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趣味で27年間、ヨーロッパを中心に世界を旅してます。 数えてみたら約350日が旅の空の下でした。 2014年春、サラリーマンをやめて、 フリーランスの経営コンサルタントになり、 時間が自由になったのをいいことに、 半年で50日間、12か国を旅しました。 多くの人が自分だけのすてきな旅ができるように 情報をたくさん提供していきます。

モルドバ旅行記

2019年4月、モルドバ(Moldova)を旅してきました。
と言うと、モルドバって、どこ?
何しに行ったの? ってきかれます。

☆モルドバの位置

モルドバは旧ソ連の一部でしたが、1990年代のソ連崩壊とともに独立した新しい国です。

歴史的にはお隣のルーマニアと民族も言葉も同じですが、19世紀にロシアに取り込まれるなどの経緯があって別の国になりました。

☆何しにモルドバへ?

ずばりワインです。日本にはほとんど輸出されていませんが、モルドバは知る人ぞ知るワインの名産地です。ギネスブックにも載る世界最大のワイナリーがあるのです。

ワイナリーの話は⇒こちらへ

☆モルドバへの行き方

首都キシニョウの空港は日本の地方空港みたいにこじんまりしてますが、ヨーロッパ各地から直行便があります。筆者は隣国ルーマニアの首都ブカレストからプロペラ機で到着しました。cof

到着ロビーを出たところから市内へのバスが出ています。Chisinau空港バス停

1時間に2,3本あり、40分くらいでキシニョウの中心「勝利の門」近くに着きます。

隣国のルーマニア、ウクライナから鉄道、バスでアクセスもできます。筆者は帰路バスでルーマニアに抜けましたが、バスターミナルは市内中心の市場近くのではなく、イスマイル通りを南にバスで20分くらい行ったところにあります。⇒地図

ウクライナからのアクセスでは、国境付近にモルドバ共和国の統治が及んでいないエリア、自称「沿ドニステル共和国」があります。治安が安定していないとのことで、通過するのはやめたほうがいいでしょう。

☆首都キシニョウ(Chisnau)

街のランドマークは、勝利の門とキシニョウ大聖堂。ここが街の中心です。 地元の人たちの憩いの場という感じで、レストランやカフェもこの周囲にたくさんあります。Chisinau門と大聖堂

全体的に社会主義の香りがする街という印象です。ソ連時代に建てられた、こけおどしのような巨大な建物が特徴的です。

これはモルドバ議会。Moldova議会

筆者が泊ったホテルは典型的なスターリンクラシック造り。筆者は社会主義様式と呼んでいます。最近は欧米資本系列のホテルもできましたが、名前からして、ソ連時代はここがキシニョウで最も格式が高いホテルだったのでしょう。ChisinauHotel

街のメインストリートのシュテファン・チェル・マレ通りは賑やかで、商業施設、公的機関、劇場などが建ち並び、トロリーバスが行き交います。バスには車掌がいて、乗車してから料金を集金にきます。

通りの名前になっている15世紀の偉い王様の像もこの通り沿いの公園にあります。 Chisinauシュテファン・チェル・マレ大公銅像

キシニョウで最も活気があるのは、街中心の広大なスペースを占めている市場でした。ありとあらゆるものが売られています。ここを歩き回ると地元の人たちの生活ぶりがわかります。Chisinau市場

泊ったChisinau Hotelの近くに美しい教会がありました。内部の装飾も見事で、しばし眺めて厳かな雰囲気に浸りました。(内部は撮影禁止)キシニョウ教会

モルドバ人は民族的にはラテン系ですが、現在の主たる宗教は正教(オーソドックスのキリスト教)です。

メインストリートからひとつ入ったところにある歴史博物館には、古代から現代までのモルドバの歴史資料が展示されています。Chisinau歴史博物館

歴史的な建物を利用していて、展示室の内装も見事です。キシニョウ歴史博物館バラの間

☆モルドバを食べる

モルドバのパイ「プラチンタ」には、さまざまな具材がはさまれます。プラチンタ

日本のゴハンにあたるのが「ママリガ」。メイン料理の付け合せに出てきます。とうもろこしで作られ、これだけ食べるとほんのり甘い味がします。Moldovaママリガ1

パンみたいに具材を挟み込むものもありました。Moldovaママリガ2

☆モルドバは安い!

いくつか例を挙げますと、
上記料理は上から¥500、¥550、¥320。
上記Chisinau Hotel1泊朝食付きで¥3,100
立ち飲みカフェでカプチーノ1杯¥95
ペットボトルの水500ml¥65~90
バス1回乗車で¥12
地元産ワインのフルボトル¥200~

シュテファン・チェル・マレ通り沿いのパン屋さん。Chisinauパン屋

値札の数字に2019年4月のレート:1Lei=6.1円をかけてみてください。

☆ヨーロッパ最貧国とのことですが・・・

首都キシニョウのメインストリートを歩いている限り、貧しい国という印象はほとんど受けません。街ゆく人の身なりも、彼らが行くスーパーで売られている品物のバリエーションもヨーロッパの他の国とほとんど違わない。

ホテル、レストラン、博物館のトイレは清潔で水はきちっと流れました。

しかし、いなかに行くと街の道路はボコボコになっていたり、キシニョウでも中心地から数百m離れた地下道はこうなっていました。Chisinauインフラ傷み

インフラ整備が行き届いてないということですね。バスでモルドバからルーマニアに入ると、車窓から見える民家の造りが明らかに立派になっていたのも印象的でした。

☆おしまいに

さて、いかがでしたでしょうか。筆者が2日旅したモルドバは一言で言うとワイン天国でした。首都キシニョウはとりたてて観光地という様子ではありませんが、社会主義時代ののっぺりした没個性的な建物が多く、時代を感じさせられました。昭和の日本の地方都市と似た雰囲気もありました。

