Toulouse)から列車で約1時間、1~2時間に1本あります。フランスの常として、休日は本数が減ります。

駅から旧市街へは歩いて10分ほどです。

この街自体も十分に魅力的ですが、天空の村コルド・シュル・シエル(⇒こちらへ)など、ミディ・ピレネー地方の数々の美しい村を訪れる玄関口にもなっています。

天空の城塞都市、コルド・シュル・シエル

コルド・シュル・シエル(Cordes-sur-Ciel)は、南西フランス、ミディ・ピレネー地方の小さな村。その名前は「空の上のコルド」という意味があります。少し離れた高台から眺めるとその意味がよくわかります。空に浮かんでいるように見えるのです。バスの車窓からも一瞬だけ見えます。

コルド・シュル・シエルは13世紀に海抜280mの丘の上に造られた城塞都市。アップダウンの激しい石畳の坂道の通りには、石造りと木組みが組み合わさった建物がぎっしり建ち並び、中世都市の雰囲気が溢れます。
地図

バス停のある広場(Place de la Bouteillerie)。中世の村が見下ろしています。cordes-sur-ciel%e5%85%a8%e6%99%af

観光案内所のひとつが旧市街の入り口の角にあります。ここで地図などをもらって石畳の急坂を登り始めます。cordes-sur-ciel%e6%80%a5%e5%9d%82

壁に彫刻がしてある家もあります。しばらく登ると大時計門(Porte de l’Horloge)です。cordes-sur-ciel%e5%a4%a7%e6%99%82%e8%a8%88%e9%96%80

もう中世の世界にタイムスリップ感いっぱいです。さらに登り、次の門(Porte du Vainqueur)で道が折れ曲がります。標高が高くなり、石造りの建物の間から、空と緑の野原がのぞきます。cordes-sur-ciel-porte-du-vainqueur

村で最も高いところには、テラスのレストラン、カフェが並ぶ広場になっています。cordes-sur-ciel%e5%ba%83%e5%a0%b4

その端は、周囲に広がる緑の平原や山並みが見渡せる村一番の展望スポット。cordes-sur-ciel%e7%b7%91%e3%81%ae%e5%b9%b3%e5%8e%9f

広場の隣には市場として使用されていたホール。cordes-sur-ciel%e5%b8%82%e5%a0%b4

このあたりが村の中心です。13世紀建造のサン・ミッシェル教会もこの近くです。レストラン、みやげ物店、観光案内所などが並ぶ村のメインストリートを下っていくと西の門(Porte des Ormeaux)に出ます。cordes-sur-ciel%e8%a5%bf%e3%81%ae%e9%96%80

この門を出たところも、周辺を見渡せるビューポイントになっています。村の入り口の広場からのミニトレインはここまで来ます。cordes-sur-ciel%e3%83%9f%e3%83%8b%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%b3

コルド・シュル・シエルには、絵画、彫刻、織物などアーティストたちのアトリエがたくさんあります。これはそのひとつ。cordes-sur-ciel%e3%82%a2%e3%83%88%e3%83%aa%e3%82%a8

たいていは内部を見学でき、アーティストが作業をしていることもあります。cordes-sur-ciel%e3%82%a2%e3%83%88%e3%83%aa%e3%82%a8%e5%86%85%e9%83%a8

☆コルド・シュル・シエルへのアクセス

最寄りの大都市はトゥールーズ(Toulouse)で、ここからローカル列車でアルビ(Albi)またはコルド・ヴァンドラック(Cordes Vindrac)へ。バスに乗り継いで村に行きます。[地図

バスは、
アルビ⇔コルド・シュル・シエル⇔コルド・ヴァンドラック
の路線で運行されています。1日3~4本あります。7,8月は若干増えます。

コルド・ヴァンドラックからのほうが村の入り口まで近い(約5km)ですが、トゥールーズからの列車の本数が少ないので、アルビ経由のほうが便利です。

アルビのバスターミナルは駅から旧市街に向かう途中にあります。
地図
徒歩約10分です。アルビから村の入り口までは所要35分。

コルド・シュル・シエルのようなフランスの美しい村への公共交通機関は意図的に不便にしてあるように思えます。観光客がどっと押し寄せて、静かな雰囲気が壊れないようにということなのでしょう。

不便を忍んで来てくれたお客さんだけにすばらしい経験をしていただきます、ということなのですね。コルド・シュル・シエルはとりわけ不便をする価値がある村です。