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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

海外旅行でのコードシェア便って何?

海外旅行に行く飛行機で「当機はXXX航空とのコードシェア便として運行されています」というアナウンスを聞いたことがありませんか。

空港の発着の電光掲示板で、行き先や出発時間が同じなのに、複数の便名が表示されているのを見て、不思議に思ったことはありませんか。

ここでは、最近増えているコードシェア便とは何なのか、そして、海外旅行でコードシェア便に乗る時の注意点をご紹介します。

☆コードシェアとは

コードシェアは共同運航とも呼ばれ、一つのフライトを複数の航空会社で運航することです。

共同での運航とされてはいますが、実際には、一つの航空会社が運航を行い、その他の航空会社はチケットの販売のみを行うのが一般的です。

これは成田空港のWeb版の発着案内ですが、12:20発のマドリード行きの便名が3つ表示されています。成田空港の発着案内

イベリア航空、JAL、ラタム航空の3社のコードシェア便ということで、表示の最上位の航空会社が運行を担当しています。

つまり、JALでこのフライトのチケットを買った人も、イベリア航空のパイロットが操縦し、イベリア航空の客室乗務員のサービスを受けるということです。

JALでチケット予約する時はこのように表示されています。JAL予約画面

「運行会社Iberia」となってますよね。
これを見落として、チケットを買って搭乗すると、「JALなのになんで客室乗務員がスペイン人ばっかりなの?」と思うことになります。

☆コードシェア便が増えるのはなぜ?

航空会社の内情になりますが、簡単に言うと、航空会社にメリットがあるからです。

航空会社が就航していない海外都市に新規路線を開設するには、そこにオフィスを設けて人を雇うなどのコストがかかります。しかし、その都市に就航している航空会社とコードシェアすれば、その航空会社が運行や空港でのチェックインなどの地上業務も行ってくれるため、コストをあまりかけずに就航先を増やすことができます。

最もよくあるのがこんなパタンです。JALでチェコのプラハへ行く場合のWeb予約ページです。JAL予約画面Praha

JALはプラハへは就航していませんが、ロンドンまでは就航しています。羽田からロンドンまでは自社のJL041で、ロンドンでBAとのコードシェア便JL6541に乗り継いでプラハに到着するフライトです。JALはプラハ行のフライトが頻発しているBAとコードシェアすることにより、自社の顧客がプラハまでJAL便で行けるようにしているのです。London乗継

販売面でも一つのフライトを一社で販売するより、複数社がコードシェアして、各社の販売チャネルを活用して集客するほうが互いに効率がよくなります。

☆利用者にとってのコードシェアのメリット

まず第一に、自国の航空会社で予約して、より多くの都市にフライトできるということです。ヨーロッパの場合、パリ、ロンドン、フランクフルトなどJALやANAが就航している都市だけでなく、これらの都市でそこを本拠とする航空会社のコードシェア便に乗り継いで、他の都市に行くことができます。

上記のプラハ行の場合、ロンドンからプラハまでのコードシェアがなかったとしたら、ロンドンからプラハまでを別途予約しなければならず、羽田で預けた荷物をロンドンで受け取って、再度、預け直さなければならない手間もかかってしまいます。

第二に、マイルの積算ができます。他社の運航便に乗っても、チケットを購入した航空会社のマイルがたまります。但し、積算率は自社運航便より低いことがあります。

上記の例で言えば、成田からマドリードへのイベリア航空便でも、ロンドンからプラハに飛ぶBA便でも、JALのマイルがたまるということです。

 ☆ご注意1:チェックイン

どこの航空会社で予約していようと、海外でコードシェア便にチェックインする時には、そのフライトを運航している航空会社で行うのが原則です。

日本国内でチェックインする場合は、運行を担当する航空会社がJALやANAに地上業務を委託していることが多く、JALやANAでチェックインすることになります。

始めに例でお見せしたマドリード行のコードシェア便の場合、成田空港でこのフライトにチェックインする時には、JALのカウンタで行いますが、帰りのフライトも同じコードシェア便であれば、マドリッドの空港ではイベリア航空のカウンタでチェックインすることになります。

チケット購入時に購入した航空会社(この場合はJAL)から案内されます。これを見落としていると、マドリッドの空港でJALのカウンタを探してもみつからないで困ってしまうことになります。

コードシェア便を予約する時には、どの航空会社のカウンタでチェックインするのか必ず確認しましょう。

☆ご注意2:座席指定

最近、ネットでチェックインや座席指定ができることが多くなっていますが、他社が運行するコードシェア便の座席指定はできないことがあります。空港でチェックインする時に座席指定することになります。

☆ご注意3:荷物のサイズ・重量制限

予約した航空会社ではなく、運行する航空会社の規定に従うことになります。

☆ご注意4:コードシェアの他社運行便でのトラブル対応

頻繁に起きないと思いますが、チケットを買った航空会社で搭乗OKとなっていても、オーバーブッキングなどの事情で、乗継先で他社運行のコードシェア便に乗れないこともあります。

この場合、チケットを買った航空会社は現地でトラブル対応してくれないことがあります。そうなると、自分でそのフライトを運行している会社と交渉してトラブル対応することになります。

筆者は2019年11月、カタール航空でモロッコに行きましたが、カタール航空から搭乗券をもらっていたにもかかわらず、モロッコで乗り継ぎ便に搭乗を拒否されてしまいました。

帰国後、カタール航空にクレームを入れたところ、「乗れなかったフライトはカタール航空ではなく、他社(モロッコ航空)が運行しているので、文句があったらそっちに言ってくれ」と回答されました。

自社で販売しておきながら、コードシェア便で起きるトラブルには責任を持たないという航空会社もありますから、ご注意ください。

☆コードシェア便を賢く使おう

同じ日に同じコードシェア便の予約をしても値段が異なることがあります。

上記の例で言えば、成田からマドリードまでのコードシェア便のチケットをJALで買うのと、イベリア航空で買うのとで、値段が異なるということです。同じカウンタでチェックインし、機内食などの同じサービスを受けるコードシェア便でも、どこで買うかによって値段に差が出るということです。