一方、訪れた2つのワイナリー(クリコバとミレシティ・ミチ)はモルドバを代表する観光地で、さまざまな国からの観光客がたくさん来ていました。

この記事が将来モルドバを訪れる皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石造りの中世の村でワインを楽しむ:サンテミリオン

高級ワインの産地として知られる
サンテミリオン(Saint-Emilion)
は、フランス南西部の中心都市ボルドーから約40km、小高い丘の上に広がる石造りの中世の村です。地平線まで続くブドウ畑に囲まれています。

ボルドーからの日帰りツアーで訪れる方が多いですが、泊らないで帰るにはもったいないくらいの魅力いっぱいの村です。

☆ボルドーからサンテミリオンへ

ボルドーから列車で35分でサンテミリオン駅に着きます。構内にも周囲にも飲食物の売店、自販機がない無人駅です。帰りの切符も買えませんので、ボルドーで往復を買っておくのがいいでしょう。
サンテミリオン駅2

ボルドーからは直通バスもあり、村のすぐ近くに停車しますが、平日でも3本のみです。

☆駅からサンテミリオン村への道

駅前にはのどかなブドウ畑が広がります。村の入り口までは約1km。
サンテミリオンへの道2

ブドウ畑の真っただ中の一本道ですから迷うことはありません。歩いていくと、ブドウ畑の中にシャトーが見えてきます。内部を見学できるシャトーもあります。サンテミリオンへの道2

大きな荷物を持って歩くのがつらい方はタクシーを呼べます。サンテミリオンのホテルは、宿泊者の無料送迎をしてくれるところもあります。サンテミリオン駅タクシー

村の入り口Bouqueyre広場に到着です。サンテミリオン入口Bouqueyre広場

ここで道が二手に分かれます。まっすぐ行く道を登っていくと、村の中心、モノリス(Monolithe)教会の前の広場に出ます。 ここは村を見渡す展望台です。サンテミリオンモノリス教会

観光案内所はこの広場に面してあります。モノリス教会の塔の反対側です。観光案内所で鍵を借りて、教会の塔に登ることができます。

塔の上からは、石造りの中世の村と彼方のブドウ畑の風景が一枚の絵画のような美しさで眺められます。感動のひとときです。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e5%a1%94%e3%81%ae%e4%b8%8a

☆中世の村を歩く

サンテミリオンは丘の上の村。モノリス教会前の広場が最も高く、そこから四方に石造りの建物が並ぶ坂道が下っています。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e5%9d%82%e9%81%93

石畳の坂を下りたところに、Collegiate教会と付属の修道院。サンテミリオンCollegiate教会

内部は質素ながら、美しいステンドグラスが印象的です。サンテミリオンCollegiate教会内部

オープンテラスのカフェは夜遅くまでやっています。有名観光地にありがちな騒がしさがないのがうれしい。サンテミリオン夜のカフェ

中世のサンテミリオンには要塞が建てられ、12~13世紀の朽ちかけた城門が残っています。サンテミリオン城門

城門の外にはどこまでも続くブドウ畑。
サンテミリオンのブドウ畑

プチトレインに乗って、ブドウ畑を巡ることもできます。

☆ワインを楽しむ

サンテミリオンにはワインショップがたくさんあり、地元産ワインをたくさん売っています。かなり安い! まとめ買いして日本に送ることもできます。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%97

ワインバーやカフェもあって、気軽にワインを飲むことができます。ほとんどの店は夜10時までやってます。ショップは6~7時には閉まりますので、ホテルで飲む方は早めに調達しておきましょう。

サンテミリオンの地下には、かつて採石のために掘られた広大な空間が拡がっています。付近のシャトーが、この空間を絶好のワイン熟成用のカーヴとして利用しています。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%86%85%e9%83%a8

村の中には見学できるところもあります。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%85%a5%e5%8f%a3

カーブの売店でもワインを安く売っています。テイスティングできるところもあります。%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%9f%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%96%e5%a3%b2%e5%ba%97

村の周囲に広がるブドウ畑に点在するシャトーを訪ねるのもいいですね。どのシャトーがいつ開いているかは観光案内所でおしえてもらえます。テイスティング付のツアーもあります。作り手から、そのシャトーで栽培されているブドウの特徴や製造工程の話を聴くのはおもしろい。

ブドウ畑は場所によって土の構成や日当たりにかなりの違いがあり、サンテミリオン産と一言で呼べないほど多様な味のワインが作られるのです。

☆おしまいに

サンテミリオンという村の名は、8世紀頃にここに隠遁したエミリオン聖人に由来します。古い歴史を持つこの村は、今は高級ワインの産地として知られています。周囲のブドウ畑と合わせて、1999年、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。

昼はボルドーからのツアーも来訪し、観光客で賑わいますが、夜と早朝は静けさの中で中世の世界をさまよい歩くことができます。村の中にホテルが十数軒ありますので、ここはぜひ1泊されることをお薦めします。

フランスのいなかの美しい村へのアクセスはわざと不便にしてあるように思えます。観光客で村がごったがえして、俗化するのを防ごうということでしょう。不便を忍んでまで来てくれたお客には最高の経験ができますよ、ということです。サンテミリオンは時間をかけて訪れる価値が十分にあります。

 

 

 

 

 

 

ソチ:海と山が両方楽しめるロシアのリゾート

ロシアのソチ(Sochi)と言うと、2016年の冬のオリンピックを思い出される方もいらっしゃるでしょう。筆者は2018年7月、サッカー・ワールドカップ観戦を機に訪れました。ソチは海と山が両方楽しめる魅力的なリゾート地でした。

☆ソチはどこにある?

