2019年4月、モルドバ(Moldova)を旅してきました。
と言うと、モルドバって、どこ?
何しに行ったの? ってきかれます。
☆モルドバの位置
モルドバは旧ソ連の一部でしたが、1990年代のソ連崩壊とともに独立した新しい国です。
歴史的にはお隣のルーマニアと民族も言葉も同じですが、19世紀にロシアに取り込まれるなどの経緯があって別の国になりました。
☆何しにモルドバへ?
ずばりワインです。日本にはほとんど輸出されていませんが、モルドバは知る人ぞ知るワインの名産地です。ギネスブックにも載る世界最大のワイナリーがあるのです。
ワイナリーの話は⇒こちらへ
☆モルドバへの行き方
首都キシニョウの空港は日本の地方空港みたいにこじんまりしてますが、ヨーロッパ各地から直行便があります。筆者は隣国ルーマニアの首都ブカレストからプロペラ機で到着しました。
1時間に2,3本あり、40分くらいでキシニョウの中心「勝利の門」近くに着きます。
隣国のルーマニア、ウクライナから鉄道、バスでアクセスもできます。筆者は帰路バスでルーマニアに抜けましたが、バスターミナルは市内中心の市場近くのではなく、イスマイル通りを南にバスで20分くらい行ったところにあります。⇒地図
ウクライナからのアクセスでは、国境付近にモルドバ共和国の統治が及んでいないエリア、自称「沿ドニステル共和国」があります。治安が安定していないとのことで、通過するのはやめたほうがいいでしょう。
☆首都キシニョウ(Chisnau)
街のランドマークは、勝利の門とキシニョウ大聖堂。ここが街の中心です。 地元の人たちの憩いの場という感じで、レストランやカフェもこの周囲にたくさんあります。
全体的に社会主義の香りがする街という印象です。ソ連時代に建てられた、こけおどしのような巨大な建物が特徴的です。
筆者が泊ったホテルは典型的なスターリンクラシック造り。筆者は社会主義様式と呼んでいます。最近は欧米資本系列のホテルもできましたが、名前からして、ソ連時代はここがキシニョウで最も格式が高いホテルだったのでしょう。
街のメインストリートのシュテファン・チェル・マレ通りは賑やかで、商業施設、公的機関、劇場などが建ち並び、トロリーバスが行き交います。バスには車掌がいて、乗車してから料金を集金にきます。
通りの名前になっている15世紀の偉い王様の像もこの通り沿いの公園にあります。
キシニョウで最も活気があるのは、街中心の広大なスペースを占めている市場でした。ありとあらゆるものが売られています。ここを歩き回ると地元の人たちの生活ぶりがわかります。
泊ったChisinau Hotelの近くに美しい教会がありました。内部の装飾も見事で、しばし眺めて厳かな雰囲気に浸りました。(内部は撮影禁止)
モルドバ人は民族的にはラテン系ですが、現在の主たる宗教は正教(オーソドックスのキリスト教)です。
メインストリートからひとつ入ったところにある歴史博物館には、古代から現代までのモルドバの歴史資料が展示されています。
☆モルドバを食べる
モルドバのパイ「プラチンタ」には、さまざまな具材がはさまれます。
日本のゴハンにあたるのが「ママリガ」。メイン料理の付け合せに出てきます。とうもろこしで作られ、これだけ食べるとほんのり甘い味がします。
☆モルドバは安い!
いくつか例を挙げますと、
上記料理は上から¥500、¥550、¥320。
上記Chisinau Hotel1泊朝食付きで¥3,100
立ち飲みカフェでカプチーノ1杯¥95
ペットボトルの水500ml¥65~90
バス1回乗車で¥12
地元産ワインのフルボトル¥200~
値札の数字に2019年4月のレート:1Lei=6.1円をかけてみてください。
☆ヨーロッパ最貧国とのことですが・・・
首都キシニョウのメインストリートを歩いている限り、貧しい国という印象はほとんど受けません。街ゆく人の身なりも、彼らが行くスーパーで売られている品物のバリエーションもヨーロッパの他の国とほとんど違わない。
ホテル、レストラン、博物館のトイレは清潔で水はきちっと流れました。
しかし、いなかに行くと街の道路はボコボコになっていたり、キシニョウでも中心地から数百m離れた地下道はこうなっていました。
インフラ整備が行き届いてないということですね。バスでモルドバからルーマニアに入ると、車窓から見える民家の造りが明らかに立派になっていたのも印象的でした。
☆おしまいに
さて、いかがでしたでしょうか。筆者が2日旅したモルドバは一言で言うとワイン天国でした。首都キシニョウはとりたてて観光地という様子ではありませんが、社会主義時代ののっぺりした没個性的な建物が多く、時代を感じさせられました。昭和の日本の地方都市と似た雰囲気もありました。
一方、訪れた2つのワイナリー(クリコバとミレシティ・ミチ)はモルドバを代表する観光地で、さまざまな国からの観光客がたくさん来ていました。
この記事が将来モルドバを訪れる皆さんのお役に立てれば幸いです。