また、コードシェアの一方の航空会社で満席でも、もう片方の航空会社で買えることもあります。

航空券を買う時にコードシェア便が選択肢に出てきたら、そのコードシェア先の航空会社で売っている値段も見たほうがいいでしょう。

コードシェア便は、ひとつの航空会社の予約で行ける先を増やしているのですが、私たち利用者にとって、より安く航空券を買える選択肢も与えてくれているのです。

コードシェア便を賢く使って、安く快適に旅しましょう。

国際線航空券の賢い買い方については
こちらへ

 

 

 

 

 

ヨーロッパ個人旅行の航空券を上手に買う

ヨーロッパへの旅行計画で総費用の半分以上を占めるかもしれない航空券をどう選択するか? これまで30回近い渡欧経験から、エコノミークラスで短期(3~14日)の期間で観光旅行される方むけのコツをご紹介します。

☆航空券のしくみ

⇒ こちらへ。

☆どんな旅行をしたいかを明確にしよう

航空券を選ぶ際の重要なポイントは、
① スケジュール
② 到着地と帰国地
③ 条件
④ 値段
⑤ 乗継便が遅れた場合の代替便の可能性
⑥ 安全性
⑦ 予約、チェックインなどの地上オペレーションの信頼性
⑧ 客室乗務員、機内食
になるでしょう。

航空会社のWebページや旅行会社で、航空券を買う前に必ず明確にしておくべき要件は①②③です。

例えば、
「1月10日から17日までイタリアのフィレンツェとローマに行きたい」
というと、旅行会社が航空会社から最も多額の販売手数料をもらえるエアラインで予約可能な航空券を提案されることがあり、こちらの望む旅行ができない可能性があります。

☆スケジュールを決めよう

まずですが、朝出発して当日中に着きたいか、夜行で翌日早い時間に着きたいか、を決めましょう。

旅行に使える期間の余裕が少ない方は、仕事を終えたその日のうちに飛び立って、翌朝なるべく早い時間に着いたほうが、現地滞在時間を長くできるというメリットがあります。夜行便の経由地は2020年1月時点で、フランクフルト(ANA・ルフトハンザ)、パリ(エールフランス)、ロンドン(JAL)、ウィーン(ANA)などの選択肢があります。

一方、出発を慌ただしくしたくない方は、朝、出発してその日のうちに目的地に到着するほうがいいでしょう。出発&到着日の夜に決まった予定(音楽やスポーツイベントに行くなど)がある方は、なるべく早い時間に目的地に到着するエアラインを選ぶ必要があります。

帰りも同様です。なるべく休暇期間を有効に使いたい人は、休暇最終日の夕方帰国、出社する前に自宅で休みたい人は休暇最終日の朝、または、その前日の夜に帰国できるフライトを選びましょう。

☆到着地と帰国地を決めよう

については、目的地が複数あるならば、行きの到着地と帰りの出発地を別にしたほうが無駄な移動をしないですみます


例えば、行きはフランクフルト経由でフィレンツェに到着し、イタリア国内を列車やバスで移動しながら観光し、帰りはローマからミュンヘン経由で帰国するということもできます。

到着地と帰国地を別にしたために、航空券の値段が跳ね上がるわけではありません。行も帰りもローマにして、フィレンツェとを往復するのは時間の無駄です。

☆なるべく安く買おう

については、旅行時期、航空会社、経路、キャンセル・変更の条件などによって航空券の値段は千差万別です。

・夏は冬より高い
・日本⇔ヨーロッパ主要都市の座席数が多いエアラインほど安い
・土日祝日の出発帰国が絡むと高くなる
・経由便か直行便かは値段に関係ない
・キャンセルや変更の制約が緩いほど高い

というのが凡その傾向ですが、旅行日が1日違うだけでも大幅に変動することもありますので、自分でエアラインのWebページに旅程を入力して比較するか、旅行会社に尋ねましょう。

こまめに見ているとキャンペーン価格の掘り出し物に出会えるかもしれません。

さきの旅行会社への依頼内容は、

「1月10日の朝、成田か羽田を出発し、なるべく早い時間にフィレンツェに着く。帰りは16日のなるべく遅い時間にローマを出発して、翌17日中に成田か羽田に帰ってくる航空券で、最も安いのを買いたい。但し、急な仕事で行けなくなった時のために、キャンセル全額チャージはやめてほしい。」
という言い方になります。

☆航空券の条件は必ず確認しよう

予約する前には必ず条件を確認しましょう。最安チケットは「キャンル不可」であることがあります。急な仕事や体調不良で旅行を中止せざるをえない場合も考慮すると、いくらか(¥30,000が多い)払ってキャンセルできる航空券にしておいたほうがいいと思います。

マイレージをためている人は値段見合いで、たくさんたまる条件の航空券を買ったほうがいいでしょう。

☆帰国便が遅れた時の対策も考えよう

は、休暇の最終日に帰国する予定を組む人で、もし予定通りに帰国できないと困る人が気にする必要があります。

例えば、フィンランド航空で、ローマ→ヘルシンキ→成田 という帰りの旅程を組んでいる場合に、もし、ローマ→ヘルシンキが遅れて、ヘルシンキ→成田への乗り継ぎに間に合わなくなったらどうするかの対策を考えておくということです。

この例では、ヘルシンキ→成田はコードシェア含めて1日2便ありますが、ほぼ同時刻の出発時刻なので、間に合わない場合は翌日の同フライトにされてしまいます。

そうなると、翌朝、成田に着いてから、会社に「休暇の帰国のフライトが遅れたので、出勤が遅れます」という電話をしなければならなくなります。この旅程ではリスクヘッジ不可能ということです。これで職場内の立場が危うくなる方は要注意です。

一方、エールフランスで、ローマ→パリ→成田 という旅程の場合、ローマ→パリが遅れて、パリ→成田に乗り継げなくなった場合は、同日の遅い時間にコードシェアのJAL便、さらに後に羽田行きもありますので、空きがあれば、到着時間は遅れるものの予定通りの日に帰国できます。 これはローマ→パリ→成田が一本の予約で組まれていることが前提です。