ソチはロシア南部、黒海に面しています。

ソチの街を中心に長さ約60kmのビーチが続いています。Sochi夕焼けの海岸

☆ビーチリゾートのソチ

ソチの中心街からビーチに向かう道にはヤシの木が並び、南国ムードが漂います。キリル文字がなかったらロシアとは思えない風景です。cof

ソチの海岸沿いのプロムナードには、お洒落なカフェやレストランが並びます。cof

筆者が訪れた7月初旬は既にバカンスシーズンで、これは午前10時くらいですが、既に大勢の客が繰り出していて、たくさんのビーチパラソルが開いていました。Sochiビーチ

マリーナにはたくさんのボートが係留されています。1時間1,500円くらいのクルージングツアーもありました。
ソチマリーナ

高台には高級そうなホテルとリゾートマンションが建ち並びます。このあたりのショップやレストランは、ロシアの安い物価水準からすればお値段かなり高めです。

それでもソチの中心街から電車で30分くらい行くと、賑やかさはなくなる代わり、物価はだいぶ安くなります。筆者が泊った海辺のホテルは、通常期でツイン又はダブルの部屋が1泊朝食付き¥3,500くらい。すぐ近くにロシアの庶民が行くスーパーで食糧も安く買え、2人で泊れば、1日ひとり¥4,000くらいでリゾートライフがおくれます。

同じ並びには長屋みたいな貸別荘が連なります。1階がリビング、キッチン、バスルーム、2階がベッドルームという造りでした。Sochiビーチと貸別荘

サッカー・ワールドカップの試合開催当日でしたが、ビーチでのんびりしているのはほとんどがロシア人でした。まだ国際的なリゾートではないということです。

☆オリンピックの名残り

ソチの中心街から電車で約40分くらいにあるオリンピックパークは遊園地も併設され、遠くにはアルペン会場になったコーカサスの山々が望めます。Sochiオリンピックパークとコーカサス山脈

ソチオリンピックのメイン会場として開会式、閉会式が行われたスタジアムは改装され、サッカー・ワールドカップの会場のひとつになっていました。ソチ五輪マーク

五輪マークはオリンピックパークに限らず、ソチの街のあちらこちらに残っていました。

☆アルペンリゾートのソチ

ソチがユニークなのは、ビーチリゾートから電車で40分のところにアルペンリゾートもあることです。アルペンリゾートの玄関口、ローザ・フトル(Rosa Khutor)駅はオリンピックを機に整備されてピカピカでした。Rosa-Khutor駅

駅の横からはロープーウェイに乗って、一気に標高2200mまで行けます。ロープーウェイを降りたところにはレストランもあって、テラスで雄大な山々を眺めながらのビールがうまい!Rosa-Khutor山

ゴンドラとリフトが交互にやってきて、好きなほうに乗れました。Rosa-Khutorゴンドラ

のどかな牧場。スイスみたいですが、ここはロシアです。Rosa-Khutor牧場

ふもとのローザ・フトルの街は瀟洒なホテルやリゾートマンションが立ち並ぶ典型的なヨーロッパのアルペンリゾートです。Rosa-Khutor街

☆ソチの魅力

ロシアは基本的に寒い国で、ロシア人たちには暖かいところへの本能的な憧れがあるのでしょう。ソチ一帯はロシアでは唯一のビーチリゾートで、スターリンをはじめ、歴代の指導者たちやセレブの別荘があり、「ロシアのリビエラ」と呼ばれています。

資源価格の高騰でロシア経済が潤った2000年代には巨額の投資が行なわれ、2014年のオリンピックに合わせて、山岳地域も開発が進みました。

暑い海辺のビーチリゾートに泊っていて、わずか1時間で、雄大な山々を眺める涼しい標高2000mまで行けるところは、世界中探してもめったにありません。

☆ソチへのアクセス

ソチはモスクワやサンクトペテルブルクから遠く離れており、フライトで訪れることになります。日本からはモスクワで乗り継いで約2時間半のフライトです。モスクワ経由の他にイスタンブール経由で行くこともできます。(2018年8月現在)

ソチの空港は、ソチの中心街とアルペンリゾートのローザ・フトルのちょうど中間、オリンピックパークの近くにあります。

ソチはロシア国内ではメジャーなリゾートですが、まだ、国際的には冬のオリンピック開催地としてしか知られていません。ソチの中心街をはずせば、格安料金でリゾートライフが楽しめる穴場リゾートです。

ロンドンでサッカー観戦~アーセナル

イングランドのプレミアリーグは、世界最高のサッカーが観られますが、なかでも華麗なパス回しで人気の高いのがアーセナル(Arsenal)。

最近(2021年9月)、日本代表DF富安選手が移籍して話題になりました。デビュー戦は、1日半しかチーム練習していないにもかかわらず、みごとなパフォーマンスでした。

コロナ後、ロンドンでサッカー観戦なら、ぜひ、エミレーツスタジアムでアーセナルをご覧になることをお薦めしたい。

Emirates内部

但し、エミレーツスタジアムのアーセナル戦のチケットをゲットするのはかなり難しい。券面価格がプレミアリーグで最も高価なうえに、公式サイト(⇒こちらへ)で買うには有料の会員にならなければなりません。

そこで、旅行会社やネットのチケット業者をあたることになりますが、彼らがつける値段は券面の2,3倍です。スタジアムの最寄り駅を降りるとダフ屋が「チケット、チケット」と言って寄ってきます。とんでもない額を言ってくるので、相手にする気になれません。

