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キューバの古都、トリニダー

キューバの古都、トリニダー。

16世紀初めにスペイン人によって開かれ、砂糖取引で栄えた植民地時代の雰囲気を色濃く残し、街全体が博物館のようです。「トリニダード」と表記されることもあります。

近郊の大規模サトウキビ農園があったロス・インヘニオス渓谷とともに世界遺産になっています。

☆トリニダーの中心、マヨール広場

Trinidadマヨール広場

ここで砂糖の取引が行われました。周辺には、かつての農園主邸宅など富裕層の旧邸宅が並んでいます。

☆歴史博物館

富裕層の旧邸宅のひとつが博物館として公開されています。トリニダ歴史博物館中庭かつての農園主の贅を尽くした暮らしぶりがしのばれます。

☆サンティシマ教会

マヨール広場の東に立つ教会。
暑い中、街歩きに疲れたら、ここで休むのがいいでしょう。
Trinidadサンティシマ教会2

 

木造の祭壇に聖母像。トリニダサンティシマ教会内部教会横の階段。トリニダ階段ローマのスペイン階段みたいですが、夜はキューバ音楽生演奏付のバー・レストランになります。Trinidad夜のレストラン

☆トリニダーのランドマーク、革命博物館の鐘楼トリニダ革命博物館

もとは修道院だった建物ですが、聖堂がなくなり、今はキューバ革命ゆかりの品々を展示した博物館になっています。

夜のたたずまいは風情あります。Trinidad革命博物館夜

鐘楼に登ると、街全体、そして街の周囲に広がる緑の野原、反対側にはカリブの海まで見渡せます。ロス・インヘニオス渓谷

☆街のベスト展望スポット~ホステル・アマルグル

歴史博物館の鐘楼もいいですが、ベスト展望ポットはここ。ホスタル・アマルグル(Hostal Amargura)の広々とした屋上です。Trinidad-Hostal-Amargura屋上

1階がバーになっており、その脇の階段を上がります。360度のパノラマが広がります。

☆マナカ・イスナガの奴隷の塔

トリニダー郊外、マナカ・イスナガの緑の野原に立つ塔。マナカ・イスナガ塔かつてこのあたりは一面サトウキビ農園で、アフリカから連れてこられた奴隷たちが大勢働いていました。農園主たちは、奴隷たちを見張り、合図を送るための塔を奴隷たち自身に建てさせました。

今はのどかな農村です。マナカ・イスナガ農村現代キューバのいなかのふつうの暮らしをうかがい知ることができます。マナカ・イスナガ農家トリニダーから、
・タクシー
・1日1往復の観光列車
・ツアー
で行くことができます。

☆トリニダーへのアクセス

ハバナからバスで約6時間、1日3便です。

トリニダーのバスターミナルは街の中心近く(マヨール広場から歩いて7~8分)にありますが、ハバナでは旧市街から離れた辺鄙なところにありますので、ホテルまでタクシーを使うことになります。

それを考えると、ツアーを利用するか、現地旅行会社にタクシーを手配してもらうほうが便利です。同じ日に同じ移動する観光客複数で相乗りするわけです。交渉次第ですが、ホテルの前まで送迎してくれます。

バラデロからも同様に行けます。バスで所要4時間半です。

空路であれば、シンフエゴスまで飛んで、そこからタクシーまたはバスになります。シンフエゴス⇔トリニダーはバスで約1時間半です。

 

 

 

 

今、キューバに行こう!

カリブ海に浮かぶ常夏の島、キューバ。
アメリカのフロリダ半島のすぐ南にあります。

スペイン植民地時代の古い街並み、街のいたるところから聞こえてくるダンス音楽、手つかずの大自然、美しいビーチなど魅力たっぷりな国です。

キューバ旅行徹底ガイド⇒こちらへ

☆時が止まったようなハバナの旧市街

首都ハバナの魅力のほとんどは旧市街にあります。
ハバナは「カリブ海の真珠」と呼ばれています。
ヤシの木が茂る、いかにも南国っぽいアルマス広場。ハバナアルマス広場

アルマス広場からセントラル公園まで伸びる石畳のオビスポ通りがハバナのメインストリートです。植民地時代の古い建物が両側にぎっしり建ち並びます。Havanaオビスポ通り