ヨーロッパ域内のフライトは日本からのフライトで選択した航空会社ではなく、子会社・関連会社が運行していることが多く、さらにLCCであることもありますので、遅れる可能性は日本との往復フライトより高いと思っておいてください。

帰国便のトランジット時間があまりに短い旅程も避けたほうがいいです。空港によっては、同じ航空会社、同じアライアンスでも、相当な距離を歩かされます。

ローマ→パリ→成田の例では出国審査はローマではなくパリで受けます。最近、ヨーロッパ諸国は不法移民対策に神経をとがらせていますので、出国審査に長蛇の列ということもあります。乗継便が遅れると、乗継空港でダッシュしなければならなかったり、帰国便に間に合わなく可能性もあります。

最近、費用を抑えるためにLCCを利用する方が増えてますが、要注意です。

例えば、さきほどの例(ローマ→パリ→成田で帰国する場合)で、ローマ→パリを安くあげるためにLCCを使っていたとしましょう。LCCは機材の稼働率を上げるために多頻度のフライトをしてますので、ひとつの遅れが後に影響することが多くなります。ローマ→パリが遅れて、パリ→成田に間に合わなくなった場合、パリ→成田のチケットは無効になり、買い直さなければならなくなります。(値段の高いブッキングクラスの場合は後のフライトに振り替えてもらえますが) 片道とはいえ、ノーマルかそれに近い値段になります。

パリ⇔成田往復を11万円で買ったのに、帰国便に乗り遅れたがために、20万円以上の帰国チケットを買うはめになるということです。気をつけましょう。

☆その他

はぶっちゃけ気にしていても仕方ないですが、テロに巻き込まれないか心配で心配でたまらないという方は、国際紛争に関与している国のエアラインは避けたほうがいいです。

は、最近はどこのエアラインでもしっかりしてますが、エアラインから直接購入する場合は、日本国内のコールセンターの受付時間をチェックしておいたほうがいいです。夕方5時をすぎたら本国にかけないとつながらないようなのは困ります。

はこだわりのある方以外は気にしなくていいです。

以上いかがでしたでしょうか。多くの人にとって、ヨーロッパを旅行できるのは貴重な機会です。こちらの都合に合った時間に出発・帰国できるよう、乗継地でムダなトランジットの時間を過ごさなくていいように航空券は正しく選びたいものです。

リラの僧院:ブルガリアの山奥にたたずむ祈りの世界

ブルガリア正教の総本山、
リラの僧院(Rila Monastery)は
首都ソフィアから南へ約65kmの山奥にひっそりたたずんでいます。うっそうとした森林の曲がりくねった道の先に突然現れる不思議な世界です。Rila周囲の山々

4階建ての外陣に囲まれた敷地の真ん中に建つのが「聖母誕生教会」。Rila外陣

Rila聖母誕生教会

アーチをくぐると外壁の壁面と天井は極彩色のフレスコ画でいっぱいです。Rilaフレスコ画

教会内は上下左右、宗教画に囲まれた荘厳な世界です。東方正教会の教会の常で、正面にはイコノスタス。イコン(キリスト、聖母、聖者たちを描いた絵画)が埋め込まれた壁です。ここのイコノスタスは黄金に輝いています。Rila僧院内部

 

内部は撮影禁止なので、外から望遠で撮りました。

リラの僧院の建物は19世紀に火災で焼失し再建されたものですが、唯一、焼失を免れたのが「フレリョの塔」で、1階がみやげ物屋になっています。Rilaフレリョの塔

敷地を取り巻く外陣にはたくさんの部屋があります。多くには修道士が住んでいて入れません。ここまで来る観光客は少ないのでひっそりしています。Rila外陣回廊

歴史博物館になっているところだけは入れます。Rila博物館

リラの僧院に入るのはタダですが、ここだけは有料です。

☆リラの僧院への行き方

ブルガリアの首都ソフィアからリラの僧院への直通バスは1日1往復、発着時刻はときどき変わります。所要3時間でリラの僧院には1時間半~2時間滞在できます。

僧院近くのリラ村までは、ブラゴエフグラッドなどからバスがたくさんありますが、村から僧院までは1日数本のみです。

つまり、公共交通機関を使ってリラの僧院に行くのはかなり不便です。そこで、ソフィアの旅行会社が主催するツアーで行くのが便利ですが、現地の物価からするとかなり高めの料金設定です。行って帰るだけでも50€以上、少人数だとさらに高い。食事付になると100€以上になります。

ツアーを選ぶ際には、リラの僧院での滞在時間を確認しましょう。往復5時間かかり、行きの道路事情などで到着が遅れることもありますので、食事時間を除いて最低でも2時間は確保したいところです。

リラの僧院の門の前は観光バスがずらりと並びます。Rila観光バス

敷地の中は多くの観光客で賑わいます。静かな祈りの世界を期待して行くとがっかりしますが、ブルガリア随一の観光スポットですから仕方ありません。

☆リラの僧院で泊る

僧院の宿坊で泊れます。リラ村から僧院までの道すがらにも数軒の宿泊施設が点在します。観光客が去って、修道士だけが残る静寂の中で祈りの世界を味わえます。

☆お食事処

駐車場近くにレストランが2軒あります。ソフィアからのツアーは似たような時間に着いて出発するので混み合います。飲み物だけなら敷地の中でも売っているところがあります。

滞在時間が短い場合は、軽食を持参することをお薦めします。

☆ご注意

リラの僧院は観光地である前に祈りの世界ですから、着るものには気をつけてください。Rila禁止物

リラの僧院はブルガリアの精神文化の故郷とも言える重要なところです。オスマン帝国支配下にあった長い時期にも、山奥のここだけは、キリスト教の宗教活動が黙認されていました。1983年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