そこまでしてでもチケットを手に入れて観る価値があると思います。最近、優勝できてませんが、観ていておもしろいという点では、アーセナルはバルセロナと並んで世界最高峰です。

富安選手がさらに活躍すれば、日本人観光客をターゲットにした観戦ツアーも催行されるでしょう。ただし、かなりの高額になることは必至です。

このピカピカのスタジアムは2006年に新築されました。いつも満席になるので、スタジアム建設の債務は10年もかからず既に完済されました。Emirates外観

アクセスは地下鉄ピカデリーラインのアーセナル駅下車。駅を出て右手に約200m歩くとスタジアムの入り口とオフィシャルショップが見えてきます。道は左に屈曲してますが、一本道なので迷うことはありません。

試合後、この駅はかなり渋滞します。入口がひとつしかなく、改札を入るのに長蛇の行列です。筆者は2015年8月のリバプール戦を観戦しましたが、試合終了後、30分くらいオフィシャルショップで買い物してから駅に行きましたが、改札入るまで15分ほど並びました。隣駅(ピカデリーラインとヴィクトリアラインの Finsbury Park)まで歩く人もいます。

 

タタールスタンに行ってきた

タタールスタンに行ってきました。
と言うと、それ、どこ? ってよくきかれます。

タタール人はロシアで最大の少数民族で、トルコ系のイスラム教徒です。キリスト教が大多数を占めるロシアの他の街とは一味違ったエキゾチックな雰囲気を期待して、2018年6月、タタールスタンの首都カザンを観光に訪れました。

☆まずは、カザン・クレムリンへ

クレムリンと言うとモスクワが有名ですが、クレムリンとは「城塞」という意味で、ロシア各地にあります。

カザンのクレムリンはモスクワと同様に、河べりの小高い丘に築かれていて、まるごと世界遺産になっています。

城塞内にロシア正教の教会とイスラムのモスクが並び立っていて、カザンという街の成り立ちを象徴しています。dig

クルシャリフ・モスクは、近くで見上げると、覆いかぶさってくるようです。Kazanクレムリンのモスク

内部は巨大な空間。2005年の再建ということで、古めかしさはありませんが、荘厳な空気が流れています。

階段で天井近くまで登って見下ろすこともできます。外も内も青を基調とした装飾でした。Kazanクレムリンのモスク内部

夜の風情は期待通りエキゾチックで見とれてしまいました。他の建物もライトアップされています。dig

一方のキリスト教。たまねぎ型の屋根とカラフルな配色が特徴のロシア正教の教会です。Kazanクレムリンの大聖堂

聖職者限定の聖なる空間と一般人が入れるエリアが正面のイコン(聖画)で区画される、正教の典型的な造りです。Kazanクレムリンの大聖堂内部

カザン・クレムリンの入り口、「スパスカヤ塔」。
ここから入ると広い一本道が続き、その両側にモスク、教会などさまざまな建築物が建ち並びます。Kazanスパスカヤ塔

夜は神秘的な雰囲気です。Kazan夜のスパスカヤ塔

カザン・クレムリンにはいつでも入れますが、教会やモスクなどの建物は夕方になると閉まります。

大統領宮殿では今もタタールスタン共和国の大統領が執務しています。Kazan大統領宮殿

近年、ロシア連邦内部で自治権が縮小され、公式には大統領とは呼ばれなくなったそうですが。

歴史的な建造物が建ち並ぶ街を見下ろせるカフェ。観光客がたくさんいました。Kazanクレムリンのカフェ

この下の川べりには遊歩道が整備され、気持ちの良い散歩が楽しめます。

☆カザンを歩く

散歩の途中にこんな荘厳な宮殿が現れました。
タタールスタン共和国の農業関係の役所として使われているので「農業宮殿」と言われています。Kazan百姓宮殿

川にかかる橋から見たクレムリン。
白い城壁が夕焼けに染まります。カザンクレムリン夕焼け

☆タタール人居住区へ

タタール人が住んでいたエリアに行ってみました。緑を基調としたモスクのまわりの家々はロシア人たちの普通の住居とは雰囲気が違います。Kazanタタール人居住区

平日の午前中のせいもあってか、地元の人たちも観光客もまばらで、きれいに飾られた通りをゆったり散策できました。

☆カザンの中心街

今のカザンは人口約120万人のロシアでは4番目に大きな都市です。ヨーロッパの街の常で、街の中心の広場がありますが、カザンでは「トゥカイ広場」です。kazanトゥカイ広場

遠くにクレムリンも望めます。この通りからクレムリンまでの約1kmの「バウマン通り」がカザンのメインストリートで、両側にいろんなお店が建ち並び、朝から夜遅くまで賑わっています。Kazanバウマン通り

「カザンの塔」もバウマン通りに建っています。闇夜に浮かび上がる夜のほうが趣あります。mde

☆タタールスタンを食べる

タタール人は1000年以上前に中央アジアから移ってきた民族ということもあって、食文化にはアジア的な特徴があります。レストランのメニューにはロシア料理として知られているものが多く並んでますが、店員にどれがタタール伝統の料理なのかをきいてみました。

「エシボシマク」は肉、ジャガイモ、タマネギが三角形のパン生地で包み焼かれたもので、レストランだけでなく、スーパーや街なかのスタンドでも売っています。タタールスタンのファーストフードのようです。Kazanエシポシマク

肉料理の付け合せかと思ったら、「クストゥブイ」は小麦の薄い生地にジャガイモのペーストが包まれていました。Kazanクストゥブイ

☆カザンへの行き方

モスクワから夜行列車で行くと12-13時間かかります。カザンの駅から街の中心トゥカイ広場へはバスか路面電車で10~15分です。

夜行列車の食堂車では軽食が取れ、お酒も飲めるので、それなりに快適なのですが、長時間横になってガタゴト揺られるのがつらい方はフライトになります。

モスクワからカザン空港へは約1時間半のフライト。空港からは電車があるのですが、1時間半に1本くらいしかなくて不便です。バスと地下鉄を乗り継いで行くこともできますが、乗り換えの地下鉄駅が終点ではないので、暗くなってからの到着だと苦労します。

☆安全なスタンへ国行ってみよう!