パティオを利用したレストラン、バーがいくつもあります。
ハバナレストラン

オビスポ通りから一歩横道に入ると、キューバ人が普通に住んでいる家屋が連なり、観光客向けのレストラン、ホテル、博物館などと混在しています。

セントラル公園に面して建つガルシア・ロルカ劇場は、今もバレエやコンサートなどに使われています。ハバナ劇場

ビエハ広場。
街をねり歩くバンドがやってきました。フェスティバルやカーニバルの時期限定ではなく、これがハバナの日常とのこと。 ハバナ音楽隊

重厚なバロックスタイルのカテドラル。塔に登れば街全体が見渡せます。ハバナカテドラル

文学ファンには、キューバを愛したアメリカの小説家、ヘミングウェイの足跡を辿る楽しみもあります。⇒こちらへ

大西洋と運河に面して、いくつかの要塞があります。スペインがこの地を奪いにやってくるイギリス対策に建てたものです。ハバナ要塞

この近くに、17世紀初めにこの地に立ち寄った日本の遣欧使節、支倉常長の銅像があります。⇒こちらへ

運河を隔てたカバーニャ要塞から眺める旧市街。 ハバナ全景

上空から見るハバナ市街。ハバナ上空から

☆安くておいしい食べ物

キューバならではの料理がたくさんあります。

これはハバナの観光客向けレストランでの例です。スープ、モヒート、デザートのプリン、コヒーが付いて約¥1,600。キューバ料理1

近くでバンドが演奏を始めます。地元の人たちが行くところでは、さらに安く食べられます。

キューバ音楽の生演奏を聞きながらの食事が楽しい。
キューバ音楽生演奏2

もぎたてのバナナは甘味が多く、日本でふだん食べているのとは別の果物です。1房¥120くらい。キューババナナ

 

☆世界遺産の古都トリニダー

こちらへ

☆キューバは今も社会主義の国

1959年の革命以来、キューバは社会主義の道を歩んできました。

新市街にある革命広場。
革命の英雄、カミーロ・シエンフエゴスとチェ・ゲバラの巨大な肖像が建っています。夜になると2つの肖像だけがライトアップされて闇に浮かびあがります。 Havana革命広場1

広場を見下ろす塔はホセ・マルティ記念博物館。
以前は共産党のオフィスでした。
このあたりに政府の中枢が集まっています。 Havana革命広場2

アメリカと断交前にホワイトハウスに似せて建てられた旧国会議事堂。ハバナ国会議事堂

☆キューバの治安は良い

社会主義で生活水準がある程度平等になっているせいか、のんびりした雰囲気があります。

地方都市やハバナでも郊外には玄関を開けっ放しにしている家屋が多く見られます。暑いというのもありますが、治安の良さもうかがわせます。Trinidad通りのにぎわい

もちろん、観光客を狙うスリ、ひったくりの輩は万国共通にいますから、最低限、自分の持ち物に気を使うことは必須です。

☆近代化前の世界

長らくアメリカと断交していたせいで、今の先進国ではみられないものがキューバには残っています。

人力三輪車のタクシーが観光客のみならず地元の人たちの足になっています。 ハバナ人力タクシー

馬車も移動や物資の運搬に使われています。トリニダ馬車

のどかな農村風景。
ほとんどの家屋にガラス戸はなく、格子窓です。キューバ農村

世界遺産の街、トリニダー郊外の夜9時頃の風景。
暑いので玄関は開けっ放し、近所の人々が軒先で談笑しています。トリニダの夜

☆手つかずの大自然

ハバナから1日エクスカーションツアーが人気のビニャーレス渓谷。ここも世界遺産です。(くわしくは⇒こちらへビニャーレス渓谷

ラム酒工場見学、タバコ工場見学、キューバ料理のランチ、洞窟探検、渓谷が見渡せる絶景ポイントで休憩というメニューで59CUC(2016年5月のレートで¥6,600)。

☆観光産業に力を入れていますが・・・・・

アメリカの経済制裁で苦しい経済状況の中、社会主義政権は観光を国の基幹産業と位置付けて振興を図ろうとしていますが、公共交通機関の整備などまだまだの感があります。

キューバでは珍しい観光アトラクション。
ビニャーレス渓谷1日エクスカーションツアーで訪れる、植民化以前の暮らしの再現。
キューバ原住民の住居の再現2

この先、こういうアトラクションが増えていくのでしょう。飾らない素朴な良さがなくなっていくことの裏返しですが。

☆キューバへの道

キューバと言うと、遠いような感じがしますが、意外とそうでもありません。メキシコ、カナダ、バハマなどカリブ海のいくつかの島を経由することになります。日本からの直行便が飛んでいるトロントかメキシコシティ経由が便利です。時間はかかりますが、パリ、アムステルダム、マドリッド経由もあります。

時差は-14時間。サマータイム実施時期は-13時間です。

また、この先、カリブ海クルーズで立ち寄ることもできるようになるようです。

入国審査は、事前にツーリストカードを取得しておく以外は他の国と変わりありません。キューバ入国審査

2015年、アメリカとの国交回復が話題になりました。今(2018年11月)時点でも経済制裁は続いていますが、これが将来、解除されれば、欧米資本がどっと入ってきて、観光開発が進むことでしょう。

今の素朴な良さが変わってしまう前に訪ねてみてはいかがでしょうか。

皆さんのすてきなキューバ旅にこの記事がお役にたてることを祈っています。では、よい旅を!