アクセスは不便ですが訪れる価値は十分です。

ブルガリアのバラ祭り

日本ではヨーグルトのイメージが強いブルガリアですが、国を代表する産物は「バラ」です。そして、バラ祭りはブルガリアの一大イベントです。Kazanlakバラの花

ブルガリアの中央部を走るバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈の間の谷は、バラの産地として有名で、バラの谷と呼ばれています。バラ摘みの時期5,6月には、バラの収穫を祝うフェスティバルが行われます。

その中でも大規模なのは、バラの谷の中心の街、カザンラク(Kazanlak)のバラ祭り。6月第1週末の金土日の3日間、さまざまなイベントが開かれ、世界中から観光客が訪れます。

☆バラ摘み

カザンラクから北に約5kmのバラ園で、バラ摘みイベントが最終日の午前中に行われます。

☆国際フォークロア・フェスティバル

バラ祭りに合わせて、ブルガリア国内および近郊諸国から招かれた舞踊団が、それぞれの民族衣装を着て、伝統舞踊や演奏を披露します。

街の中心、セヴトポリス広場の真ん中に特設ステージが設けられ、バラ祭りの3日間に渡って開催されます。Kazanlak民俗舞踊2

無料で観れ、ステージの周りに人垣ができます。Kazanlak民俗舞踊1

☆バラと民族舞踊のパレード

バラ祭りが最高潮に達するのが3日目のお昼すぎ。カザンラクの中心の通りで、バラをたくさん積んだ車や、民族衣装を着た国際フォークロア・フェスティバルの参加者たちがパレードします。

臨時の観覧席が設けられます。Kazanlak大通り仮設スタンド

招待席や有料席かと思いましたが、一部を除いては早い者勝ちで座れます。

パレードの主役になるのは、バラ祭り初日に(おそらく地元から)選出されるバラの女王。ミスXXXと同じですね。Kazanlakバラの行進

Kazanlakばらふぶき

民族舞踊団も自分たちの民族音楽に合わせ、さまざまな伝統衣装で現れます。これはお隣のルーマニアから。Kazanlak民俗舞踊団行進1

これはどこかな? キリル文字だけでアルファベット表記がないこともあります。Kazanlak民俗舞踊団行進2

☆バラ物産展

民俗舞踊が披露されるセヴトポリス広場から北東に延びるイスクラ通りは人でごったがえします。この通りを中心に、バラを使った様々な雑貨、コスメ、お酒などを販売する屋台が出ます。Kazanlakイスクラ通り

広場からこの通りを20mほど行った左側にバラ祭りのインフォメーションセンターがあります。ここで全体のプログラムを入手できます。(ネットからもダウンロードできます。)Kazanlakバラ祭りプログラム

バラ祭りはバラ物産展でもあります。
ここではローズワインのテイスティング&販売をしていました。ブルガリアのローズオイルの世界シェアは7割とのこと。
Kazanlakローズワイン

 ☆バラ祭り以外のカザンラクの楽しみ

街の北東の公園内にある「トラキア人の墳墓」は世界遺産になっています。この地にスラブ族が定住するはるか以前に住んでいたトラキア人たちが描いたフレスコ画が残っています。セヴトポリス広場から徒歩約10分です。Kazanlakトラキア人

入口は狭く、一度に入場できるのは数人なので、団体と重なるとかなり待つことになります。Kazanlakトラキア人入口

トラキア人の墳墓の隣にある民俗博物館では、19世紀のブルガリア農村の家屋とその中での生活が再現されています。Kazanlak民俗博物館

ローズジャムとローズリキュールも味わえます。 Kazanlakローズジャム

 ☆カザンラクへのアクセス

ソフィアから電車、バスで3時間半~4時間ですが、1日3本ずつしかありません。

プロウディフから1日1便、ヴェリコ・タルノヴォからの1日3便のバスもあります。

以上2017年6月の情報で、2017年のバラ祭りの週末にも増発はありませんでした。

バスターミナルと駅は街の中心セヴトポリス広場から南へ歩いて10分ほどにあります。

カザンラクのバラ祭りは、年一回きりの一大イベントで、小さな街に多くの観光客が押し寄せます。しかし、カザンラクとその近郊の宿泊施設の数は多くないので、寝る場所を確保するのが難題です。早期の予約が必須です。もしくは、料金は高いですが、ソフィア発のツアーでカザンラクまでの移動とホテルをセットで確保するのもいいでしょう。

皆さん、良い旅を!

モロッコの迷宮都市フェズを歩く

モロッコの古都フェズの旧市街(メディナ)。
城壁に囲まれた巨大迷路です。
こんなところは世界中にフェズだけでしょう。

どのようにしてこんな迷宮都市ができたの話は他に譲るとして、ツアーに入らず、フェズの迷路を歩き回りながら、あちこちにあるイスラム芸術の粋を楽しむ方法をご紹介します。

いくつかの危険に気をつけていれば、エキゾチックな雰囲気に中でアドベンチャー気分を満喫できます。

☆入口のブー・ジュルード門

フェズの鉄道駅やバスターミナルのある新市街から来ると、ここが迷路の入口です。迷路を歩く起点で、迷ったらここに戻りましょう。Fezブー・ジュルード門表

夜遅くまで人通りが絶えず賑やかです。Fezブー・ジュルード門表夜

旧市街の内側は色合いが違います。Fezブー・ジュルード門裏

このブー・ジュルード門から下り道のメインストリートが2本、カラウィン・モスクまで続き(途中で合流する)、そのまわりに枝葉のように小路が張りめぐらされているのが、フェズの迷路のおおよその作りです。そして、フェズの見どころのほとんどがこの間にあります。

門を入って、2本のメインストリートのうちの左(北)側のタラア・ケビーラ通りを行くと、すぐに屋根付きの商店街です。主に食品を売っています。Fesケビーラ通りの商店街