「スタン」のつく国って、いくつかありますが、なんだか危なそうな印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。いつも民族紛争とかテロやってそうとか。

「スタン」国の多くは中央アジアにあって、1990年代のソ連崩壊とともに独立しましたが、タタールスタンはロシアの真っただ中にあったため、独立せず、平和裏にロシアの中の自治共和国にとどまりました。

独立した中央アジアのスタン国にはイスラム過激派が入り込んだりして、かならずしも安全ではないのですが、タタールスタンは治安が安定してるロシアの中にあるので安心して旅できます。

首都カザンは2018年サッカーワールドカップの会場のひとつになったこともあって、公共の場に英語の併記が進み、観光旅行しやすくなりました。

バウマン通りには観光案内所もあって、英語のガイドのついた市内観光、エクスカーションも多数あります。

西欧の名所観光に飽きた方にはタタールスタンはお薦めです。

 

 

ヴェルディ音楽祭

ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)は、「アイーダ」「椿姫」「オテロ」などのオペラなどで知られる、19世紀イタリアの大作曲家です。

このヴェルディを記念する音楽祭が、生地の村近くのブッセート(Busseto)とパルマ(Parma)で、毎年9月下旬から10月中旬にかけて開かれ、ヴェルディの作品が数多く上演されます。

この時期のイタリアは、暑くもなく寒くもない快適な気候で、美味しい料理、ワインとともに、ゴージャスな劇場で極上のヴェルディ音楽が楽しめます。

☆ヴェルディ音楽祭の中心、パルマ

最も多くの演目が上演されるのが、パルマのテアトロ・レッジョ(Teatro Reggio)です。パルマレッジョ劇場外観

イタリアではミラノスカラ座と並んでオペラの殿堂と言われています。ヨーロッパの古い劇場に典型的なボックス席を配した馬蹄形の造りです。パルマテアトロレッジョ内部

細かく席のランクが分かれていますが、最も高価なのが、1階の平土間席中央です。1階は舞台を正面から観れるのですが、傾斜がほとんどないので、前の席に背の高い人が座ると舞台が見えなくなることがあります。

4層あるボックス席の1列目は高価ですが、ホール全体の空気を味わいながら、障害物なしに舞台がよく見えます。2,3列目は安価ですが、狭い空間で圧迫感があって、音がこもるうえに、舞台も観にくいのでお薦めできません。パルマテアトロレッジョボックス席

ボックス席の上のガレリア席は最も安価ですが、買う時には柱の位置に注意しましょう。自分の席の前に柱があると、舞台を観るじゃまになります。柱が前になくても、場所によっては舞台の一部が視野に入りません。

パルマはイタリア北部、ミラノとボローニャの中間にあり、中世には自治都市として栄えた美しい街です。パルマ広場

美食の街としても知られ、特にパルマの生ハムは有名です。注文してからスライスしてくれ、地元産ワインとともに食べられるお店が街中にたくさんあります。nfd

☆ブッセートはヴェルディづくしの街

ヴェルディはブッセート近くの小さな村レ・ロンコーレで生まれ、ブッセートで学び、この街の有力者の支援で作曲家としてステップアップしました。

ブッセートはヴェルディづくしの街です。街の中心ヴェルディ広場に面して銅像が建ってます。その後ろにある城郭の一角にヴェルディの名を冠した劇場が19世紀に造られました。

ブッセート Rocca Pallavicino

ブッセート Rocca Pallavicino夜

筆者はこの隣にあるホテルに泊まりましたが、ホテルの名称「I Due Foscari」はヴェルディの初期のオペラ、経営者はヴェルディを得意とした往年の名歌手カルロ・ベルゴンツィの息子さん、WiFiのパスワードもVerdi・・・・・でした。

☆ヴェルディ劇場

席数300と小さく、100人近くが出演するオペラをここで鑑賞できるのは贅沢と言うしかありません。ブッセートヴェルディ劇場内部

パルマのテアトロ・レッジョと同じ構造ですが、小さいので、上部のガレリア席からでも、舞台がとても近くに感じられます。

天井の内装も豪華です。sdr

筆者が訪れた日の開演前には、劇場前で無料の室内楽コンサートが開かれていました。cof

☆ヴェルディ博物館

16世紀に建てられたヴィラが、ヴェルディのオペラの舞台セットや衣装などを展示した博物館になっています。ブッセートヴェルディ博物館外観

建物自体に風情があり、ヴェルディのオペラの名場面が小さなボリュームで流れる中、舞台を想像しながら、作品ゆかりの品々を見て歩くのが楽しいです。ブッセートヴェルディ博物館内部

ブッセートは小さな街で、ヴェルディの他には観光スポットもなく、劇場のキャパも小さいので、公演が行われる日でも、街の中心部は、いなかの静かな街の風情が保たれています。

☆ヴェルディ音楽祭のチケット

音楽祭のサイトで買うのが基本です。
パルマ、ブッセートの劇場にあるボックスオフィスでも買えます。HPで完売になっていても、諦めないでHPをチェックしていると、キャンセル券の戻りが出てくることもあります。

