アルビ(Albi)はフランス南西部のこじんまりとした美しい街。中世にはカトリックの司教が支配する都市で、「アルビの司教都市」として2010年にユネスコ世界遺産に登録されました。19世紀末の人気画家ロートレックの生まれ故郷としても知られています。
☆レンガ造りの壮大な大聖堂
アルビの一番の見ものはサント・セシル大聖堂。近くで観ると、教会と言うより要塞のようです。
13世紀に異端のカタリ派を弾圧したカトリックの司教が、カトリック教会の威光を示そうと建てたもので、1282年に竣工し、1480年の完成まで200年かかりました。
威圧的な外観とは対照的に、内部は豪華な装飾で覆われています。巨大な仕切り壁にも見事な刺繍が施されています。
☆司教館ベルビー宮
13世紀に建てられたベルビー宮(Palais de la Berbie)。サント・セシル大聖堂に隣接しています。今はロートレックの作品を中心にした美術館として使われています。
川を見下ろす美しい庭園。高台のヘリにあるので、目前を流れるタルン川と緑いっぱいの市街を眺められます。
☆レンガ造りの赤い家が建ち並ぶ旧市街
アルビの旧市街は、坂の多い小さな路地の両側に古びたレンガの建物が連なります。1階が店舗、2階の住居が前に張り出す独特の造りが目立ちます。
散策が楽しい街です。疲れたら、サン・サルヴィ教会の中庭の回廊でひと休み。
アルビの街全体を見渡す絶景ポイントはここ。バスターミナル前の広い通り(Lices Georges Pompidou)を約800m歩いて行った「1944年8月22日橋」からの眺めです。
サント・セシル大聖堂を中心にした旧市街が夕日で輝く時間に訪れるのがベストでしょう。手前の橋はヴィユー橋(Pont Vieux)。1050年の建造で、現存するヨーロッパの橋のなかではもっとも古い橋のひとつです。
☆アルビへのアクセス
フランス南西部の大都市、トゥールーズ(Toulouse)から列車で約1時間、1~2時間に1本あります。フランスの常として、休日は本数が減ります。
駅から旧市街へは歩いて10分ほどです。
この街自体も十分に魅力的ですが、天空の村コルド・シュル・シエル(⇒こちらへ)など、ミディ・ピレネー地方の数々の美しい村を訪れる玄関口にもなっています。