さらに50mくらい進んだ右側に入口があるのが、

☆ブー・イナニア・マドラサ

14世紀にできた神学校です。
中庭の壁に描かれた幾何学模様のモザイクがすばらしい。
Fesブーイナニアマドラサ

ここは朝早くから開いていますので、観光客が来る前の朝の早い時間に来るのがお薦めです。Fezブー・イナニア・マドラサ2

さらにケビーラ通りを歩いていくと、通りの先にカラウィン・モスクのミナレットが見えてきます。Fezカラウィンモスクの塔

夜になると風情が増します。Fezカラウィンモスクの塔夜

☆カラウィン・モスク

2000人収容の巨大モスクですが、建物の密集した中に、他の建物との間隔がほとんど無く建ってますので、その巨大さは実感できません。狭い道の片側に高い壁がそそり立っているだけです。入口を見つけて初めてここがモスクだとわかります。Fezカラウィンモスク

モロッコではイスラム教徒以外はモスクや霊廟に入れないので、入口からのぞきこむしかありません。

☆アッタリーン・マドラサ

イスラムの繊細な彫刻を間近に観るには神学校(マドラサ)です。カラウィン・モスクの隣にあるアッタリーン・マドラサ。Fezアッタリーン・マドラサ1

ブー・イナニア・マドラサより小さいものの、中庭を取り巻く部屋の壁面の彫刻はみごとです。近寄って観ると、その繊細さは人間業とは思えないほどです。Fezアッタリーンマドラサ3

学生の宿泊部屋になっていた2階の小部屋から中庭を見下ろす。Fezアッタリーンマドラサ2

☆ザウィア・ムーレイ・イドリス廟

ここも中に入れませんが、外からでも厳かな雰囲気をうかがい知れます。Fezザウィア・ムーレイ・イドリス廟

☆フェズを見下ろす

フェズの迷路のようなメディナは城壁に囲まれています。Fez城壁

この城壁の外(北側)にある高台からメディナを見下ろせます。ブー・ジュルード門のある丘から東に向かって傾斜した斜面にぎっしり建物が密集している様がよくわかります。Fez全景

CTMバスターミナルから城壁に沿った広い道の歩道を歩いていくのですが、標識がないので、登り口をみつけにくい。上部が階段になっているところを探しましょう。「地球の歩き方」には240m徒歩3分と書いてありましたが、早足でも5~6分歩きます。

夕暮れ時に登ると、時間の経過とともにメディナの色あいが変ってゆき、ところどころに明かりがともっていくのがきれいです。Fez全景夕暮れ

☆治安は大丈夫か

ブー・ジュルード門からカラウィン・モスクまでの2本のメインストリートを歩いているだけなら、夜遅くまで人通りが多いので独りでも危険はないでしょう。但し、あちこちで声かけてくる輩に連れていかれない限りです。人通りの少なく、両側が壁だけの細い路地にはなるべく入らないほうがいいと思います。

フェズのメディナの中には観光客からお金をふんだくってやろうという輩がたくさんいます。たくさんの人たちが声をかけてきますが基本的には無視しましょう。特に片言の日本語で声かけてくる輩、押し売りガイド(後述)を相手にしてはいけません。

地元の人たちと交流するのが旅の醍醐味ではありますが、メディナの中ではこちらから相手を選ぶ必要があります。選び方は慣れるしかないのですが、まずは、商店の店員でしょう。仕事中なので、こちらをだましたり、つきまとってくる余裕はないからです。但し、しつこく売り込みをしてきたら、即刻会話を打ち切ってその場を離れましょう。

☆注意!押し売りガイド

道に迷ったら、「Where is Blue Gate?」とか「Where is Bab Boujloud ?」と尋ねましょうなどと書いてあるガイド本がありますが、メディナでは道を尋ねないほうが無難です。

こちらが道を尋ねなくても、「Close,Close」と言って寄ってくる輩がいます。ほとんどは男性で、この先は道が閉鎖されているから、行きたいところへ自分が案内してやるというのですが、ついていくと、目的地に着いたところで多額の金を請求されます。

サイフを出したら、数万円相当を持ち去られたこともあるそうです。筆者は100円相当のコインを渡してその場を立ち去りました。人通りが多いところだったので逃げ切れましたが、人気のない場所だったら、つきまとわれたでしょう。

迷ってしまってどうしても尋ねざるを得ない時は、商店で店員とおぼしき人にしましょう。その場合でも、こちらが話しかけた相手が返答できないと、横から押し売りガイドが割り込んでくることがありますが、敢然と無視しましょう。

☆道に迷ったら

狭い路地に入って方角がわからなくなったら、先に進むのを諦めてメインストリートに戻りましょう。ところどころに「Bab Boujloud 」(ブー・ジュルード門)の方向を矢印で示した標識がありますので、困ったらこの標識を探しましょう。

☆フェズへの行き方

モロッコ旅のゲートウェイとなるカサブランカから電車で4時間、バスで5時間かかります。それぞれ1日数本あります。フライトは所要1時間ですが、本数が1日1,2本です。

モロッコ旅のもうひとつの人気都市マラケシュからはさらに長い時間がかかります。

筆者のお薦めは、モロッコ旅でサハラ砂漠を訪れる際に、出発地か帰着地のいずれかをフェズにするということです。砂漠へのツアーを催行している旅行会社の多くでオプションとしてこのような行程が組めるようになっています。

筆者の場合は、マラケシュ発の2泊3日のツアー代金が950DHで、追加で400DH払って、帰りをフェズにしました。

ツアー参加者18人中、筆者含めて3人がこのパタンでした。サハラ砂漠の入口メルズーガから、途中で数回の休憩を含めて約9時間でフェズに着きました。(サハラ砂漠ツアーについては⇒こちらへ

☆おしまいに

世界遺産にもなっている、エキゾチックなフェズのメディナの狭い路地をさまよい歩くのは楽しいものです。モスクや霊廟には入れなくても、街歩きだけで様々なイスラム芸術を目にできます。

これはネジャリーン広場の泉。Fezネジャーリン広場

この記事が、皆さんのフェズの迷宮歩きのお役に立てれば幸いです。

 

メルヘン!モロッコの青い街、シャウエン

シャウエン!
モロッコで不思議な街を訪れました。

家の壁、道、階段など街中が水色から深い青色まで、多彩な青で染められています。歩いていると、幻想的と言うか、メルヘンティックと言うか、不思議な気分になります。場所によっては海の底にいるようです。