代理店に頼むと、ホテル予約と抱き合わせにされることが多く、券面とほぼ同額の手数料を取られることもあります。

☆パルマ、ブッセートへの行き方

日本からの直行便のあるミラノ経由が便利です。ミラノからパルマへは直通列車で1時間9~34分で、昼間はほぼ1時間に1本あります。

パルマからブッセートへは列車で直通で34分ですが、乗り換えがあると1時間近くかかります。

ミラノからクレモナ経由でブッセートに行くこともできます。

ブッセート駅は小さく、利用客が少ない時間帯はバスによる代替輸送になることもあります。バス停は駅前にあります。ホームで待っているうちにバスが出発してしまうことがないよう時刻表の表示を確認しましょう。

☆泊る

パルマはこの地方の中心都市だけあって、宿泊施設は数多くありますが、ブッセートでは、劇場から歩いて行ける範囲のホテルは2軒だけです。休日は昼間の上演ですが、平日は終演時間が遅いので、終演後に他の街に移動することは難しいので、早めのホテル予約が必須です。

音楽&美食の良い旅を!

(訪問日:2017年10月16~19日)

 

 

 

 

 

 

文明の交差路、北マケドニアを旅する

「マケドニア」から「北マケドニア」に国の名前が変わったというニュースを覚えていますか。2019年2月のことです。領土や国境線が変わったわけでもないのに、国の名前が変わるのは珍しいことです。

「北マケドニア」というと、学生時代に世界史を勉強された方は「アレクサンダー大王」の名を思い出されるでしょう。

筆者は2017年5月、この謎めいたマケドニアを観光旅行してきました。

☆マケドニアって、どこにある?

マケドニアは旧ユーゴスラビアが解体してできた国のひとつで、東ヨーロッパの東端、ギリシャの北、ブルガリアの西に位置します。

☆マケドニアと言えばアレクサンダー大王

首都スコピエ(Skopje)の空港に到着すると、いきなりアレクサンダー大王の彫像がお出迎え。空港の名称も「アレクサンダー大王空港」です。Macedonia Airport

スコピエの中心マケドニア広場の真ん中にもあります。Macedonia Alexander statue2

社会主義から脱して、新国家として出発したマケドニアの人たちは、2300年前の世界史上の超有名人を国の象徴にしようとしているのです。

ところが・・・・・

☆じつは、パクリだった!

現在のマケドニアに住んでいる人たちの大部分は、中世に北方から移住してきたスラブ系民族で、紀元前に大帝国を打ち立てたアレクサンダー大王が出た古代マケドニア人の子孫ではありません。古代マケドニアの子孫は国境を接するギリシャ北部に住んでいます。

確かに、旅してみて見かける看板、標識はキリル文字で、地元の人たちが話している言葉は、ロシア語に近い響きがします。

1991年にマケドニアが独立した時に、国号を「マケドニア」とし、国旗に古代マケドニアのものを使ったことに、ギリシャは「歴史の略奪だ」と猛反発しました。それ以来、両国の国名紛争は続いていましたが、2019年2月になって決着したわけです。

☆東西両文明が交差するマケドニア

マケドニアはアレクサンダー大王が築いた大帝国が瓦解した後、長い間、ローマ帝国(後半はビザンチン帝国)、オスマントルコの支配下にあり、キリスト教とイスラム教の2つの文化が交差するところでした。

この2つの文化遺産が同居しているというのがマケドニア観光の魅力になっています。

☆東方正教の文化遺産

中世のマケドニアは、東ローマ(ビザンチン)帝国の支配下にあった時代が長く、同じキリスト教でもカトリックやプロテスタントとはかなり異なった東方正教の文化が育まれました。

今もマケドニア各地に残る教会を訪ねてみると、建物の造り、内部の装飾などに東方正教会の特徴を見ることができます。

首都スコピエの聖スパス教会の内部。Skopje教会内部

信者が集うエリアと聖職者が儀式を行う「至聖所」と呼ばれるエリアを隔てる壁(イコノスタス)が東方正教会の特徴です。イコン(教会史上の出来事を描いた絵)がはめこまれています。

オフリド湖を見下ろす崖の上に建てられた聖ヨハネ・カネオ教会。 Ohurid聖ヨハネカネオ教会

修道院内部を飾るフレスコ画。StNaum修道院フレスコ画1

☆イスラムも

マケドニアは14~19世紀の約500年間、オスマントルコ帝国の支配下にありました。

首都スコピエ旧市街の高台にあるモスク「ムスタファ・バシナ・ジャミーヤ」。いなかでも空に突き出たミナレットをあちこちで見かけます。Skopjeモスク2

Skopjeモスク内部

スコピエの旧市街はオリエンタルな雰囲気です。Skopje旧市街2

今もトルコ系住民が大勢暮らしています。 パン屋のおばさんはトルコの現職大統領に親近感を持っているようでした。Skopjeトルコ人

☆彫像だらけの不思議な首都スコピエ

スコピエの街は巨大な彫像だらけ。アレクサンダー大王像と同じ広場だけでもこんなにたくさん。彫像ワンダーランドという趣です。Macedonia statues

夜のライトアップがきれいです。Macedonia Alexander statue night

スコピエの詳細は⇒こちらへ

 

☆社会主義の名残

第二次大戦後の社会主義の時代の名残もマケドニアにはたくさん残っています。無機質でのっぺりした建物、威圧的で巨大な建築物は社会主義時代の特徴です。

これはスコピエの街の中心にあり、今は博物館として使われています。Skopje博物館

 ☆個人で観光旅行しやすい

これといった国際競争力の強い産業のないマケドニアでは観光に力を入れています。

旅するにあたって心配になるキリル文字の表記ですが、街中の標識、看板など、ほとんどはアルファベットが併記されています。観光地の案内には英語の説明書きもあります。Macedoniaアルファベット表記