 

 

 

キューバの大自然、ビニャーレス渓谷へ

キューバの大自然、ビニャーレス渓谷。
石灰岩が浸食されてできたカルスト地形で、緑に覆われた小さな山がボコボコと並びます。町をはずれると、民家はほとんどなく、原始の自然の姿をそのままとどめています。

ハバナからの1日ツアーに参加しました。

出発

7:30~8:30に各ホテルに設けられた集合場所をバスがまわって客をピックアップします。バスは中国製の大型観光バス。設備は日本のバスと同じです。キューバツアーバス

高速道路を西に向かいます。車窓にはのどかな風景が広がります。キューバの幹線高速道路はよく整備されて凸凹で揺れることはめったにありません。

途中のドライブインで休憩。

キューバのドライブインはこんな建物が多いみたいです。キューバドライブイン

ビナール・デル・リオ市のラム工場を見学

ここに着くのが11時すぎ。中はツアー客でごったがえしていました。キューバラム工場見学テイスティングもできます。ここでみやげにお酒を買う人が多い。キューバラムテイスティング

 

 

 

 

 

 

ハバナからの同じツアーが多数出ているようで、工場前には観光バスがずらりと並びます。
キューバラム工場前

 

 

 

 

 

 

 

 

続いてタバコ農家を見学

ハマキを作る作業を見学できることもあります。キューバタバコ農家

ビニャーレス渓谷の中でキューバ料理のランチ

ビニャーレスレストラン

13:30頃からのランチは、4~6人ずつのテーブルに分かれて本格的なコース料理です。追加をオーダーすることもできます。3CUC(≒¥340)のピナコラーダはアイスクリーム入りで絶品の美味さでした。
キューバピナコラーダ

 

 

 

 

 

 
キューバ音楽の演奏もあります。キューバ音楽生演奏

外は山に囲まれたのどかな田園風景です。ビニャーレスランチ休憩

ビニャーレスの洞窟探検

このあたりの山々はもとは岩で、たくさんの穴があいており、洞窟になっているところもあります。食後にそのひとつを訪ねます。ビニャーレス洞窟探検洞窟をしばらく歩くと地下水脈に達します。船で遊覧して地上に出ます。ビニャーレス洞窟遊覧船近くには、植民地化以前の先住民の暮らしを再現したアトラクションもあります。キューバ原住民の住居の再現

最後は、このツアーのハイライト、ビニャーレス渓谷を見渡す絶景ポイントへ。ビニャーレス渓谷

ハバナへ戻るのは18:30~19:00頃。各ホテルでツアー客を降ろしていきます。2016年5月時点で59CUC(≒¥6,600)です。とても盛りだくさんですが、せかされているような感じはありません。ハバナ滞在の折にはお薦めです。

ツアー申込はハバナの旅行会社へ。市内の大型ホテルのフロントの隣に旅行会社がカウンタを出していますので、到着後に申し込むこともできます。

 

 

 

 

 

ハバナにヘミングウェイの足跡を訪ねる

20世紀アメリカの小説家・詩人、アーネスト・ヘミングウェイ。
1940年から亡くなる直前の1960年までキューバで過ごしました。

邸宅を買う前に長期滞在していたハバナのホテル・アンボス・ムンドス。ハバナアンボスムンドスハバナのメインストリート、オビスポ通りにあり、今も☆☆☆☆のホテルとして営業しています。この511号室が博物館として公開されています。宿泊者以外も2CUC(≒¥230)で見学できます。ハバナヘミングウェイの部屋入り口

当時の部屋がそのまま保存されています。ハバナヘミングウェイのベッド

書棚には日本語の本も置いてあります。ハバナヘミングウェイ書棚筆者が泊った部屋はすぐ隣でした。ヘミングウェイが見ていたのとほぼ同じ景色が部屋から眺められました。ハバナヘミングウェイの隣の部屋ヘミングウェイがよく通った、モヒートの名店、ラ・ボデギータ・デル・メディオ。ホテルから歩いて5分くらいです。ハバナ・ラ・ボデギータ・デル・メディオ今も人気の店で、狭い店内はごったがえしていました。

400年前、キューバにやってきた日本人がいた!

キューバの首都、ハバナに日本人の銅像があります。
ハバナ支倉常長2腰に刀を差し、羽織、袴姿の支倉常長(はせくらつねなが)です。
江戸時代が始まったばかりの1613年、仙台藩主伊達正宗によりヨーロッパとの交易を求めて派遣された支倉常長は、太平洋を渡り、この地を経てスペイン、そして目的地ローマに赴きました。ハバナ支倉常長1この像は2001年に仙台育英学園より寄贈されました。

仙台から11850km。ハバナ支倉常長4

ローマまで8,700km。ハバナ支倉常長3遠い国まで来て、日本のサムライの銅像を見るのは新鮮な体験です。飛行機がなく航海技術も拙かった時代に、こんな大旅行をした日本人に思いを馳せるひとときです。

ハバナ旧市街の北東のはずれ、アルマス広場から運河沿いをプンタ要塞まで歩いていく途中にあります。ヤシの木が茂り、運河の向こうにカバーニャ要塞、モロ要塞を見ながらの気持ち良い散歩道です。ハバナ仙台の祭り現代日本の祭りを紹介したパネルもありました。ハバナの人たちに日本が身近になればいいですね。