☆シャウエンはどこにあるか

シャウエンはモロッコ北部にあります。ジブラルタル海峡から直線距離にして90kmくらいです。ヨーロッパからも近いんです。⇒地図

☆青の迷宮をさまよい歩く

シャウエンは山の中腹にへばりつくような小さな街です。正式名称を「シェフシャウエン(Chefchaouen)」と言い、地図やバスの行先表示でこう表記されます。シャウエン全景

モロッコの街はたいていどこも旧市街(メディナ)と近代になってから築かれた新市街に分かれていますが、シャウエンの青い街はメディナです。

狭い通りが入り組んで迷路のようですが、シャウエンは小さな街なので、フェズやマラケシュほど複雑ではありません。シャウエン細い路地

モロッコはイスラムの国ですから、シャウエンにもいくつかのモスクがあります。モスクは夜になるとライトアップされ、街を染める青とのコントラストが鮮やかです。シャウエン夜のモスク

シャウエンは山の中腹にあるので、街の中にかなりのアップダウンがあります。

下のほうはウタ・エル・ハマム広場(Place Outa El Hammam)を中心にした繁華街で、通りの両側にはホテル、レストラン、みやげ物店、絨毯屋などが建ち並びます。シャウエン通り

アートギャラリーもありました。シャウエンアートギャラリー

ウタ・エル・ハマム広場に面したテラスでの食事がお薦めです。夜遅くまで賑やかで、周囲の建物のライトアップがきれいです。シャウエンウタエルハマム広場

広場に面したカスバ(城塞)。シャウエンカスバ

ゲートをくぐるわくわく感がいいですね。入ると広場の賑やかさとは一変した静寂に包まれる中庭に出ます。シャウエンカスバ中庭と塔

塔には登れば街と背後の山々の絶景が見渡せます。シャウエン山の中腹のメディナ

シャウエンの街の上のほうは住宅街になっていて、上に行くほど観光客は少なくなります。

狭い路地の間から、山の上に建つモスクが見えます。シャウエンスペインモスク遠景

スペインモスクはシャウエンの街全体を見下ろす絶景ポイントで、夕方には多くの人が訪れます。新市街と反対側のオンサー門(Bab El Onsar)を出て、20分くらい坂道を登ります。シャウエンオンサー門

但し、写真を撮るには、夕暮れ時は逆光になるので、午前中の早い時間のほうがお薦めです。筆者はそれでも途中まで行ってみました。シャウエン夕暮れ

シャウエンでおもしろいのは、街中を多数のネコが闊歩していること。人に慣れていて、近寄っても逃げません。 シャウエンねこ

 ☆シャウエンへの行き方

観光で訪れるモロッコの主要都市からシャウエンへ行くにはかなり時間がかかります。鉄道は通っておらずバスだけです。

モロッコの玄関口、カサブランカからは、国営CTMバスで首都ラバトを経由して所要6時間半ですが、1日1本だけです。

フェズからはCTMバスで所要4時間半、1日3~5本あります。フェズ⇔シャウエンは混み合うので、乗車日前にネットかバスターミナルでチケットを買っておいたほうがいいでしょう。モロッコの国内交通の料金は安く、フェズからシャウエンまで75DH(≒¥850)でした。FesChefchaouenBusTicket

シャウエンは地中海から近く、ジブラルタル海峡に面してスペインとの船便が出ているタンジェ(Tanger)からはバスで約3時間なので、スペイン旅行の途中に海峡を渡ってシャウエンに立ち寄るというのもありでしょう。スペインのアルヘシラス、セウタからジブラルタル海峡を渡る船便はかなりの数あります。スペインの主要都市(マドリッド、セビリアなど)からアルヘシラス、セウタへは鉄道、バスで簡単に行けます。

タンジェからシャウエンは、2019年12月時点で直通が1日3本あり、ティトゥアン(Tetouan)乗り換えでさらに数本あります。

シャウエンのバスターミナルは新市街にあり、メディナの入り口アイン門まで1.1 kmで歩けない距離ではありませんが、バスターミナルからはかなり急な登り坂なので、到着時に重い荷物を持って歩くのは厳しいでしょう。タクシーの料金は交渉ですが10~20DHです。高くても200円ちょっとなので利用したほうがいいと思います。

城壁に囲まれたメディナへは車は基本的に入れないので、タクシーに乗る時に「メディナへ」と言うと、たいていはアイン門(Bab El Ain)で降ろされますが、街の中心ウタ・エル・ハマム広場に隣接するデブナット・エル・マクゼン広場(Place Debnat El Makhzen)までは車が入れますので、宿泊場所によってはこちらのほうがいいでしょう。

↓新市街からメディナに入るアイン門。この小さな暗闇を抜けると、いきなり目の覚めるような青の世界が広がります。シャウエンアイン門

☆おしまいに

シャウエンはモロッコでは人気の観光地ですが、フェズやマラケシュのように観光客につきまとって金を巻き上げようとする輩がほとんどいないので、気持ち良く青の迷宮を歩き回れます。

メディナの中には多くのホテルがありますので、青の迷宮の中で泊って、日が暮れてところどこがライトアップされる中を歩いてみると、昼間とは違った美しさが感じられます。観光客がおらず、店が閉まっている朝早くに繁華街を歩いてみるのもおもしろい。

シャウエンへのアクセスは便利とは言えませんが、訪れる価値の街です。

良い旅を!