これは何だ! Skopje船ホテル

と思ったら、船ではなくホテル&レストランでした。スコピエの真ん中を流れるヴァルダル川にあります。最初からホテル&レストランとして造られたそうで、いかにも観光客ウケ狙いです。

☆なんでも安い北マケドニア

物価が安いのがマケドニアの魅力。
2017年5月時点の価格の例です。

空港から市内へむかうバス(所要約25分):380円
スコピエからオフリドへのバス(所要約3時間):950円

4つ星ホテル(1泊朝食付き):7,000円
スコピエ旧市街の☆☆クラスのホテル素泊まり:3,700円

ペットボトルの水500ml:45円
ちょっとしゃれたレストランでグラスビール330ml :220円
博物館の入場料:250~400円

これは観光客メインのレストランのメニューです。
1マケドニアディナール=2.1円Macedonia Restaurant Menu

 ☆おいしい北マケドニア

食事が安くておいしいのもマケドニアの魅力です。

名物の豚肉煮込み「セルスコ・メソ」。Macedonia煮込み料理

ケバブの呼び方はいろいろありますが、バルカン半島共通の庶民の味。Macedonia Food

マケドニアはワインの名産地でもあります。メジャーブランドにもアレクサンダー大王の名を冠しています。きりっと冷えたリースリングが美味い! バーやレストランで250mlの小瓶で出てきます。300円くらい。Macedonia Wine

スコピエ旧市街のトルコ系のパン屋さん。 1個15~30円くらい。Skopjeパン屋

☆北マケドニアの大自然

アルバニアとの国境にまたがるオフリド湖は知られざる観光地です。StNaumオフリド湖

湖を囲む山々。StNaum大自然1

秘境スヴェティ・ナウム。スヴェティナウム緑の湖jpg

スヴェティ・ナウムについては⇒こちらへ

☆北マケドニアのリゾート地

首都スコピエからバスで約3時間の湖畔の美しい街、オフリド(Ohurid)。
知る人ぞ知るリゾート地で、夏になると、ヨーロッパ各地からLCC(Wizz Air)に乗って観光客が訪れます。Ohurid湖

湖と山の美しい風景の中でのんびり滞在できるための施設は整っています。西ヨーロッパのこのようなリゾート地は、ホテルもレストランも高いのが常ですので、ここの安さはヨーロッパの人たちにとって魅力です。

オフリドについては⇒こちらへ

☆北マケドニアへのアクセス

2017年6月現在、日本からのフライトに接続できる、ヨーロッパのメジャー航空会社でマケドニアに行くには、
・ウィーン経由(オーストリア航空)
・チューリッヒ経由(スイス航空)
・イスタンブール経由(トルコ航空)
で、スコピエまで直行便があります。
その他、LCC(Wizz Air)がヨーロッパの多くの都市(ロンドン、ストックホルムなど)からスコピエとオフリドに直行便を飛ばしていますが、日本からヨーロッパまでのフライトとは別に航空券を購入することになります。

周辺国から陸路バスで行くこともできます。その中で、所要時間が短く、かつ、日本からのアクセスが最も便利なのがブルガリアの首都ソフィア。ソフィアースコピエ間はバスで約4時間半、1日8便(2017年6月現在)あります。

☆おしまいに

長い歴史で東西両文明が交差した名残を観ることができ、物価が安くて、食べ物がおいしく、人は親切。治安は良くて、英語はそこそこ通じるので、観光旅行しやすい。こんな魅力的な北マケドニアに一度、お出かけになってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

ルーマニア個人旅行ガイド

以前から訪れてみたいと思っていたルーマニアを観光旅行してきました。(2019年4月)

日本ではあまりなじみのないルーマニアですが、日本からのパックツアーに入らずに個人旅行される皆さんのために、ルーマニアの魅力と旅するコツをご紹介します。

☆ルーマニアはどこにある?

ルーマニアは東ヨーロッパの奥まったところにあります。

1989年に社会主義体制が崩壊してから、徐々に豊かになり始め、EUにも入って、今はフランスやイタリアなどの西欧諸国と同じように自由に個人旅行できます。観光目的の短期滞在であればビザもいりません。

☆ルーマニア観光の魅力

①中世の街歩き

ルーマニア北西部のトランシルバニア地方の中世の街、シギショアラは、中世から残る城壁に囲まれた丘の上に、古い歴史を感じさせる建物がぎっしり建ち並びます。Sighisoara山上教会からの眺め

世界遺産に指定されており、昼間は観光客でにぎやかですが、ごったがえしている感はなく、みやげもの店やお上りさん向けレストランは、中世から残る建物のなかに自然に溶け込んでいます。

詳しくは⇒こちらへ

同じくトランシルバニア地方のブラショフ。Brasovスアトゥルイ広場2

トランシルバニア地方には、中世にこの地に移住してきたドイツ人たちが築いた街が多く、今もドイツの雰囲気を残しています。

詳しくは⇒こちらへ

②素朴な田舎

ルーマニアが資本主義になって30年ですが、まだ、いなかではこんな風景が見られます。Bucovina馬車

北東部モルダヴィア地方のいなかは緑の野原が広がる、のどかなところでした。英語はほとんど通じませんが、人も素朴で親切です。

③宗教遺産

ルーマニア各地に中世のルーマニア正教の教会や修道院が残ります。特に、北部のブコヴィナ地方に残る、外壁に壁画が描かられた修道院は、ルーマニア観光の一番の見ものです。Moldvita Monestry全景