 

 

 

 

 

サハラ砂漠でラクダに乗る

アフリカの3分の1を占めるサハラ砂漠。
日本にはない世界で、
大自然の雄大さに感動します。 Moroccoサハラ砂漠の夕暮前

どこまでも続く砂の小山が、日が傾くにつれて、その色合いを変えていきます。Moroccoサハラ砂漠の夕暮れ

☆ラクダに乗るMoroccoサハラ砂漠ラクダの列

ラクダは数頭が連結されていて、ラクダ使いが先頭を歩きます。サハラ砂漠は意外とアップダウンがあり、下りでは落ちないように手すりを強く握ります。平坦な箇所と時々停まる時がシャッターチャンスですが、手を滑らせて落とさないように要注意です。

自分たちのラクダの隊列のシルエットが映ります。まるで映画のワンシーンです。Moroccoサハラ砂漠ラクダに列の影

約1時間歩いて砂漠のど真ん中でいったんラクダを降りて、20分くらい、日の入りを眺めます。その後、再びラクダに乗って、暗くなる中をキャンプに向かいます。

☆サハラ砂漠のテントで泊る

サハラ砂漠の中には観光客向けのキャンプ地がいくつもあって、そのテントで泊ります。Moroccoサハラ砂漠テント村

いちば大きなテントでディナーです。メインメニューはモロッコ料理の定番、タジンかクスクスです。Moroccoテントで食事

ディナーの後は、たきぎを囲んで、地元ベルベル人の奏でる地元の音楽を聴きます。Moroccoサハラ砂漠のベルベル人

テントには寝るだけでベッドが3つ置かれています。筆者が訪れたのは11月末で、毛布をかぶって寝ましたがかなり冷えました。トイレ、水洗い場は別のテントにありました。Moroccoサハラ砂漠のテント

☆ラクダたちは夜、どこにいる?

昼間はラクダ使いに率いられて観光客を乗せているラクダたちですが、夜はどこにいるのか?不思議に思いました。 砂漠の中ですから牛舎や馬小屋みたいなものはありそうにありません。

朝、見つけました。
駐車場ならぬ駐ラクダ場。Moroccoサハラ砂漠駐ラクダ場

砂漠の真ん中に放置されていました。ラクダ使いのベルベル人は近くにいませんでしたから、きっとお家に帰ったのでしょう。Moroccoサハラ休むラクダ

放置されたら、砂漠の中をどっかに逃げちゃいそうですが、逃げないしくみがありました。Moroccoサハラ縛られるラクダ

ラクダの片足の膝をヒモで縛ってあるんですね。
夜のサハラ砂漠は冷えますから、かわいそうに。

☆サハラ砂漠への行き方

サハラ砂漠の入り口メルズーガ(Merzouga)までバスやタクシーを乗り継いで行き、ホテルに泊まって、さまざまなアクティビティに参加することはできますが、最も手軽なのが、マラケシュ(Marrakech)、フェズ(Fez)、ワルザザート(Ouarzazate)からのツアーに参加すること。

筆者は、サハラ砂漠観光で最もよく使われるマラケシュ発の2泊3日のツアーで行きました。移動は十数人乗りのバンです。参加人数によってバンの大きさが変わります。Moroccoサハラ砂漠へ行くバン

ほとんどのツアーが、サハラ砂漠までの観光スポットに寄りつつ、2日目の日の入り直前に砂漠の入り口に到着し、ラクダに乗って日の入りか日ノ出、またはその両方を観て、3日目はひたすら帰るというパタンです。

サハラ砂漠ツアー:1日目

早朝にマラケシュを出発し、つづら折りの山道を走ってアトラス山脈を越えます。 この山脈を境に景色は一変します。Moroccoアトラスつづら折りの道

世界遺産のクサル(要塞化された村)、アイト・ベン・ハッドゥ(Ait Ben Haddou)を訪れます。 Moroccoアイトベンハッドゥ遠景

カスバ(城壁で囲まれた要塞)が点在する道を進み、タデス渓谷の崖が迫るホテルで宿泊します。Moroccoタデス渓谷ホテル

ツアーによっては、ワルザザートやその近辺の街で泊ることもあります。

サハラ砂漠ツアー:2日目

荒涼とした景色の中を進みます。だんだんと緑が少なくなっていき、サハラ砂漠に近づいていることが実感されます。Moroccoサハラ砂漠への道

トドラ渓谷の中のオアシスのような場所を散策し、ベルベル人の絨毯工房を訪れます。ミントティを飲みながらの実演販売になります。Moroccoトドラ渓谷の絨毯工房

トドラ渓谷の奥まったところで休憩&ランチします。 Moroccoトドラ渓谷

日の入り直前にサハラ砂漠の入り口に到着します。ここでラクダに乗って、砂漠の中のキャンプ地のテントで泊るのに必要な物だけを持って、4WD車に乗り換えます。しばらく走ったところにラクダが待っています。Moroccoラクダ乗り場

ツアーによって、ホテルに荷物を置いておける場合とバンに荷物を残す場合とがあります。

サハラ砂漠ツアー:3日目

3日目の朝はツアーによって、また、季節によって異なります。

砂漠の中のキャンプ地のテント泊ですから、朝、近くの小山に登って日ノ出を観ることはできます。但し、11月~1月は日の出時刻が8時の朝食時間と重なってしまいます。

朝食後、バンが待っている駐車場まで再度ラクダに乗っていくツアーもありますが、筆者のツアーは4WDの車でした。ツアーによっては各自で選べることもあります。

その後、1日かけて約700kmに道をマラケシュに戻ります。追加料金を払ってフェズに行くオプションもあります。筆者がフェズに着いたのは夜7時頃。途中ランチを挟んで約10時間の長旅でした。

バンの運転手さんにもよりますが、景色の良いところで止めてもらい、写真タイムにすることもできます。

☆サハラ砂漠ツアーの申込方法と費用

マラケシュのフナ広場周辺、フェズのメディナにはたくさんの旅行会社があって、サハラ砂漠ツアーの看板を掲げています。

筆者が使った「Sabaku Tours」は日本語を話せる人がいて、フェースブック上に自社ページを開設しており、メッセンジャーでの日本語のやりとりで申込みが完結しました。ツアーの確認書は英語でした。

基本が950DH(≒¥11,000)で、フェズに行くオプションが350DH(≒¥4,000)でした。これで移動のすべて、2泊2食、キャメルライド、砂漠までに立ち寄る観光地のガイド(チップは別途)も含まれていました。

ツアー会社によって同じ2泊3日でも値段にはかなりの幅があります。1万円以下のもあれば、「地球の歩き方」に載っている「Ksour Voyages」は2人参加で約5万円します。

ツアー当日の朝、ツアー会社の人が宿泊先ホテルまで迎えに来てくれて、バンが集まっている場所に向かい、そこで料金を支払います。

バンに乗っている時間は長く、食事の時は同じテーブルですから、世界各地から来ている人たちと旅情報の交換などいろんな話をするのは楽しいものです。

道路は基本的に舗装されていて、バンはエアコン付ですので、景色を眺めながらの快適な旅が楽しめますが、ところどころに埃のまうデコボコ道もあります。Morocco埃まう道

☆サハラ砂漠ツアーの持ち物

バンの収納スペースは十分で、スーツケースを持ち込んでもOKでしたが、申し込む時に念のために確認したほうがいいでしょう。

バンでアトラス山脈を越える時に、つづら折れの道を登り降りしますので、乗り物酔いしやすい方は酔い止め薬

きれいなトイレは少ないと聞いていましたが、休憩場所も砂漠のテントも水洗トイレで、慣れないアラブ式はごく一部でした。但し、トイレットペーパーがないところもありますので、ティッシュは多めに持っておくほうがいいでしょう。

サハラ砂漠では強風で砂嵐になることもありますので、マスクリップクリームカメラやスマホ用の防塵ケースもあったほうがいいでしょう。

サハラ砂漠では、マラケシュやフェズ以上に昼夜の寒暖差は大きいので、暑い季節でも1枚余計に羽織るものを持っておくほうがいいでしょう。

☆注意点

休憩場所の売店でペットボトルのをこまめに買いましょう。ランチも夕食の時も水は基本的に出ません。特にサハラ砂漠に入ってからは水を買うところはありませんので、夕方から翌日の昼頃までもつように多めに買い込みましょう。

モロッコでは、観光客から金を巻き上げようとあの手この手で近づく輩が多く、ぼったくりに遭った話をよく聞きます。ツアーに入っていれば基本的に問題ないのですが、3日目にフェズに行く方は、ツアーに関係ない人(現地ガイドなど)にフェズに行くと言わないほうがいいでしょう。ツアーとは関係ない車に誘導されてしまうことがあるそうです。

☆おしまいに

サハラ砂漠は雄大というのに尽きます。

モロッコは観光に力を入れている国で、サハラ砂漠をラクダに乗って楽しめるよう、さまざまなツアーが用意されています。砂漠の中のテント泊も、水が出にくい以外は快適です。

驚くことに砂漠の中でも、モロッコの(おそらく特定キャリアのでしょうが)SIMをスマホにさしておけば、ネット接続できます。ツアーでいっしょだったドイツ人が、砂漠の真ん中で、国に残してきた家族に動画生中継してました。

モロッコはサハラ砂漠の入り口で、秘境感はそんなにありませんが、大自然を手軽に楽しめることができるわけです。

では、良い旅を!

 

プロヴァン:パリから日帰りできる中世ワンダーランド

観光でも仕事でも訪れる方が多いパリですが、そのパリから日帰りで行ける別世界、プロヴァン(Provins)をご紹介します。

☆プロヴァンの街歩き

11~13世紀に交易都市として栄えたプロヴァンは、当時の石造建物の旧市街がそのまま残っています。「中世市場都市プロヴァン」として世界遺産にも登録されています。provins%e9%80%9a%e3%82%8a

レストラン、ホテル、店舗などに活用されている建物もありますが、表札があることからして個人の住居だったり、廃墟寸前に打ち捨てられている建物もあります。どこも観光のために手を入れた形跡がほとんど感じられず、中世にタイムスリップした感が味わえます。花の都パリの華やかさとは異質な別世界です。

プロヴァンのシンボルで一番の高台、セサール塔。provins%e3%82%bb%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%a1%94

狭い急な階段を登った先からは、足元の中世都市と、その周囲に広がる、のどかな田園風景を眺められます。provins%e3%82%bb%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%ab%e5%a1%94%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e7%9c%ba%e3%82%81

その隣にあるSaint-Quiriace Collegiate教会。provins%e6%95%99%e4%bc%9a

内部の装飾はかなり質素です。アーティストたちが時代を越えて、様々に手を加えたカテドラルとは違って、街が衰退するのに合わせて放置された感があります。provins%e6%95%99%e4%bc%9a%e5%86%85%e9%83%a8

プロヴァンの中心、シャテル広場。テラスのレストランや土産物店が並びます。ここだけはちょっとだけ華やいだ雰囲気があります。provins%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%86%e3%83%ab%e5%ba%83%e5%a0%b4

プロヴァンはヨーロッパの多くの中世都市と同じく、城壁に囲まれています。13世紀に完成した城壁の一部は遊歩道になっていて、城壁の上から街並みを眺められます。provins%e5%9f%8e%e5%a3%81

いくつかの門はそのまま残っています。これはサン・ジャン門。provins%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e9%96%80

プロヴァンの旧市街には中世の地下道が張り巡らされており、一部はギャラリーとして公開されています。これは当時の生活や市の様子を再現したもの。provins%e5%9c%b0%e4%b8%8b%e3%82%ae%e3%83%a3%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%83%bc

☆パリからプロヴァンへの行き方

パリ東駅(Gare de l’Est)から1時間ごとに出ている列車に乗って1時間20分でプロヴァン駅に着きます。パリからプロヴァンはゾーン5料金が適用されます。片道11.4€ほどかかりますので、1日乗車券モビリス17.3€がお得です。(料金は2016年9月時点)provins%e9%a7%85

駅からプロヴァン旧市街の入り口までは徒歩で約15分、丘の上の中世が近づいてきます。バスで観光案内所があるサン・ジャン門と、旧市街の中心シャテル広場までバスで行くこともできます。provins%e8%a1%97%e3%81%ab%e3%82%80%e3%81%8b%e3%81%86

中世の街並みを利用して、中世時代の生活ぶりや戦いが楽しく分かる時代劇などのイベントがよく行われます。(公式HP⇒こちらへ

パリ滞在が数日になると、たまに気分を変えたくなることがありませんか? そんな時はプロヴァンへ!