詳しくは⇒こちらへ

ルーマニアの首都ブカレストは、社会主義時代の無機質的な建物、この十数年で建てられたピカピカの近代的なビルの間に、古い教会がひっそり建っています。これらを訪ね歩くのがおもしろい。ブカレスト教会

④独裁者の贅沢の跡

1989年の社会主義体制崩壊で処刑された独裁者チャウシェスクが、飢えに苦しむ国民をよそに首都ブカレストに建てた巨大な宮殿。とにかく、でかい! 圧倒されます。ブカレストチャウシェスク宮殿

筆者が訪れた日はEU関係のイベントのため、入れませんでしたが、ふだんは金の装飾が施された大ホールや回廊など宮殿内部が見学できます。

代わりに、チャウシェスクの私邸だった小さな宮殿(春の宮殿)を見学しました。チャウシェスクは元は靴職人だったそうで、金ぴかのバスルームはいかにも成り上がり趣味です。チャウシェスクの金ぴかバスルーム

⑤山岳リゾート

ルーマニアの観光地化は西欧諸国ほどは進んでいませんが、それでも国内外から観光客が訪れるリゾート地はあります。

シナイアは山岳リゾート。4月下旬でまだスキー場が営業していました。シナイア雪山

麓には19世紀にルーマニアの王様が夏の離宮として建てた美しい宮殿が残っています。そのひとつ、ペレシュ城の内部の多くの部屋は絵画、彫刻、宝飾品などで飾られています。シナイアペレシュ城

リゾート地シナイアの物価は他と比べて高く、素朴なルーマニアの中ではスノッブな感じがします。軽井沢にちょっと似ています。

☆ルーマニアを食べる

ルーマニア料理と言うより、バルカン半島に共通する料理が多いです。

どこのレストランにもある肉料理、ミティ。中世の時代にルーマニアを属国化したトルコのケバブ料理が起源で、バルカン諸国どこでもあります。レストランで提供されている肉料理では最も安く、露天で焼いて売っていることもあります。ルーマニアミティ

サルマレはルーマニア風のロールキャベツ。Sighisoaraサルマレ

付け合せに出てくる黄色いのがルーマニア独特です。ママリガと言い、トウモロコシの粉を蒸したものです。

パンでできた容器に入ったスープ。パンを先に食べすぎると破れてスープがこぼれるので要注意です。かなり凝った料理だと思いましたが、地元の人の話では、一般家庭でもよく食べられるそうです。これ用のパンがスーパーで売っているとのこと。ルーマニア パンに入ったスープ

ルーマニアはワインの名産地でもあります。スーパーに行くと500円以下のワインがたくさん売ってます。

スチャヴァのワインショップでは約200円でグラスになみなみとついでくれました。量り売りでペットボトルに詰めて持ち帰る地元の人たちもいました。ルーマニアワインショップ

ブカレストの旧市街を見下ろすテラスのバーで飲んだ赤は絶品でした。ルーマニアワイン

☆ルーマニアへの行き方

日本からの直行便はありませんので、ヨーロッパの主要都市(パリ、フランクフルトなど)か中東(ドバイ、ドーハなど)で乗り継いでブカレストに行きます。

ルーマニアはヨーロッパの東の端にありますので、西欧経由で行っても、中東経由で行っても、移動距離(飛行機に乗っている時間)はさほど変わりません。

日程に合わせて乗継が便利な経由地を選ぶのがいいでしょう。値段は中東経由のほうが1~5割安いです。(2019年12月時点)

あたりが暗くなってから到着するのは避けたほうがいいので、日本を深夜に出発し、午前中かお昼頃にブカレストに到着するのがお薦めです。

電車やバスで近隣諸国からルーマニアに入ることもできます。日本からの直行便が飛んでいて、中欧で人気の観光都市ウィーンからは、ハンガリーの首都ブダペストを通り、ルーマニアのトランシルバニア地方を横断してブカレストまで行く直行列車もあります。

☆ルーマニア国内の移動

長距離であればフライトもありますが、列車とバスがメインです。鉄道駅もバスターミナルも街の中心から離れたところにあることが多いので要注意です。

長距離列車は日本のJRの特急とほぼ同等と考えていていいですが、バスはあたりはずれがあり、概して、最近の日本の高速バスに比べたら快適さは劣ります。

筆者がヤシからスチャバまで約2時間乗ったバスは、マイクロバスみたいで、かなり窮屈でした。ルーマニア路線バス

スチャヴァからブカレストまでの7時間半の夜行列車旅は揺れはしましたが快適でした。シングルルームとして使って旅費含めて約6,000円。ルーマニア夜行列車

チケットは列車、バスともに当日、窓口で買うか、事前にネットでも買えます。

☆ルーマニアで泊る

宿泊施設はどの街も高級ホテルからホステルまでさまざまあり、予約からチェックアウトまでの手順は西欧諸国と変わるところはありません。

値段は西欧諸国のおよそ半分くらいです。
(1€≒126円として計算。ルーマニアの通貨は基本的にユーロ相場と連動しています)
大都市ほど値段は高く、いなかに行くほど安くなる傾向も西欧諸国と同じです。

筆者がシギショアラで泊ったホテルは、中世の建物が並ぶ旧市街中心の広場に面した一角で、古いながらも風情ある造りで、朝食付きで約3,000円でした。ドイツやオーストリアのいなかの同じくらいの条件のホテルなら7,000~8,000円したでしょう。Sighisoaraホテル

はす向かいのホステルは素泊まりで1,000円強でした。

たくさんの選択肢はありますが、ルーマニアのどこでも街の中心になるべく近いところに泊ることをお薦めします。

みなさん、良い旅を!